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+ 建物の修繕計画について
現在、日本の住宅の平均年数は、25~30年です。建物の性能の劣化は避けることはできませんので、早期の修繕を念頭に入れて計画的に点検と修繕を行い、建物の寿命を延ばすことが大切です。

外壁

外壁

外壁工事とは、家の外観を決めると同時に、家を支え、耐震・防火構造で家を守る、基礎工事と同じくらい重要な工事です。
外壁に使われる材質には、金属系サイディングやセメント系サイディングやモルタルなどがあります。
外壁面の亀裂は、雨水の浸透による漏水を生じたり、凍結による下地モルタルや外装タイルの浮きを生じさせ、外壁面の落下事故の原因となります。

修繕時期 6年毎を目安にするのが良いでしょう。
概算費用 建坪35坪にサイディング張り板金工事をした場合、約140~150万円です。
モルタルの場合も、ほぼ同様と考えてよいでしょう。

屋根

屋根

屋根は住まいを風雨や太陽光などから守る大切な役割を担っていますが、雨風や紫外線にさらされ続けることにより、色あせやヒビ割れ、苔や藻が発生してきます。
主な材質として、トタンとコロニアルがあります。トタン屋根は鉄ですので、長年の間に浮いてきたサビを、ヘラやワイヤーブラシなどで落とします。
コロニアルは、簡単に言えば塗装されたセメント板といったところです。トタンより軽いのですが、藻や苔が生えやすいので、高圧洗浄などでしっかりと汚れを落とします。

修繕時期 トタン屋根は、3年毎が目安ですが、少しのサビでも見つけたら塗装するようにしましょう。
コロニアルは、環境と施工によって15年過ぎても必要ないものもありますが、9年毎を目安にするのがよいでしょう。
概算費用 トタン屋根について、鉄板専用仕上げ塗り1㎡2千円から。コロニアル屋根について、平均的な30坪の家の場合、約25万円から。

外部鉄部

外部鉄部

鉄製の手すりやエクステリアなどにサビが見られたら、早急にペンキを塗るなどの対処をしておきましょう。
サビが小さいようなら、その部分をサンドペーパー等でこすり、ペンキ等でタッチアップしておきます。
放っておくと鉄の一部がなくなってしまうほどサビが進行し、全部の交換が必要になったり、その取り付けている壁の補修まで必要となってしまいます。

修繕時期 3~5年毎を目安にするのが良いでしょう。
概算費用 1㎡千円から。

配水管

配水管

水の流れにくさ、悪臭、ゴボゴボという音の響き・・・。これらの原因の多くは配水管の通気の悪さにあります。配水管にはトラップ(配水管の途中がS字状に曲がっていること)が必ず付いていますが、この部分に溜まった水(封水)がなくなってしまうと悪臭がしたり、排水がうまくいかないと封水がゴボゴボの原因になるのです。
現在は、排水時だけ空気を取り入れ、普段は閉まっている通気弁が販売されていますので、それを利用するのもよいでしょう。また、朝方一番の給水で赤サビが出るなら危険信号です。古い給水間をシームレス管にする必要があります。

修繕時期 一般的には15年が目安です。
概算費用 総取り替えで、約20~30万円(給水間・給油管共)。

キッチン・水廻り

キッチン

修繕時期
最も傷みが激しい水廻りは、こまめに点検するのが理想。
概算費用
水道工事・電気・ガス工事、タイル工事、古い流し台と吊り戸棚の解体撤去費、補修費などで約30万円。
システムキッチンを取り替える場合、平均的な一列並び約2mの商品で約70~90万円(取り付け費15%)。

内部

納戸や押入れの中には湿気がこもりカビが生えやすいので、時々戸を開けて換気をするように努めましょう。洗濯乾燥機も湿気を大量に放出するので、換気を十分にとるように気をつけましょう。
内外の温度や湿度の差が大きいほど結露がしやすくなります。水滴が床に落ち、日中に乾燥する事を繰り返すと、床材が劣化してしまうだけでなく、窓枠にカビが発生したり、壁紙がはがれたりします。結露はふき取り、通風をとるように心がけましょう。

トイレ

概算費用 全面改装する場合、古い便器とタンクの撤去処分と配水管・水道管の移設および新設、コンセント工事共で約22~25万円。

クロス

クロス
修繕時期 キッチンのクロスは汚れやすいので、6年毎を目安に貼り替えると良い。
概算費用 6畳壁・流し台と吊り戸棚を除くと壁は通常の半分だが、食器戸棚の移動に時間がかかるので、通常通り4万円くらい。リビングは小さくても8畳はあるので約8万円くらい。

フローリング床

フローリング

フローリングの価格は、大きく次の3つの材料の構成によって異なってきます。

名称 特徴
WPC床材 (下地合板に、薄くスライスした単板にプラスチックを充填したもの) 丈夫な分だけ、単板張りのフローリングより少し高め。
質感ではなく、丈夫さやメンテナンス性を考えるなら、このタイプ。
単板を張った床材( 下地合板に、0.3~2mm程度にスライスした本物の木を張っています。) 木の質感が現れてくる。無垢材までは・・・という人にはお勧め。
本物の無垢材 (厚みのすべてが本物の木です。) 乾燥度合いによって、反り、ねじれ等が生じる。日頃のメンテナンスが重要。
修繕時期 傷やタバコの焦げは、完全に補修できません。補修用の液体や固形材(クレヨン風)を塗ったり、3か月に1回ワックスがけをするのがよいでしょう。
概算費用 防音木質フローリング、6畳で15~20万円くらい。(下地材の工事費共)耐水フローリング、約12万円から。

さて、その他の工事費用はどれくらいかかるのでしょう?知っておきたいおおよその工事単価

修繕が必要になってくるのはどれくらいの年数?30年の修繕計画


安全な増改築・スムーズな修繕のために・・・書類は大切に保管するようにしましょう

定期的に点検をしてメンテナンスをしたり、安全な増改築を行うには、これまでの履歴がわかるように書類を揃えておくことが大切です。土地や建物の権利書は大切にしまってあるけど、建物の図面なんてあったかな?確認申請書って何だっけ?なんてことが往々にしてあるものです。
修繕や改築、増築を行うときには、それらの書類がないことには、一から調査を行い、安全性を確かめた上で計画をしなくてはならなかったり、実際に壁や床をはがしてから対策を考えることになってしまいます。そんな大切な書類がどこにあるのか、バタバタと探さなくてよいように一つのファイルにして保管するようにしましょう。

確認申請書と確認済証、検査済証等の申請手続き関係の書類は最も重要な書類です。契約書や契約図書の設計図の他にも工事のときに作成した図面など重要なものがありますので、リストを参照して、いま現在ある書類を確認してください。リストに表記されている図面の中には契約図書としてふくまれていない図面もあり、受け取りをしていない場合もあるでしょう。設計者や施工者に連絡をとって図面をそろえてもらうようにしましょう。
また、点検をした際の点検結果や補修工事の内容などを記録に残すようにしましょう。これらは、その後のメンテナンスや増改築の際に必ず役立ちます。もし何らかの理由でその建物を売却する際には、その価値を判断する有効な資料となります。


きちんと保管しておきたい書類のリストはこちらから→PDFダウンロード

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