住宅関連新聞記事ダイジェスト No.715  2017/12/14~2017/12/20

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住宅関連新聞記事ダイジェスト No.715  2017/12/14~2017/12/20
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【日本経済新聞】
1 大正モダン 薫る「大大阪」 船場ビル(もっと関西)
2 11月の米住宅着工件数、約1年ぶり高水準 前月比3.3%増
3 民泊施設、近隣住民に事前説明を 大阪市が条例案骨子
4 名駅・栄、容積率上限1300%に緩和 名古屋市方針
5 JR東、留学生向けシェアハウスを開設
6 三菱地所レジなど、30階建て複合ビル 北千住で着工
7 東京23区の半数、独自規制を準備 民泊法施行まで半年
8 リクルート、住宅決定前にローン事前審査
9 改正民法、20年4月施行決定 契約ルール抜本見直し
10 岡山の展示場跡地再開発 天満屋など、来年秋に複合施設
11 「IoT機器への攻撃増加」 トレンドマイクロが予測
12 鹿島、米国で住宅企業を買収

【朝日新聞】
13 18年2月にリノベの可能性探るシンポ 住団連、リ推協ほか
14 全住協、消費者相談で新サービス 会員がメールで回答
15 改正公営住宅法を閣議決定 現行の収入計算法を継続適用
16 IoTやAIサービス強化などで子会社設立 インヴァランス
17 外国籍の顧客専門の住宅営業所を開設 三承工業
18 5カ月連続で増加 首都圏11月の賃貸成約 アパートが新築・中古共に好調
19 国内最大級の大型物流施設に着工 ラサール不動産投資顧問ほか
20 マンション管理組合理事長、理事会で解任可に 最高裁が初の判断
21 不動産売買サポート新会社「フィルライフ」設立 スターツなど
22 インベスターズクラウド、不特事業拡大へ新会社
23 首都圏、ほぼ全域で強含み 11月分譲マンション賃料
24 18年度税制大綱決定 買取再販の取得税減額を敷地にも拡充
25 管理会社向け入居者管理アプリ提供開始 ファミリーネット・ジャパン
26 国内最高クラスの高断熱玄関ドアを18年4月発売 LIXIL
27 国民の決断アワードで「お墨付き住宅を買う」が5位 オールアバウト

【読売新聞】
28 「イケアとURに住もう。」、東京・千葉・福岡で6プラン新登場
29 駅より保育園・学童保育を重視!? リクルート2018年の住まいトレンドは「育住近接」
30 危機管理アドバイザーがおすすめする、「災害時に本当に役に立つ備え」とは?
31 環境省課長と突撃! 大規模マンション元理事長に聞く、断熱・省エネ修繕のメリット
32 荷物受け取りの救世主!? 「宅配ボックス」の今とこれから【宅配ボックスの実態調査(後編)】
33 無駄な内見を回避!VRゴーグルで様々なスポットを見学できる「Warp」開始
34 96.5%は荷物の「再配達」を依頼した経験アリ! その理由とは?【宅配ボックスの実態調査(前編)】
35 配偶者控除大改正、何が変わる? 
36 「あれ? この土地安い?」と思ったときに、気を付けたいポイントとは 
37 2018年度の税制改正、ポイントを解説 住宅購入に関わる減税措置や特例の延長など 
38 京都・嵐山のマンション、リノベでおしゃれな宿泊施設に 訪日外国人ターゲット 

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1 大正モダン 薫る「大大阪」 船場ビル(もっと関西) 2017/12/20 日本経済新聞
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 大阪市の人口が市域拡張で東京市を上回り、日本一になったのは1925年(大正14年)である。「大大阪」と呼ばれる黄金時代を迎えた大阪都心部には、この頃、近代的なビルが次々に建てられた。同年10月に竣工した船場ビルディング(中央区淡路町、登録有形文化財)は古き良き大阪の雰囲気を今に伝える。
 鉄筋コンクリート5階建ての外観は地味だが、中に入ると不思議な光景が目に飛び込んでくる。玄関のスロープや1階の床面に敷き詰められているのは年輪が分かる木材のブロック(木煉瓦(もくれんが))だ。空が見える吹き抜けのパティオ(中庭)があり、各階には中庭を見下ろす形の回廊が設けられている。壁はオフホワイト、手すりやドア、窓枠は深緑色に統一され、落ち着いた空間が演出されている。

■入居希望者が列
 ビルを建てたのは化粧品会社「桃谷順天館」を創業した桃谷政次郎。建築当初、1階は地下にも部屋のあるメゾネット型の住宅、2階以上が事務所として貸されていた。当時は繊維産業の隆盛期で、船場はその中心地。「中に布地を積んだ馬車や荷車がそのまま入れるようにスロープを設けたようです」。ビル管理会社の桃谷宣子社長は話す。
 90年以上の歳月を経た、大大阪時代の面影を残すレトロモダンの建物には人々を引きつける磁力が生まれている。約80ある賃貸区画は現在満室で、空き室待ちの入居希望者が列をなす。
 9月下旬に高級紳士服を仕立てるテーラーを開いた東徳行さん(38)は、船場ビルに入居する服飾関係の先輩の写真共有サイト「インスタグラム」の投稿を見てビルを訪問。「たたずまいに一目ぼれしてしまい、空きが出るまで1年半待ちました」と語る。
 弁護士の中沢未生(みお)子さんは「女性の依頼者が落ち着いて訪問できそう」と思い、今年4月に事務所を構えた。中小企業診断士、産業カウンセラーの資格も持ち、主に女性経営者からの相談に乗っている。「ここではじっくり話が聞ける。私にも居心地がいい。場所の威力ってあるんだ、と思いました」
 船場ビルに魅力を感じて入ってくるテナントには、デザインや建築、ファッション、インテリアなどの分野でこだわりのある仕事をしている人が多い。
 3階にはスペインのガウディ建築をモチーフにした螺旋(らせん)状のインテリアが特徴の小部屋があり、現在、「サロン・ドゥ・螺(ら)」という名称で古楽のミニコンサートや貸しギャラリー、学習会などに使われている。

■「南欧路地の趣」
 もともとは2012年に入居したアンティークショップのオーナーが改装してつくった土壁の異空間だ。その店が撤退することになった時、「壊してしまうのはもったいない」と、建築物の保存などに関心を持つ約20人が共同出資して合同会社を設立、「居抜き」で使うことになったという。
 その1人で1920年代の建築に関する著書もある北夙川(きたしゅくがわ)不可止(ふかし)さんは「パティオ周辺は南欧の路地のような趣がある。日本では珍しい建物」と説明する。設計した建築家、村上徹一は国内の他の実績や経歴もよく分かっていないといい「どうしてこんな設計にしたのかなど謎が多い」。
 天井が高くなっている4階には昔、ダンスホールがあったという。ビルの中を歩くと、着飾った若者たちが行き来していた華やかな大正モダンの時代を思い浮かべられるかもしれない。

《交通・ガイド》大阪市営地下鉄本町駅から徒歩で5分、淀屋橋駅から同6分。北浜駅(同7分)や堺筋本町駅(同8分)も利用できる。
 ビルの見学者への開館は平日の午前9時から午後5時。見学を希望する場合はビルを管理する桃井商事に事前に連絡が必要。館内の歩行喫煙は禁止されている。

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2 11月の米住宅着工件数、約1年ぶり高水準 前月比3.3%増 2017/12/19 日本経済新聞
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 【ワシントン=長沼亜紀】米商務省が19日発表した11月の米住宅着工件数は約129万7千戸(季節調整済み、年率換算値)と、前月の改定値より3.3%増加した。2カ月連続の増加で、2016年10月以来、1年1カ月ぶりの高水準となった。ダウ・ジョーンズがまとめた市場予測(125万戸程度)を上回った。前年同月比では12.9%増えた。
 主力の一戸建てが前月比5.3%増の93万戸だった。5世帯以上の集合住宅は0.8%増の35万9千戸だった。
 一方、先行指標である許可件数は129万8千戸で、1.4%減った。

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3 民泊施設、近隣住民に事前説明を 大阪市が条例案骨子 2017/12/19 日本経済新聞
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 大阪市は19日、民泊条例案の骨子を発表した。施設の運営者が近隣住民に対し、民泊施設として使用することを事前に説明するようルール化するのが柱。「近隣住民」の具体的な定義は今後、規則やガイドラインで定める方針だ。2018年2月議会での議決を目指す。
 18年6月の住宅宿泊事業法(民泊新法)施行に伴って定める条例に「近隣への周知」を盛り込む。営業日数や区域の制限は設けない方針。民泊新法が定める以上の独自の規制を設けると、申請せず、違法のまま営業する民泊施設が増える懸念があるとみている。
 市の担当者は「近隣への事前説明は市民の安心、安全を確保するために守ってほしい最低限のルール」としている。

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4 名駅・栄、容積率上限1300%に緩和 名古屋市方針 2017/12/19 日本経済新聞
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 名古屋市が2019年度にも、名古屋駅周辺や栄などの容積率の上限を1300%に緩和する方針であることが19日、分かった。現在の上限である1000%から引き上げる。1300%は建築基準法上の最大値で、市によると東京駅周辺並み。27年のリニア中央新幹線開通を見据え、高層ビル建設など民間投資を呼び込み再開発を促す。
 容積率は土地の敷地面積に対する建物の延べ床面積の割合で、200%だと敷地面積の最大2倍までの床面積を持つ建物を建てられる。地方自治体が商業地や住宅地など土地の用途に合わせて定めている。
 名古屋市内の商業地で1000%に指定されているのは、名駅東側のJRゲートタワーや名鉄百貨店、ミッドランドスクエア周辺と、栄の名古屋三越付近など。容積率の緩和方針は22日の市議会都市消防委員会で市が表明する。市の都市計画審議会で有識者らの意見を踏まえて具体的な指定区域を検討する。
 これとは別に、一定の区域で建物にホールや国際交流施設などを併設すると容積率を積み増す制度の新設も検討している。

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5 JR東、留学生向けシェアハウスを開設 2017/12/16 日本経済新聞
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 JR東日本は留学生向けシェアハウス事業を始める。2018年春に東京都小金井市に第1号施設を開設する。文部科学省の「留学生30万人計画」などを踏まえ、留学生の需要を取り込む。社宅を改修して賃貸住宅にするなど、生活サービス事業の強化の一環。
 第1号施設はJR東小金井駅から徒歩8分の場所で、築37年の社宅を現在改装している。3階建てで、延べ床面積は1000平方メートル強。同社子会社のジェイアール東日本都市開発(東京・渋谷)が事業主体になる。留学生向け賃貸住宅で実績があり、大学とつながりを持つジェイ・エス・ビー(京都市)に管理や募集を委託する。
 12月11日から募集を始め、18年春から入居を開始。留学生に加え、日本人学生や大学職員も受け入れる。個室70室のほか、共用の台所やトイレ、シャワー、交流スペースも設ける。月額賃料は管理費などを含め6万円程度。
 JR東日本は18年春には東京都三鷹市に保育所などを併設した子育て支援型の賃貸住宅や、川崎市に高齢者福祉施設などを複合した多世代交流型の賃貸住宅も開設する。今後も賃貸住宅を増やし、26年度までに管理戸数ベースで3000戸の展開を目指す。

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6 三菱地所レジなど、30階建て複合ビル 北千住で着工 2017/12/15 日本経済新聞
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 三菱地所レジデンスなどは2020年12月の完成を目指し、北千住駅周辺で大型再開発の工事に着手した。地上30階建ての複合ビルを建設し、住宅(184戸)や店舗が入る。計画地は老朽化した建物が多い木造住宅密集地域で、消防車が通りにくいなど防災上の課題を抱えていた。再開発で地域の防災機能を高め、若い世代などの住民を呼び込む。
 計画地は足立区千住1丁目で、JR常磐線など5路線が乗り入れる北千住駅から徒歩3分と利便性が高い。計画地の広さは約5000平方メートルで、延べ床面積は約2万4000平方メートル。4~30階にマンション、1~2階に店舗や子育て支援施設が入る。マンションは18年夏に発売し、21年2月に引き渡す計画だ。間取りはワンルーム~4LDKで、専有面積は25~110平方メートル程度。
 北千住は大学誘致などで街のイメージが変わり、人気が高まっている。再開発では約300平方メートルの空地確保や周辺道路の整備・拡幅で木密地域を解消する。

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7 東京23区の半数、独自規制を準備 民泊法施行まで半年 2017/12/15 日本経済新聞
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 住宅宿泊事業法(民泊法)の施行まで半年に迫るなか、自治体が条例で独自に営業エリアや日数を制限するなど上乗せ規制する動きも広がってきた。観光客が多くいち早く動きが進む東京都内では、12月に入って大田区と新宿区でそれぞれ規制条例が成立。導入の方針を表明している区を含めると、すでに23区の半数近くが規制案を公表し準備を進めている。
 大田区の場合は住宅地(住居専用地域)や工業地域などでの営業を全面禁止。新宿区は月曜正午から金曜正午まで住宅地での営業を認めないことを決めた。世田谷、中野などの区も独自規制案を公表しており、18年2月開会の各区議会に条例案を提出する考えだ。
 都道府県や保健所を置く市・東京23区は民泊法にもとづき条例で独自に規制ができる。訪日客に人気の高い北海道や京都市も導入する方針を打ち出す。
 各地の自治体が独自規制を設けようとする背景の一つにあるのが、許可を得ない「ヤミ民泊」の増殖だ。
 「民泊は禁止」。渋谷区のあるマンションでは入り口に4言語で警告されている。
 しかし、複数の部屋の持ち主がひそかに仲介サイトに掲載。住民女性は「スーツケースを引く旅行者が現れる」と眉をひそめる。厚生労働省の調査では、許可取得を確認できた物件は対象の16.5%にとどまった。サイト「民泊ポリス」には、「騒音やゴミ出しなどマナーが悪い」といった無許可民泊の情報が、開設から1年半で1500件強寄せられた。
 ただ、規制があまりに厳しくなれば、民泊法が骨抜きになると懸念する声もある。当面、規制と普及の難しいバランスが求められそうだ。

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8 リクルート、住宅決定前にローン事前審査 2017/12/15 日本経済新聞
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 リクルートホールディングス子会社のリクルート住まいカンパニー(東京・中央)は16日、住宅ローンの事前審査を購入する住宅が確定する前に申し込めるサービスを始める。全国約100店の相談窓口「スーモカウンター」で扱う新築マンションが対象。金利や借入限度額が事前に分かるため、購入計画をスムーズに進められるようになるという。
 通常の住宅ローンは借り手と物件の与信がそれぞれ必要となるため、購入物件が決まってから事前審査を申し込む。今回はスーモカウンターで事前審査を終えられるため、購入計画が立てやすくなるという。りそな銀行や近畿大阪銀行、埼玉りそな銀行、イオン銀行の4行が対応する。

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9 改正民法、20年4月施行決定 契約ルール抜本見直し 2017/12/15 日本経済新聞
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 政府は15日の閣議で、企業や消費者の契約ルールを定める債権関係規定(債権法)に関する改正民法を2020年4月1日に施行すると決めた。民法制定以来、約120年ぶりに債権部分を抜本的に見直し、今年5月に通常国会で成立した。インターネット取引の普及など時代の変化に対応し、消費者保護を重視した。改正は約200項目に及び、周知を図る。
インターネット通販など、不特定多数の消費者と同じ内容の取引をする場合に事業者が示す「約款」の規定を新設。消費者の利益を一方的に害する条項は無効になると定めた。契約内容の確認不足によるトラブルで泣き寝入りするケースが減りそうだ。
 当事者間で利率を定めていない際に適用する「法定利率」は引き下げる。現在は年5%で固定されているが、低金利が続く実勢に合っていない。年3%に引き下げ、3年ごとに見直す変動制も導入する。
 連帯保証制度は、中小零細企業への融資などで親族や知人など第三者が個人で保証人になる場合、公証人による自発的な意思の確認が必要になる。リスクを十分に認識せずに保証人になったために自己破産に追い込まれるような事例を防ぐ。
 生活に密着したルール変更も多い。賃貸住宅の敷金について、退去時に原則として返すと明文化した。飲食代のツケ払いは取り立て期間が長くなる。飲食代は1年、弁護士報酬は2年など業種ごとに異なる「短期消滅時効」を改め、原則「権利を行使できると知ってから5年」に統一する。

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10 岡山の展示場跡地再開発 天満屋など、来年秋に複合施設 2017/12/15 日本経済新聞
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 百貨店の天満屋などは14日、岡山市の問屋町地区にある貸し展示場「オレンジホール」跡地を再開発し、住宅展示場と商業店舗を組み合わせた複合施設「問屋町テラス」を建設すると発表した。同地区には近年、衣料店や雑貨店、飲食店が開業し、若者を中心に人気を集めている。2018年1月の着工、10月の開業を予定する。
 天満屋は不動産業のベルデ企画(岡山市)、天満屋グループで建設・設計業のティ・シー・シー(同)と共同で、ホールを所有する協同組合岡山県卸センター(同)と20年の事業用定期借地契約を締結した。敷地面積は約6970平方メートル。JR岡山駅から約4キロの距離で国道からも近い。
 住宅展示場エリアには県内メーカーなどのモデルハウス9棟が建つ。商業店舗棟は2階建てで、延べ床面積や総投資額、入居テナントは未定。敷地の中央部には広場を設け、イベントなどを開催できるようにする。住宅展示場と商業店舗を組み合わせた施設は、県内で初めてという。
 オレンジホールは繊維卸などで構成する同協同組合が運営してきたが、利用減や老朽化で17年6月末に閉館していた。

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11 野村不、サービスアパートメントに参入 まずタイで 2017/12/14 日本経済新聞
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 ■野村不動産 14日、タイでサービスアパートメント事業に参入すると発表した。英インターコンチネンタル・ホテルズ・グループ(IHG)と組み、バンコクの高級住宅地に物件を開発。2019年の完成を目指す。
 タイ不動産大手のオリジンと組み、バンコクの高級住宅地トンローで物件を開発する。建物は31階建てで、敷地面積は2800平方メートル。IHGが欧米を中心に展開するサービスアパートメントブランド「ステイブリッジ スイーツ」で展開する。投資額は明らかにしていないが「数十億円」(野村不動産の塚崎敏英執行役員)という。
 野村不がサービス付きの賃貸住宅を展開するのは、国内外含めて初めて。塚崎執行役員は会見で「ポテンシャルのある国であれば他国への展開も考えていきたい」と語った。
 同社は2025年までの中期経営計画で、東南アジアを中心としたアジアの住宅・賃貸事業で3000億円の投資を予定。すでにベトナムやフィリピンで分譲住宅の開発に取り組んでいる。タイでは8月にオリジンとジョイントベンチャーを立ち上げ、分譲用コンドミニアムの開発を始めている。今回はオリジンが2021年までに開業を目指す3物件のうち、1件で協力する格好だ。

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11 「IoT機器への攻撃増加」 トレンドマイクロが予測 2017/12/14 日本経済新聞
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 トレンドマイクロは2017年12月14日、2018年のサイバー攻撃動向を予測したレポートを公表した。ランサムウエアを使った手口が定着するのに加え、IoT(インターネット・オブ・シングズ)機器へのサイバー攻撃が拡大すると、注意喚起している。今後IoT機器の普及に伴い、脅威は深刻化するとみられる。
 トレンドマイクロはレポート内で、「IoT機器のすべてがセキュリティーを考慮して設計されたものではない」と指摘する。しかも、PCに比べて更新プログラムを適用する際の作業が複雑だ。IoT機器が、ネットワークに侵入するための入り口になり得ると見込む。過去には、IoT機器を狙ったマルウエア「Mirai」が猛威を振るい、Miraiの亜種も確認されている。
 一例として挙げるのがドローンだ。配達用途などで使用するドローンの乗っ取りが懸念されるという。ドローンの悪用も考えられる。ハッキングツールを搭載したドローンを飛ばし、LTEやWiFiを傍受。通信中のPCの情報を不正に収集するといったケースが発生する可能性があるとする。
 スマートスピーカーを通して、個人の住居を特定したり、住宅侵入に活用したりする可能性もあるという。こうした攻撃に対し、利用者自身による初期パスワードの変更やファームウエアの定期更新といった基本的なセキュリティー対策が必要とする。
 トレンドマイクロは、ビジネスメールを装った詐欺への警鐘も鳴らす。ビジネスメール詐欺の被害額は、2016年末までの累積で50億米ドルだったが、2017年末には90億米ドルに達すると予測。2018年には、さらに被害が拡大すると見る。特に、企業の役員になりすまして送金を指示するといった手法が増加するという。従業員教育の徹底に加え、送金手続きを巡る業務プロセスの見直しが有効だとする。
 セキュリティー対策を向上させる技術として期待される機械学習やブロックチェーン技術も万全ではない。トレンドマイクロは、機械学習による検出をかいくぐるランサムウエアを確認済み。ブロックチェーンに関しては、「Ethereum(イーサリアム)」上で稼働する事業投資ファンド「The DAO」が脆弱性を突かれ、数十億円の仮想通貨が流出した。「新技術についても、過信せずに細心の注意を払って利用していく必要がある」(トレンドマイクロのレポート)
 2017年は、ランサムウエア「WannaCry」が世界中に被害をもたらした。攻撃者にとってはランサムウエアは新たな“ビジネスモデル”として定着しているといい、攻撃手段を手軽に入手できるサービスも存在する。「ランサムウェアの脅威は2018年も衰えることはないと予測される」(トレンドマイクロのレポート)

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12 鹿島、米国で住宅企業を買収 2017/12/14 日本経済新聞
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 ■鹿島 14日、米国の住宅企業フラワノイ(ジョージア州)を買収したと発表した。米国南部で賃貸集合住宅の開発・建設・運営を手掛けており、2016年12月期の売上高は約200億円。鹿島は北米で既に展開する既存の建設・開発事業との相乗効果を見込む。創業者などから全株式を取得した。投資額は数十億円と見られる。

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13 18年2月にリノベの可能性探るシンポ 住団連、リ推協ほか 2017/12/20 朝日新聞
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 住宅生産団体連合会、住宅リフォーム推進協議会、住宅金融支援機構の主催する「住宅リノベーションシンポジウム」が18年2月9日、東京・水道橋の同機構すまい・るホールで開かれる。時間は午後1時30分から4時30分までで、参加無料。要事前申し込みで先着200人。
 同シンポジウムでは、「住宅産業の未来を切り拓く住宅リノベの可能性」をテーマに、省エネ性能など住まいの質を向上させるリノベについての事例や動向などを紹介。東京大学の松村秀一教授による基調講演「住宅産業の大転換」や、リノベの専門家によるパネルディスカッション「住宅リノベ 次のステージ」が行われる。
 参加希望者はURL:https://krs.bz/jhf/m?f=191の申し込みフォームに必要事項を入力して送信。問い合わせは同機構個人業務グループ、電話03(5800)8448へ。

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14 全住協、消費者相談で新サービス 会員がメールで回答 2017/12/20 朝日新聞
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 全国住宅産業協会はこのほど、インターネット上で、一般消費者から寄せられた住まいに関する悩みに対して協会会員が回答する「住まい相談サービス」の試行運用を始めた。消費者と会員それぞれのニーズや、運用上の課題を整理し、18年4月をメドに本格運用に移行する。

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15 改正公営住宅法を閣議決定 現行の収入計算法を継続適用 2017/12/19 朝日新聞
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 政府は12月19日に、「公営住宅法施行令の一部を改正する政令」を閣議決定した。これにより18年1月1日以降の改正所得税法の施行後も、公営住宅入居者の「収入」の計算で現行の所得控除の方法が引き続き適用されることとなった。
 今回の所得税法の改正では「控除対象配偶者」の定義が見直された。これまで所得制限は設けられていなかったが、「居住者の合計所得金額が1000万円以下」との所得制限が設けられることとなった。また、「老人控除対象配偶者」についても同様の所得制限が設けられた。
 そこで改正法施行後も公営住宅の「収入」の計算で、現行と同様の所得控除の方法を引き続き適用させるため、公営住宅法施行令の一部を改正し、これまでの「控除対象配偶者」を「同一生計配偶者」、「老人控除配偶者」を「同一生計配偶者で70歳以上の者」と改正する。改正前の所得税法による制限のない「控除対象配偶者」に相当させる。

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16 IoTやAIサービス強化などで子会社設立 インヴァランス 2017/12/19 朝日新聞
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 インヴァランスは子会社として、「ACCEL LAB」(アクセルラボ)と「スペロボ」を設立し、事業を開始した。設立の狙いには、自社開発のIoT、投資を行ったスマートホームAIを活用した事業の強化、新たなIoT・AI関連サービス、事業の開発や提供にあり、住空間のスマート化を提案していく。
 入居者やオーナーがコミュニケーションを図れるアプリシステムやIoTデバイスの開発や提供を行う。

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17 外国籍の顧客専門の住宅営業所を開設 三承工業 2017/12/19 朝日新聞
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 岐阜県で住宅の建築やリフォームなどを手掛けている三承工業(岐阜市、西岡徹人社長)は20日、同県可児市に外国籍の人専門の住宅営業所「SUNSHOW Global Office」を開設する。
 同営業所開設に当たっては、同社が14年に美濃加茂支店を開設して以来外国籍の受注が増えており、現在では全体の2割を占めているという背景がある。そうした中、外国籍の人が住宅を購入する際のハードルとして、住宅ローンの借り入れや永住権取得の有無、言語の壁などがあるため、「より充実したサービス提供のため」(同社)、今回の専門営業所の開設に至った。
 同営業所では主に英語とポルトガル語を使用し、住宅ローンの融資手続きや申請業務、土地探しなどは日本人のスタッフが行う。また書類やパンフレット、看板なども各言語に対応し、住宅取得についての一貫したサポートを行っていく。

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18 5カ月連続で増加 首都圏11月の賃貸成約 アパートが新築・中古共に好調 2017/12/18 朝日新聞
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 アットホームの調査によると、11月の首都圏における居住用賃貸物件成約数は1万6746件で、前年同月比2.3%増となり、5カ月連続でプラスとなった。アパートが新築・中古共に好調で同6カ月連続増と好調だった。マンションは新築が同4カ月連続増。中古は23区の成約増が神奈川県・埼玉県の減少をカバーし、再び増加に転じた。エリア別に見ると、東京23区は7709件で同7.4%増、東京都下(1438件、同8.1%増)も増加し、それぞれ同6カ月連続増。千葉県(1758件、同2.3%増)も同5カ月連続で増加。これに対し、神奈川県(4212件、同4.5%減)は同2カ月連続で減少。埼玉県(1629件、同5.8%減)も同8カ月連続の減少となり、引き続きエリアによる好不調の差が大きかった。
 成約物件の戸当りの賃料指数は、マンションは新築が109.8、中古は94.6で共に前月比3カ月ぶりに下落。アパートは新築(102.9)が同2カ月連続で上昇。中古(99.2)は同3カ月ぶりに下落となった。

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19 国内最大級の大型物流施設に着工 ラサール不動産投資顧問ほか 2017/12/18 朝日新聞
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 ラサール不動産投資顧問、三菱地所、NIPPOの3社は12月15日、大型物流施設「ロジポート川崎ベイ」に着工した。
 同施設は3社が共同出資する特定目的会社が事業主体となって開発する。敷地面積が13万4832平方メートル、延べ床面積が29万6798平方メートルで、国内最大級の5階建てマルチテナント型物流施設となる。
 立地は川崎市川崎区東扇島。首都高速湾岸線の東扇島出入口まで約1.5キロメートルに位置し、東京や横浜へのアクセスが良好。また、川崎港至近に位置し、各高速道路へのアクセスも良好なため、広域への輸配送も可能となる。
 竣工は19年5月31日を予定している。

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20 マンション管理組合理事長、理事会で解任可に 最高裁が初の判断 2017/12/18 朝日新聞
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 マンション管理組合の理事長を理事会で解任できるかどうかが争われた裁判の上告審判決で、最高裁第一小法廷(大谷直人裁判長)は12月18日、「理事会で選任した理事長について、理事の過半数の一致で理事長を解任することができる」との初めての判断を示した。そして「解任できない」とした、一、二審判決を破棄し、理事会の手続きの瑕疵の有無などについて審理するため、本件を高等裁判所に差し戻した。

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21 不動産売買サポート新会社「フィルライフ」設立 スターツなど 2017/12/15 朝日新聞
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 スターツコーポレーションとリブセンスの2社は、ITを使って不動産売買などの取引をサポートする合弁会社「フィルライフ」の設立について、合弁契約締結で合意した。2018年1月に新会社を設立する予定。
 スターツグループによる不動産取引、また、リブセンスのITと不動産テックを活用した情報提供サービスといった両社のノウハウと実績を融合させ、不動産流通市場の更なる活性化を実現する。
 具体的には以下の2つのサービスを提供する。(1)不動産の購入・売却・投資を検討する消費者にデータを最大限に活用して対面でアドバイスし、最適な不動産会社を紹介する窓口サービス「住まいのミカタ」(2)売主・買主双方のメリットを最大化させるためITを活用した新たな不動産取引サービス(着手時期未定)
 オフィスは東京・日本橋に置く。社長にはスターツピタットハウスの早川哲氏が就任する。

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22 インベスターズクラウド、不特事業拡大へ新会社 2017/12/15 朝日新聞
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 インベスターズクラウド(東京都港区、古木大咲社長)は12月14日、展開している不動産特定共同事業を独立化させるため、18年1月4日付で新会社「TATERU Funding(タテルファンディング)」を設立すると発表した。同事業の拡大と提供商品の多様化を図る。

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23 首都圏、ほぼ全域で強含み 11月分譲マンション賃料 2017/12/15 朝日新聞
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 東京カンテイの調査(https://www.kantei.ne.jp/)によると、11月の首都圏・分譲マンション賃料は、ほぼ全域的に強含んだ影響から、前月比0・6%上昇の2661円(1平方メートル当たり、以下同)と3カ月連続で上昇した。都県別で見ると、東京都は同0・7%上昇の3174円(同)と引き続き上昇したものの、前年同月をやや下回る水準で推移している。神奈川県(2130円、同0・6%上昇)では3カ月ぶりに、築古事例が減少した埼玉県(1588円、同2・4%上昇)でも5カ月ぶりにそろって反転上昇となった。一方、千葉県(1506円、同0・2%下落)ではわずかながら弱含んだ。

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24 18年度税制大綱決定 買取再販の取得税減額を敷地にも拡充 2017/12/15 朝日新聞
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 自民党と公明党による与党は12月14日に、18年の税制大綱を取りまとめた。住宅不動産関連では、買取再販での住宅取得と、耐震基準を満たしていない住宅を取得後に耐震改修を行った場合の双方の特例措置で、建物以外にも敷地への拡充が認められた。また土地の固定資産税への負担調整措置と条例減額制度は3年間延長される。

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25 管理会社向け入居者管理アプリ提供開始 ファミリーネット・ジャパン 2017/12/14 朝日新聞
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 ファミリーネット・ジャパンは、入居者との円滑なコミュニケ―ションをサポートするクラウド型アプリケーションサービス「おへやアプリ」(TM)を賃貸管理会社や社員・学生寮の運営管理受託会社など向けに提供を開始する。
 サービス内容は、入居者サイト(スマートフォンアプリ、パソコン)とそのサイトを簡便に設定変更できる管理画面がセットになる。導入すれば、バックオフィス機能の業務を効率化できるという。例えば、画面を通じて入居者に情報を発信でき、電話や来店してもらわなくても、更新や退去の手続きができる。同社の試算によると、管理物件が4000戸の場合に1戸当たりの月額費用は約50円となる。

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26 国内最高クラスの高断熱玄関ドアを18年4月発売 LIXIL 2017/12/14 朝日新聞
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 LIXILは18年4月2日から、業界初(同社調べ)となる樹脂枠の採用により国内最高クラスの断熱性能を実現した高断熱玄関ドア「グランデル2」を発売する。
 同新商品は、樹脂枠採用の「ハイグレード仕様」と、サーマルブレイク枠を使用した「スタンダード仕様」の2種類を用意。また業界最多(同)となる27デザイン(うち3デザインは「ハイグレード」専用)・17カラーのラインアップを揃え、多様なニーズに対応する。
 価格は、片開きドアの仕様でスタンダード仕様が35万4000円~58万4000円。ハイグレード仕様は70万円~76万円。どちらも税別で、組み立てや取り付け、運搬などの費用は含まない。

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27 国民の決断アワードで「お墨付き住宅を買う」が5位 オールアバウト 2017/12/14 朝日新聞
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 総合情報サイト「ALL About」を運営するオールアバウトは12月13日、今年生活者にとって特徴的だった事柄をランキング形式でまとめた「国民の決断アワード2017」を発表。暮らし部門で「続『中古“で”いい』から『中古“が”いい』~お墨付き住宅を買う決断」が1位、総合ランキングで5位を獲得した。
 「お墨付き住宅を買う決断」の内容はオールアバウトと住宅メーカー7社が合同で運営するサイト「イエノミカタ」が11月上旬、中古住宅の購入検討者を対象に実施したインターネットリサーチ。どの建築会社によって建てられたかを考慮した人(439人)のうち、約8割が「全国展開する大手ハウスメーカー」を購入先として検討したと回答している。
 アワードのランキングは専門家へのアンケート結果、ALL About編集部の審議で決定される。

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28 「イケアとURに住もう。」、東京・千葉・福岡で6プラン新登場 2017/12/20 読売新聞
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(独)都市再生機構(UR都市機構)とイケア・ジャパン(株)は、全国で実施している「イケアとURに住もう。」の平成29年度新プラン展開を決定、東京都・千葉県・福岡県にて5団地6プランを追加し、平成30年1月27日(土)より入居者募集を開始する(一部団地を除く)。
新プランは、クラシカルな色調のツートンカラーの壁を特徴とした住戸や海辺の爽やかさをイメージした住戸、壁面にキャビネットなど設置できるカラフルな壁を用意した住戸などが登場。団地ロケーションに合わせてそこに住む家族の暮らしを想定して暮らし方を提案する。
「サンヴァリエ桜堤」(武蔵野市桜堤、1LDK:56.78m2、3戸)では、「スカンジナビアンモダンスタイル」を提案。シンプルで機能的、自然素材を生かしたデザインで、大胆な色彩をアクセントに使い、高品質で洗練された空間に仕上がっている。
「コンフォール舞浜」(浦安市弁天、3LDK:71.74m2、1戸)では、「ポピュラートラディショナルスタイル」を提案。クラシカルな色調のフローリングやツートンカラーの壁が特徴。モノトーンの家具を配置し、ラグジュアリーな空間を演出している。
また、新プラン発表に合わせ、IKEA Tokyo-Bay(千葉県船橋市)に、UR賃貸住宅オリジナルブースを設置。「イケアとURに住もう。」の新プラン住戸の室内やUR賃貸住宅の四季の屋外環境をVRの360度動画で体験することができる。

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29 駅より保育園・学童保育を重視!? リクルート2018年の住まいトレンドは「育住近接」 2017/12/20 読売新聞
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リクルートホールディングスが、恒例の「2018年のトレンド予測」を発表した。これは、「住まい・美容・人材派遣・飲食など8領域の新たな兆し」として、2018年のトレンド予測をキーワードで発表するもの。筆者専門の住まい領域のトレンド予測は、『職住』ならぬ「『育住』近接」。うーん、それほど新味がないかなと思ったのだが、どうやら単なる距離の問題ではないようだ。

駅からの距離より、保育園や学童を重視する傾向が増えていく
マンションを購入する層で共働き世帯が増えているので、「駅からの距離」を重視する傾向はますます強まっている。リクルート住まいカンパニーの2016年の調査結果では、「駅からの距離」を重視する割合が過去最高だったという(画像1)。
一方で、「教育環境」を重視する傾向も強まっていて、こちらの割合も2016年で過去最高に達した。
以前取材した子育て世帯は、子どもが私立の小学校に合格したので、その小学校の近くで家を探したと言っていた。小学校への道のりの安全性も気になるようで、できるだけ短くしたいと考えたという。子育て世帯ならではの発想だ。
また、最近の待機児童問題は、保育園から学童保育へと広がっている。働くママにとって、子どもを預けることができる場所の確保は大きな問題だ。リクルート住まいカンパニーが子育て世帯に調査したところ、「保育園や学童保育が設置されているマンション」なら、駅からの距離は許容できるという回答は約35%あったという。
「通勤より子どもを預けられる場所のほうを優先」という子育て世帯が増えて、「育住近接」重視へということは、当然の流れだろう。ここまでの話なら、特に新しい兆しということでもないように思えたのだが、面白い事例が増えているというのだ。
近くにあるだけではなく、ハード+ソフトの両輪で子育て支援
そこで、新しい兆しが感じられるとして紹介された、いくつかの事例を見ていこう。
まず、「子育てママの助け合い」を促す賃貸の共同住宅の事例(へーベルメゾン母力)。中庭に子どもが遊べる場とそれを見守るママが集える「お母さんステーション」を設置し、各住戸から中庭に出入りしやすいように設計されている。入居には、住民憲章「子育てクレド」への賛同が前提で、先輩ママが定期訪問して相談にも応じてくれる仕組みを整えた。互いに助け合いができるハードとソフトを備えた、江戸時代の長屋のような住宅だ。
次に、分譲マンション内に施設として民間学童を誘致する事例(ザ・パークハウス国分寺四季の森)。預かるだけでなく、英語や音楽、芸術など豊富なプログラムで充実した学び・体験ができるようにしたもの。同じような事例として、UR賃貸の団地の敷地内に、多彩な学び・体験ができる民間学童を誘致したもの(東雲キャナルコートCODAN)もある。
顔見知り同士で子どもの送迎や託児の頼り合いができるネットの仕組み「子育てシェア」(有料、謝礼1時間当たり500円~700円)を導入した事例(イニシア大井町)もある。交流イベントなども開催し、顔見知りを増やす工夫もしている。こうした手法なら、既存の規模の小さいマンションでも実現可能だ。
いずれも、単に居住空間に子育て施設があるという利便性だけでなく、ママたちの精神的・時間的な負担も軽減し、豊かな子育てができるソフトを提供することが大きな特徴だ。
保育園不足が指摘されるなか、国土交通省と厚生労働省は、保育園不足が見込まれるエリアに大規模マンションを新築する場合は、保育施設などの設置をするように要請する通達を出した。今後は、マンションや団地内に子育て施設が併設される事例が増えると見込まれている。
ただし、子育て施設をつくるというだけでなく、子育て支援でどういった付加価値を備えていくか、ソフトの工夫も同時に求められる。
在宅勤務やテレワークの推進、高齢者の子育て参加など、社会は大きく変わりつつある。居住する人たちのライフスタイルやニーズに応じた、それぞれ独自の「育住近接」が実現されることに期待したい。
その他の領域については、次の通り。いずれも、「人生100年時代」「働き方改革」「役割と価値観の多面化」といった社会のメガトレンドを受けているといえるようだ。

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30 危機管理アドバイザーがおすすめする、「災害時に本当に役に立つ備え」とは? 2017/12/20 読売新聞
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防災に関心が集まる現在、防災グッズはとりあえず用意したけれど、なんとなく不安を感じたまま日々を過ごしているという人は多いのではないだろうか。まさかのときに困らないためには、どんな備えをしておくべきかを、被災地での支援活動等を積極的に行っている、危機管理教育研究所代表の国崎信江さんに話を伺った。

まず注意すべきは家具の配置
まず、あまりお金や時間をかけることなくすぐにでも実践できる住まいの工夫を教えてもらった。
「家具の配置に気を付けましょう。いざというときのために逃げる動線を確保しておくことが大切です。玄関に大きな棚があると倒れて逃げられません。また寝室には大きな家具は置かないような工夫をしてください」と国崎さん。寝ているときに家具が倒れてケガをすることも多い。家電などが飛び出さないように滑り止め粘着ジェルマット等で止めておくのも大切なことだ。
「最近では防災グッズを用意している方が多いですが、ふだんの生活では意外に気付かない、実際に被災生活を送る場面で必要なものをプラスしておきましょう」
具体的には寝室にスリッパを置いている人はいるが、室内を歩くときでも長靴などの底の厚い靴が必要だそうだ。また、「室内に壊れたガラスが散乱した場合、掃除用具がまず必要になるので忘れずに用意しておきましょう。軍手よりも防刃手袋のような手を保護してくれる手袋を準備しましょう。災害ごみとなった生活用品はビニール袋よりも麻袋のような丈夫な袋に捨てると破れにくいのでおすすめですよ」(同)
加えて意外に忘れがちなのは、給水時に水を運ぶ給水袋も備えておきたいものだ。

味見もアリ!?食材も一工夫で「備蓄用」に
また日ごろから防災グッズを暮らしのなかで活用しておくことも大事とのこと。「カセットコンロのように、家族で鍋を囲んだり、庭でBBQを楽しんだりしていれば、とっさのときにも使い方が分かり、非常時にも慌てません」
また備蓄用の食べ物もふだんから食べてみるのが大切だそうだ。「非常食も最近ではどんどんおいしくなっています。気が付くと賞味期限切れということを防ぐこともできるので、一度はみんなで味見をしておくといいですよ。自分たちの好みのものを用意しておけば、つらい避難生活でも楽しみが増えますから」
また特に備蓄用ではない食べ物でも、パスタや乾麺、缶詰などふだんから多めに用意して、順番に新しいものから使っていくことでも備蓄になるそうだ。「災害時は野菜不足になるので、野菜は下ゆでしてカットして冷凍しておけば自然解凍しておいしく食べられます。食べる順番は冷蔵庫の食品、常温保存している食品、非常食のように傷みやすいものから食べていくと変化があってよいですよ」

リフォームするなら防災観点もお忘れなく
建物の老朽化などでリノベーションする必要がでてきた場合には、良い機会なので一緒に防災についても取り組んでおくとよいそうだ。
「最近の傾向としては、寝室はコンパクトにまとめ、リビングをより広くした間取りが人気を集める傾向にあります。そのため、なるべく寝室には家具を置かなくて済むようにしておくことは大切です。なるべく収納スペースは造り付けにして余計な家具を置かなくてもよいようにしておくといいですね」
室内の動線にも配慮しておくのがベストだそうだ。「一戸建てならば階段の位置が大事です。動線を考えてどこに階段を置くかを考えておきましょう。例えばリビングの中に階段があるような間取りだと、2階にいる家族の避難状況が把握しやすいですね」と国崎さん。
マンションの場合でも動線は重要だ。「マンションによっては、各部屋に小さいウォークインクローゼットや収納があちこちについていますが、それを1つに集約して、出入口がいくつもあるというウォークスルークロゼットをつくれば『閉じ込め』に遭いにくい空間になります」。個々の部屋の出入口が一カ所しかなくても、ウォークスルークロゼットがつながっていれば、部屋のドアとクローゼットといった2つの動線から部屋の外に出ることができる。
冷蔵庫やテレビなど、明らかに置き場所が決まっているような場所には、あらかじめその壁に補強板をつくっておくことも効果的だという。「賃貸マンションの場合は壁に穴をあけられない場合がありますが、防災に関しては家主に相談してみてもいいと思いますよ」。加えてバルコニーにモノを置かないようにするのも動線のために大切なことだ。

レンタルシステムやクラウド活用 モノを減らすのも防災に役立つ
国崎さんは、防災の観点からモノを減らすべく、新しいサービスも活用しているそうだ。
「最近ではレンタルシステムを活用して、なるべくモノを持たない暮らしを心がけています。客用の布団、ベ
ビーグッズ、冠婚葬祭や季節によって必要なものなど、何でも今は借りられますから積極的に活用しましょう」
20年も前からトランクルームなどさまざまな新しい試みをしているそうだ。
「以前は、限られた収納スペースだったので、少し離れた地方の県にトランクルームを借りていました。何かあってもすべてをなくすことがないのでリスクヘッジになります」
今は、衣類のクリーニングについても、保管付きサービスを利用している。「日ごろの利便性と 防災の両面で重宝しています。本当に重要なものは銀行の貸金庫を借りて保管するのも一案です。自宅に貴重品を置かなければ盗まれる心配もしなくて済みます」
子どもの本以外は時間をかけて写真に残し、デジタル化しているそうだ。「子どもが小さいときからつくった絵や作品も写真に撮ってデータで残してクラウドサービスで保存しています。上の子が大きくなったときに、今までの軌跡として見せてあげたら、すごく感動してくれました」一見合理的だが、心がこもった方法かもしれない。
室内にモノが少なければふだんのくらしにも便利だ。「収納スペースに合わせて暮らしているので、子どもたちも余計なモノを欲しがりません。逆に本当にいいモノはふだんから使うようにしています。そのほうが扱い方も丁寧になり、勉強にもなると思っています」
国崎さんの家では家族全員のパスポートをきちんと更新して、何かあったらすぐ海外に出られるような準備もしているそうだ。最近話題の多拠点居住もリスクヘッジに有効だと教えてくれた。
「子どもたちには日ごろからキャンプなどを体験させ、非日常にも慣れさせておくことが大切です」
国崎さん一家ほど徹底できるかどうかはともかくとして、日ごろの備えが「まさか」というときに力強い味方になってくれるということは、覚えておきたいところだ。

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31 環境省課長と突撃! 大規模マンション元理事長に聞く、断熱・省エネ修繕のメリット 2017/12/20 読売新聞
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住宅のリフォームが省エネルギーにつながることは分かっていても、なかなか進めづらいもの。自宅はもちろん、特にマンション全体でリフォームを進めようとすると住民間での調整が必要で、単世帯ごとで決められないだけに難易度が高いことがあります。SUUMOジャーナル編集部では今年9月、地球温暖化対策のために省エネ対策を推進する環境省 地球環境局 地球温暖化対策課の松澤課長に、住宅関係の地球温暖化対策について直撃取材。 松澤課長によると、「電球や家電の買い替えに加えて、住宅を改修することで省エネ目標を達成できる」というお話だったのですが、そうは言っても「言うは易く行うは難し」ということわざもあります。
地球温暖化対策の旗振り役である松澤課長宅は、果たして万全の対策をされているのか。編集部員Y(20代男性)がまずは松澤課長宅に押しかけ、家電から窓ガラス、サッシまで厳しくチェック! さらに、個人のリフォーム以上に難易度が高いと言われるマンションの省エネ改修工事はいったいどの程度大変なのか、お役所の方にも知っていただきたい。松澤課長と一緒に、とあるマンション管理組合の元理事長にお話を聞きに行きました。

ご自宅におじゃまします!環境省課長自宅の温暖化対策状況は!?
―― 本当に来てしまいました。本日はよろしくお願いします。
松澤課長「ほ、本当に来られたんですね。よろしくお願いします」
―― 先日の取材では、日本が温暖化対策の目標値(2030年度にマイナス26%削減)を達成するためには、各家庭では「電球をLEDに換える」「冷蔵庫を省エネ対応のものに換える」「エアコンを省エネ対応のものに換える」「窓ガラスをシングルガラスから複層ガラスに換える」の4つのうち、いずれか3つを対応すればよいとのことでした。ということはLED交換や家電の買い替えはもちろん対応ずみ、と(室内を見わたす)。
松澤課長「一応、普段使っているリビングの電球はLEDになっています。他の部屋は夜寝るだけなので使用頻度も低いですし、切れたタイミングで交換する予定です」
―― なるほど、まずは1つクリアですね。エアコンや冷蔵庫はどうでしょうか。
松澤課長「エアコンは去年の冬に買い替えました。やはり性能が上がっていて、夏場(8月)で電気代が1万5500円から7700円と半分程度に下がっています (室内で犬を飼っているので、夏は日中エアコンが稼動)。年間で2万6000円(約30%)電気代を節約できました。冷蔵庫は10年選手なので、そろそろ買い替えのタイミングかなと考えています」
―― あれ? この窓は、シングルガラスでアルミサッシ。推進する立場なのに、まさか自分では実行されてない、なんてことは……。
松澤課長「なかなか厳しいことをおっしゃいますね。確かにそのとおりです。窓は複層ガラスに交換していないですし、サッシも断熱性が高い樹脂素材ではなく、アルミです。検討はするのですが、マンションなので共用部の窓のリフォームとなると難易度が高くて――。でも冬場が寒いのに加えて、結露が多くて困っています。換気もしているのですが、レースカーテンがかびてしまっていて」
―― これはひどいですね。個人宅でもこうですから、マンション全体の省エネリフォームはもっと大変そうです。実は、私の知人に玄関や窓のリフォームを大規模マンションで実現した元理事長がいるのですが、その人に話を聞きに行きませんか。課長のお仕事の参考になるかもしれませんよ。
松澤課長「えっ、今からですか……。分かりました」
環境省課長と一緒に突撃! 大規模マンションの省エネ修繕、実態は?
心なしか元気がなくなった課長とやってきたのは、横浜市内の高台に位置する全105戸のとあるマンション。案内いただくのはこのマンションの管理組合で、以前理事長を務められていた岸一正(きし・かずまさ)さんです。
岸「本日はようこそいらっしゃいました。私が岸です」
―― 岸さんは理事長としてマンション大規模修繕を推進されたんですよね。どんな手順で実施されましたか?
岸「はい。私は当時管理組合の理事長だったのですが、修繕を始める前に、まず理事会内で、1回目の大規模修繕の振り返りから、マイナスをゼロに戻す修繕だけでなく「資産価値の向上」を目指していく、その具体的なあり方として「快適な住み心地」を高めていく、という基本方針を固めました。その上で、住民に対して、どんな修繕をしてほしいか、アンケートを実施し、その結果『窓の結露』『玄関の隙間風』に対する不満が多く寄せられました」
―― アンケートを踏まえ、どのような改修を実施したのでしょうか。
岸「全居室の、ドアや窓などの開口部に対するリフォームですね。玄関ドアの取り替えと、すべての窓に対する内窓の取り付け(内窓が取り付けられない窓は複層ガラスに交換)を実施しました」
―― 正直なところ、住民の追加負担費用は発生しなかったのですか ?
岸「修繕積立金を多めに取っておいたことに加え、足場のいらない工事は翌年以降に繰り延べるなど、資金調達の工夫をしました。また、当時は国からの補助金で、手続きを踏めば工事費の3分の1を負担してもらえるというのもあり、1住戸当たり玄関ドア交換14万円、内窓取り付け35万円の負担でした」
―― そのくらいの金額で実施できるものなんですね。 やってみて効果はどうでしたか。
岸「断熱性が高まったことは実感しました。冬、外気温が5℃ぐらいでも部屋の中は15℃から18℃までの間に保たれています。そのおかげか、マンションの各住戸平均で、電気の使用量が年間11.6%、ガスの使用量は10.3%減少しています。また、住民の不満として多く上げられていた結露も発生しなくなりました。ただし、こまめな換気は必要になります」
―― 窓と玄関を替えるだけでそこまで違うのですね。
岸「意外だったのは、遮音性が上がったことですね。近所に学校があり、以前は室内でもブラスバンド部の音が聞こえていたのですが、今は聞こえません。生活音についても、他の部屋で飼われている犬の声が聞こえなくなったり。音は窓を通じて出入りしていたことが分かりました。掃除機も夜に気にせずかけられるようになりましたね」
松澤課長「私も夜にトイレに行くときに気づいたのですが、玄関って意外と隙間風が入るんですよね」
岸「うちも以前は玄関のあたりが非常に寒かったのですが、今はまったく寒くないですね」
―― 二重窓にすると、窓の開け閉めが面倒ではないですか?
岸「おっしゃるとおり、手間は増えます。ただ、すべての窓を頻繁に開け閉めするわけでもないですし、日常的にはメリットのほうが大きいと感じます」
―― マンション全体で大規模改修を進めるにあたり、大変だったことはありますか。
岸「住民の合意形成ですね。管理規約上は2分の1の合意があれば進められますし、たいてい委任される方が多いので、進めようと思えば強引に進めることも可能でした。しかし、事前調査・施工と2回も各住戸に立ち入ることになるため、丁寧なコミュニケーションを心がけました」
―― 改修を進める上で、反対する方はいなかったのですか。
岸「住み慣れた高齢者など、気乗りがしない様子の方もいたことは確かです。私も高齢者と呼ばれる層に片足突っ込んでいるので気持ちは分かるのですが、『年を重ねてしかるべき施設に入るときに、保有している住宅の資産価値が重要になりますよ』というお話もして理解してもらいました」

マンションは社会の最小単位
―― このマンションには高齢の方から子持ち世帯まで、幅広い年齢層の方が住んでいるそうですね。
岸「そうですね。マンションというのはさまざまな人が暮らす“社会”の最小単位であり、管理組合というのはある意味自治体に近いと思っています。そういう意味では、大規模修繕は“公共政策”と言えるかもしれません。そういえば修繕後の変化として、マンションで実施している防災訓練の参加率が上がったというのがありました。自治の意識が高まったように思います」
―― “マンションは社会の最小単位”、ですか。その考え方はおもしろいですね。松澤課長、いかがでしたか。参考になりそうですか。
松澤課長「はい、マンションで生活する一人として、さらに地球温暖化対策の推進役としても、大変参考になりました。いち個人としても、マンション全体の修繕のタイミングで、窓や玄関のドアリフォームを管理組合に働きかけてみます」

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32 荷物受け取りの救世主!? 「宅配ボックス」の今とこれから【宅配ボックスの実態調査(後編)】 2017/12/19 読売新聞
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インターネット通販は、現代の忙しい生活になくてはならないものとなっています。不在時に荷物が届いたときに役立つ宅配ボックスは、最近では物件探しの希望条件で重視する人も増えているといわれていますが、本当のところはどのくらい役に立っているのでしょうか。そして、理想の宅配ボックスとは? 宅配ボックスを利用した経験のある人へ調査してみました。

当日中に受け取りは8割、1週間放置の利用者も
宅配ボックスは、マンションなどの集合住宅ではエントランスなどの共用スペースに設置されており、荷物が届くとポストに不在票が投函される仕組み。受取人が回収するまで、荷物が保管されています。
宅配ボックスに荷物が届いてから受け取りにいく時間は、83.3%が「当日」。12.6%が翌日に受け取り、「3~4日」が3.3%、0.8%が1週間程度そのままとの回答でした。
翌日以降に受け取る理由は、「不在票に気付かなかった」が最多で60.7%。「不在票は見たがそのまま忘れてしまった」が26.2%で、「覚えていたが面倒だった」(19.7%)、「覚えていたが、重くて自分で運べなかった」(9.8%)と続きました。
ポストを毎日見る習慣がない人も多いもの。配送会社へ向けた再配達の手続きなどの必要がなく、荷物も安全に保管される宅配ボックスの存在は、急ぎで必要なものでもない限り、受け取りを“油断”してしまうのかもしれません。

自宅以外で荷物を受け取りたい人は約4割。その理由とは?
自宅に宅配ボックスがなくても、近年は注文した本がコンビニで受け取れるなど、自宅以外の場所を宅配ボックスのように利用することも可能です。そこで、自宅以外で宅配便を受け取りたいかと聞くと、6割強が「いいえ」との答えでした。
その理由は、「取りに行くのが面倒」が78.3%、「持ち運びが重い」が63.1%。また、受け取りたいと答えた人が受け取りたい場所は「コンビニ」が最多で82.2%、「駅」(31.9%)、「宅配便会社営業所」(22.5%)、「会社」(21.5%)と続きました。
配送会社を利用する利点のひとつは、どんなに重い荷物であっても自宅まで持ってきてくれるところです。せっかくのサービスがあるのに自分で足を運ぶ手間や重い思いをすることを考えると、やはり自宅以外の場所は、自宅の宅配ボックスほどにはまだ訴求力が弱いといえるのかもしれません。

「1住戸につき1個の宅配ボックス」の要望は過半数
現在の宅配ボックスに関する不満については、「大きな荷物が入らない」が30.8%で、「全体的に個数が少ない(いつも満杯である)」が23.0%、「すぐに取りに行かない住民が多い」が16.8%。大きなものや重い荷物ほどインターネット通販で買うメリットがあるものですが、宅配ボックスのサイズも考慮するとなると、便利さが半減してしまうかもしれません。
その不満を反映してか、今後こんな宅配ボックスがあったらいいなという希望では、「1住戸につき1個の宅配ボックス」が過半数の56.4%。「荷物が入ったことをメールやLINEでお知らせ」が46.0%と続き、余裕をもって利用したいという要望の大きさがうかがえました。
最後に、次に引越す家には宅配ボックスは必要かどうかでは、「あればうれしい」が54.8%、「必要(家を検討するうえでの、重要要素)」が22.4%で、多忙な現代人にとっての宅配ボックスの需要の大きさがみてとれました。
共働き家庭の増加など、荷物を受け取るために日中自宅で待機することは難しくなっています。宅配ボックスが不在時の強い味方であることは間違いなく、普及の拡大が期待されます。しかし、自分の都合のいいタイミングで対面せずに荷物を受け取れるといっても、ほかの利用者と共有する公共の設備。マナーを大切にし、より便利で快適に使うことを心掛けたいものです。

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33 無駄な内見を回避!VRゴーグルで様々なスポットを見学できる「Warp」開始 2017/12/19 読売新聞
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あるはずのないものが、目の前に本当にあるかのように感じられるVR(仮想現実)の世界。そんな最新技術が不動産業界にも進出! VRを活用したシステムを開発しているOneStone株式会社(埼玉県所沢市)が、VRを使って物件の見学ができるサービス「Warp」を2017年12月4日に始動させた。スマホとVRゴーグルを組み合わせることで、誰でも簡単にVR見学ができるサービスだ。
この「Warp」をいち早く不動産仲介店舗での接客ツールとして活用している株式会社大興不動産(宮崎県宮崎市)には、続々と驚きと喜びの声が届いている。
地方への転勤・転居など、遠方での部屋探しは、なかなか実際の物件を見られないことも。そんな時にありがちなのが、「実物を見てがっかり」という体験。けれど「Warp」を利用したVR内見を実施している大興不動産では、そんな心配はもうない。「Warp」を利用した顧客からは「わざわざ見に行かなくてもいいですね」と利便性を評価するコメントが寄せられている。実際の内見をせずにVR見学のみで成約を決断する人も毎月着実に増えているという。
開発会社のワンストーンの担当者は、VRの一番のメリットを「写真では分からない雰囲気が体感できるという点」だと太鼓判を押している。部屋の広さや質感も、画像よりも圧倒的に高い精度で体感できるそう。それなら確かに、「写真では良かったけど、実際に見たらイメージと違った」といった残念な体験を減らし、効率よく物件が探せそうだ。
ワンストーンの「Warp」を体験するためのシステムは非常にシンプル。
(1)VRで見学してみたいスポットをWebから選んで申し込み
(2)自宅に無料でダンボール製のVR用ゴーグルが届く
(3)専用アプリをスマホにインストールし、ゴーグルにセット
(4)さまざまなスポットをVRで確認できる
見学できるスポットは、Warpの加盟企業に関する場所。開発会社のワンストーンは、今後は加盟店を増やし全国のさまざまなスポットをVR化したいと意気込んでいる。近い将来には転居先、旅行先、結婚式場、デート先などの大事な行き先を選定する際、忙しくて時間が無くても、Warpを使って効率的に自分に合った場所やプランを見つけられるかもしれない。
なお、加盟に必要な料金は、月額5,000円(税別)からWarpの基本システムが利用でき、プラス5,000円(税別)でVR用の特設サイトを自動で構築する機能を利用できる。

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34 96.5%は荷物の「再配達」を依頼した経験アリ! その理由とは?【宅配ボックスの実態調査(前編)】 2017/12/18 読売新聞
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インターネット通販が一般化し、荷物の流通量が爆発的に増えた近年、再配達の増加が社会問題になっています。荷物の再配達はなぜ減らないのか。SUUMOジャーナル編集部は、集合住宅における再配達の依頼実態や、「宅配ボックス」の利用方法に関する意識調査を実施。まずは再配達に関する調査結果からご紹介します。

「在宅していたが再配達を依頼」も3割以上。その理由は……
ボタンひとつでかさばる荷物や重い品物も家まで届くインターネット通販は、もはや生活に欠かせないものといっても過言ではないかもしれません。その半面、受取人が不在で繰り返される再配達の在り方は、社会問題にもなっています。
宅配ボックスが設置されている物件にお住まいの方400名と、設置されていない物件にお住まいの方400名の両方を対象に行った調査結果では、これまでに荷物の再配達を依頼したことがある人の割合は96.5%。自宅に宅配ボックスがあっても、ほとんどの人が再配達を依頼した経験がありました。
そのうち、在宅していたのに再配達を依頼した経験がある人は10.6%。その理由として、「トイレに入っていた」(46.3%)、「お風呂に入っていた」(54.9%)など、物理的に受け取れないであろう事情が多く挙がりました。それ以外で目立ったのは、メイクをしていなかったりパジャマ姿だったりなどで「出たくなかった」という回答が3割を超えていたこと。短時間の荷物の受け取りであっても、スキのある姿を他人にさらすことを避ける人の多さが見て取れました。
再配達の受け取りは“気分次第”? 「スマホをいじっていて出られなかった」人も
また、1つの荷物を最高で何回再配達依頼したかを聞くと、7割弱は「1回」でしたが、「2回」が18.3%で、「3回以上」は14.1%もいるという結果に。複数回依頼したという回答の中では、在宅していたのに再配達を依頼した人の割合は18.4%へと、倍近く増えていました。
「出たくなかった」という回答は17.4%へと減っていましたが、8.7%の人は「スマホをいじっていたので」という理由で、荷物を受け取らず。急ぎで必要とする荷物ではないのかもしれませんが、再配達を複数回依頼する人ほど、受け取るかどうかは “気分次第”という傾向がうかがえました。
配達時間は「指定を義務に」、再配達は「有料化」も? 再配達問題を解決するアイデア
再配達の依頼について後ろめたさはあるかと聞くと、「すごくある」「ややある」が6割を超えるものの、「ほとんどない」「全くない」も2割強。

その理由は
・「仕事で不在なのはやむをえないから」(30歳/女性)
・「こちらが購入した商品は時間指定をして受け取るが、相手から送られてきた荷物は指定されていないので仕方がない」(44歳/女性)
など、「正当な理由があれば仕方がない」という意見が大多数を占めました。
一方で、
・「当該宅配企業がそれを正式なサービスとしてうたっているならば、気遣うこと自体がおかしい」(55歳/男性)
・「サービスに含まれていると思っている。再配達時は必ず受け取れる状態にある」(50歳/男性)
という、サービス利用者としての権利の主張も見受けられました。
しかし、再配達の依頼の増加によって配送会社の負担が大きくなったからなのか、指定時間に届かなったり不適切に不在通知が入れられたりと、結果として利用者への不利益にもつながっています。
その問題は、どうしたら解決できるか聞いたところ、
・「ネットショップでは最初から時間指定ができるようにしてほしい」(45歳/女性)
・「配達する場所や時間を細かく指定できるようにするか、配達する前に連絡をもらえれば不在であることを事前に伝えられるのでは」(33歳/女性)
など、届く時間を指定、連絡する手段の充実への提案が多く寄せられました。
また、
・「再配達を繰り返す人には有料にする」(32歳/女性)
といった、マナーを守らない利用者へのペナルティーの必要性を訴える意見も。受け取り場所の拡大を求める声も多く、住宅以外にもコンビニや駅などへの宅配ボックス設置の拡充に期待の声も目立ちました。
再配達の要望を繰り返す利用者の姿勢は自分本位なようにも感じられますが、調査の結果から読み取れるのは、他人である配送会社と不本意なタイミングで顔を合わせることへの敬遠が、大きな要因となっているようです。であれば、自分の好きなときに対面ではなく荷物を受け取ることができる宅配ボックスは、再配達問題の解消に多いに役立ちそう。次回は、宅配ボックスを実際に利用している人たちの実態をさらに深掘りしてみます。

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35 配偶者控除大改正、何が変わる?  2017/12/18 読売新聞
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働く女性の就労促進を促す効果を狙って、2018年1月から配偶者控除が大きく改正されます。配偶者控除が改正されることによって、共働き世帯の働き方はどのように変わるのでしょうか。控除額を超えたとしても、住宅ローン控除と合わせ技で節税する方法もあります。どういうことなのか、解説していきましょう。
住まいに関する支出は、家庭の大きな割合を占めるもの。保活から住宅ローン控除まで、住まいに関する家計管理や節約術に定評のあるファイナンシャルプランナー(FP)の花輪陽子さんが解説します。

配偶者控除大改正、何が変わる?
そもそも配偶者控除とは、妻(夫)の年収が「103万円以下」なら、パートナーの給与所得から38万円が控除されるという仕組み。103万円を越えると控除額が段階的に減っていき、141万円でゼロになるために「103万円の壁」と言われてきました。
今回の改正で、38万円の控除が受けられる妻(夫)の年収の範囲が「150万円以下」に変わります。150万円を超えると控除額が減っていき、201万円を越えるとゼロになります。政府は控除を受けることができる範囲を広げることにより、より働きやすい社会を目指していくとしています。
もう一つのポイントとして、配偶者控除が適用される夫に年収制限が付くようになることが挙げられます。夫の年収が「1120万円を超える」と控除額が次第に減り、年収「1220万円を超える」とゼロになるのです。従来は配偶者特別控除にのみ年収制限が付いていましたが、今後はたとえ妻に収入がなくても、高額納税者である夫は配偶者控除を適用されなくなります。
配偶者控除を越える働き方もあり? それぞれが住宅ローンを借りられる! 
とはいえ、子育てが落ち着いて再就職を考える際に、配偶者控除の上限を少しだけ越えてしまうという場合も出てくるでしょう。頑張って働いて年収が250万円という場合、受けられる控除がなくなってしまい、損になってしまうのでしょうか。
たしかに、配偶者控除は受けることができなくなります。しかし、妻が安定した収入を得ることによって受けることができる有利な制度もあります。
その代表例として「住宅ローン控除」があります。住宅ローンを借入れて住宅を取得する場合に、取得者の金利負担の軽減を図るための制度ですが、住宅ローンを借入れる者が個人単位で申請をし、世帯単位ではないのがポイントです。つまり、夫婦でしっかりと収入がある場合はそれぞれがローンを借り、それぞれが住宅ローン控除を受けることができるのです。住宅ローン控除は税額から直接差し引く税額控除のために、非常に有利な制度になります。
具体的には、毎年末の住宅ローン残高または住宅の取得対価のうちいずれか少ない方の金額の1%が10年間に渡り所得税の額から控除されます。また、所得税からは控除しきれない場合には、住民税からも一部控除されるのです。

どれくらい節税できる?ケーススタディで考えてみよう!
「子育てが落ち着いて再就職をしたい」「家族計画も固まってきたのでおうちも買いたい」そんな風に考えているA家庭の場合。妻が働いて収入をしっかりつけてから、夫婦で住宅ローン控除を受けるという方法も考えられます。
例えば、夫収入600万円、妻収入250万円、5000万円の住宅ローンを組む予定で、夫が4000万円、妻が1000万円の借り入れをし、住宅ローン控除を受ける場合。軽減される所得税・住民税は最大で夫が約40万円、妻が約10万円になります。年末のローン残高が減ることによって受けられる税額控除は少しずつ軽減されますが、10年間控除を受けることができます。
具体的な控除の仕組みを知りたい場合はこちら

住宅ローン控除って、実際いくら戻ってくるの? 
次に共働きをしていた時にそれぞれ住宅ローンを組んでいたB家庭のケース。出産後に妻が働いていない期間があり、その期間は所得がないため、当然住宅ローン減税を受けられなかった期間がありました。しかし、子育てを終えて再び働くことで、また夫婦で住宅ローン控除を受けることができるようになります。
このように、妻が安定をした収入をつけることで住宅ローンを組むことができ、住宅ローン控除のような有利な税金のメリットを享受することができる場合もあるのです。
「103万円の壁」など扶養の範囲で働くということに目が行きがちですが、収入を付けることで社会的な信用を得ることができ、お金を借りるということも可能になります。住宅ローン控除のように、夫婦それぞれ個人単位で受けることができる税制の優遇と、”合わせ技”で考えていきたいものですね。

花輪 陽子花輪 陽子(ファイナンシャルプランナー)
CFP認定者、1級FP技能士。外資系投資銀行を経てFPに。「夫婦で貯める1億円!」「貯金ゼロ 借金200万円!ダメダメOLが資産1500万円を作るまで」などの著書やテレビ出演、雑誌監修など多数。

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36 「あれ? この土地安い?」と思ったときに、気を付けたいポイントとは  2017/12/15 読売新聞
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「注文住宅でマイホームを建てたい」と思うなら、まずは土地を手に入れる必要がある。ポータルサイト等で土地を検索していると、たまに立地も広さも同じような条件なのに、お値打ちの土地が見つかることがある。安心して暮らせるなら何の問題もないが、事前にチェックしておくべきことがあるのではないか? 一級建築士の佐川旭(さがわあきら)さんに土地のチェックポイントについて教えてもらった。

なぜ、相場より安い土地があるのだろう?
まず、相場よりも安い価格で土地が売り出されるときには、一般的にどんな理由が考えられるかを聞いてみた。
・土地の形がいびつ
三角形や極端に長いなどの土地は、正方形や長方形などの整形の土地より評価額が低くなる
・土地が傾斜している
土地の一部または全体が傾斜している。平らな土地に比べて価格が低く抑えられていることが多い
・建物に囲まれた旗竿地(はたざおち)である
出入口となる通路部分が狭く、その奥に家の敷地となる部分が存在する旗のような形状の土地。日当たりが悪いなどの理由で価格が抑えられている
・接道(土地が接している道路の幅)の条件が悪い
建築基準法による接道義務に準じていない場合、建物が建てられない場合もある。建てられてもセットバック(建築物を道路の境界線から一定の距離だけ後退させること)の必要があり、敷地面積が削られる
・地盤が軟弱である
泥や多量の水を含んだ柔らかい土などからなる地盤。建物の重さを支えきれず、建物が沈下するおそれがある
つまり「地盤の良い整形地で建築基準法に準じた道路に面した開放感のある土地」というのが、一般的に評価が高く、価格も高い土地ということになるようだ。「同じようなエリアに位置していても、マイナスポイントがあることで土地の価格が安くなっているということはあります」と佐川さんは話す。

マイナスポイントは、設計次第でプラスに変えられる!?
それでは安い土地を選んではいけないのだろうか。答えはノーだそう。
「例えば三角形の土地ならば、角の部分を活かして、駐車場にしたり庭にしたりすることができます。傾斜地の場合は、通常の土地に立つ建物では味わえない絶景を得られることもあります。旗竿地は中庭をつくって空からの光を取り入れるなどの工夫で、開放感のある家にすることも可能です。
一般的にはマイナスでも、人によってはプラスに変わることもあります。ピンチはチャンスと考えて、設計の工夫で魅力的な家にすることは可能です。逆に欠点を魅力に変えた物件のほうが、唯一無二の住まいが出来上がることが多いですよ」(同)
地盤が心配な場合は、その場所が以前どんな用途に使われていたかをしっかり調べるといいそうだ。「行政のサイトなどで調べることもできますが、加えて昔から住んでいる近隣の方に話を聞いてみるのもいいですよ」(同)。地盤調査を購入前にできることはまれなので、情報を集めておくことは大切だ。
しかし軟弱な地盤の場合も、地盤改良をすれば家を建てられる強度は得られるそう。「地盤改良は100万円程度で可能です。むしろ、どんな土地であっても家を建てる前には必ず地盤調査をします。土地は個々で条件が違うので、きちんと調べて問題があれば改良しましょう。そうしておけば、どんな家を建てるにしても安心ですからね」(同)

建てたい家が実現できない可能性も? 必ず確認すべきこととは
マイナスがプラスに変えられるとはいえ、おさえておかなければならないポイントもあるようだ。
「土地には法的な制限があるので、自分の土地だからといって好き勝手に建てるわけにはいきません。用途地域、容積率、建ぺい率、高さ制限や斜線制限など、購入前にチェックするべき項目がいくつもあります。自分が建てたい家が実現できない場合もあるので、きちんとチェックすることをお勧めします」(同)
・用途地域
用途地域とは、住宅地、商業地、工業地など、土地利用を指定した12種類の地域区分のこと。用途地域によって住環境が左右される
・建ぺい率と容積率
建ぺい率とは、敷地面積に対する建築面積の割合。容積率とは、敷地面積に対する延床面積の割合のこと。同じ敷地面積でも建てられる建物の大きさが異なる
・高さ制限と斜線制限
高さ制限とは、その土地に建てられる建物の高さの上限を定めたもの。斜線制限とは、道路や隣地に影響する部分の建物の高さの上限を定めたもの。建物の形状や大きさが変わることがある
「これらに加えて、景観を維持するための景観条例や、がけ付近の建築を制限する『がけ条例』などの特殊な制限があったり、都市計画で道路予定地になっていたりする場合などもあります。いずれも家を建てる場合に、頭に入れておく必要がある大切なポイントです」(同)

何はともあれ、「どんな家を建てたいか」を家族で話し合おう
土地を購入する際は、事前に勉強しておきたいことが山ほどある。しかし、それ以前に重要なこともあるようだ。
「まず家族で、どんな暮らしをしたいか、そのためにどんな環境と住まいが必要かを話しあっておくことが大切ですね。自分たちが建てたい家によって土地選びも違ってきます」(同)
気になる土地を見に行くときも1人では行かずに家族で行くことが大切だ。
「朝、昼、晩、晴れた日、雨の日など何回も足を運ぶことを勧めます。同じ土地でも時間帯や気象条件で様相が変わります。音の問題なども時間帯によって変わる可能性があるので確認しておく必要があります」(同)
土地を購入することは人生でそう何度もない。ほとんどの人が家づくりに必要な条件や法規制を知るところから始めるはずだ。今まで聞いたこともない専門用語で頭が混乱してしまう可能性もある。そうならないためにも、まずは家族でどんな家を建てたいのかを話し合い、ある程度の知識を蓄えることが重要だ。そのうえで、可能ならば建築会社や建築士といった家づくりのプロに相談することを勧めたい。

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37 2018年度の税制改正、ポイントを解説 住宅購入に関わる減税措置や特例の延長など  2017/12/15 読売新聞
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自民・公明両党が2018年度の税制改正大綱を決定した。目玉となった所得税改革では、基礎控除の引き上げと給与所得控除の減額により、2020年から年収850万円を超える会社員が増税となる。そのほか、住宅購入などに関係する改正も含まれているので見ていこう。

新築住宅の固定資産税の減額措置を2年間延長
今回の大綱に盛り込まれた住宅関連の税制改正は、既存の特例などの期限延長がほとんどだ。
まず新築住宅向けの固定資産税の減額措置は2年間延長される。この措置は新築住宅の建物分の固定資産税を、一戸建ては3年間、マンションは5年間、2分の1に減額するというもの。国土交通省の試算によると、2000万円の一戸建てを新築した場合の固定資産税が、減額措置によって3年間で約26万円軽減されるという。措置の期限が2018年3月31日までとなっているが、これを2020年3月31日まで延長する。
長期優良住宅に対する特例措置も2年間延長される。長期優良住宅とは、良質な住宅を長期にわたって良好な状態で住み続けるために、耐久性や耐震性、維持管理のしやすさなどの基準を満たす住宅を認定する制度。認定された住宅は購入時の登録免許税や不動産取得税、新築時から一定期間(一戸建ては5年間、マンションは7年間)の固定資産税が軽減される。この特例措置の期限を2020年3月31日まで延長するという内容だ。
土地を購入する場合の不動産取得税については、税額を計算する際の評価額を2分の1にしたり、税率を本則の4%から3%に軽減する特例措置がとられている。この特例の期限を3年間延長し、2021年3月31日までとする。
不動産会社が中古住宅を買い取ってリフォームをした上で販売する「買取再販」について、耐震や省エネ、バリアフリーなど一定のリフォームを行った住宅を買うと建物分の登録免許税が通常の3分の1に軽減される特例措置がある。この特例の期限も、2020年3月31日まで2年間延長される。

マイホームの買い替えなどに関する特例を2年間延長
不動産を売って売却益(譲渡所得)が出た場合、所得税や住民税がかかるが、自宅を買い替えた場合は各種特例が受けられる。売却益がなかったものとして次に買い替えるまで課税を繰り延べられる「買換え特例」や、売却損が出た場合に最長4年間の所得から繰り越して相殺できる「譲渡損失の繰越控除」だ。これらの特例の期限を2019年12月31日まで2年間延長する。
一定の性能向上リフォームを行った場合の固定資産税の特例措置も2年間延長となる。この特例は耐震改修の場合は2分の1が、バリアフリー改修や省エネ改修の場合は3分の1が、長期優良住宅化改修の場合は3分の2が、それぞれ工事の翌年度の固定資産税から減額されるというもの。改正により特例の期限が2020年3月31日まで延長される。
不動産を買うときの売買契約書や、住宅を建てるときの工事請負契約書に貼る印紙税は、特例措置により軽減されている。例えば契約金額が1000万円超5000万円以下の場合の印紙税は本則では2万円だが、現行では1万円だ。この特例の期限を2年間延長し、2020年3月31日までとする。
税制改正大綱はあくまで与党による税制改正“案”だが、ほぼ大綱の内容どおりに改正されるのが通例となっている。今後は2018年1月からの通常国会に関連法案が提出され、3月末までに確定する見通しだ。

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38 京都・嵐山のマンション、リノベでおしゃれな宿泊施設に 訪日外国人ターゲット  2017/12/14 読売新聞
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2016 年に日本を訪れた外国人は、前年比 21.8%増の約 2,400 万人となり、1964 年の統計開始以来、過去最多。外国人観光客の増加などによって、近年は観光スタイルは多様化してきている。従来型のホテルや旅館で食事の提供を受ける代わりに、価格を抑えて長期滞在を希望する観光客に対応する簡易宿泊所や民泊などのニーズも今後一層高まると想定されている。
そのような状況を受けて、ミサワホームグループのミサワホーム近畿株式会社(大阪府大阪市)は、京都の嵐山(あらしやま)にある賃貸マンションの大規模リノベーションを行い、外国人宿泊客の長期滞在ニース?に対応する簡易宿所に用途変更。ミサワホーム不動産株式会社(東京都新宿区)が一括借上して運営を手がける宿泊施設が完成した。ミサワホームグループにおいて、宿泊施設の企画から設計・施工、運営までをワンストップで対応する初の宿泊施設として2017年12月より運営を開始する。
外国人客が増えるなかでも、京都市には高い宿泊需要がある。2016年に京都市を訪れた外国人宿泊客は約 320 万人、平均宿泊日数は全国平均や都道府県別実績で第1位となった東京都を上回った。市場ニーズをくみとったミサワホーム近畿は、周辺に有名な観光名所が複数存在する京都市西京区嵐山の築 32 年の賃貸マンションを、大胆に様変わりさせた。元々は 46 室のワンルームを有する建物を、ゆとりある広さの 23 室の客室に一新し、新たにフロントやエレベーターを設置。目隠しフェンス、騒音防止用の床仕上げ材の設置などを行い、近隣への配慮もなされている。エントランスのスロープとエレベーターで、幅広い宿泊客に対応できそうだ。
フロントには英語、中国語、韓国語に対応できるフロントスタッフの 24 時間常駐を実現。日本人のみならず外国人の宿泊客にも対応できるサービスを提供していく。
ミサワホーム株式会社担当者によると、この宿泊施設の特色は「手ごろな価格で長期滞在の希望に対応できる点」。食事のサービスを行わない代わりに、宿泊費を安く提供できるのだ。その他にも、「戸建住宅で培った内装や家具の選定・配置センスが遺憾なく発揮されています」と自信をのぞかせている。部屋内にあえて設けられたという小上がりも、靴を脱いで暮らす日本らしい生活様式として外国人に好まれそうだ。
来るべき 2020 年の東京オリンピック・パラリンピックでは訪日外国人宿泊客の急増が見込まれており、懸念されている客室数不足にも貢献できると見込んでいる。
ミサワホームグループは、今回の一括借上を皮切りに、宿泊施設に関するノウハウを蓄積していく予定。今後、増加が想定される宿泊需要への取り組みを推進する意気込みを見せている。

2017-12-21 | Posted in 住宅関連新聞記事Comments Closed