住宅関連新聞記事ダイジェスト No.713  2017/11/30~2017/12/06

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住宅関連新聞記事ダイジェスト No.713  2017/11/30~2017/12/06
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【日本経済新聞】
1 建機生産2割増 コマツ粟津工場、18年3月期見通し 米国の需要旺盛
2 土地分譲と水道事業を統合 千葉県が19年度に
3 民泊監視法案が衆院通過
4 LIXIL、スマートスピーカー連携でスマートホーム
5 クワザワ、リフォーム需要の開拓強化
6 キムラ、住宅分野の商品開発強化
7 空き家で街がスカスカ 郊外で進む「スポンジ化」現象
8 足利銀、埼玉・所沢に出店 住宅ローンなど開拓
9 太陽光・蓄電池付き高齢者住宅、災害時には供給対応
10 LIXIL、ドアやシャッターをAIスピーカーで操作
11 京都市の民泊規制厳しく 条例素案、不動産業界は懸念の声
12 低圧一括受電でZEH基準を満たす賃貸集合住宅
13 CTC、住宅ローン 対話型動画で説明
14 12月の住宅ローン金利 全行据え置き
15 パナ、リフォーム事業の売上高目標を引き下げ
16 10月の住宅着工戸数、4カ月連続減少
17 早川ゴム、集合住宅などの改修に的 部材生産の新工場完成
18 10月の新設住宅着工、前年比4.8%減 マンションが16.9%減少

【朝日新聞】
19 長谷工、マンション向け「杭」開発 性能維持しつつ経済的に
20 建材とAIスピーカーを連携させた国内初のシステム開発 LIXIL
21 ライフルが海外不動産投資セミナー開催、12月10日・本社で
22 野村不動産アーバンネット 不動産サイト「ノムコム」にVRホームステージング導入
23 国際不動産FCのサザビーズ、”新興富裕層”でシェア拡大へ
24 「ご近所付き合い」「インターネット」お題に川柳募集 東京土地家屋調査士会
25 クラウドで観光などに特化した不動産投資を募集 プレリートファンド
26 物流施設事業に本格参入、首都圏で第1弾を着工 新日鉄興和不動産
27 大阪の建築コンペに参加 早稲田と芝浦工大の合同チーム
28 大阪宅建協会がライフルと業務提携、不動産情報サイト分野で
29 ナーブ、「VR内見システム」をケイアイスターに提供開始
30 前月比再び下落 10月・首都圏、新築戸建て成約価格
31 「JIBANGOO」のアプリをリリース 地盤ネットHD
32 老後の暮らしを考えるセミナー12月15日開催 ウスイホーム

【読売新聞】
33 参考にしたい「理想の新婚部屋」はどれ? ライフスタイルに合わせた4つの間取りを紹介
34 若者がセルフリノベ! 過疎の団地が”海を臨む別宅”に
35 部屋の間取りや家具にも変化が起こる!? 専門家に聞いた“テレワーク”の可能性

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1 建機生産2割増 コマツ粟津工場、18年3月期見通し 米国の需要旺盛 2017/12/6 日本経済新聞
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 コマツ粟津工場(石川県小松市)は5日、2018年3月期の建機生産台数が17年3月期に比べて2割増えて1万3900台規模になる見通しを明らかにした。売上高は同23%増の約2045億円を見込み、3年ぶりに2千億円台を回復する。住宅着工が堅調な米国を中心に海外の建機需要が旺盛で、輸出比率は64%台と17年3月期を5ポイント超上回る。
 生産台数、売上高ともに6月時点の見通しを1割ほど上方修正した。為替が円安方向で安定していることに加え、石炭や非鉄など資源価格が高値で推移し鉱山用の需要が回復。米国のほか東南アジアや中南米からの引き合いも増えた。藤田直樹工場長は「比較的大型の機種の製造を他工場から(粟津工場に)移管している」と語った。
 国内向け生産台数は1割ほど増える見通しという。東京五輪を控えた都心の建設工事や北陸新幹線の延伸工事が本格化している恩恵を受けた。建設機械は今秋から国内で排ガス規制が強化されたが、夏までの駆け込み生産の反動減は現時点で目立っていないという。
 北陸電力が来春から大口向け電気料金を引き上げることについて、藤田工場長は「引き上げ幅は交渉中。生産改革で使用電力を減らし、値上げ分を吸収したい」とした。

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2 土地分譲と水道事業を統合 千葉県が19年度に 2017/12/5 日本経済新聞
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 千葉県は5日、県の造成地を分譲・管理する企業土地管理局を2018年度末で事実上廃止し、水道局と統合する方針を明らかにした。事業規模が年々縮小しており、単独での存続は非効率だと判断した。前身の県企業庁は幕張新都心など数々の大型開発プロジェクトを主導した歴史がある。企業土地管理局の廃止により、工業用地や住宅地の供給を専門とした公営企業は姿を消す。
 森田健作知事が同日の県議会本会議で武田正光氏(自民党)の質問に答え、両局を19年度に統合する方針を表明した。森田知事は「企業土地管理局には処分できそうな土地がまだ残っているが、単独の企業体として存続するほどの業務量にはならない」と説明した。
 企業土地管理局は旧企業庁の業務を引き継ぎ、16年4月に発足した。15年度末時点で575ヘクタールの土地を保有していたが、工業用地や住宅地の分譲が進み、18年度末には350ヘクタール程度に縮小する見通しだ。
 廃止にともない、企業土地管理局が県有地の売却などで得た322億円(18年度末見込み)の資金のうち、大規模災害の対策費として必要な分を除く270億円を県の一般会計に繰り入れる。森田知事は「道路や橋梁の長寿命化をはじめ、県の社会基盤整備に活用したい」と話した。
 企業土地管理局は146人、水道局は1015人(4月1日時点)の職員を抱えている。統合後は総務や人事、給与管理といった間接部門を一本化することで、人件費の抑制効果を期待できる。統合後の組織形態は今後詰めるが、名称は「水道局」以外に変わる可能性もある。
 戦後の人口増加や都市開発の進展に対応し、千葉県は1959年に庁内に開発部を設置し、県主導の大型開発事業に乗り出した。63年には地方公営企業法に基づく千葉県開発局に改組。その後も組織改正を重ね、74年に企業庁が発足した。
 この間、京葉臨海工業地帯の造成や幕張地区の埋め立て、千葉ニュータウンの開発などさまざまな大型プロジェクトを展開。臨海部を中心に石油化学や鉄鋼業など数多くの企業を誘致し、住宅地も東京のベッドタウンとして成長した。
 企業誘致に大きな成果を挙げた一方、企業庁時代の苦戦ぶりを象徴するのが千葉ニュータウン事業だ。用地買収や分譲が難航し、開発規模を段階的に縮小。計画人口は14万3000人と当初計画に比べて6割近く下方修正したが、実際の居住人口は9万8000人(10月末)にとどまる。企業土地管理局は水道局との統合前に土地を完売したい考えだが、実現のメドは立っていない。
 2000年代以降は日本経済の長期低迷や人口増の鈍化が響き、企業庁の経営は悪化。12年度には土地の新規造成から撤退し、土地の分譲や賃借に事業を縮小した。
 後継組織である企業土地管理局が看板を下ろすことで、千葉県の経済発展を支えた旧企業庁は名実ともに役割を終える。

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3 民泊監視法案が衆院通過 2017/12/5 日本経済新聞
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 住宅に旅行者を有料で泊める民泊への監視を強める旅館業法改正案が5日の衆院本会議で全会一致で可決、参院に送付された。営業許可なく旅行者を泊める「ヤミ民泊」に対し、行政の立ち入り検査の権限を与え、罰金の上限額を引き上げる。今国会で成立する見通し。
 国家公務員の給与を引き上げる給与法改正案、地方競馬の支援期限を延長する競馬法改正案、C型肝炎患者の給付金の請求期限を延ばす薬害肝炎救済法改正案も、同日の衆院本会議で可決した。

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4 LIXIL、スマートスピーカー連携でスマートホーム 2017/12/5 日本経済新聞
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 LIXILは2017年12月4日、スマートスピーカーで玄関ドア、シャッターなどの建材や家電を制御できるIoT(インターネット・オブ・シングズ)システム「住まいのリンクシステム」を開発したと発表した。2018年4月に全国で発売する。同社によると、スマートスピーカーと建材が連携するシステムは国内初という。
 住まいのリンクシステムは主に3つの機器で構成する。スマートメーターなどの利用状況を把握したり、家電を遠隔操作したりする「ホームコントローラ」、各種センサーやWebカメラなどのデータを取得する「リンクコントローラ」、ホームコントローラとリンクコントローラを連携させるルーターである。
 例えばユーザーが外出前にスマートスピーカーに話しかけると、スピーカーと連携する音声センサーが音声データを収集。このデータを活用してリンクコントローラとホームコントローラが連携して、照明やエアコンをオフにしたり、シャッターを閉めたりできる。スマートフォンでもスマートスピーカーと同様に操作できるほか、玄関ドアの開閉をきっかけに他の建材を制御することも可能という。
 同システムで利用できるスマートスピーカーは、米アマゾン・ドット・コムの「Amazon Echo」シリーズと、米グーグルの「Google Home」シリーズの予定。LIXILは同社の建材で住宅を新築する顧客を主な対象に、年間1万棟に同システムの採用を目指すとしている。

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5 クワザワ、リフォーム需要の開拓強化 2017/12/5 日本経済新聞
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【リフォーム需要の開拓強化】少子高齢化の進展で新規住宅着工は減少見込み。リフォーム需要の開拓を強化する。インターネットを使った工事請け負いも続ける。住宅関連では今後普及が見込まれる省エネ商材を使った資材の営業を拡大する。東海・北陸エリアの需要も取り込む。最終増益に。

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6 キムラ、住宅分野の商品開発強化 2017/12/5 日本経済新聞
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【住宅分野の商品開発強化】住宅関連資材の卸売事業は次世代型モデル住宅の全国展開で販売力を強化。自然素材の輸入品など新商品の開発にも力を入れる。ホームセンター関連の小売り分野では新規開店した大型店舗の売り上げ拡大を見込む。増収増益だが、セール実施や広告費などがかさめば減益も。

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7 空き家で街がスカスカ 郊外で進む「スポンジ化」現象 2017/12/5 日本経済新聞
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 「都市のスポンジ化」という現象を聞いたことがあるでしょうか。人口が減るなかで空き家や空き地がランダムに発生し、街がスポンジのようにスカスカになってしまうことです。この問題が東京の郊外で注目され始めています。
 「1970年代ごろまでに建てられた家で空き家が増えている。マッピングすると、スポンジ化を実感する」。こう話すのは、埼玉県毛呂山町役場の酒井優さんです。「街の人口密度が下がると、多額の投資をしてきた下水道や道路などが無駄になる。小売店なども収支があわず撤退してしまう。それでまた人が減る負のスパイラルに陥る」と懸念しています。
 スポンジ化は日本特有の現象とされます。高度経済成長期に都市部に若者が大勢やってきました。彼らは結婚するとマイホームを求めて郊外に散らばりました。その家を相続した子どもが放置すると空き家や空き地になります。団塊の世代の持ち家の相続期を迎える2033年には3軒に1つが空き家になるとの予測もあります。
 奇妙なことに周辺では開発が続いています。2000年代の規制緩和により、それまで開発できなかったところに、若い人向けの住宅や、相続対策用のアパートが大量につくられているのです。東洋大学の野沢千絵教授は「少しでも人口を確保したい自治体が郊外の開発を許容している。焼き畑農業的な対応」と批判します。
 都市計画制度の限界もあります。日本では開発時点での規制はありますが、開発後にどう使うかは事実上、個人の自由です。英国では開発した後もより良い街にしていくための仕組みがあります。開発事業者と自治体、土地の所有者が協定を結び、土地の使い道を考えるのです。そうした開発費も事業者が負担します。
 野放図な街づくりのツケを背負うのは住民です。景観が悪化したり、水道などのインフラ整備費が膨らんだりします。国土交通省も対策を考え始めていますが、具体化はこれからです。首都大学東京の饗庭伸教授は「いろんな立場の人が、生活を良くしようと考えることが大切」と話します。街をどう縮小していくか。知恵の絞りどころです。

■饗庭伸・首都大学東京教授「コンパクトシティー、すぐ実現は難しい」
 「都市のスポンジ化」の現状と対策などについて、都市計画に詳しい首都大学東京の饗庭伸教授に聞きました。
――「都市のスポンジ化」はいつごろから問題視されるようになりましたか。

首都大学東京の饗庭伸教授
 「都市計画関係の専門家の間では2000年代後半から指摘されるようになりました。人口が減っていく中で、都市は外側からじわじわと縮んでいくと考えられていましたが、現実は都市の大きさは変わらないまま空き家や空き地がランダムに出現するスポンジ化が進んでいるのです。空き家問題は、ゴミ屋敷になったり、周辺の治安が悪化したり、というスポット的な生活環境上の問題で扱われることが多いですが、スポンジ化は、これから都市をどう再編していくかという問題意識から空き家や空き地を捉えています」
 ――海外でもスポンジ化の例はありますか。
 「ないと思います。国土全体でこれほど激しい人口減少が起きているのは日本だけでしょう。そもそも歴史的に見て、都市が大きくなる際に、農地が虫食いのように開発される『スプロール』現象が大きく進んだことが日本の特徴です。日本は個人の土地の所有権が強く、都市計画がうまく機能しませんでした。これが今のスポンジ化の問題へとつながっていきます。ただ、私はスプロール開発により都市が緩やかに広がることで、スラムが発生しなかったなどの利点もあったと考えています」
 ――都市の再編としては、街の中心に機能を集約する「コンパクトシティー」を掲げる自治体も増えています。
 「コンパクトシティー政策は理想ですが、実際に人を思い通り動かすのは難しい。すぐに実現するのは難しいでしょう。都市は拡大するときは30年くらいでバーンと大きくなってしまいますが、小さくなるときは50年、100年といった時間がかかります。そしてその時に、確実にスポンジが出てきてしまう。50年後に都市が小さくなるからといって、50年間何もしないというのは人々の生活を支えることにはなりません。だから、スポンジの穴をどう使うかといった議論が必要なのです」
 ――スポンジ化にはどのような対策が考えられますか。
 「空き家や空き地をどう活用していくかだと思います。みんなが使える公園にしたり道路にしたり、都市をより良くする方向に使っていかなくてはなりません。こうしたことを行政がやろうとするととてもコストがかかるので、不動産業者など民間で進めてもらうしかありません。街や暮らしを豊かにしようとする取り組みをするNPOや若者も増えています。行政はこうした人たちをつないだり、事業への参入障壁を低くしたりする工夫が必要でしょう」

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8 足利銀、埼玉・所沢に出店 住宅ローンなど開拓 2017/12/4 日本経済新聞
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 めぶきフィナンシャルグループ(FG)傘下の足利銀行は埼玉県所沢市に出店する。「所沢支店」を、まずは2018年1月11日に川越支店(同県川越市)の店舗内店舗として開設。その後、同年5月に所沢市の西武所沢駅近くに移転、開業する予定だ。所沢市など埼玉県西部で、個人向けの住宅ローンや法人向けの事業資金など需要の掘り起こしを強化する。
 所沢への出店は、めぶきFGが22年3月期までにリースや証券を含め15店舗程度を新設する計画の一環。同じくFG傘下の常陽銀行は千葉県で攻勢をかける。10月に船橋支店を柏支店(同県柏市)の店舗内に設け、18年3月にJR船橋駅(同県船橋市)近くに移す。

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9 太陽光・蓄電池付き高齢者住宅、災害時には供給対応 2017/12/4 日本経済新聞
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 積水化学工業のグループ会社である東北セキスイハイム不動産(仙台市宮城野区)とヘルシーサービス(千葉市)は、仙台市に自社運営のサービス付き高齢者向け住宅「ハイムガーデン仙台泉」を竣工し、2017年12月7日に開所する。
 鉄骨ユニット造2階建てで、介護を必要とする高齢者向け「一番館」(30戸)と、アクティブシニア向けの「二番館」(18戸)の2棟構成。一番館には定格出力7.07kW、二番館には同9.90kWの太陽光発電システムを搭載した。太陽光パネルおよびパワーコンディショナー(PCS)は、一番館がシャープ製、二番館が京セラ製。
 また、一番館にはニチコン製の屋外設置型蓄電池を、二番館には京セラ製の屋内設置型蓄電池を設置した。容量は各12kWh。さらに、余剰電力を電気自動車(EV)に蓄電し災害時などに建物に供給するVtoHシステムを備えた。EVには日産自動車の7人乗りワゴン「e-NV200」を導入した。
 各居室はバリアフリーにするとともに、IHキッチン、介助しやすいトイレ空間、車イスでも使える洗面化粧台、緊急通報装置などを設置した。高気密・高断熱の建物で温度差の少ない環境で安全、快適に生活できるという。
 一番館はヘルシーサービスが運営を担当し、専任スタッフが24時間365日体制でサポートする。二番館は東北セキスイハイム不動産が運営し、セキスイハイムグループとセントラルスポーツとの協業で、運動機能の維持・改善のための「うちジム」を設けた。二番館の入居者が要介護になった場合、一番館への転居も可能。

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10 LIXIL、ドアやシャッターをAIスピーカーで操作 2017/12/4 日本経済新聞
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 LIXILは4日、AIスピーカーと連携した電動シャッターや玄関ドアなどの建材を開発したと発表した。AIスピーカーに「行ってきます」などと話しかけると、センサーを組み込んだドア類が自動で動く。AIスピーカーと連携した建材は国内で初めてという。
 2018年4月に全国で発売する。AIスピーカーやスマートフォン(スマホ)と建材を連携するシステムとして販売し、導入費用は基本プランで10万円程度(建材の購入費は除く)の見通し。
 浴室やトイレなどの水回り商品のほか、照明やエアコンなど外部メーカーが発売する機器でも使えるようにする。スマホと連携した外出先からの遠隔操作や、カメラを利用して不在時の留守宅の見守りに使うなど、住宅内のあらゆるモノがネットにつながる「IoT」の総合的なシステムとして構築したい考えだ。

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11 京都市の民泊規制厳しく 条例素案、不動産業界は懸念の声 2017/12/1 日本経済新聞
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 京都市は1日、民泊条例案の骨子をまとめた。市中心部で営業する民泊でも、管理者らが緊急時などに約10分内で駆けつけられるよう求めるなど、全国でも厳しい規制の内容となった。トラブルを警戒する地域住民らへの配慮をにじませた一方、不動産業界からは懸念の声も出ている。
 「地域住民と観光客の安心安全の両立のためには(法律の)ぎりぎり限界に挑戦する条例が必要だ」。民泊規制を検討するため11月に開かれた有識者会議で門川大作京都市長は語気を強めた。
 2018年6月の住宅宿泊事業法(民泊新法)施行に伴い、全国的に民泊が解禁となる。無許可で営業していた民泊が法に基づいて営業できるようになるが、自治体には不安の声が大きい。実態の不透明な民泊が野放しになりかねないとの懸念があるためだ。
 民泊新法は地域の実情に合わせて区域を定め、営業期間を制限する条例を定めてよいとしている。京都市は金閣寺や南禅寺の周辺などの住居専用地域(京町家や家主居住型民泊除く)については、閑散期の1~2月の60日間に営業を制限するよう検討してきた。
 だが京都市内では観光地と住宅地が隣接し、市中心部には京都御苑や二条城などの観光施設が集中する。有識者会議でも「上京区や中京区など、市中心部でも制限を設けないと意味がなくなるのでは」との声があった。
 そこで設けたのが「駆け付け要件」だ。緊急時でも宿泊施設から10分程度で駆けつけられるよう、施設から半径800メートル以内に事業者か管理者が駐在するよう求めた。これまでは海外に拠点を置き、緊急時に連絡が取れない事業者も多かったが、国内に管理する代理人を置く必要が生じる。
 一方、不動産業界からは不安の声も。京都市内で不動産業を営むフラット・エージェンシーは「規制を強めると民泊事業をやりたがっている新規参入者の意欲をそいでしまう可能性がある」と指摘。市内で不動産業を営む都ハウジングの岡本秀巳社長は「全国的にも大変厳しい条例」と語る。
 石井啓一国土交通相は1日の記者会見で、自治体による過度な規制に懸念を示した。シェアエコノミーの一角を占める民泊は、既存の経済の枠組みにとらわれない新しいビジネスのあり方ともいえる。地域と共生し、どう国際観光都市の未来を模索するのか。京都市の挑戦に注目が集まる

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12 低圧一括受電でZEH基準を満たす賃貸集合住宅 2017/12/1 日本経済新聞
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 大東建託と京セラは2017年11月30日、静岡県伊豆市にて、戸建てのネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)基準を満たす賃貸集合住宅「ルタン」が完成したと発表した。現在、共同特許を出願中という。
 木造ツーバイフォー(2×4)工法を採用した1棟6世帯の集合住宅で、21.8kWの太陽光発電設備を備える。屋根形状を招き屋根とすることで、太陽光パネルの設置容量を増やした。太陽光パネルおよびパワーコンディショナー(PCS)はともに京セラ製。
 戸建てZEH基準と「低圧一括受電システム」を組み合わせた。同システムは、低圧での電力の受電と余剰電力の売電、各戸への太陽光発電電力の分配などを電力会社との間で一括して行う。全住戸の電気を取りまとめることでPCSなどの設備投資を削減できるため、賃貸住宅オーナーにとって事業性の向上が期待できる。
 この他にも、小屋裏および床下の断熱性能を向上し、省エネ性能の高いアルミ樹脂複合サッシを採用した。断熱性能を高めることで冬は暖かく、夏は涼しい快適な住空間を提供するほか、資産価値も向上するという。
 既に全室入居契約済みで、12月1日から入居開始する。両社は、低圧一括受電システムを組み合わせたZEH基準を満たす賃貸集合住宅を積極的に展開していく。

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13 CTC、住宅ローン 対話型動画で説明 2017/12/1 日本経済新聞
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 システム開発の伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は1日、顧客と画面上で対話しながら説明を進める動画配信システムを活用し、三井住友信託銀行に住宅ローンなどを紹介する専用動画「どこでもローンガイド」を提供したと発表した。
 三井住友信託銀行は店舗やDVD、インターネットで住宅ローン契約の説明をしている。ただ説明が画一的になりやすく申込内容に沿った案内や顧客の理解度に合わせた説明が難しかった。
 そこでピツニーボウズジャパン(東京・品川)が開発したシステムの導入を決めた。視聴者の属性や嗜好、契約内容などに応じた対話型の動画を配信する機能を備える。動画の視聴時間や回数なども一覧で確認できる。動画を通じた説明の進捗も簡単に把握することが可能だ。
 同システムを活用したどこでもローンガイドでは顧客の住宅ローンの申し込みプランに合わせて動画が進む。申し込みプランの内容に沿って契約後の手続きなどを分かりやすく説明する。
 銀行店舗の担当者は顧客がどこでもローンガイドをどれだけ視聴しているか知ることで理解度や質問、要望を事前に把握し、来店時に円滑な説明ができる。動画では家計の見直しや資産運用、相続といった関連の商品・サービスも紹介している。

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14 12月の住宅ローン金利 全行据え置き 2017/11/30 日本経済新聞
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 三菱東京UFJ銀行など大手行は30日、12月に適用する住宅ローン金利を据え置くと発表した。固定型10年の最優遇金利は三菱UFJ銀が0.75%、三井住友信託銀は0.70%で前月から横ばい。三井住友銀は1.05%、みずほ銀行は0.80%とする。りそなグループも前月から据え置いた。

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15 パナ、リフォーム事業の売上高目標を引き下げ 2017/11/30 日本経済新聞
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 パナソニックは30日、住宅リフォーム事業の売上高で2025年度に16年度比55%増の500億円を目指すと発表した。18年度に1000億円にするとしていた従来目標を引き下げる。台所やトイレなど家の一部だけを改修する事業で競争が厳しくなる中、当初想定していたM&A(合併・買収)を用いた成長路線を撤回。今後は自社の営業員で住空間全体を提案する大規模改修に注力する。
 16年4月に設立した子会社「パナソニックリフォーム」の事業方針を見直した。同社推定で市場の84%を占める費用100万円以下の設備交換や一部スペースの改修は、家電量販店やネット経由の業者などの参入が相次いでいる。
 パナソニックリフォームの和田庸平副社長は「パナホームによる新築元請けを通じて多くの顧客を抱えている」としたものの、今後は価格競争が激しくなると予想される。一部改修を得意とする企業を買収して量による拡大を描いていたが、他社との違いを出すのが難しくなると判断した。
 今後は「住空間リノベーション」と呼ぶ費用500万円以上の大規模改修に経営資源を割く。他社を含めた過去の3500の改修事例を、想定される顧客の要望や改修場所ごとに分けて体系化した上で案を作る「くらしコレクション」と呼ぶサービスを12月から始める。全国450人の営業担当者全員にタブレット端末を持たせ、顧客と一緒に操作しながら同サービスから理想の改修案を練る。経験が浅い営業員でも適格な提案をできるようにする。
 パナソニックが持つ照明や空調などの技術を組み合わせて、家全体を住みやすくする提案を増やす。大規模改修では25年度に16年度比2.4倍の300億円を目指す。

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16 10月の住宅着工戸数、4カ月連続減少 2017/11/30 日本経済新聞
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 国土交通省が30日発表した10月の新設住宅着工戸数は前年同月比4.8%減の8万3057戸となり、4カ月連続で減少した。貸家は同4.8%減の3万8017戸と5カ月連続で減った。
 貸家は5月まで相続税の節税対策と低金利を背景に19カ月連続で伸びていた。しかし供給過多で地方では借り手がつかず空室が増えている。地銀による「アパートローン」が増えていることを金融庁と日銀が問題視しており、茨城県、山梨県、鳥取県、高知県の減少率はそれぞれ4割を超えた。持ち家と分譲住宅も4.8%減で、それぞれ2万4807戸、1万9588戸だった。

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17 早川ゴム、集合住宅などの改修に的 部材生産の新工場完成 2017/11/30 日本経済新聞
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 建築・産業用ゴム製品の早川ゴム(広島県福山市)はマンションや上下水道の改修需要の取り込みに力を入れる。大規模改修に使う防水シート部材などを生産する第2成型工場がこのほど本社・蓑島工場(広島県福山市)敷地内に完成、2018年4月に稼働させる。また、耐震製品を使った上下水道の改修も首都圏で拡大。老朽物件の耐震化・長寿命化ニーズを的確に捉えるため、社内システムも更新する。
 新工場では建築物の屋根などに使われる鋼板に塩化ビニール樹脂製の防水シートを圧着した塩ビ積層鋼板を製造する。工場建屋は鉄骨2階建てで、延べ床面積は約3100平方メートル。総建設費は5億円。2億円をかけて鋼板と防水シートを圧着する機械なども導入する。18年4月に稼働させ、21年3月期にはフル生産させて20億円規模の年間売上高を目指す。
 国内では築後30年以上のマンションが増えており、大規模改修工事の需要は拡大が続きそうだ。矢野経済研究所(東京・中野)によると、17年に6207億円と見込まれるマンション共用部修繕工事の市場規模は、20年に6788億円となる見通し。その中で防水シートは「特に施工が容易な塩ビ樹脂製の需要が伸びる」(早川雅則社長)。
 早川ゴムは19年に創業100周年を迎える。工場新設は、これを機に生産体制を効率化する一環でもある。老朽化した創業地の松浜工場(福山市)の一部を簑島に移し、簑島の既存設備も再配置して生産効率を高める。新工場はスペースに余裕を持たせており、成長の見込める電子部品接合材などの新製品開発にも力を入れる考えだ。
 同社は上下水道のマンホール用「耐震可とう継ぎ手」大手でもあることから、首都圏で上下水道の改修需要も開拓する。
 耐震可とう継ぎ手は上下水道管とマンホールをつなぐゴムを内蔵したリング状の止水製品で、地震が発生しても要所を壊れにくくする。同社はこの継ぎ手本体と水道管を延命するための部材、両者をマンホールと水道管に取り付ける短工期の施工法をセットにした新サービス「リメイクリング」を展開する。
 すでに東京都八王子市で受注しており、18年3月までにマンホール計1000カ所で提供する。16年2月に神奈川県小田原市(100カ所)の案件を請け負ってから首都圏を中心に受注を伸ばしており、21年3月期に売上高3億円を目指す。
 国土交通省の推定によると、下水道の総延長約45万キロメートルのうち、建設後50年以上たった割合は13年に約2%だったが、23年には約9%、33年には約24%に増えるという。
 マンションや下水道の改修需要を取り込むために、19年1月には基幹システムも刷新する。受注や生産、出荷、在庫管理などを“見える化”することで、現場の作業負担の軽減や納期、工期の管理体制を強化する。

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18 10月の新設住宅着工、前年比4.8%減 マンションが16.9%減少 2017/11/30 日本経済新聞
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 国土交通省が30日発表した建築着工統計調査によると、10月の新設住宅着工戸数は前年同月比4.8%減の8万3057戸だった。4カ月連続で減少した。QUICKがまとめた市場予想の中央値は2.8%減だった。マイナス金利政策導入後に増加した反動もあり、持ち家、貸家、分譲全ての項目が減少した。季節調整済みの年率換算値では前月比2.0%減だった。
 内訳をみると、貸家が前年同月比4.8%減の3万8017戸だった。減少は5カ月連続。相続税の節税を目的とした着工が一服したことが響いた。10月の貸家着工は首都圏と中部圏で前年実績を下回った。
 分譲は4.8%減の1万9588戸だった。減少は2カ月連続。分譲マンションが大規模案件の減少で16.9%減少した。一方で、分譲住宅は5.0%増加した。持ち家は4.8%減の2万4807戸と5カ月連続で減少した。
 同時に発表した10月の新築に関する住宅投資予定額は前年同月比2.5%減の1兆2536億円だった。減少は4カ月連続。項目別では、持ち家が4.0%減、貸家が5.1%減、分譲住宅が2.7%増だった

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19 長谷工、マンション向け「杭」開発 性能維持しつつ経済的に 2017/12/6 朝日新聞
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 長谷工コーポレーションはこのほど、日興基礎と大亜ソイルと共に、場所打ちコンクリートによる中間拡径杭「HND―NB工法」を開発し、ベターリビングの建築技術審査証明と評定を取得したと発表した。従来の「HND工法」よりも杭長が短く、杭径も細いものの、同等の支持力と引き抜き抵抗力を持つという。使用するコンクリート量を削減することができるため経済的で、施工時間も短い。
 同社が設計・施工する新築分譲マンションに積極的に採用していく。

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20 建材とAIスピーカーを連携させた国内初のシステム開発 LIXIL 2017/12/6 朝日新聞
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 LIXILは、家電やデジタル機器だけでなく、玄関ドアや窓シャッターなどの建材までIoT技術でトータルにつながる、住まいのリンクシステムを開発。建材とAIスピーカーを連携させた国内初(同社調べ)の商品として、18年4月から全国で発売する予定だ。
 新システムは住宅設備機器などを操作・連携させる「ホームコントローラ」と、各種センサ、カメラ、AIスピーカーなどを操作・連携させる「リンクコントローラ」を融合し、IoT連携させるもの。AIスピーカーやスマートフォンアプリでの一括管理・コントロールに加え、建材を操作することでも、エアコンや照明を自動で連動させることが可能。さらに、離れて暮らす家族や、外出時の子どもの帰宅など、玄関ドアの開閉を契機にカメラが連動し、その映像をメールでスマートフォンに通知することも可能となる。

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21 ライフルが海外不動産投資セミナー開催、12月10日・本社で 2017/12/5 朝日新聞
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 ライフル(東京都千代田区)は12月10日、同社本社(東京メトロ半蔵門駅徒歩2分)で海外不動産投資セミナー「ドル建て不動産投資のススメ」を開催する。講師に経世論研究所所長の三橋貴明氏、エコノミストの崔真淑氏を招き、米ドル建て不動産に投資するべき理由や、米ドル資産保有の優位性について講演する。午後1時~午後5時半。参加費無料。問い合わせは電話03(6774)1672まで

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22 野村不動産アーバンネット 不動産サイト「ノムコム」にVRホームステージング導入 2017/12/5 朝日新聞
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 野村不動産アーバンネットは12月5日、同社の不動産サイト「ノムコム」にVRホームステージングを導入した。バーチャルリアルティ技術により、VRシステムのVR内見に家具データベースを組み込み、360度カメラで撮影した室内の写真にCGの家具データを配置する。物件のイメージをよりつかみやすくするもの。

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23 国際不動産FCのサザビーズ、”新興富裕層”でシェア拡大へ 2017/12/5 朝日新聞
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 世界69カ国で富裕層向け高額不動産FC事業を展開するサザビーズ・インターナショナル・リアルティ(本部・米国ニュージャージー州)。このほど、同社トップのフィリップ・A・ホワイト氏が来日し、都内で会見した。「来年はグローバル化を一段と進め、マーケットシェアを現在の2倍に拡大したい」。そのための戦略として「これまでオークションで数十億円の絵画を落札するような超富裕層をメーンとしていたが、今後は間口を広げ、もう少し投資可能資金の少ない“新興富裕層”もターゲットとしていく」と述べた。

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24 「ご近所付き合い」「インターネット」お題に川柳募集 東京土地家屋調査士会 2017/12/4 朝日新聞
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 東京土地家屋調査士会は12月4日から、「ご近所付き合い」「インターネット」をテーマにした川柳を募集する。土地の境界線などで隣人とトラブルなどが起きるケースは日常発生しており、そうしたトラブル解決も土地家屋調査士の仕事の1つであること。また、インターネットは生活に欠かせないツールになっていることから、テーマに選んだ。
 どちらかをテーマにした川柳を18年1月12日まで募集している。応募方法は、東京土地家屋調査士会のHPから専用フォームで行うものと、はがきで応募する方法がある。
 詳しい問い合わせは東京土地家屋調査士会のホームページ(http://www.tokyo-chousashi.or.jp/)まで。

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25 クラウドで観光などに特化した不動産投資を募集 プレリートファンド 2017/12/4 朝日新聞
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 プレリートファンド株式会社は12月11日から、maneoマーケット株式会社との協働で不動産特化型のクラウドファンディング・サービス「プレリートファンド」の提供を開始。同月18日から投資の募集を開始する。
 「プレリートファンド」は今後も成長が期待できる観光、ヘルスケアなどの分野に特化。ファンドの出口戦略として国内外のREITを想定。投資を募る不動産情報を積極的に開示し、高い透明度を確保する。

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26 物流施設事業に本格参入、首都圏で第1弾を着工 新日鉄興和不動産 2017/12/1 朝日新聞
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 新日鉄興和不動産は12月1日、物流施設「LOGIFRONT(ロジフロント)」シリーズを新規に展開し、第1弾となる「LOGIFRONT越谷1」を着工した。
 同施設は国道16号線の内側、都心から25キロメートル圏内、東京外環自動車道「草加」ICから約6キロメートルに位置。国道4号線へのアクセスも良好で、道路の混雑状況に応じた配送ルートの選択が可能。1~3階まで大型トラックが自走可能なランプウェイおよび着床可能なトラックバースを設置する。
 同社は、同施設を契機に物流施設事業に本格参入。新日鉄住金グループの遊休地活用などを含め、首都圏、関西圏などで物流施設事業を展開していく。同施設の東側敷地には、シリーズ第2弾となる「LOGIFRONT越谷2」の開発計画も推進している。

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27 大阪の建築コンペに参加 早稲田と芝浦工大の合同チーム 2017/12/1 朝日新聞
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 早稲田大学と芝浦工業大学の両大学の研究室を中心とする合同チームは、12月2日から17日まで大阪市のうめきたサザンパークで公開される大学対抗建築コンペ「エネマネハウス2017」に参加する。学生が提案から施工まで携わったモデルハウスを提示する。
 70年代につくられた工業化住宅をリデザイン。既存構造体を残しつつ高断熱壁の配置や設備の導入と運用に工夫を加え、ゼロエネルギーを達成したという。同チームの一人である芝浦工大建設工学専攻修士1年の女子学生は、「初めての合同チームで同じ環境シミュレーションでもまったく別のソフトを使うなど学ぶことが多く、貴重な機会となった」と話している。

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28 大阪宅建協会がライフルと業務提携、不動産情報サイト分野で 2017/12/1 朝日新聞
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 大阪府宅地建物取引業協会(大阪府大阪市、阪井一仁会長)は、ライフル(東京都千代田区、井上高志社長)と不動産情報サイト業務において11月28日付けで業務提携を締結した。大阪宅建協会は府内最大の約8500社が加盟する業界団体。この提携により、同協会会員が持つ物件情報を、ライフルが運営する「ライフルホームズ」を通じて公開し、会員会社の業務支援と不動産流通の活性化を目指す。

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29 ナーブ、「VR内見システム」をケイアイスターに提供開始 2017/12/1 朝日新聞
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 ナーブ(東京都千代田区)はこのほど、VR(ヴァーチャルリアリティ)で不動産内見・接客ができる「VR内見」システムを、関東を中心に不動産販売を行うケイアイスター不動産(埼玉県本庄市)に提供開始した。ケイアイスターが運営するビジネスネットワーク事業「KEIAI.net」サービスの一環としたもので、新築戸建て建売仲介業界では初めての取り組みとなる。竣工前に建築後イメージを確認できるため、現地案内の時間短縮効果が期待できる。

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30 前月比再び下落 10月・首都圏、新築戸建て成約価格 2017/11/30 朝日新聞
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 アットホームの調査によると、10月の首都圏における新築戸建て住宅の平均成約価格は3359万円(前月比1.5%下落)で、3カ月ぶりに上昇した前月から再び下落した。エリア別に見ると、東京23区の平均価格は4817万円(同1.5%上昇)。東京都下は3615万円(同0.4%下落)、埼玉県は成約数も多く、同2.4%プラスの2959万円と上昇したが、神奈川県は3586万円(同2.1%下落)、千葉県も2603万円で、同4.4%下落した。
 09年1月を100とした価格指数を見ると、首都圏の価格指数は前月比1.4ポイント増の94.9。東京23区が最も高い値となっており、104.2(同1.6ポイント増)だった。

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31 「JIBANGOO」のアプリをリリース 地盤ネットHD 2017/11/30 朝日新聞
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 地盤ネットホールディングスは11月28日、関連会社である地盤ネット総合研究所が開発したスマートフォン端末対応のウェブサービス「JIBANGOO(ジバングー)」をリリースした。
 ジバングーは同社が2月に開設した不動産ポータルサイトで、地盤の安全性を見える化し、新しい価値基準を提案するマッチングサイト。2月のリリース後、約9カ月で利用ユーザーが5000人を突破し、累計掲載物件数は1200件を超える。今回、新たにリリースしたのはiOS版、Android版となる。

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32 老後の暮らしを考えるセミナー12月15日開催 ウスイホーム 2017/11/30 朝日新聞
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 ウスイホームは、12月15日に同社馬堀海岸店(神奈川県横須賀市)で、「老後を自宅で安心・安全に暮らすための無料セミナー」を予約先着20人限定で開催する。参加費無料。
 1部では、認知症高齢者の対応や介護予防の方法などを看護師が紹介するほか、認知症の薬の種類や注意点について薬剤師が解説。2部では、同社担当者がバリアフリーリフォームの事例や費用を紹介する

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33 参考にしたい「理想の新婚部屋」はどれ? ライフスタイルに合わせた4つの間取りを紹介 2017/12/06 読売新聞
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結婚情報誌「ゼクシィ」編集部とデベロッパーの伊藤忠都市開発が共同で、新婚夫婦向けの「理想の新婚部屋」を4タイプ提案している。新婚といっても、人それぞれ新婚生活の過ごし方が異なるため、理想の部屋も変わるのだという。実際にどんな間取りが提案されているのか?詳しく見ていこう。
どの「理想の新婚部屋」が好み?ライフスタイルで間取り・内装は大違い!
「理想の新婚部屋」を4タイプ用意したのは、ゼクシィ編集部が花嫁285人に調査し、新婚夫婦のライフスタイルを分析した結果、大きく4タイプあることが分かったから。伊藤忠都市開発のマンションのモデルルームなども参考にして、両者で検討してそれぞれの理想の空間を具体化していったという。
新婚部屋の基本は、バルコニー付きの50m2の空間だ。ライフスタイルに応じて、間取りや内装を大胆に変えて次のような図面で表現している。詳しい間取り説明は、『ゼクシィ』首都圏版 1 月号や「理想の新婚部屋投票サイト」に掲載されているが、ここでは筆者の各間取りに対する印象を述べてみたい。

●Aタイプ
Aタイプは、いつでも二人でいたい、互いの存在を感じていたい夫婦向けの間取りだ。メインルームは大きなベッドを置いたリビング兼寝室。ソファに座ったりベッドの上でごろごろしながらテレビや映画の視聴ができる。バスルームが大きいのも特徴で、これなら二人一緒に入ることも可能だ。玄関に2人の思い出を飾れるメモリアルコーナーを用意するといった工夫も。
この間取りの場合、来訪者の居場所があまりないので、基本的に二人だけの時間を楽しみたい夫婦向きだろう。独立したダイニングスペースがなく、リビングのソファがそれを兼ねるので、普段は互いに仕事が忙しくて一緒にじっくり食事をする機会が少ない夫婦という想定だろうか。
互いが視界に入ることの多い間取りなので、違うことをしていても相手の存在を感じられるが、一方で室内から気持ちを解放したいと思うことも。そのとき生きてくるのが、中央のガラス張りの中庭空間なのだろう。非日常世界がどこにいても見えることで、気持ちがリセットできるのかもしれない。

●Bタイプ
Bタイプは、間仕切りのない開放的な空間で、室内での行き来がしやすい。相手がどこにいるか自然と感じられるようになっているが、壁に向いた読書や趣味のための小さなカウンターも複数用意されているので、一人で集中作業をする場所も確保できている。
この間取りの大きな特徴は、平面の図面では分かりにくいのだが、室内空間の高低差を活用している点だ。ダイニングと一体のキッチンは、土台を下に敷いてここだけ高くしている。周囲が見渡せる工夫だ。ベッドはロフトに配置(ハシゴで移動)していて、その下は収納などの閉じた空間として使えるようになっている。ただし、高低差を活用するには天井の高さが必要。天井が低いと逆に圧迫感が生じてしまうからだ。
ほとんどの時間は相手の行動を見ながら、離れたり一緒に行動したりといった選択ができる間取りなので、ゆる~くつながっていたい夫婦向き、あるいは開放的な間取りが好きな夫婦向きといえるだろう。

●Cタイプ
Cタイプは、玄関から入るとまずそれぞれの収納付き個室に入る間取りだ。夫婦といえども自分の時間を大事にしたい、睡眠をしっかりとりたいといった夫婦向きだろう。
来訪者の動線も、必ずどちらかの個室を通ることになる。一方で、LDKのスペースもしっかり確保している。くつろぎ空間として、そのままソファとしてもベッドとしても使える「デイベッド」を据え、ごろごろしたりうたたねしたりしながら夫婦二人の時間を楽しむこともできる。
「七夕カップル」とはうまく名付けたものだ。互いが個室にいる時間が長くならないように、夫婦一緒の時間はラブラブでいたいという愛の強さがあってこそ生きる間取りか?

●Dタイプ
Dタイプは、必要なプライベート空間をコンパクトに集約し、バルコニーと一体にしてLDK空間を活用できるようにした間取りだ。
大きなキッチンカウンターを囲むダイニング空間とグニャグニャソファを置いた「ふわモコスペース」と名付けたリビング空間を独立して確保している。機能分けをしたLDKは来訪者を迎えるハレの時間も、夫婦で過ごす日常のケの時間も、常に使われる空間となる。
玄関からLDKへの動線も兼ねる広い廊下的な空間は、子どもの遊び場になる「キッズランド」として提案されている。子どもと大人のパブリック空間を分けるという発想のようだが、来訪者の荷物置き場や夫婦の収納置き場になってしまう危険性も感じる。
ホームパーティー好きの夫婦、あるいはパブリックとプライベートなど機能をしっかり分けたい夫婦向きと言えるだろう。

人気投票の結果で理想の新婚部屋が実現する?
通常のマンションでは、できるだけ多くの人に買ってもらうために、万人受けする間取りや内装が採用されることが多い。今回提案された4タイプの間取りは、新婚夫婦に限らず、ライフスタイルが確立している夫婦に合うように、かなり大胆な間取りとなっている。
50m2という制約があるので、LDKも寝室も収納も水まわりも広く……ということはできない。どこを重視してどこを妥協するかメリハリをつけた結果が、個性的な間取りを生んでいる。こうした間取りの考え方は、これからリフォームする人や家を建てる人にも、参考になる点があるだろう。
提案する4タイプについて、人気投票が2018年1月31日まで行われている。その結果を受けて、実際にその間取りが伊藤忠都市開発の新築マンションで採用されるという。実現した部屋も見てみたいものだ。

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34 若者がセルフリノベ! 過疎の団地が”海を臨む別宅”に 2017/12/01 読売新聞 
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過疎化が進む郊外の団地を、自らの手でリノベーションして暮らしを楽しむ若者たちがいる。二宮団地に実際に住んで日々の生活を発信する「暮らし体験ライター」として生活している彼らに、新しい団地暮らしの楽しみ方をきいた。

若者を呼び込み団地を再生!
皆さんは“団地”という言葉に、何を想起するだろうか。懐かしい昭和の香りや、家族やご近所さんとの親しい人間関係、ゆったりとした共用敷地。そんなプラスのイメージを持つ人もいるかもしれない。
一方で近年の団地が抱えているマイナス面に思いを馳せる人もいるだろう。1960年代から1980年代にかけて各地で団地が建設・供給されたが、それから約50年が経ち、建物の老朽化が進んでいる。日本の人口減少を背景に若い世代が入居せず、住人も高齢化している。実際多くの団地が膨大な空室を抱えて過疎化している現実がある。
そんななか、発信力のある若者を暮らし体験ライターとして迎えることで、プラス面を引き出し、マイナス面を乗り越えようとする団地がある。それが、神奈川県中郡二宮町にある「二宮団地」。“さとやまライフ”をキーワードに団地と地域の魅力を再発見・発信する再編プロジェクトを展開しており、暮らし体験ライターはその一環だ。ライターたちは二宮団地での暮らしをブログに綴り、 オンラインで発信している。
団地を再生する新たな取り組みを、二宮団地の事務所にて推進する神奈川県住宅供給公社の鈴木伸一朗さんと、暮らし体験ライターのチョウハシトオルさん、岸田壮史(きしだ・そうし)さん、大井あゆみさんに話をきいた。

団地再生のキーワードは、セルフリノベーションと多拠点居住
「神奈川県住宅供給公社は、ふたつの視点から二宮団地の暮らし体験ライターを人選しました。ひとつめは、セルフリノベーションのスキルがある人材。ふたつめには、団地の他にも拠点を持ち、都市部と二宮団地を行き来しながら暮らす人材です。リノベーションと多拠点居住は、今後二宮団地を再生していくカギとなる要素だと考えています。ですからライターが率先して成功事例をつくってくれることに期待しました」(鈴木伸一朗さん)
二宮団地は今年2017年から、築50年の老朽化した建物をリノベーションして賃貸する試みを始めており、徐々に住人が増え始めている。団地で想起される、畳敷きの部屋やバランス釜の風呂といった古い設備を一新し、無垢材を使った清潔感のあるさとやま風の内装や3点給湯など現代の設備仕様にすることで、若い借り手が増えたという。そこから一歩進めて、オリジナルの内装で団地をカスタマイズするモデルケースをつくることで、より個性的な暮らし方を発信する考えだ。
また、“さとやまライフ”を打ち出していることからも伝わるように、二宮団地は自然に恵まれている。しかも東海道本線や湘南新宿ラインを使えば横浜まで39分、品川まで58分、新宿まで72分と、都心の近くに位置している。JR二宮駅からバスで10分前後と通勤にはやや不便な立地だが、高台に位置する団地は見晴らしがよく、気軽に訪れて別荘のようにリフレッシュしたり、在宅ワーカーが集中して仕事をするための拠点にしたりといった用途には最適と考え、定住以外の居住スタイルも模索する。

デザインセンスとリノベーションのスキルで、古いものを輝かせる
募集の背景から、暮らし体験ライターのうち2名はリノベーションスキルのあるチョウハシトオルさん、岸田壮史さんが選ばれた。ふたりとも神奈川を拠点に活動するフリーランスの設計・施工技術者。実際に団地の一室をセルフリノベーションし、建物の古さを逆手に取ったクリエイティブな暮らしを楽しんでいる。
「僕は大学でインテリアデザインを学んでいたころから、古いものにデザインを加えて再生することに興味がありました。古くからあるものは時代とのズレが生じてしまいがちですが、視点を変えることで新たな魅力が見えてくることがあります。団地も部屋の使い方やコミュニティ運営などをリデザインすることで、新しい暮らし方が発見できるのではないでしょうか」(チョウハシトオルさん)
「去年7月に横須賀の工務店を辞めて、今後はフリーランスとして地域に密着したスタイルで建築や内装の仕事をしていきたいと考えています。二宮団地で自分のリノベーション作品を発信し、かつそこに住まうことで、地域とのつながりが増えたらうれしいですね。二宮の記事で僕のことを知ったお客さんから発注をいただくなど、すでに仕事にもプラスになっています」(岸田壮史さん)
若者を中心にセルフリノベーションの人気が定着しているが、都会ではリノベーション可能な物件が少ないのが現状。団地の内部を思い切りリノベーションして新しい暮らし方を発信することに、チョウハシさんも岸田さんも期待感をもって取り組んでいるようだ。

忙しい都会暮らしから距離を置く拠点として、団地を活用
チョウハシさんも岸田さんも、二宮団地に居住するが、フリーランスの編集者、大井あゆみさんは東京の中野の住まいと二宮団地を行き来している2拠点居住者だ。
「佐々木俊尚さんやナガオカケンメイさんなど、多拠点居住を実践する著名人を仕事で取材したことがあり、さまざまな拠点を行き来するライフスタイルに興味を持っていました。また個人的な出来事として、今年はじめに大分の実家を引き払い、両親を東京に呼び寄せた経緯があります。都会は便利ですが、故郷を彷彿とさせるような自然豊かな地域にも愛着があります。今は両親も一緒にふたつの拠点を行き来し、都会と田舎の暮らしを満喫中です」(大井あゆみさん)
政府が“働き方改革”の旗振りを行っていることもあり、在宅勤務を導入する企業も増えている。頻繁に都心に通勤する必要がなければ、住む場所も自由に選べる。大井さんのようなフリーランサーでなくても、週に何日かの田舎暮らしがリアリティを持つ時代になってきた。
「セルフリノベーションした私の部屋の家賃は、36.94m2の2DKで月に3万円ほどです。都心なら駐車場を持つ金額とほぼ同額で、海を望む別宅を持てるのは魅力的だと思いますよ。お試しで住んでみて、こちらの暮らしが性に合えば将来の移住を視野に入れるのもアリかもしれません」(大井さん)
全国的に空き家の増加が問題になっている一方で、東京都中心部の住宅価格は高騰を続けている。今後は東京に働く拠点を維持しながら、手ごろな価格で暮らせる郊外や他府県へと徐々に軸足を移し、“ときどき東京に出稼ぎしつつ、終の住処となる地方の拠点を整える“というライフスタイルを実践する人も増えてくるかもしれない。
住人の高齢化や空き家問題――昭和の時代に団塊世代向けに一括供給され、同世代人口の比率が高い団地は、日本がこれから直面する問題を先取りしているともいえる。
二宮団地に関していえば、空き家率が40%と既に深刻な状況だが、こういった状況を逆手に取って、暮らしを楽しもうとする若い世代は、着実に増えてきている。また賃貸住宅の所有者・事業者である神奈川県住宅供給公社も、老朽化した建物をメンテナンスしたり、今までの原則を緩和したりといった、受け入れ体制を整えている。二宮団地のチャレンジには、全国の住宅問題を考えるうえでも重要なヒントがありそうだ。

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35 部屋の間取りや家具にも変化が起こる!? 専門家に聞いた“テレワーク”の可能性 2017/11/30 読売新聞
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情報通信技術(ICT)を活用し、場所や時間を有効活用できる柔軟な働き方「テレワーク」への関心が高まっています。2020年の東京オリンピック開会式の日にちなみ、今年7月24日には在宅勤務やモバイルワークなどの「テレワーク」を推奨する「テレワーク・デイ」が実施され、全国の922の企業や自治体がテレワークに取り組みました。なぜ今改めてテレワークが注目されているのか、今回はテレワークの専門家として、講演や講義も数多く行う株式会社テレワークマネジメント代表取締役の田澤由利さんにお話を伺いました。

もはや“特例”ではない! テレワークが広がる理由とは……
経済産業省や総務省、厚生労働省、国土交通省、内閣官房、内閣府が主体となり、今年から始まった「テレワーク・デイ」。IT・情報通信業だけでなく、サービス、製造などさまざまな企業や団体が参加しました。労働力人口の減少でどの企業も慢性的な人手不足に悩むなか、在宅でも仕事ができるテレワークへの関心が高まっているようです。
「今後さらに高齢化が加速し、親の介護で出社が難しくなる人もますます増えていくでしょう。テレワークというと、育児中のママやパパのための制度と考える人もいるかと思いますが、“期間限定”である育児に対して介護はいつまで続くか分かりません。誰にとってもひとごとではないと思います。
また、育児や介護に関係なく、テレワークによって出社にかかる時間のロスがなくなれば、できた時間を有効に活用することもできます。昨今終身雇用制度が揺らぐなか、個人のスキルアップのために勉強したり、副業をしたりするための時間を確保したいと考える人にとってもメリットは大きいのではないでしょうか。テレワークは何か特別な事情がある人のためのものではなく、みんなが自分の働き方を考える上で大切な制度なのではないかと思います」(田澤さん、以下同)

住まいから家の間取りまで!? テレワークで変わるのは働き方だけではない
また、テレワークが多くの人に浸透すれば “働き方”だけではなく、“住まい”にも大きな変化をもたらす可能性があるといいます。
「これまでの家探しは、通勤の利便性が重要な条件の一つでしたが、毎日会社に通う必要がなくなれば、住む場所の選択肢も広がります。『地方に住む』という発想も出てくると、都心に集中している人口も分散し、地方創生や待機児童解消にもつながります。パートナーの転勤によってどちらかが仕事を辞めざるを得ない状況になったり、単身赴任で家族がバラバラになったり……という状況も変わってくるかもしれません」
さらに、細かいところでは「部屋の間取り」や「家具の選び方」などにも影響があるのでは、と田澤さん。
「例えば、家族がいると自分だけの書斎を持つことはなかなか難しいと思いますが、テレワークが普及すれば狭くても仕事部屋として簡易的な書斎を家に設ける人が増えてくるかもしれません。また、リビングで作業する人に向けて、リビングに置いても違和感のないオフィスチェアなど、新しい家具が生まれる可能性だってある。椅子一つから住む場所まで、テレワークによってさまざまな変化が起きることが考えられます」

ICT技術の活用によって、テレワークならではの課題も解決
自身も20年近くテレワークをしてきたという田澤さん。代表を務める株式会社テレワークマネジメントでは、社員がオンラインチャットやテレビ会議などのICTツールを活用し、自分のライフスタイルに合わせたテレワークを実践しています。
今回のテレワーク・デイ参加者からは「職場とのコミュニケーションが難しい」「自宅での業務効率が落ちた」などの声も一部寄せられましたが、これらの課題に対して同社ではICTツールを活用し、解決を図っているそうです。
「例えば、うちでは職場でのコミュニケーションを円滑にするため、ウェブ上に“バーチャルなオフィス”を設けています。これで在宅勤務している人、各地のオフィスで働いている人の状況が一目で分かる。出勤している人をクリックすればチャットや音声で話しかけられるので、実際の職場にいるのと変わらず、コミュニケーションを取ることができます」
また、勤務状況はタイムカードで管理。席について作業を始める際に『着席』ボタン、仕事を中断するときや終業時に『退席』ボタンを押すことで、実質労働時間が分かるといいます。ちなみに、『着席』中は、PCの画面のキャプチャがランダムに記録されるため、作業の内容を把握することもできるといいます。
「われわれは『働いた時間はきちんと計りましょう』というスタンスで、所定労働時間はしっかり働いてもらうことを目標としています。『出社/退社』ではなく、『出席/退席』にすれば、少しお昼寝をしたいときや、子どものお迎えがあるときは『退席』を押すことで時間を管理できる。もし定時になって時間が足りなければ『子どもが寝てから1時間やります』ということも可能です。きちんと時間を管理すれば、みんな時間を意識した働き方ができるようになり、生産性も上がります」
今後ICTツールがさらに進化することにより、導入があまり進んでいない業界などにもテレワークが普及する可能性は十分にある、と田澤さん。
「人材不足は全ての業界に通じる問題ですので、企業には『今できない』ではなくて、『将来できるようにしよう』というビジョンが求められていくのだと思います」
働く人の暮らし方や生き方だけではなく、企業の人材不足や効率化などの課題を解決することにもなりうるテレワーク。東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催される2020年には、テレワークによって住まいや職場の様相はがらりと変わっているのかもしれません。

2017-12-07 | Posted in 住宅関連新聞記事Comments Closed