住宅関連新聞記事ダイジェスト No.712  2017/11/23~2017/11/29

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住宅関連新聞記事ダイジェスト No.712  2017/11/23~2017/11/29
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【日本経済新聞】
1 新築戸建て価格1.5%下落 10月首都圏
2 楽天、民泊にかかわる業務を肩代わり
3 オウチーノ、黒字転換目指す
4 投資用中古マンションの価格 上昇の要素は見当たらず
5 北陸財務局、住宅建設判断3年ぶり下げ 11月
6 戸建ての省エネ基準適合率は大規模住宅を上回る
7 協立エアテック、東京のビル建設増で需要取り込む
8 健全な民泊の促進求める 京都商議所、市に要望
9 トヨタ系と群馬県玉村町、宅地232区画を分譲
10 ジャニス工業、最終減益
11 不動産契約の手間を削減、ブロックチェーンの可能性
12 住宅ローンの団信保険、上乗せ保障広がる 全疾病型も
13 カネカ、住宅用部材ブランド刷新 太陽光や照明も
14 国産合板出荷量、10月27万立方メートル 単月で最高
15 北川精機、建材機械が好調
16 大和ハウス、グーグルAIスピーカーでスマートホーム
17 新日本建設、増配
18 スターツコーポレーション、不動産管理伸びて増益

【朝日新聞】
19 20代、半数以上が最初の不動産会社で契約 いえらぶG調べ
20 中古住宅購入のリフォームに関する調査を実施 シースタイル
21 12月、ロボット介護で展示会 高経協
22 17年度宅建士試験 合格点は35点
23 伝統木造建築用の高性能木造耐力壁2種類を開発 大成建設
24 12月に建築業者向けIoT住宅システムを発売 サンエー
25 長野・白馬スキー場の命名権取得 エイブル
26 音源探査システム「TSounds―Radar」を開発 大成建設
27 「京橋エドグラン」来館者、開業1年で460万人 日土地
28 注目集めるレンタル収納スペース事業、推進協がフォーラム
29 規格住宅チェーンのパートナー説明会 ジブンハウス
30 12月、全国の賃貸市場の変化を考えるシンポジウム HEAD研究会
31 新構築のプレゼンシステムにITビジネス賞 ミサワホーム

【読売新聞】
32 国際不動産価格、上昇率トップは「香港」、日本不動産研究所調べ
33 家の中で寒さを感じやすいシーン、トップは「起床したとき」、積水化学工業調べ
34 最高級木造邸宅プロジェクト、東京23区で本格始動、大和ハウス工業
35 品川勤務者が朝快適に通勤できる路線はどこ? 路線の「混雑率」と「遅延状況」から探ってみた
36 家とココロの専門家に聞く「癒し」のリフォーム 4つのコツ
37 「旧耐震」って危ないの? それでも住みたいならどう選ぶ?
38 保活で高額な「認可外」に 退職するしかない? 賢い住まいのマネー術(1)
39 なぜ空き家は増えるのか?そのヒントが、人気アニメの間取りに隠されていた

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1 新築戸建て価格1.5%下落 10月首都圏 2017/11/29 日本経済新聞
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 不動産サービス大手、アットホーム(東京・大田)が29日発表した10月の首都圏の新築戸建て住宅の平均成約価格は、1戸当たり3359万円と9月に比べて1.5%下がった。下落は2カ月ぶり。神奈川県が3586万円と2.1%下がったほか、千葉県が4.4%安となったのも響いた。
 東京都区部は4817万円と1.5%上昇した。価格が相対的に高い城南・城西エリアで成約事例の割合が高まり、全体に占める5000万円以上の住戸の割合は3割を超えている。埼玉県も高額物件が多いエリアで成約が伸び、2959万円と2.4%上昇した。

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2 楽天、民泊にかかわる業務を肩代わり 2017/11/29 日本経済新聞
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 楽天は29日、古民家やアパートの所有者の代わりに民泊にかかわる業務を代行するサービスを始めると発表した。2018年6月に民泊が全国で解禁される。所有する不動産を民泊で収益化したいと考える個人や法人が増える公算が大きい。半面、物件のPRや清掃、料金設定などを負担に感じる可能性もある。楽天はそこに商機があると判断した。
 「合法で安心な民泊が普及するきっかけにしたい」。楽天LIFULLSTAY(東京・千代田)の太田宗克社長はこの日の記者会見で新サービスに込める思いをこう表現した。同社は楽天の子会社で、民泊にかかわる業務の代行を実際に担当する。すでに法人からの受け付けを始めており、18年春には個人からも受け付ける。
 楽天LIFULLSTAYは法人や個人が所有する民泊用の物件を「RakutenSTAY」のブランド名で仲介会社を通じて提供する。物件の清掃や備品管理、修繕なども肩代わりする。料金設定なども担い、所有者から利益の一部を手数料として受け取る。
 楽天LIFULLSTAYは仲介事業への参入も表明している。空き部屋などを民泊物件として登録し、サービス開始時には数万件の宿泊施設を登録する見通しだ。仲介大手の中国の途家(トゥージア)や米エクスペディア子会社の米ホームアウェイとも連携し、訪日外国人客(インバウンド)を誘客する。
 現在、民泊は「国家戦略特区」に指定された東京都大田区など一部の地域で認められている。インバウンドの増加でホテル不足が深刻になっているとの指摘もあり、18年6月には住宅宿泊事業法(民泊法)が施行され、全国で民泊ができるようになる。
 ただ、民泊を合法的に行うには、宿泊者の本人確認が求められるなど、様々な周辺業務が発生する。個人や中小企業にとって重荷になる公算が大きい。楽天は物件を提供するだけで収益を得られる状況を生み出す考えだ。

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3 オウチーノ、黒字転換目指す 2017/11/29 日本経済新聞
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【黒字転換目指す】17年12月期は住宅・不動産関連ポータル事業で7月から広告の掲載方法の見直しで掲載物件数が増える。微増収。システム開発で人件費の増加を吸収できない。最終赤字に。18年12月期は海外不動産ポータルサイトなどが伸びる。増収。広告費削減で採算改善。黒字転換目指す。

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4 投資用中古マンションの価格 上昇の要素は見当たらず 2017/11/29 日本経済新聞
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不動産コンサルタント 田中歩
 2012年末以降、都区部の中古マンション価格は上昇を続けています。昨年の秋以降、その勢いは衰えつつあるとの声が聞かれるものの、依然として価格の調整局面に入ったとはいえない状況です。一方、投資用マンションの収益の源泉となる賃料は08年のリーマン・ショック以降、売買価格とは全く異なる動きを見せています。

■表面利回りの下落で価格上昇
 上のグラフを見れば明白ですが、12年末以降、23区の中古マンションの売買成約単価は上昇しているものの、マンションの賃料単価はおおむね横ばい傾向です。給与所得者などの可処分所得が増えにくい状況では、賃料の上昇は期待できませんし、実際に可処分所得が増えなかったために賃料上昇が実現しなかったのです。
 このように賃料が横ばいなのにマンションの価格が上昇しているときは、結果として表面利回りが下がります。つまり、
 表面利回り=年間賃料÷中古マンション価格
で計算するので当然のことです。この算式を以下のように変形すると、マンション価格を求める算式になります。
 中古マンション価格(上昇)=年間賃料収入(横ばい)÷表面利回り(下落)
 つまり、投資用の中古マンション価格の上昇は表面利回りの下落によってもたらされたということになります。
 ところで、なぜ表面利回りが下がったのでしょうか。実は表面利回りは「無リスク金利」と「リスクプレミアム」という2つの要素で構成されています。
 世の中にはまったくリスクがないものからリスクの高いものまで、様々な投資商品があります。リスクのない投資商品の代表選手は国債です。国債は国が破綻しない限り、必ず利息は支払われますし、元本も確実に戻ってきます。このことから一般に「無リスク金利」は10年国債利回りとして考えます。
 一方、リスクが高い商品になればなるほど利回りの要求は高まります。無リスク金利にどの程度の上乗せを要求されるかでその投資商品の期待利回りが決まるわけです。この上乗せ部分が「リスクプレミアム」(投資家が上乗せしたいと考える収益率)です。立地や築年数などによって利回りが異なるのは、賃料下落や退去、突発的な修繕などのリスクに対して要求される上乗せ分が異なるからなのです。以上のことから、中古マンションの価格を求める算式の表面利回りの部分を詳しくすると、
 中古マンション価格=年間賃料収入÷(10年国債利回り+リスクプレミアム)
となります。
 それでは、表面利回りを構成する10年国債利回りとリスクプレミアムの動きを見てみましょう。

■今後はリスクプレミアムの変動に注目
 リーマン・ショック後の09年3月ごろは、表面利回りは7%を超えピークを示し、そこから徐々に利回りが低下し現在では5%弱となっています。この期間、10年国債利回りは1.5%程度から右肩下がりを続け、現在は0%付近で横ばい傾向です。08年以降、徐々に表面利回りを下げた要素は10年国債利回りの低下によるものといえますが、10年国債利回りがこれ以上低くなることは考えにくいですし、当面は急上昇するということもなさそうです。となると今後、表面利回りを動かすのはリスクプレミアムの変動ということになりそうです。
 上記のグラフは、リスクプレミアムと日経平均株価の推移を示しています。リスクプレミアムの動きを見てみると上下動を繰り返していますが、面白いことに日経平均株価はこれと反対の動きを、しかもリスクプレミアムに少々先行した動きとなっていることが分かります。
 例えばリーマン・ショックのような経済危機が発生すると、株価下落による損失から投資を控えようとしてリスクプレミアムも上昇します。つまり株価が下がると不動産投資に対して不安感が増し、リスクプレミアムも上がるわけです。逆に株価が上がると不動産投資に対して安心感が増してリスクプレミアムも下がるという動きになります。東日本大震災が発生すれば建物の損壊リスクに目が向き、リスクプレミアムは上昇しました。政権交代後、国内景気が良くなると株価上昇による安心感からリスクプレミアムも低くなっています。

■リスクプレミアムの下落は考えにくい
 問題は今後、リスクプレミアムがどう動くかです。筆者は都区部の投資用中古マンションに対するリスクプレミアムは、基本的には5%弱から6%弱という範囲で変動すると考えており、現在は最も低い水準に張り付いているのではないかと考えています。日経平均が2万3000円を突き抜け2万5000円をうかがう勢いになるようなことがなければ、つまり経済環境のステージが大きく変わるという事象がない限りは、リスクプレミアムがさらに下がることは考えにくいと思っています。
 賃料上昇の可能性は低い、これ以上の金利低下は見込みにくい、リスクプレミアムは現状のままだとすると、都区部の投資用中古マンションの価格がこれ以上、上昇する理由は見当たらないと言わざるを得ません。楽観的な投資は控えたほうがよいかもしれません。
 ただし、ここで見てきた数値は23区内のマクロ的な状況であり、言ってみれば平均値です。おそらく、価格上昇の余地がある中古マンションも少なからず存在しているはずです。逆に価格下落予備軍はかなりの量で存在するでしょう。マクロ的には投資環境として決してよいという状況ではありませんが、ミクロ的に個別物件を見極めていくと活路が見いだせる可能性もあります。新たに投資をされる方もすでに保有されている方も、それぞれの物件において、コスト削減の可能性や競争力アップの余地など、個別物件の特性や背景を加味し、投資や運営を行っていく必要性が極めて高い状況と言えるでしょう。

田中歩
 1991年三菱信託銀行(現・三菱UFJ信託銀行)入行。企業不動産・相続不動産コンサルティングなどを切り口に不動産売買・活用・ファイナンスなどの業務に17年間従事。その後独立し、ライフシミュレーション付き住宅購入サポート、ホームインスペクション(住宅診断)付き住宅売買コンサルティング仲介などを提供。2014年11月から個人向け不動産コンサルティング・ホームインスペクションなどのサービスを提供する「さくら事務所」に参画。

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5 北陸財務局、住宅建設判断3年ぶり下げ 11月 2017/11/29 日本経済新聞
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 北陸財務局は28日に発表した11月の経済調査で、3県の住宅建設の動向を「回復のテンポが緩やかになっている」とし、前月の「緩やかに回復している」から判断を引き下げた。下方修正は3年1カ月ぶりとなる。住宅ローンの低金利を追い風に増加していた持ち家の着工の減速感が強まった。相続税対策で増えていた貸家も鈍っている。
 景気全体の総括判断は「回復している」として29カ月連続で据え置いた。個人消費も「回復している」とする判断を維持した。このうち新車販売については前月の「回復しつつある」から「回復のテンポが緩やかになっている」に下方修正した。引き下げは1年4カ月ぶり。日産自動車の不正検査による出荷停止の影響が出た。
 小売りの業態別ではドラッグストアが前月の「順調」から「好調」に前進。新規出店や店舗の改装効果が寄与した。ホームセンターも園芸用品の動きが出ていることで「前年並み」から「堅調」に上方修正した。

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6 戸建ての省エネ基準適合率は大規模住宅を上回る 2017/11/29 日本経済新聞
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 国土交通省の調査によると、2015年度における戸建て住宅の省エネ基準への適合率は53%と半数を超えたことが明らかになった。これに対して、2000m2(平方メートル)以上の大規模住宅が36%、300m2以上2000m2未満の中規模住宅が44%、300m2未満の小規模な共同住宅が46%だった。住宅の規模が小さくなるほど適合率が高いことが分かった。
小規模住宅の基準適合率は51%で、大規模の36%、中規模の44%を上回っている。省エネ基準よりも、さらに高い水準の性能を求める「誘導基準」の適合率も同じ傾向が見られる(資料:国土交通省)
小規模住宅の基準適合率は51%で、大規模の36%、中規模の44%を上回っている。省エネ基準よりも、さらに高い水準の性能を求める「誘導基準」の適合率も同じ傾向が見られる(資料:国土交通省)
 現行の省エネ基準は13年10月に施行されたものがベースになっている。1999年施行の旧基準と異なり、新たに1次エネルギー消費量基準を導入。冷暖房設備、換気設備、給湯設備、照明設備などの1次エネルギー消費量を算出して合計する。また、外皮性能(断熱性能や日射取得量)の計算方法については、99年基準では建物表面から失われる総熱量を床面積で割った「熱損失係数(Q値)」を用いたが、13年基準では総熱量を建物の表面積で割った「外皮平均熱貫流率(UA値)」を使う。 16年に一部を改正した。
 この省エネ基準は、建築物省エネ法(建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律)によって20年までに住宅を含むすべての建築物の適合義務化が予定されている。適合義務化は建物の床面積に応じて段階的に進められており、延べ面積2000m2以上の非住宅建築物は既に17年4月から義務化ルールの運用が始まっている。今回の調査は建築物省エネ法の施行状況を把握し、適合率向上に向けた課題を洗い出すのが目的だ。
 調査に当たっては、延べ面積が2000m2以上の大規模住宅、300m2以上2000m2未満の中規模住宅は省エネ計画の届け出が義務付けられているので、省エネ計画から基準適合率を算出。一部、届け出のなかった物件があることも考慮して、適合率を補正した。300m2未満の小規模住宅については届け出義務がないため、大手ハウスメーカーやパワービルダー、中小工務店など約4万社を対象にアンケート調査を実施。着工数や部位別の仕様、設備別の仕様について調査し、得られた回答をもとに算定した
 調査の結果、小規模住宅の省エネ基準への適合率は51%で、大規模住宅の36%、中規模住宅の44%より高かった。戸建て住宅に限れば53%とさらに高い。省エネ基準よりも高い水準の性能を求める「誘導基準」への適合率も、小規模は31%だったのに対して、大規模が14%、中規模が17%と規模が大きいほど低かった。

■RC造の適合率の低さが際立つ
 省エネ基準への適合率が36%と低い大規模住宅だが、構造別に適合率を見ると、木造が85%、鉄骨造(S造)が60%、鉄筋コンクリート造(RC造)が35%となっており、木造、S造に比べRC造の適合率の低さが際立っている。この傾向は戸建て住宅でも同じで、木造が51%、S造が55%なのに比べRC造は10%と低い。規模の大小に関係なくRC造の省エネ基準への対応が遅れているといえる。
 国交省では、「柱と柱の間に断熱材の充てんが難しいRC造では、内断熱を選択するのが一般的だ。しかし、そうすると専有部分の面積が減ってしまう。部屋を狭くしてまで、断熱材を厚くして断熱性能を確保する必要はないと考えている事業者が多いせいではないか」とみている。
 戸建て住宅のなかでも、住宅会社の規模による達成率の違いが鮮明になった。住宅トップランナー制度において勧告対象となり得る年間150戸以上の建て売り戸建て住宅を供給する事業者では、省エネ基準の適合率は88%であるのに対して、着工戸数4戸以下の事業者では、その半分以下の39%しかない。さらに高い性能が求められる誘導基準への適合率に至っては、年間着工戸数150戸以上の事業者では86%だったが、年間着工戸数が4戸以下の小規模事業者では27%と低かった。
 とはいえ、誘導基準への適合率では、年間着工戸数が4戸以下の小規模事業者も27%あることから、国交省では「中小工務店でも省エネ基準に達成してる事業者の多くは誘導基準も達成しており、対応できない工務店との二極化が進んでるようだ」と分析する。今後は建築物省エネ法がどの程度まで浸透しているかを調査するなどして、省エネ基準に対応できていない工務店などへの対策を講じる考えだ。

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7 協立エアテック、東京のビル建設増で需要取り込む 2017/11/28 日本経済新聞
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【東京のビル建設増で需要取り込む】主力のビル向け空調設備は首都圏を中心に再開発物件が増加傾向で、17年12月期は前期並みの売り上げを確保。増益予想だが、材料費などの高騰で達成は厳しい見通し。18年12月期は東京五輪前のビル建設ラッシュで案件が増えるほか住宅向けも伸び、増収増益を目指す。

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8 健全な民泊の促進求める 京都商議所、市に要望 2017/11/28 日本経済新聞
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 京都商工会議所は28日、京都市の主な観光政策に対する要望を公表した。市が検討を進めている住宅に旅行者らを有料で泊める「民泊」の独自条例案について、立石義雄会頭は定例会見で「(民泊が)京都らしい良質な宿泊サービスになるようにしてほしい」と注文。悪質な施設への監督・指導を強化する一方、優れた施設を顕彰するなど、健全な運営を促すよう求めた。月内にも要望書を市に提出する。

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9 トヨタ系と群馬県玉村町、宅地232区画を分譲 2017/11/28 日本経済新聞
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 住宅販売のトヨタウッドユーホーム(宇都宮市)は27日、群馬県玉村町と住宅地の分譲販売を12月1日から始めると発表した。玉村町が土地区画整理事業で開発を進める約8万3400平方メートルの敷地で、町の販売分と合わせて232区画を分譲販売する。官民で連携して新たな住宅地づくりを進め、町の人口減少に対応する。
 玉村町の文化センター周辺の土地を分譲販売する。まず初回分として1日から同社が8区画、町が14区画を販売する。価格帯は同日、インターネットなどで公表する。
 工事は2期に分けて実施し、第1期は2018年3月末、第2期は20年3月末に完了する予定。同社は計202区画、町は30区画を販売する。早ければ来年7月下旬から入居が可能になるという。
 文化センター周辺の土地区画整理事業では玉村町が民間の開発事業者を公募し、15年に同社が事業者に決定していた。町は15年度から19年度までの期間で土地の整備など同事業に14億7312万円の予算を充てる計画だ。
 玉村町では05年の約3万8千人をピークに、少子高齢化による人口減少が進んでいる。現在の人口は約3万6600人。角田紘二町長は27日の記者会見で「若い人に地域にどう入ってきてもらうかが重要となっている。玉村町の魅力が十分発揮できるような町づくりを進めていきたい」と話した。

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10 ジャニス工業、最終減益 2017/11/27 日本経済新聞
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【最終減益】新設住宅着工戸数は横ばいが続くと想定。提案営業の推進による新規開拓に加えて、「フロントスリム」トイレの拡販に注力する。子会社とのシナジー創出にも注力し増収確保。焼成炉更新による製造原価低減など進め、営業、経常増益。繰延税金資産算入に伴う増益効果なくなり最終減益に。

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11 不動産契約の手間を削減、ブロックチェーンの可能性 2017/11/26 日本経済新聞
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 「これは全てを変えるだろう」――。米アップルは2007年、初代「iPhone」についてこう紹介した。これは今や、ブロックチェーン(分散型台帳)と、その様々な業界を変えるイノベーションをもたらす潜在力についても当てはまる。
 ブロックチェーンを使ったイノベーションの事案が最も発達しているのは、銀行や金融サービス、サイバーセキュリティーだ。サプライチェーンマネジメントや保険、ヘルスケアでも有用な解決策が登場しつつある。
 それに比べ、あまり議論されていないのが不動産業界だ。この業界は不透明になりがちで、消費者の利益よりも自己保身に走ることが多い。
 法律の大幅な改正というサポートがあれば、ブロックチェーンにより既存プロセスが強化、効率化されるだけでなく、住宅に手が届きやすくなる新たなモデルを実現できる。

■契約を自動履行、無駄な仕事を減らす
 典型的な「普通の」住宅売却では、土地登記所、買い手と売り手、それぞれの事務弁護士と住宅ローン会社、不動産審査会社、不動産業者という多くの利害関係者が関わる。しかもこれは、他の買い手や売り手が絡んでいない「チェーンフリー(売り手が新たな不動産を購入する必要がない)」取引の場合だ。取引を次の段階に進めるにはどの関係者がいつ何をすべきかを理解しなくてはならないため、プロセスは無駄に長くなる。
 ブロックチェーンはこのプロセスを透明化し、あらゆる面の信頼を高め、無駄な仕事を減らしてくれる。契約を自動的に履行する「スマートコントラクト」を使えば、送った代金が取引代行業者の手を離れて銀行に返済されるか、名義が移るまでに、必要なプロセスは全て実行される。ブロックチェーンの分散的な特性により、当事者はもはや「信頼できる唯一の情報源(通常は弁護士)」に依存することなく、取引の信頼性を高め、コストを削減し、迅速化できる。
 買い手と売り手が動きを明確に把握して承認できるようになり、こうした中間業者がもはや契約を進める唯一の担い手でなくなれば、仲介的な役割の一部が縮小したり、完全に消滅したりするのは想像に難くない。
 英政府の「shared ownership(共同所有)」は、住宅を初めて購入する人がその一部だけを買い、残りの価値に対して家賃を支払うことで、「住宅すごろく」のスタートラインに立てるよう支援する制度だ。借り手は金銭的に余裕ができれば持ち分を増やせるので、「階段」制度とも呼ばれる。
 現時点では、この制度を適用できる物件は限られており、厳しい基準を満たした買い手しか利用できない。だが、ブロックチェーンを使えば対象者を全ての買い手に広げ、これまでの所有か賃貸かの二者択一から脱却できる。この制度は買い手と売り手の双方にとって明らかに魅力的だ。元の持ち主にとっては空き家になる期間や家賃、管理費を気にすることなく一定の家賃収入を得られるし、借り手は好きなように飾ったり、改修したりできる自分の城を持てる。これを実現するのがスマートコントラクトだ。家賃の支払いを持ち分に応じて自動的に調整し、ブロックチェーンの台帳に記録し、追加持ち分の評価も自動で実行してくれるからだ。
 例えば住宅所有者が自宅の0.03%を友人に売って資金を調達する、あるいはクラウドファンディングで出資を募る場合のように、買い手が金銭的な支援を受けた家族や友人に対し、見返りに不動産の持ち分を供与したりすることは、法規制や実務的な制約から難しい。

■法改正も不可欠
 英ブリックベストや英プロパティパートナーなど一部のスタートアップは、ブロックチェーンを使ってはいないものの、既に不動産の分割所有を実現しようとしている。ブロックチェーンのオンライン分散台帳を使えば、株式の売買を記録するように、不動産の個々の持ち分の規模や金額を安全かつ確実に追跡できるため、複雑な処理が可能になる。
 ブロックチェーンが不動産業界に及ぼす最も大きなインパクトは、一元的な登記機関が無かったり、登記に不正の恐れがあるか信頼性が低かったりする国でも財産所有権を設定できるようになることだろう。
 明確で不変な所有権を認める不動産の権利証を持つことは極めて重要だ。これにより、住宅ローンの借り入れが可能になるなど多額の資金が経済サイクルに投入されるからだ。ブロックチェーンの分散的な特性に備わる強力な抑制均衡機能は、監督当局を信頼できない市場が経済発展を果たす上で非常に有用だ。スウェーデンのスタートアップ、クロマウェイはこの問題に取り組み、スウェーデンの土地登記所と共同で実証実験を進めている。
 もっとも、破壊的な革新をもたらす企業だけでは住宅の所有や不動産業界全体の仕組みを変えられないだろう。テクノロジーを活用した所有権の新たなモデルを安全かつ確実に推進するには、法律を改正しなくてはならない。恩恵が広く及ぶようにするには、ブロックチェーン技術を使った革新的な企業と業界の既存各社との連携も必要だ。欧米では住宅の高騰で購入をあきらめる層への懸念が高まっている。すべての人にとって住宅が買いやすくなるイノベーションには大きな関心が集まるはずだ。
By Eyal Malinger=英ベンチャーキャピタル(VC)べリンギアの投資部門責任者。「プロップテック(不動産とテクノロジーの融合)」に強い関心がある

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12 住宅ローンの団信保険、上乗せ保障広がる 全疾病型も 2017/11/26 日本経済新聞
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住宅ローンの選び方(下)
 平日の夜遅く。筧家のダイニングテーブルでは満が難しい顔で本を読んでいます。これまで住宅ローンの金利タイプや借り換えについて学んできた満ですが、まだまだ学び足りない様子です。同僚と食事を終えて帰宅した良男がその熱心さに驚き、声をかけました。

筧幸子(かけい・さちこ、48=上) 筧良男(かけい・よしお、52=中) 筧満(かけい・みつる、15) 
筧良男 満、秋の夜長に読書とは本当に感心だな。今度はいったい何を読んでいるんだ?
筧幸子 満ったら、私の持ってる住宅ローン関連の実用書を読んでいるのよ。
筧満 尊敬する米国の著名投資家は1日に何時間も本や資料を読むんだって。だから見習おうと思って。それにこの前、団体信用生命保険(団信)の費用の話をしてたでしょ。そもそも団信って何か知らなかったから勉強しようと思ったんだ。いざとなったらローンを返さなくてすむなんて便利だよね。
幸子 正確には、加入している保険から残高と同額の保険金が支払われてローンを完済するしくみなの。ローンの契約者が亡くなったり、高度障害を負ったりして収入が途絶えて返済できないと、その家には住み続けられないでしょう? 残された家族が困らないようにするのが団信よ。金融機関にとっても残債が返ってくるからリスクを回避できるわ。ローンを組む際には加入が条件で、保険料は金融機関が負担するのが一般的よ。
良男 あれ? 私がローンを組んだときには病気の保障が付いてなかったかな?
幸子 パパの言うとおり、保障の範囲は広がっているわ。団信に上乗せする形で、様々な病気を保障する商品が増えていて、「疾病保障付き住宅ローン」という名称で知られているの。住宅ローンの獲得競争が厳しくなって金利の引き下げが限界に近づく中、それぞれの金融機関が力を入れている分野よ。
満 どんな病気が対象の保障があるの?
幸子 まずはがん団信ね。2001年にカーディフ生命保険が開発したの。がん(上皮内がんなど一部を除く)と医師に診断されると、通常の団信のようにローン残高がゼロになるのが一般的よ。その後は、がんに急性心筋梗塞と脳卒中を加えた3大疾病保障、3大疾病に糖尿病など5つの生活習慣病を対象に加えた8大疾病保障が登場し、インフルエンザやノロウイルスなど8大疾病以外の病気やケガを保障する全疾病保障へと広がっているわ。通常の団信とは異なり、保険料はローン金利に上乗せするほか、毎月の支払いが必要なタイプもあるの。
満 ママに借りた本には、病気やケガ以外を保障する商品もあるって書いてあるよ。
幸子 勤務先の倒産などで失業した際に保障する失業保障、入院した場合の入院保障もあるわ。最近は共働きでローンを返す夫婦も増えているので、連帯債務として借りている夫婦のどちらか一方が亡くなったり高度障害を負ったりするとローン残高がゼロになる商品も出てきたの。
良男 ということは、保障が広い方がお得なのかな?
幸子 そうとも限らないわ。同じ金融機関では保障対象が増えるほど、金利の上乗せ幅も大きくなるのが一般的なのよ。ただ金融機関ごとに方針が違うこともあり、保障対象が増えても金利への上乗せがないところもあるし、金融機関で上乗せ幅が異なる例も珍しくないわ。
満 難しくなってきたぞ。
幸子 保障のしかたも主に3通りあるの。まず通常の団信やがん団信、3大疾病保障などのようにローン残高がゼロになるタイプ。次に就業不能が一定期間続いたり、ローンの返済日に入院や失業したりしていると毎月のローン返済額を保障してもらえるタイプ。期間は1年など限度があって、就業不能が一定期間を超えると保険金で残高が完済されることが多いわ。3つ目は特定のがんや病気と診断されたり、先進医療を受けたりすると一時金などが受け取れるタイプね。
満 じゃあ、保障対象になる病気の範囲と保障のしかたで決めればいいんだね。
幸子 注意したいのは金融機関ごとに保障を受けるための条件が異なることがある点ね。例えば同じ8大疾病保障でも、就業不能状態が何日続けば保障を受けられるかは金融機関によって違うの。3大疾病保障では、急性心筋梗塞か脳卒中の際に入院すれば保障を受けられる金融機関もあれば、後遺症などの所定の状態が一定期間を経過したり手術を受けたりすることが条件のところもあるのよ。
良男 ややこしいなあ。
幸子 さらに、同じ病気でも商品や金融機関によっては保障を受けられる条件が違う場合もあるわ。例えばがん。がん団信や3大疾病保障なら診断を受ければ残高がゼロになったりするけど、8大疾病保障や全疾病保障では就業不能が一定期間続かないと保障が受けられない例があるわ。団信の上乗せ保障を比較するのは難しいのよ。
良男 病気やケガに備えるなら、医療保険やがん保険でいいんじゃないかな。
幸子 ファイナンシャルプランナーの高田晶子さんは「医療保険やがん保険は主に病気やケガの治療費、団信の上乗せ保障は住宅ローンの返済で、保障の目的が違う。どちらか一方に加入すればいいわけではない」と指摘しているわ。もちろん、一時金を支払われるタイプなどで保障が重ならないようにする必要はあるけどね。

■借り換えの場合、継続できず
 ファイナンシャルプランナー 高田晶子さん
 団体信用生命保険の上乗せ保障を利用すると、住宅ローン金利に0.2~0.4%程度を上乗せされるのが一般的です。上乗せ保障を利用するかどうかは、収入に占めるローン返済額の割合や、病気やケガの際に収入だけで対処できるかどうかで判断すべきです。例えば家計の担い手が1人なら、手厚い保障が必要です。返済額の割合が高ければ、万一の際に返済負担に耐えられなくなるリスクも高まるので、上乗せ保障を検討すべきでしょう。
 住宅ローンの金利を比較する際は、利用したい保障の上乗せ金利をあらかじめ考慮することも必要です。保険料を別途支払うタイプを除くと、上乗せ保障は中途解約したり後から追加したりできないからです。なお、他の金融機関に借り換えた場合、上乗せ保障は継続できないので注意が必要です。

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13 カネカ、住宅用部材ブランド刷新 太陽光や照明も 2017/11/25 日本経済新聞
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 カネカは24日、住宅用部材のブランドを刷新し、12月から「カネカのお家」として売り込むと発表した。これまでは断熱材のみだったが、太陽光パネルや蓄電池、有機EL照明なども加えて家全体で省エネルギーができる点を訴求する。ブランドに社名を入れることで認知度も高めたい考え。
 これまで断熱気密住宅の工法に「ソーラーサーキットの家」という名前をつけて、提携する工務店に技術ノウハウやブランド使用権を提供してきた。今後はカネカのお家に名前を変え、太陽光パネルや蓄電池、有機EL照明なども商材に加える。契約工務店の募集も始める。
 住宅の年間エネルギー消費量を実質的にほぼゼロにする「ゼロエネルギー住宅(ZEH)」は政府も後押ししている。カネカは省エネにつながる部材をセット売りすることで1戸当たりの単価を引き上げる狙いだ。

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14 国産合板出荷量、10月27万立方メートル 単月で最高 2017/11/24 日本経済新聞
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 農林水産省が24日発表した10月の国産針葉樹合板の出荷量は前年同月比5.8%増の27万3133立方メートルだった。単月では針葉樹合板の統計を取り始めた1998年以来過去最高だった。戸建て分譲住宅など建築需要が堅調なほか「幼稚園や高齢者施設といった非住宅施設向けの出荷も伸びており、忙しい」(大手合板メーカー)。
 生産量は26万7804立方メートルと6.5%増えた。在庫量は10万595立方メートルと10.1%多いが、前月比では4.5%減っており、流通市場には品薄感が広がっている。

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15 北川精機、建材機械が好調 2017/11/24 日本経済新聞
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【建材機械が好調】新設住宅着工は堅調。20年の国産材供給量4千万立方メートルに向け、合板用原木の供給拡大。輸出合板への設備投資も回復し、産業機械のスマホ向け需要一服をこなして増収、経常増益に。
【経産省事業採択】新用途にらみ炭素繊維強化熱可塑性樹脂の量産化技術を同志社大などと共同研究。

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16 大和ハウス、グーグルAIスピーカーでスマートホーム 2017/11/23 日本経済新聞
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 大和ハウス工業は2017年11月22日、スマートホーム事業「Daiwa Connect」を2018年1月6日に開始すると発表した。住宅設備や家電の制御用デバイスに米グーグルの人工知能(AI)を搭載したスピーカー「Google Home(グーグルホーム)」を利用する。
 Daiwa Connectは、ユーザーがGoogle Homeに定型のメッセージを呼びかけることで、住宅設備や家電などの機器を制御できるサービス。Google Homeのほかに赤外線リモコンなどを組み合わせて実現する。バックエンドの仕組みには、東京急行電鉄系のイッツ・コミュニケーションズのスマートホームサービス「インテリジェントホーム」を利用している。
 大和ハウス工業の有吉善則取締役常務執行役員は制御用デバイスにGoogle Homeを選んだ理由を、「音声インターフェースは顧客にとってなじみやすく、なかでもGoogle Homeの日本語認識力はほかの製品よりも優れていると判断した」と説明する。ただし、今後は提携先を拡大する方針を明かし、ほかのデバイスを採用する可能性を否定しなかった。
 同日に大和ハウス工業の渋谷展示場(東京・渋谷)で実施したデモンストレーションでは、Google Homeにメッセージを1回呼びかけるだけで、複数の住宅設備、家電を連動して制御できる点をアピールした。例えば「オーケーグーグル、朝の準備をお願い」とモデルの男性が呼びかけると、縦型ブラインドが開き、照明が点灯するといった具合である。
 サービスの利用料金は、Google Homeや赤外線リモコンなどの費用を含め、2年間で18万円程度の見込みという。住宅設備や家電はユーザーが別途用意する。

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17 新日本建設、増配 2017/11/23 日本経済新聞
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【増配】東京都や千葉県など首都圏の自社開発マンション「エクセレントシティ」シリーズの販売が好調。初めて住宅購入する家族層を中心に駅近の50戸前後の物件を伸ばす。増収。建築事業と開発事業がともに伸びる。訪日外国人向けホテルや大型病院など比較的好採算の非住宅分野も堅調。税負担がおおきく増えて最終減益。1円増配。

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18 スターツコーポレーション、不動産管理伸びて増益 2017/11/23 日本経済新聞
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【不動産管理伸びて増益】建設事業は教育施設や医療施設の工事が減る。アパートやマンションなど賃貸住宅で補えず減収。好採算の不動産管理事業が伸びる。不動産売買の仲介も好調。増益。5円増配。
【京都】京都市から中央卸売市場でのホテルと商業施設を組み合わせた複合施設を受注。20年度開業。

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19 20代、半数以上が最初の不動産会社で契約 いえらぶG調べ 2017/11/29 朝日新聞
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 いえらぶGROUP(東京都新宿区)が全国の20代408人を対象に行った部屋探しに関する意識調査によると、引越しのタイミングで多いのは「入学(29・6%)」「就職(28・3%)」となり、全体の約6割を占めた。20代の半数以上が「2週間以内」に部屋探しをしており、同じく半数以上が「最初の不動産会社で契約(1社のみ訪問)」していた。また、検索する際、「エリア名+ビッグワード」といった大まかなキーワード検索が主流であることも分かった。

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20 中古住宅購入のリフォームに関する調査を実施 シースタイル 2017/11/29 朝日新聞
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 不動産関連の比較査定サイト「スマイスター」を運営するシースタイルは11月28日、「スマイスター」を利用した成人男女全国592人を対象に「中古住宅を購入するなら、リフォーム前かリフォーム済みか」についての調査を実施し、結果を発表した。
 「もし中古住宅を購入するなら、リフォーム前とリフォーム済みではどちらが良いか」の質問には、「リフォーム前の住宅」が31.8%、「リフォーム済みの住宅」が68.2%となった。
 リフォーム前の住宅が良いという回答の理由には、「好きな設備や間取りに変更できる」が53.2%と最も多く、「劣化状況が確認できる」が33.5%、「リフォームするつもりがない」が21.8%と続いた。リフォームの予算は「50万円未満」が26.6%と最も多かった。
 リフォームしたい場所(複数回答)では、1位が「キッチン」(48.9%)、2位が「バスルーム」(43.1%)、3位が「トイレ」(37.9%)と、水回りのリフォームが上位を占めた。
 調査期間は17年10月18日~11月9日。

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21 12月、ロボット介護で展示会 高経協 2017/11/29 朝日新聞
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 高齢者住宅経営者連絡協議会(森川悦明会長)は12月8日、東京都港区のパナソニック東京汐留ビルで「第2回ロボット介護機器展示会」を開く。自立支援、見守り、移乗、コミュニケーション分野のロボットやIоT機器を展示する。出展企業による施設事例プレゼンも行う予定。時間は午前10時から午後5時半。
 問い合わせ先は、同協会、電話03(3292)3289。

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22 17年度宅建士試験 合格点は35点 2017/11/29 朝日新聞
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 不動産適正取引推進機構は11月29日、17年度の宅地建物取引士資格試験の実施結果概要を発表した。
 それによると、受験者は16年度を1万891人上回る20万9354人(男性14万3971人、女性6万5383人)で、合格者は2055人増の3万2644人(男性2万1677人、女性1万967人)。合格率は15.6%(登録講習修了者は19.9%)。登録講習修了者のうち、女性の合格率は22.5%で男性の合格率(18.7%)を4%近く上回った。
 合否判定は35問以上正解(登録講習修了者は45問中30問以上)を基準とした。
 合格者の平均年齢は35.3歳。最高齢合格者は茨城県の89歳の男性、最年少合格者は福岡の13歳の男性だった。

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23 伝統木造建築用の高性能木造耐力壁2種類を開発 大成建設 2017/11/28 朝日新聞
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 大成建設はこのほど、伝統木造建築用の2種類の高性能木造耐力壁を開発し、日野山徳恩寺(神奈川県横浜市)本堂(18年4月に着工予定)、九品仏淨眞寺(東京都世田谷区)閻魔堂(18年7月の竣工予定)の新築工事に適用する。
 伝統建築物では重厚な瓦屋根を支えるための壁が少なく、大地震の大きな揺れに耐えられない構造となっている。そこで、同社では一般建築物と同等以上の耐震性能を確保できる2種類の新たな木造耐力壁「T-WOOD 真壁」「T-WOOD 組み板壁」を開発した。
 「T-WOOD 真壁」は釘ではなく壁板(厚物構造用合板)を長いビスで片側から打ち抜いて壁をつなぎ留めると共に、柱に高強度のPC鋼棒を配して耐震性能を大幅に向上させた。
 「T-WOOD 組み板壁」は落とし込み板壁工法を改良し、金物を使わない高耐力の壁。柱に2種類の深さの溝を設け、板の配置を交互にずらし、はめ込むことで、従来工法による性能の約2倍の剛性と耐力を得ることが可能となった。

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24 12月に建築業者向けIoT住宅システムを発売 サンエー 2017/11/28 朝日新聞
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 住宅建築や電気設備工事を手掛けるサンエー(神奈川県横須賀市、庵崎栄社長)は12月13日、建築業者向けに家電や住宅設備をスマートフォンで操作できる住宅向け新システム「S-REMOS(エス・リモス)」を発売する。
 同新商品は制御基板や有線ルーター、カメラやセンサーなどのセットで、新築工事の際に住宅設備として据え付けることで、住宅購入者が照明やエアコンなどをスマホで操作できるようになるというもの。初年度の目標として、1万戸の新築住宅への導入を目指している。

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25 長野・白馬スキー場の命名権取得 エイブル 2017/11/27 朝日新聞
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 エイブルは、長野県白馬村の白馬五竜スキー場のネーミングライツ(命名権)を取得した。スキー場のネーミングライツ取得は国内初という。これに伴い、スキー場運営会社の五竜と大糸の2社の社名をエイブル白馬五竜に変更した。

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26 音源探査システム「TSounds―Radar」を開発 大成建設 2017/11/27 朝日新聞
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 大成建設は11月27日、建築部材の干渉などで起こる異音の発生箇所を高精度に測定する音源探査システム「TSounds―Radar」を開発したと発表した。
 従来は複数の測定点で音と振動を測定し、発生箇所を特定していたが、異音の発生頻度が低い場合が多く、短時間で発生箇所を特定するのは困難だった。そのため、同社は1カ所に設置した複数のマイクロホンを使用し、建物内で発生する全方位の異音の発生箇所を測定。画像データと合わせて可視化する音源探査システム「Tsounds―Radar」を開発した。
 同システムの特徴は(1)異音の発生箇所を高精度に測定・可視化(2)探査範囲に応じてマイクロホンの配置を最適化(3)信頼性の高い計測を実現――となる。

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27 「京橋エドグラン」来館者、開業1年で460万人 日土地 2017/11/27 朝日新聞
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日本土地建物はこのほど、東京都中央区に立地する複合施設「京橋エドグラン」の来館者数が、開業から1年で延べ460万人超になると発表した。この数字は、当初想定と比べて15%増。オフィス入居者の増加に加え、魅力的な店舗や緑豊かなオープンスペースなどを生かしたタウンマネジメントによって賑わいづくりを進めたことが奏功したという。

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28 注目集めるレンタル収納スペース事業、推進協がフォーラム 2017/11/27 朝日新聞
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 レンタル収納スペース推進協議会はこのほど、都内でフォーラムを開いた。レンタル収納スペース事業者のほか、金融、不動産業界から約150人が参加した。
 冒頭、同協議会の多田充伸代表理事は、「ここ数年でレンタル収納スペースは日本でも定着しつつある。不動産や金融業界と一緒に大きな業界に成長させていきたい」とあいさつした。

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29 規格住宅チェーンのパートナー説明会 ジブンハウス 2017/11/24 朝日新聞
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 住宅購入サイト運営や住宅チェーン事業を展開するジブンハウス(神奈川県川崎市、内堀孝史社長)は、全国で随時パートナー説明会を開催している。
 直近の開催予定は、12月6日(金沢)、12日(福岡)、12日(大阪)、14日(神奈川)、21日(名古屋)。全日程とも午後2時から4時までで、参加費は無料。また全て事前予約制(定員に達し次第締め切り)となっており、申し込みや会場の詳細についての問い合わせなどは、同社のwebサイト(http://jibunhouse.co.jp)から行う。

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30 12月、全国の賃貸市場の変化を考えるシンポジウム HEAD研究会 2017/11/24 朝日新聞
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 建築にかかわる専門家と若者が参加するHEAD研究会(東京都千代田区)は12月12日、千代田区のアーツ千代田3331で、シンポジウム「全国の賃貸マーケットの変化」を開催する。「ネット集客から考える空室対策」「ターゲット変更と用途変更」などについて、パネリストと共に考える。午後6時開場。先着順150人。参加費無料。詳細は同会ホームページ(http://www.head-sos.jp/)で確認を。

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31 新構築のプレゼンシステムにITビジネス賞 ミサワホーム 2017/11/24 朝日新聞
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 ミサワホームはこのほど、営業現場の業務効率化やCS向上を目指して構築したプレゼンシステムで、(公社)企業情報化協会の主催する17年度IT賞の「ITビジネス賞」を受賞した。
 今回受賞したのは、高精細な3DCGやVRデータを短時間で生成するために、同社が中心となって構築したプレゼンシステム。高精細なCGは住宅を検討する上で顧客にとって有用なものの、一般的なPCの処理能力ではデータ処理に長い時間がかかり、通常8~12時間程度を要する。そこで同社は、クラウド上で高精細な3D処理が行えるCGシステム「V-Rayクラウド」を国内で初採用し、3DCGやVRデータの作成時間を数分から最大20分までに短縮した。
 同社は今年度からこのシステムを全国の営業拠点に順次導入し、業務効率化や顧客満足度の向上につなげていく予定だ。

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32 国際不動産価格、上昇率トップは「香港」、日本不動産研究所調べ 2017/11/29 読売新聞
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(一財)日本不動産研究所はこのほど、第9回「国際不動産価格賃料指数」(2017年10月現在)の調査結果を公表した。
これは、国際的な主要都市の不動産市場動向を調査するため、対象都市の調査物件について、同研究所の不動産鑑定士が評価した価格・賃料を指数化したもの。
対象都市は東京、大阪、ソウル、北京、上海、香港、台北、シンガポール、クアラルンプール、バンコク、ジャカルタ、ホーチミン、ニューヨーク、ロンドンの14都市。
それによると、オフィス価格の上昇率が最も大きかったのは「香港」(+6.5%)だった。「香港」は、中国本土からの旺盛な投資需要がある一方で、供給は限定的というタイトな需給環境があり、市場予想を上回る高額取引の出現もオフィス価格上昇の一因となった。
「東京」(5番目、+3.1%)と「大阪」(2番目、+4.8%)は、日銀の金融緩和等を背景に利回りの低下が続き、結果として今回調査でも価格上昇の上位にランクイン。「ニューヨーク」(10番目、+0.1%)は米国FRBの金融政策(政策金利の緩やかな引き上げ)をにらみ、市場は模様眺めの状態が定着し、価格動向に大きな変化はみられなかった。
また、マンション価格の上昇率が最も大きかったのも「香港」(+5.2%)だった。一方、前回調査まで際立つ価格上昇を見せてきた「北京」は、一転して1%未満の僅かな上昇。「大阪」(7番目、+0.9%)と「東京」(8番目、+0.6%)も僅かな上昇だった。
マンション賃料の変動率においても、最も高かったのは「香港」で+3.1%。次いで「上海」+2.1%、「ホーチミン」+1.0%、「東京」+0.9%と続く。「大阪」は9番目で+0.1%だった。

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33 家の中で寒さを感じやすいシーン、トップは「起床したとき」、積水化学工業調べ 2017/11/29 読売新聞
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積水化学工業(株)住宅カンパニーは、同社の調査研究機関である(株)住環境研究所と共に、寒さが厳しくなるこれからの季節に合わせ「家庭内寒暖格差」をテーマにした調査を行った。
調査対象は10~70代男女500名。調査方法はインターネット。調査期間は2017年10月30日(月)~11月2日(木)。同調査における「家庭内寒暖格差」とは、『同じ家の中で場所による寒暖の差が大きい状態』『同じ家の中で、寒さを感じる場面が多い人と、そうでない人がいる状態』と定義。
冬、家の中にいるにもかかわらず、寒いと感じることはありますか?では、38%が「よくある」、43%が「たまにある」と回答。合計すると81%もの人が、家の中で寒さを感じていることになる。また、築年数20~29年では86%、30年以上では89%と、築年数の長い家ほど寒さを感じやすいようだ。
具体的に家の中で寒さを感じやすい場所は、「トイレ」「脱衣所(洗面所)」「玄関」「廊下」といった、一般的に暖房のない「非居室」が上位を占める。一方で、暖房設置率が高い「リビング・ダイニング(居間)」も3人に1人が寒さを感じやすいと回答している。また、リビングで寒さを感じやすい時間帯としては「午前4時から7時まで」の朝の時間帯が最も高い。
家の中で寒さを感じやすいシーンでは、およそ3分の2の方が「起床したとき」と回答し、第1位に。続いて、「入浴前後(着替え)のとき」「トイレのとき」と続く。シニア世代の回答が多かったのが「部屋から廊下に出たとき」(46%)。シニア層の暮らし方として、「廊下までは対策しないけれども、リビングでは暖房をつけて暖かく過ごす」という傾向があるようだ。
生活シーンごとに「寒さを感じやすい身体の部位」を調べたところ、いずれの場面でも「足」という回答が最多。場所や時間帯にかかわらず、足元は寒さの落とし穴になりやすいようだ。特に「足」という回答が多かったシーンが、「就寝前」で79%。約8割もの人が、眠りにつくまでの間に、足元が寒いと思っていることがわかった。

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34 最高級木造邸宅プロジェクト、東京23区で本格始動、大和ハウス工業 2017/11/29 読売新聞
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大和ハウス工業(株)は、創業以来培ってきた戸建住宅の建築技術とノウハウを結集させた木造フルオーダーの家づくりプロジェクト「PREMIUM GranWood(プレミアムグランウッド)」東京プロジェクトを、2017年12月1日(金)より東京23区において本格始動する。
同プロジェクトは、2017年4月、兵庫県芦屋市の「プレミアムグランウッド 神戸・芦屋の家」をケーススタディハウスとして始動した、最高級木造フルオーダー邸宅プロジェクトの第二弾。
東京プロジェクトでは、顧客のこだわりを余すことなくカタチにする「匠」、最高の「素材」、磨き抜かれた技術や安全かつ快適な暮らしを提供する「技術」がそろうプレミアムな住まいを提供する。
過去に「グッドデザイン賞」を受賞した社内デザイナーを代表とする優れたデザイン技量を持った設計士と「現代の名工」に選ばれた職方など「匠」による選任スタッフが設計・デザインを手掛ける。建材・設備・仕上げに関しては、顧客の要望に合わせて上質な素材を厳選し、オーダーメイドの邸宅を提案。
なお、東京プロジェクトのケーススタディハウスとして「プレミアムグランウッド世田谷・等々力の家」を一般公開する。このモデルハウスでは、安全性に加え、見た目の美しさや機能にも逸品の「業」を採り入れた。キッチンにおいては、イタリアのキッチンメーカーValcucine社(バルクッチーネ社)の最高級グレードキッチン「GENIUS LOGI(ジーニアス・ロッチ)」を採用している。同モデルハウスの参考価格は、土地・建物・外構・家具含め2億7,500万円(税込)。

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35 品川勤務者が朝快適に通勤できる路線はどこ? 路線の「混雑率」と「遅延状況」から探ってみた 2017/11/29 読売新聞
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日々、ビジネスパーソンのストレスとなる朝の通勤ラッシュ。もう少し快適に通勤したい……と考える人も多いだろう。では、どの路線が快適に通勤できるのか。勤務地によって答えは変わってくるが、今回は新駅開設やリニア中央新幹線のターミナル駅として注目を集め、周辺の開発も進む「品川駅」に通うビジネスパーソンを想定して、路線の「混雑率」と「遅延状況」から快適に通勤できる路線を探ってみたい。
品川駅に快適に通勤できる路線はどこか? まずは電車の「混雑率」から探ってみたい。「混雑率」については、国土交通省が毎年データを公表しており、そこからどの路線が混雑しているのか知ることができる。品川駅に乗り入れている路線は、JRの東海道線、山手線、京浜東北線、横須賀線(総武線快速線)と、京浜急行電鉄。(今回は特別急行列車である成田エクスプレスと、新幹線は除外)
それぞれの路線の混雑率は以下のとおり。
【JR】
・東海道線 川崎 → 品川 混雑率 184%(7:39~8:39)
・山手線
-外回り 上野 → 御徒町 混雑率 159%(7:40~8:40)
-内回り 新大久保 → 新宿 混雑率 165%(7:40~8:40)
・京浜東北線 大井町 → 品川 混雑率 182%(7:34~8:34)
・横須賀線(総武快速線)武蔵小杉 → 西大井 混雑率 191%( 7:26~8:26)

【大手民鉄】
・京浜急行電鉄 戸部 → 横浜 混雑率 145%(7:30~8:30)

※混雑率は最混雑時間帯1時間の平均
平成28年 国土交通省発表 混雑率データ より引用

このデータを見ると、品川駅に乗り入れる路線のうち、最も混雑率が少ないのは「京浜急行電鉄」ということが分かる。しかも、最も混雑するのは戸部駅から横浜駅の区間。すなわち、横浜駅から品川駅の最混雑時間帯の混雑率は、145%よりも低いということだ。ちなみに、混雑率の目安は
・100% 定員乗車(座席につくか、吊革につかまるか、ドア付近の柱につかまることができる)。
・150% 広げて楽に新聞を読める。
・180% 折りたたむなど無理をすれば新聞を読める。
・200% 体がふれあい相当圧迫感があるが、週刊誌程度なら何とか読める。
・250% 電車がゆれるたびに体が斜めになって身動きができず、手も動かせない。
と定められており、145%であればある程度快適に通勤できそうだ。

各路線の「遅延状況」はどうか?
快適に通勤するために、混雑率とともに見ておきたいのが、「遅延状況」。通常は快適に通勤することができても、頻繁に遅延するようであれば快適とはいえない。遅延によって突発的な混雑も発生し、ストレスとなる。
この「遅延状況」についても、国土交通省が2016年4月に公開した「東京圏における今後の都市鉄道のあり方について(案)」内の、「遅延対策ワーキング・グループ最終取りまとめ」において、首都圏11事業者51路線の平成25年11月の平日20日間における遅延証明書の発行状況が公表されている。
各路線の遅延証明書の発行状況は以下のとおり。
【JR】
・東海道線 東京~湯河原 80%
・山手線 全線 90%
・京浜東北線 大宮~大船 85%
・横須賀線・総武快速線(大船~東京~稲毛) 85%

【大手民鉄】
・京浜急行電鉄 品川~横浜 10%

国土交通省 遅延対策ワーキング・グループ報告資料より。
JRの各路線が全て80%を超えているのに対して、京浜急行電鉄は10%と大幅に低い。この遅延証明書の発行状況から見ても、混雑率同様に「京浜急行電鉄」が最も快適な路線といえそうだ。

実際どうなのか? 朝の京浜急行に乗ってみた
「混雑率」と「遅延状況」、それぞれデータ上では品川勤務者が品川駅まで快適に通勤できそうなのが「京浜急行電鉄」という結果になったが、実際のところはどうなのだろう? 「遅延状況」について体感するのは難しいが、混雑率については、実際に確かめることができるだろう。ということで、今回は、普段JRの逗子駅から東京駅まで通勤をしている編集部員に、朝のラッシュの時間帯に逗子駅から徒歩5分程度のところにある、京浜急行電鉄の新逗子駅から品川駅まで電車に乗ってもらい、混雑の状況について聞いてみた。
「毎朝逗子駅からJR横須賀線で東京駅まで通勤する際に、品川駅も通過するのですが、その時の混み具合に比べると余裕があるように感じました。混雑率のデータでも、武蔵小杉から西大井が191%とあるように、本当にぎゅうぎゅう詰めで隣の人と密着するくらいなのですが、京浜急行電鉄ではさすがにラッシュ時なので人は多いものの、隣の人と触れることなく、スマートフォンでニュースのチェックも快適にすることもできました」
とのこと。実際の声を聞いてみても、品川まで通勤する場合、京浜急行電鉄を使うとある程度は快適に通うことができそうだ。

「住みたい街ランキング」にランクインする京浜急行電鉄の街と相場
品川駅へ行くには、京浜急行電鉄が他の路線と比較して快適に通勤できそうだということが分かったところで、路線内では、どの街(駅)が人気なのだろうか。SUUMOが毎年発表している「住みたい街ランキング2017(関東版)」で上位100位にランクインした駅を見てみた。
・横浜駅(3位)
・京急蒲田(※蒲田駅が75位。京急蒲田までは歩いて約12分と徒歩圏内のため含んだ)
・上大岡(88位)
※品川駅(5位)は除く

住みたい街ランキングのトップ100位にランクインした駅のなかで、京浜急行電鉄を使えるのは「横浜駅(3位)」、「京急蒲田(※蒲田駅が75位)」、「上大岡(88位)」の3駅。気になる家賃相場について、SUUMOの家賃相場で確認した。
検索条件を「アパート」「駅徒歩1分~5分」「築年数0年~5年」を指定したところ、ワンルームでは横浜が「6.6万円」、京急蒲田が「7.3万円」、上大岡駅が「6.3万」。都内の物件と比較して割安な6万円台から物件があるというのはうれしい。しかも、通勤は比較的快適。気になった品川勤務の方は一度街に行って雰囲気を見てみるのもいいかもしれない。
今回は「品川」に通うビジネスパーソンを想定して、快適な路線を「混雑率」と「遅延状況」から見た結果、「京浜急行電鉄」が最も快適に通勤できそうだという結果になった。毎朝の通勤ラッシュはかなりのストレスだが、ここが快適になれば、日々の生活の満足度もかなり高まるかもしれない。引越し前には、住む街の雰囲気とともにこういった「混雑率」などのデータを確認したり、実際に通勤に使う電車に乗ってみたりすることで、混み具合を確認しておくのがよいだろう。

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36 家とココロの専門家に聞く「癒し」のリフォーム 4つのコツ 2017/11/28 読売新聞
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わが家は「ほっと落ち着く空間」であってほしいもの。現状の不満を解消するだけではない、心も体も伸びやかになる住まいへ。暮らしに寄り添う「癒し」がある、本記事ではそんなリフォームをご紹介しよう。

ココロの専門家に聞く 心をほぐす癒しの住まいとは?
住まいが癒しの場になる理由
ストレス社会といわれる現代において、住まいには「癒し」が必要だと語るのは、心理学者の小俣謙二さん。
「ストレスの対処法には、その原因に直接働きかける『直接的対処』と、ストレスを別の形で解消する『間接的対処』があります。買い物やスポーツで気分転換するのは後者に当たりますが、家も同様。癒しを感じられる環境なら、ストレスによって生じた心身のバランスの崩れを回復させることができます」
そのためにはどのような住まいが良いのだろう。
「まずは、快適温度が保たれていて、外から風が入ってくる住環境を整えること。外からの風は、心地よい刺激になり、脳をリフレッシュさせます。加えてさまざまな研究から森林に癒し効果があることはわかっているので、外の緑を眺められる窓があると効果的です」
「次に間取り。縁側や広縁のような特定の目的をもたない『間(ま)』に、人はゆとりを感じます。物理的な余裕は心理的・行動的にもゆとりを生んで、本を読んだり昼寝をしたり、ただボーッとしてもいい場所となる。ストレス解消に効果を発揮します」
「また、自分だけの空間を得るのも大切なこと。ストレスや心理的問題を抱えたときには1人になって感情の整理や自己内省をする必要があり、個室が緊張解消の場となるのです。使うときに1人になれる空間なら、家族共用のコーナーでも構いません」

ありがちな「癒されない環境」とは?
一方で、癒しを阻害する間取りもあると、小俣さんは注意を促す。
「動線や収納のプランが悪いと、無意識にストレスをため込むことに。リフォームでは暮らしやすい間取りにすることが必要です。家が舞台装置、住まい手が演者、ライフスタイルが脚本だとすると、それらがマッチして初めて癒しを得られる住環境になる。家族構成や子どもの成長、ライフステージに合わせて、都度ライフスタイルを見直し、それを活かせる間取りにしたいですね。家は、住まい手を心理的にも物理的にも支えるベースキャンプですから」

家の専門家に聞く 住まい手をやさしく包む空間づくり
“人間が大きな気宇(きう)を養うのに、その住まいの大らかさ自由さくらい大きな力を及ぼすものはない”
 19世紀の思想家、ジョン・スチュアート・ミルのこの言葉に感銘を受けたという建築家の田中敏溥さん。住まい手が自然体でいられる安らぎを得て、凛とした気構えを養うことができる……そんな家を数多く手掛けてきた。
「家族構成やライフスタイル、好みといった、変化するものに合わせてしつらえること。隣接している道路や公園などの周辺環境といった、変化しないものを活かして設計すること。そうした気遣いのある家は五感が窮屈になりません。場と人にフィットする家は、ミルが言うように人間の心持ちを支え、癒しを与える力があると考えています」

<提案1> 安らげるベースを住環境でつくる
癒される家をつくるための提案として、一つ目に田中さんが挙げたのは住環境だ。
「温熱、採光、通気は、身体的なストレスを左右します。それが心地よければ五感が解放されて癒される住まいになります。そこで目指したいのが『夏、蒸し暑くなく、冬、寒くない』家づくり。
木を植える庭がなくて直射日光が入ったり、狭小地や密集地だったりしても、住環境を良くする工夫はできます。冬の寒気が入るのを防ぎつつ、家の中を南風が抜ける工夫や、夏の直射日光を避けて冬の低い日差しが室内の奥まで届く開口計画などを意識しましょう。
冷暖房が必要なのはたいてい冬と夏。春秋の半年はチョウが舞い、トンボが飛ぶそよ風を感じられる家にすれば、そこに居るだけで日々癒されることでしょう」

<提案2> 室内を調える
二つ目の提案は、室内を調えることだと田中さん。
「いい家具があると空間がよく見えるし、家具や建具がバラバラだと落ち着かない気分になりますよね。つまり、住まい手の好みと家屋と家具が互いにフィットするしつらえであれば、リラックスできて、ゆったり過ごせる空間になるのです。リフォームでは既存の柱や梁などを残すこともできますし、家具を造作して自分らしさを織り交ぜることもできます」
 思い出の柱や梁は、ずっと見守られているようなぬくもりを感じさせ、自分の好みを反映した素材や色、デザインは安心感をもたらす。
「また、ゴチャゴチャした空間にならないように、必要な場所に必要な量の収納を設けることも大切。調っている空間は、気持ちもスッキリするはずです」

<提案3> 自然を取り入れる
設計では、家屋だけでなく、屋外にも気を配るという田中さん。三つ目の提案として、家と自然が良い関係になる家づくりの大切さを訴える。
「庭師の言葉に『庭をつくると家が二倍よく見える』というものがあります。まさにその通りで屋外と家屋は一体で考えなければいけません。敷地が狭くて大きな庭をつくれなければ、窓の近くに木を一本植えるだけでもいい。周辺に公園があるなら、借景を活かして自然を室内に取り込みたい。
間取りや開口、素材などで室内外につながりがあったり、外に視界が抜けたりする家は広がりを感じられ、心も伸びやかになります」
移ろう四季を愛でる窓でしみじみとした平穏を味わい、室内に用いた自然素材の香りや肌触りで五感が満たされる。そんな暮らしを意識してみよう。

<提案4> 自分空間をつくる
四つ目の提案は、個の空間をつくること。「人間は、会いたいときに会えて、会いたくないときには会わずにいられる環境が必要」だと、田中さんは話す。
「人が集うための大きい空間だけでなく、1人きりになれる空間も、実は同じぐらい大切です」
誰にも気兼ねせず、肩の力を抜いてホッとできるスペースは、心身をリセットするために必要だ。階段ホールを利用して1坪程度の夫の書斎を設けたり、キッチンの近くに家事スペースを兼ねた妻のデスクを置いたり。広さよりも、デッドスペースの活用などで設置場所を賢く工夫したいもの。
思いのままに過ごせる場所で、いつでも素の自分に戻れる安心感と、ストレスをそぎ落とす開放感を得られるだろう。
心身のバランスの崩れを回復させ、癒しの場になりうる住まい。そんな家づくりを叶えるために、4つの提案をリフォームプランに取り入れてみよう。

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37 「旧耐震」って危ないの? それでも住みたいならどう選ぶ? 2017/11/28 読売新聞
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「少しでも賃料が安い物件に住みたい」あるいは「かっこいいリノベーションマンションに住みたい」……。そんなとき、候補に挙がるのが築年数を経た中古マンションだ。しかし、大型地震が頻発している昨今、いわゆる「旧耐震」の物件に不安に感じる人も多いだろう。そこで、耐震制度そのものの解説から、旧耐震物件に住みたい場合はどう選んだらよいかを、碓井建築オフィス代表で一級建築士の碓井民朗(うすい・たみお)さんに聞いてみた。

そもそも「新耐震」と「旧耐震」って、どういうこと?
中古マンションを選ぶときの基準として、新耐震か旧耐震であるかはよく取り沙汰される。だが、そもそも旧耐震・新耐震とはいったい何かについて、一般人の知識は曖昧であることも多い。
「耐震基準というのは、建物が地震の震動に耐えうる能力を定めるものです。1919年に日本で最初の建築法規である『市街地建築物法』が制定されますが、最初は木造のみの基準でした。関東大震災の次の年の1924年に同法が規則改正され、耐震基準が導入されました。その後1950年に同法が廃止され、あらたに『建築基準法』が制定され、その中で耐震性に関する基準ができたのです。
その後も大きな地震があるたびに見直されています。例えば1968年の十勝沖地震を経て1971年に建築基準法の改正があり、鉄筋コンクリート造の柱の帯筋が強化されました。さらに1978年の宮城県沖地震を経て1981年6月に大きな『耐震基準』の改正がありました」(碓井氏)
なかでも大幅な改正が行われたのが、1981年6月1日。耐震設計法が抜本的に見直された。
「現在では1981年以前の基準を『旧耐震』、以後の設計法を『新耐震』と呼んでいます」(同)
「旧耐震」では、震度5程度の地震に耐えられることが基準だったが、「新耐震」では、建物の倒壊を回避するだけでなく、建物内の人命が重要視され、比較的よく起きる中程度の地震では軽度なひび割れ程度、まれに起きる震度6~7程度の大きな地震でも崩壊・倒壊しないことが求められている。
「注意したいのは、新耐震かどうかの判断は建物が完成した『竣工年』ではないということです。特にマンションは完成まで時間がかかるので、1982年に完成したマンションでも、建築確認済証の交付日が1981年6月1日以前であれば旧耐震になります。中古マンションや中古住宅を購入する場合は、不動産販売会社や自治体で確認する必要があります」(同)

耐震改修工事の実施率はわずか5.9%、なぜ進まない?
これだけ大きな問題なのに耐震補強工事はあまり進められていない。2013年に東京都が発表した「マンション実態調査(※1)」では、都内にある旧耐震基準の分譲マンションのうち耐震診断を行った物件は17.1%、実際に耐震改修工事の実施率は5.9%となっている。
つまり8割以上のマンションではマンションの耐震診断すら行っていないということだ。その理由についても聞いてみた。
「耐震補強工事は実は難しいのです。1階のピロティ部分(※2)を補強しただけで耐震工事をしたと言っている場合がありますが、『耐震補強工事』は全ての階を行わないと効果はないと思います。住戸のバルコニー側や廊下側の外壁には『筋かい』(※3)が最低限必要になりますが、技術的には可能でも実際には無理です。『筋かい』を入れるとなると住戸内での生活が不自由になりますし、大変な工事費の負担になります」と碓井氏。
耐震診断自体に費用がかかるうえ、不適格という結果が出れば耐震工事にどれだけ費用がかかるか分からない。結果的に耐震診断も実施しないという結論になる場合が多いようだ。

旧耐震物件に住むなら? 中古マンションの選び方
しかし旧耐震のマンションは、都心からのアクセスに恵まれた立地が多い。新築マンションでは手が届かない場合でも、中古マンションだからこそ住めることもあるはずだ。どうしても住みたいと思う際のアドバイスを聞いてみた。
「どうしても旧耐震のマンションを選ぶ必要があるならば、私は『壁式構造』(※4)のものをすすめます。壁全体で建物を支えているので強度が『ラーメン構造』(※4)よりも高いです。阪神・淡路大震災でも、5階建て(高さ地上15m)以下の『壁式構造』については被害が少なく、また、少数の被災事例も、地盤の関係で沈下や傾斜が生じたもので、建物の壁等の破損はほとんどなかったと言われています」(同)
立地についてはどこをチェックすべきだろうか。
「築年数を経た建物であれば、より地盤がしっかりしていることが重要視されます。国土交通省による国土地盤情報検索サイト(KuniJiban)や行政が公開している液状化予測図等を確認しておくのも重要ではないでしょうか」と碓井氏。
中古マンションの購入を検討する場合、やはり「旧耐震であるか新耐震であるか」ということが、大きなチェックポイントであることが分かった。併せて立地条件や構造など、さまざまな条件を照らし合わせることも大切だ。住まいは資産としてはもちろん、人の暮らしや命を預かるものなので、冷静に判断する必要があるだろう。

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38 保活で高額な「認可外」に 退職するしかない? 賢い住まいのマネー術(1) 2017/11/27 読売新聞
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今年も本格化してきた「保活戦争」。しかし同じ東京都でも、住むエリアによって認可保育園の保育料が大きく変わることをご存じでしょうか。今回は住む場所によって家計やライフプランが大きく変わることを解説すると共に、もし保育料が高額な認可外保育園しか入れなかったとしても、働き続けたほうがよい理由をお伝えします。
住まいに関する支出は、家庭の大きな割合を占めるもの。保活から住宅ローン控除まで、住まいに関する家計管理や節約術に定評のあるファイナンシャルプランナー(FP)の花輪陽子さんが解説します。
認可保育園の保育料、自治体によって年30万円の差!?
同じ東京23区内であれば、認可保育園の保育料は大差ない……そう思っていませんか? 実は自治体によっては、月額2倍以上の差が出ることもあるんです。
具体的なケースを見てみましょう。
「保育園を考える親の会」作成の「100都市保育力充実度チェック(2017年度版)」で認可保育園の保育料(※中間額)が安い街をみると、1位の渋谷区では7490円、23位の江戸川区では3万1500円と、同じモデルケースでも月額2万4000円もの差があります。

■3歳未満児の認可保育園 月額保育料が「安い」自治体TOP3(東京23区・中間額)
1位:渋谷区 7490円
2位:中央区 1万3100円
3位:練馬区 2万600円
※100都市保育力充実度チェック(2017年度版)より

■3歳未満児の認可保育園 月額保育料が「高い」自治体TOP3(東京23区・中間額)
1位:江戸川区 3万1500円
2位:江東区 2万9800円
3位:墨田区 2万8500円
※100都市保育力充実度チェック(2017年度版)より

年間の差額は30万円近くになりますので、決して小さな額ではありません。住まい探しの前にぜひとも下調べしておきたいですね。
※中間額:所得控除前の年収が夫496万2396円・妻78万7584円、夫の社会保険料額を69万4735円、子供1人とした第1子保育料

とはいえ、現在東京23区内にお住まいであれば、希望の認可保育園にすんなり入れるケースは珍しいかもしれません。認証保育園や認可外保育園を選択せざるをえない場合でも、注意すべき点があります。
家賃が高いエリアでも、認可外助成がある区のほうがオトクなことも
料金が変わるのは認可保育園の保育料だけではありません。東京都の基準を満たしている認可外施設に通わせている家庭に対し、認可保育所を利用した場合との差額を助成する自治体もあります。しかし、助成のない自治体も多く、助成額が多い自治体と比べると大きく家計が変わってしまいます。
例えば、港区の場合、通っている認可外保育園の保育料または助成基準額(3歳未満児は10万円、3歳以上児は9万7000円)のいずれか低い金額と、認可保育園等保育料との差額を助成します。
また、世田谷区でも平成28年から、3歳児以下について、認証保育園以外の認可外保育施設でも認証と同じ5000円~4万円を補助する制度を創設しました。これは待機児童が多いことを受けた緊急対策との位置付けで、平成31年度までの期間限定で運用されるといいます。
家計はどうなるのか、具体的なモデルケースで考えてみましょう。
港区に住むA家庭は、認可保育園に通う場合、家庭の収入から月額保育料は3万1000円ですが、認可外保育園に通う場合、保育料は月額11万円と高額です。しかし、助成基準額の10万円と認可保育料の3万1000円の差額である6万9000円を助成してもらえ、保護者負担は10万円を超過した1万円と認可保育園料の合計となる4万1000円になります。月額11万円だったはずの保育料の多くを、自治体からの助成で賄うことができるのです。

■計算式
1歳児の認可外保育園の保育料:月額11万円
・港区の場合:11万円(認可外保育料)― 6万9000円(助成額)=4万1000円(自己負担額)
・補助額0円の区の場合:11万円(自己負担額)
●月間保育料の差額:6万9000円
●年間保育料の差額:82万8000円

同じ東京都内であっても、認可外保育園に対する助成がゼロの区に住んでいれば、月額の保育料の負担は11万円になります。港区に住んだケースと比べると、年額で82万8000円も差が出ます。家賃が少し上がっても、助成のある区に住んだほうが支出を抑えることができる場合もあるのです。

出産で退職すると、2億5000万円を失う
とはいっても、すでに認可保育園に入りにくく助成額も少ない自治体に住んでいる場合、そう簡単に引っ越しできるものではありませんよね。
時短勤務などを取得していれば、認可外保育園の保育料と、月々のお給料がトントンになってしまうケースもあるかもしれません。そんな時は「いっそ退職しようか……」といった考えが頭をよぎるのも無理はないかもしれませんが、出産で仕事をやめると、約2億5000万円もの生涯賃金を失うことをご存じでしょうか。
「国民生活白書」によれば、大卒女性が仕事を中断することなく、38年間働き続けた場合の生涯賃金は退職金込みで約2億7700万円です。育児休業を2年間取得して36年間働く場合、失うお金は約1900万円と比較的少なく済み、生涯賃金は約2億5800万円となります。(平成17年版、第3章「子育てにかかる費用と時間」より)
一方、出産後退職をして8年間のブランクを経て再就職する場合、正社員として復帰するケースの生涯賃金は約1億7700万円、パートとして復帰するケースの生涯賃金は約4900万円になります。
結婚後は専業主婦という場合の生涯賃金は約2200万円と、ずっと働き続ける場合と比べると2億5000万円ものお金を失うことになります。(「国民生活白書」平成17年版。28歳で第1子出産、31歳で第2子出産と仮定)
生涯賃金という視点から考えると、できる限りキャリアにブランクを空けず、正社員として復帰をすることが大切だということが分かります。妊娠中に体調が優れずにやむを得ずに退職をすることになったという場合も、できるだけ早期に正社員として復帰するほうが、当然生涯賃金は多くなります。

高い保育料は期間限定 長期的な視野で保活を
認可外保育園の保育料は月額10万円を越える場合もありますが、それは長いライフプランの中の限られた期間に限定されます。子育ては計画が立てやすいものです。
0~2歳時は期間限定と割り切り、高い保育料を支払ったとしても、3歳児以降になれば延長保育のある幼稚園も含めて選択肢が広がります。仕事をキープしたほうが、生涯賃金を考えると逸失金額が少なく済む場合が多いでしょう。どのエリアに住むかによって受けられるベネフィットが大きく違いますから、これからを住まい探す場合は、希望エリアの行政サービスをよく調べておきたいものです。
もし高額な保育料を払うことになったとしても、「保育料以上に稼げないから働くのをあきらめる」という短期的な目線だけではなく、3歳以上になると保育の選択肢が広がること、働き方によって生涯賃金が大きく変わるということを頭に入れ、長期的に試算した上で保活を考えることが大切です。
人気のエリア、子育てがしやすそうというイメージだけではなく、数字でしっかりと把握してから住まいを選ぶほうが賢明ですね。

花輪 陽子花輪 陽子(ファイナンシャルプランナー)
CFP認定者、1級FP技能士。外資系投資銀行を経てFPに。「夫婦で貯める1億円!」「貯金ゼロ 借金200万円!ダメダメOLが資産1500万円を作るまで」などの著書やテレビ出演、雑誌監修など多数。

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39 なぜ空き家は増えるのか?そのヒントが、人気アニメの間取りに隠されていた 2017/11/24 読売新聞
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わが国の空き家数はもうすぐ1000万戸に迫ろうとしている。7軒に1軒は空き家だ。しかし、日本では欧米に比べて、中古住宅の取引は低い水準にある(2013年国土交通省「中古住宅流通促進・活用に関する研究会」)。その理由は、親世代の家の間取りに理由があるという。埼玉県で、行政の立場から空き家問題に取り組むお二人にお話を聞いた。
時代を代表する4つのアニメ、その間取りから浮かび上がるのは……?
親世代の生活や住宅スタイル、ひいては「間取り」がその子世代の暮らし方にはマッチしない!? そんな問題提起をしたのは、埼玉県鴻巣市 都市整備部副部長(埼玉県から派遣)の高橋英樹さんと、埼玉県庁 都市整備部 建築安全課企画担当主幹の小松克枝さんだ。日本人の生活スタイルと住宅の間取りについて、人気アニメに登場する住宅、磯野家(サザエさん)とさくら家(ちびまる子ちゃん)、野原家(クレヨンしんちゃん)、天野家(妖怪ウォッチ)の4つを比較し、その変遷を分析している。

着目したキーワードは次の2つだ。
◎家族構成(多世代同居・核家族)
◎家族のコミュニケーション空間の割合(居間・リビング)
いったいどういうことなのか。さっそく4つのアニメの間取りを見てみよう。

[1]サザエさん:磯野家の間取り
原作の4コマ漫画は、昭和20年代に新聞連載としてスタートしている。磯野家の家族構成等の設定は戦前のモノであったが、1969年(昭和44年)のアニメ化の際に時代設定等がいったん整理された。このため「昭和40年代」の設定と言える。

特徴
設定:昭和40年代
■3世代の同居
■それぞれの世代に個別の部屋を確保
■家族の団らんは主に居間(和室・8畳)
■家族のコミュニケーション空間は限定的

[2]ちびまる子ちゃん:さくら家の間取り
作者の子ども時代の設定で、昭和40年代後半から50年代前半をベースにしている。

特徴
設定:昭和40~50年代
■3世代の同居
■それぞれの世代に個別の部屋を確保
■家族の団らんは主に居間(和室・8畳)
■家族のコミュニケーション空間は限定的

[3]クレヨンしんちゃん:野原家の間取り(1階)
漫画の連載は1990年(平成2年)で、1992年(平成4年)にアニメ化されている。

特徴
設定:平成初期
■両親と子どもの核家族
■家族の団らんの場は、リビング・ダイニング&キッチン
■1階の大部分が家族のコミュニケーション空間

[4]妖怪ウォッチ:天野ケータくんの家
2012年(平成24年)に漫画での連載がスタートし、2014年(平成26年)にテレビアニメがスタート。平成20年代を代表する大ヒットアニメ。

特徴
設定:平成20年代
■両親と子どもの核家族
■家族の団らんの場は、リビング・ダイニング&キッチン
■1階の大部分が家族のコミュニケーション空間

ここまで、日本を代表する4つのテレビアニメから間取りの変遷を見てもらった。
高橋さんは「ここから読み取れるのは、核家族化の進展と生活スタイルの欧米化です」と分析する。
「平成に入ったころから祖父母世代用の部屋と来客用の空間がなくなりました。平成20年代になると和室も消え、1階空間のほぼ全てが家族のコミュニケーション空間になりました」(同)
確かに、筆者が最近目にする新築住宅の広告でも、システムキッチンや床暖房はすでに定番アイテムとなり、10年ほど前には目新しかった「リビングイン階段」や「メザニン(中2階)」なども一般的になった。和室はノスタルジー空間となり、来客用の空間は親子間を含む家族間のコミュニケーションのための空間に吸収されていった。
高橋さんはその結果として、リビング空間が広がり、現在の住宅では家族のコミュニケーション、とりわけ「親と子がどうかかわるか」が、家の間取りにも影響しているのではないかと考えている。

”今どきの間取り”の中古住宅も増える?
高橋さん自身、10年前に熊谷市の実家を受け継ぐ際に、すでに築40年ほどたっていた親の家を取り壊して新築した。
当時、妻と子ども1人(現在は2人)と暮らしていた高橋さんは
「ユニットバス、システムキッチン、床暖房、これら3つの要素が僕らの世代が家に求めるものだと思います。
設備が古いうえに、親が建てた家は“ちびまる子ちゃん”の家のような中廊下型で、自分の家族の暮らしには向かないと感じました。実家では、家族5人が6畳の居間で窮屈にテレビを見たり食事をしたりしていましたが、廊下をはさんだ二間続きの和室はほとんど使われていませんでした(笑)」
と打ち明ける。
一方、小松さんは「私は、10年ほど前、実家の近くに中古住宅を買ってリフォームして暮らしています」と言う。
「私の家族は夫と子ども2人ですが、1990年代後半に建てられた住宅で“クレヨンしんちゃん”の家のような、リビング・ダイニング&キッチンで家族団らんできるタイプだったことと、耐震性が高かったことが理由として大きいでしょう。
同規模の新築物件より安価なこともお得感がありました。私は仕事柄、スクラップ&ビルドではなく、躯体さえしっかりしていれば既存の建物を再活用したいという思いもありました。実は、高橋さんの言う住宅に求める3つの要素(ユニットバス、システムキッチン、床暖房)は無かったのですが、おいおいリフォームしていこうと思っていたので気になりませんでした。入居前に内装を、入居後に洗面・ユニットバス、外構と、数年ごとにじっくり、自分好みにリフォームして楽しんでいます」

そんな小松さんに対し高橋さんは
「抵抗感がなくリフォームを選択できる人って、まだあまり多くないのではないでしょうか。私の実家のように築40年以上の住宅の場合、リフォーム後の姿をイメージすることは難しい。みんながみんな建築の知識をもっているわけではありません。10年前の私もそれができませんでした。今から考えると少し残念な気もします」
と話す。
高橋さん、小松さんともに、埼玉県におけるこれからの住宅のあり方、そして空き家問題に行政の立場から対策に取り組んでいく立場にある。
小松さんは「自治体が目指す方向性や、住まい手の住宅の選び方はいまだ新築志向という現実と、空き家の数を抑えたいという目標とのギャップに戸惑うこともあります」と打ち明けてくれた。
埼玉県は、1970年から2010年までの40年間で、人口は約2倍に増加した。しかし、日本全体の少子高齢化は埼玉県でも例外ではなく、これから人口減少が始まると予想されている。
小松さんは「これからは、平成以降に建てられた、リビング・ダイニング&キッチンが一体となった今どきの家族にも通用する間取りの中古住宅が多くでてきます。今の生活スタイルに適したこうした中古住宅を購入する人も増えてくるでしょう」として
「中古住宅を次の利用者に受け継いでいくためには、その地域で活躍する建築士さんや不動産屋さんの役割が非常に大きいと感じています。多くの人が『買いたい、住みたい』と思えるすてきな住まい方を提案してもらいたい。そのことが、誰も住まない空き家を少なくすることにもつながります」と、その思いを語ってくれた。

2017-11-30 | Posted in 住宅関連新聞記事Comments Closed