住宅関連新聞記事ダイジェスト No.375  2011/3/10~2011/3/16

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住宅関連新聞記事ダイジェスト No.375  2011/3/10~2011/3/16 Vol.1
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【日本経済新聞】

1  被災地発・陸前高田 大津波で何もかも失ったまち

2  東証が住宅価格指数を配信開始

3  東日本大地震の被災状況、34REITで出そろう

4  【MIPIM】参加者は昨年比7%増、投資ムードの回復示す

5  特報:太陽光発電の自立運転で計画停電に備える

6  被災地発:都内では瓦や外壁の落下が多数

7  特報:東日本大地震で建材・設備の生産と納品に遅れ

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1  被災地発・陸前高田 大津波で何もかも失ったまち  2011/03/16 日本経済新聞系

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東日本巨大地震陸前高田市地震事故・トラブル被害. 東日本巨大地震で最も大きな被害が出たとみられている岩手県陸前高田市。気象庁が太平洋沿岸における津波注意報を3月13日に解除したことを受け、14日早朝から入った。

2010年に実施された国勢調査の速報値によると、陸前高田市の世帯数は7794。人口は2万3302人だ。岩手県のまとめによると14日現在、このうち9252人が避難生活を余儀なくされている。また死者70人、行方不明1282人の人的被害が判明した。国勢調査結果に比べ、県のまとめは1万人単位で人数が整合していない。つまり1万人以上の人たちが安否不明だ。また県は建物被害について、「家屋被害多数」と記すのみだ。

まず高台から被災地を俯瞰するため、同市高田町猪苗代地区付近で自動車を停めた。だが、建物はまったく見当たらなかった。大津波が襲った時間、このあたりでは濁流が渦巻いていたはずだ。

ぬかるみにはまりながら、海側を目指す

坂を下り、市街地中心から見て北東側から海側を目指した。比較的標高の高い被災地域では、巨大津波が運んだとても目の細かな泥が表面を覆っている。泥を撤去して復旧させた道路から外れた途端、長靴がぬかるみにはまった。なかなか前に進めない。周囲では何もかもが流されていた。

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2  東証が住宅価格指数を配信開始  2011/03/15 日本経済新聞系

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東京証券取引所は4月26日から、住宅価格指数の配信を開始する。財団法人東日本不動産流通機構(東日本REINS)が2000年以降に不動産仲介会社から収集した、中古マンションの売買成約価格に基づくもの。首都圏全体と、東京、神奈川、千葉、埼玉の各都県の指数を毎月ホームページで公開する。

この東証住宅価格指数は、米国の代表的な住宅インデックスであるケース・シラー指数を手本として、早稲田大学の川口有一郎教授が国土交通省の委託を受けて進めた研究に基づいて開発された。

ケース・シラー指数は、単純化されたモデルではなく市場での実際の取引価格から算出するのが特徴だ。リピート・セールス法と呼ばれる手法を使っており、ある住戸が中古市場で取引され、さらに時を経て再販された場合に新旧の価格を比較する。米国では戸建て住宅を対象とした指数が代表的だが、東証では多数のサンプルを集められることなどから、中古マンションを対象とした。同じ建物のうち、広さや階などの特性が同じ区画の取引価格を比較する。

サブプライム問題の発生以降、銀行のバランスシートを時価評価する手段の一つとして住宅価格指数は大きな注目を集めた。米国ではケース・シラー指数を使った先物商品も取引され、住宅の値動きに対するリスクヘッジ手段としても定着している。ただし、東証は今回の配信を試験公開と位置付けており、デリバティブの組成に利用することは当面認めていない。

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3  東日本大地震の被災状況、34REITで出そろう  2011/03/15 日本経済新聞系

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各REITの被災状況 東日本大地震(東北地方太平洋沖地震)に関連して、運用資産が九州に限定される福岡リート投資法人を除くREIT(不動産投資信託)34法人すべての被災状況が、3月14日までに出そろった。

日本リテールファンド投資法人では、仙台市泉区にあるイオン仙台中山において内装や設備に被害が出ており、営業を休止している。運用会社の三菱商事・ユービーエス・リアルティによると被害状況は調査中で、現段階では営業再開の時期について確定的なことは言えないという。

そのほか仙台においては、ジャパンリアルエステイト投資法人、日本プライムリアルティ投資法人、ユナイテッド・アーバン投資法人、ビ・ライフ投資法人などの運用資産に外壁クラックなどの被害が出ている。ただし、いずれも軽微なもので、運用に重大な影響を与えることはないもようだ。

一方、東京周辺でも被害を受けた物件があった。グローバル・ワン不動産投資法人と阪急リート投資法人が共有している、品川区東品川2丁目のスフィアタワー天王洲では、漏水が発生して一時は全館が停電になった。3月14日時点では一部のフロアを除いて復旧している。

森トラスト総合リート投資法人が運用するイトーヨーカドー新浦安店では、周辺地域の一部液状化現象に伴い、外構の一部が最大60cmほど沈下したという。

産業ファンド投資法人はIIF東雲ロジスティクスセンター、IIF新砂ロジスティクスセンター、IIF習志野ロジスティクスセンターで軽微な被害が生じたことを報告。また、3月14日付で取得予定だったIIF厚木ロジスティクスセンターII、IIF横浜都筑ロジスティクスセンター、IIFさいたまロジスティクスセンターの3物件については、念のため外部専門家による調査を実施することとし、取得の延期を決めた。

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4  【MIPIM】参加者は昨年比7%増、投資ムードの回復示す  2011/03/15 日本経済新聞系

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90カ国から参加者を集めたMIPIM。屋外でも活発な交流が持たれた 3月11日金曜日、今年22回目を迎えたMIPIMが閉幕した。対前年で7%増となる1万8400人余りが90カ国から参加し、不動産金融市場の回復傾向を実感させるものとなった。ファンドマネジャーなどの投資家層約4000人をはじめ、世界の不動産デベロッパー、設計事務所などが参加した。米国での不動産取引高の急回復を反映して、同国からの参加も例年になく増えた。

MIPIMの政治色も強まり、100人以上の市長や行政、政治家など公的機関のトップが会場を訪れた。ロンドン市長のBoris Johnson氏、ニューヨーク大学のNouriel Roubini博士らが基調講演を行ったのは、不動産金融が世界の政治・経済との強い関わりを持つようになった背景によるものだろう。

主催企業である仏Reed MidemでMIPIM責任者を務めるFilippo Rean氏は、最終日に行われた記者会見で、「今年はより国際的な参加者を得て、グローバル市場の動向を見極めながら前向きな戦略を構築する場となった。今後も不動産業界との結束を固めるとともに、公的機関との協力でMIPIMの重要性を高めていきたい」と語った。これに続き、Jones Lang LaSalle とCB Richard Ellis、Cushman & Wakefieldなどの大手不動産会社の代表が登壇し、グローバル市場の最新動向を発表した。

Cushmanは、2011年の世界の不動産取引高は、北米と新興国の回復に先導されて5~10%近く伸び、4850億ユーロ(約5兆6000億円)に達すると予測する。欧州市場では15%近い投資の増加を見込んでいる。中東の政情不安に起因する、資産家らの資金がロンドンに大きく流入しているのもその背景にあるようだ。一方、アジア市場には2010年、東京、上海などの主要都市を中心に約2940億ユーロが投資され、世界の取引の50%強を占めた。今年は中国の地方都市(セカンドティア・シティ)に注目が集まると予想する。

MIPIMが開催されたカンヌからは地中海らしい青い空と海が望めるものの、時折さすような冷たい風に見舞われた。参加者にとっても、金融不動産市場の現状そのものともいえる、遅い春の天候だったのではないか。

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5  特報:太陽光発電の自立運転で計画停電に備える  2011/03/14 日本経済新聞系

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東日本巨大地震自立運転太陽光発電太陽光発電所ネットワーク計画停電住宅. 東日本大震災の影響で、東京電力は地区ごとに3時間ずつ停電する「計画停電」の実施を発表した。これをうけてNPO法人太陽光発電所ネットワークは、「自立運転」の活用を太陽光発電ユーザーに呼び掛けている。

太陽光発電システムの自立運転とは、発電した電気を売電せず家電製品などに直接利用する方法だ。まさに停電に備えた機能と言える。これを利用できるのは「自立運転コンセント」を装備する機種に限られるが、約9割が該当するという。

手順は、住宅分電盤のブレーカーを主電源用、太陽光発電用の順に遮断し、本体を自立運転モードに切り替える。さらに、パワーコンディショナに付いている自立運転コンセントに延長コードをつないで、延長コードを電気製品に接続する。自立運転コンセントの位置や自立運転モードへの切り替え操作は機種によって異なる。

自立運転を終了後は、最初と逆の手順で元に戻す。

手順で厳守したいのは、自立運転コンセントを延長コードにつなぐこと。太陽光発電所ネットワーク理事の國井範彰さんは、「延長コードではなく家庭用の電気配線に直接つなごうとする人がいるが、そうすると近隣に発電した電気を供給してしまう恐れがある」と説明する。

使える容量は1.5kWまで

自立運転で使える家電製品には制約がある。まず、自立運転コンセントの容量は1.5kWを上限とする場合が多いので、容量がそれ以下の製品に限られる。例えば1.5kWを超えるエアコンやオーブンレンジは、起動しないか動作が不安定になるという。電源が切れると故障する可能性のあるデスクトップパソコンやハードディスクも、接続を避けた方がいい。

下の表は、太陽光発電所ネットワークの会員が自立運転でいくつかの家電製品を使ったときの結果だ。國井さんは、「太陽発電の出力が1.5KW以上になると、携帯電話の充電やブラウン管テレビ、電気ポットが安定的に使えるようになる」と話す。

太陽光発電所ネットワーク会員による自立運転の実験結果(資料:太陽光発電の賢い使い方 停電・災害時の自立運転コンセントの活用)

環境省は自立運転の詳しい解説書 「太陽光発電の賢い使い方 停電・災害時の自立運転コンセントの活用」をインターネットで公開している。太陽光発電所ネットワークが編集協力したものだ。

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6  被災地発:都内では瓦や外壁の落下が多数  2011/03/14 日本経済新聞系

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東日本巨大地震住宅ビル建物被害モルタル瓦外壁落下. 3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震は、東京都内に建つ戸建て住宅や中低層ビルにも、被害をもたらした。老朽化した建物からの瓦や外装材の落下が多く見られる。

中野区と国分寺市を歩いて見つけた被害を報告する。

中野区内に建つ木造賃貸住宅では、地震によって屋根の棟瓦が破損。道路には屋根に使っていた土が落ちていた。

応急処置に当たっていた瓦職人は「昔の棟瓦は積み重ねて土で固めただけなので、地震に弱い。棟以外の瓦はクギで固定していたので落下せずに済んだ。棟瓦は鉄筋や銅線で固定しておく必要がある」という。建て主によると築44年で、浴室の壁にもクラックが入ったという。

この建物の周囲には、同じように棟瓦が破損した老朽住宅が2棟あった。

地震によって外装材が剥がれた店舗も2棟見つけた。いずれもかなり劣化している。中野区内の1棟は、木造2階建ての木ずり板からモルタルが大きく剥落していた。

国分寺市内の鉄骨造3階建てビルでは、外壁のコーナー部分に大きな亀裂が入り、前面道路が通行止めになっていた。

総務省消防庁災害対策本部によると、地震で損傷した都内に建つ建物の棟数は3月14日15時30分までで234件。うち229件が一部破損だ。

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7  特報:東日本大地震で建材・設備の生産と納品に遅れ  2011/03/14 日本経済新聞系

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「キッチンが納品されない。どうすればいいのか」――。ツイッター(ミニブログ)にある工務店の悲痛なつぶやきが書き込まれた。それに呼応するかのように、他の住宅会社からも建材や設備の納品が遅れだしているという書き込みが続いた。2011年3月11日、世界最大級のマグニチュード9.0を記録した地震「東日本大地震」の影響が、住宅業界にもじわりと現れ始めたようだ。

そこで、いくつかの建材・設備メーカーに地震の影響を尋ねた。

納品に遅れが出たクリナップ

キッチンメーカーのクリナップは、拠点の一つである「いわき事業所」の生産がストップしている状態だ。同社の説明によると、工場の設備自体には大きな被害は出ていないという。問題は水道や電気、道路といったインフラが復旧していないことにある。ただし、部材供給元の企業にも一部地震の被害が出ているようだ。そのため、別の部材供給ルートを探すなどして対応を図っていくことも検討しているという。

3月上旬に受注した製品がまだ生産できていないと同社は説明する。インフラが回復し次第生産に取りかかる方針だが、いつからになるかは不明だ。

トステムは長期化すれば影響も

「地震の影響が長期化すれば西日本エリアなどにも今後影響が出る可能性もある」――。大手サッシメーカーのトステムは、こう説明した。

同社の場合、北関東から東北地方に掛けて複数の工場があるが、倒壊といった大きな被害を受けた工場はなかったという。例えば、岩手県にある一関工場では一部建物にひびが入ったり、設備がずれたりといった影響があった程度。現在は停電しているため内窓などの樹脂サッシの生産を止めている状態だ。

気がかりなのが、東京電力が予定している計画停電の影響だ。トステムによると、横浜市や前橋市の工場が計画停電の対象となるため、生産に影響を与える可能性があるという。今後、どのような生産計画を立てていくか、同社のウェブサイトなどで情報を提供していく予定だ。

YKK APは影響を確認中

YKK APは大規模工場の一つである東北事業所で地震の影響が出ている。宮城県大崎市にある同生産拠点では、住宅向けのアルミサッシ、アルミ樹脂サッシ、エクステリア、断熱玄関ドアなどを生産している。

工場の被害は少ないようで、建物などに一部損傷がある程度という。倒壊などの被害はない。設備に関する被害は調査中で、生産再開の見通しは立っていないという。同社によると、他の工場に生産を振り分け対応する方針だが、どの程度納品の遅延などに影響するかは分からないようだ。

ニチハ、セイホクは確認できず

状況が把握できていないため混乱しているメーカーもある。外装材メーカーのニチハは、厚物高級サイディングの専門工場であるいわき工場が被害を受けたようだ。「工場が倒壊したという情報はないが、生産は止まっている。社員の安否確認を優先しているため状況は分かっていない。設備の損傷状態などについては調査中で、対策についてもこれから検討する」と回答した。

宮城県石巻市の海沿いに工場が集中していた合板メーカーのセイホクは、工場との連絡が全く取れていないという。社員の安否を優先に状況の確認に注力している状態だ。

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住宅関連新聞記事ダイジェスト No.375  2011/3/10~2011/3/16 Vol.2
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【日本経済新聞】

8  特報:耐震補強中の長大トラス橋が損傷、首都高・荒川湾岸橋

9  日銀がREIT購入枠を拡大、震災対応で一段の金融緩和

10  【災害】仙台市では外観上で大きなダメージがあるビルも、三鬼商事

11  特報:停電時の便器洗浄法は? TOTOがウェブで公開<追加情報あり>

12  【災害】東日本大地震でREIT資産は軽微な損傷にとどまる

13  特報:原発事故、「揺れではなく津波が原因」と東電社長

14  【災害】巨大地震発生で各REITが被害状況を調査、海外では保険負担にも関心

【朝日新聞】

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【読売新聞】

15  復興住宅融資受け付け

16  敷金の返還 トラブル増加

【日経産業新聞】

17  サンウエーブとINAX、システムキッチンを刷新

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8  特報:耐震補強中の長大トラス橋が損傷、首都高・荒川湾岸橋  2011/03/14 日本経済新聞系

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東北地方太平洋沖地震によって、首都高湾岸線の新木場~葛西間にある鋼ゲルバートラス構造の荒川湾岸橋に損傷が生じた。首都高速道路会社が3月14日に発表した。この橋はIHIインフラシステムが耐震補強工事を実施中だった。

首都高速道路会社によれば、荒川湾岸橋は橋長840mの7径間ゲルバートラス橋で、1978年に供用を開始。08年6月に耐震補強工事をIHI(現在は橋梁子会社のIHIインフラシステム)が受注した。落札金額約68億円(消費税を除く)という大がかりな補強工事だ。

損傷箇所は19カ所。主に横支材と下横構との接合部、横支材と対傾構との接合部に損傷が生じている。耐震補強工事の内容はまさに、接合部である当て板を補強することがメーンだった。

同社によれば、損傷したのは未施工箇所だったようだ。通行止めを10日後には解除することを目標に、応急復旧を急いでいる。

一般的な高架橋に比べ、長大橋の耐震補強は設計と施工が難しいので時間がかかる。首都高をはじめ高速道路各社はここ数年、耐震補強対象として最後に残った長大橋の工事に取り組み始めたところだった。

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9  日銀がREIT購入枠を拡大、震災対応で一段の金融緩和  2011/03/14 日本経済新聞系

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日本銀行は3月14日正午から開始した金融政策決定会合において、REIT(不動産投資信託)を含むリスク資産買い入れのための基金を、5兆円程度積み増すことを決めた。このうちREITの買い入れ枠は500億円程度。2010年10月の「包括的な金融緩和策」で打ち出した500億円規模の買い入れと合わせ、総額1000億円規模のREIT投資口購入が可能になる。

東日本大地震(東北地方太平洋沖地震)の発生を受けて、企業マインドの冷え込みや金融市場におけるリスク回避姿勢の高まりが予想されている。これらが実体経済に悪影響を及ぼすことを日銀は警戒しており、リスク資産を買い入れることで、市場を下支えする考えだ。基金の増額は2012年6月末をめどに完了する。

地震の発生を受けて3月14日の東証REIT指数は、前日終値の1181から一時は973にまで下落。最終的には1005で引けた。日銀が2010年10月に初めてREIT購入の方針を打ち出した際には、東証REIT指数が大幅な上昇に転じているが、今回は災害規模が大きいだけに経済に与える影響も大きく、買い入れ枠拡大がどの程度のマインド改善につながるかは未知数だ。

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10  【災害】仙台市では外観上で大きなダメージがあるビルも、三鬼商事  2011/03/14 日本経済新聞系

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三鬼商事(本社:中央区)の調査によると、東日本大地震の影響で仙台市中心部の大通りに面した175棟のオフィスビルのうち、14棟に外観上大きなダメージがあることがわかった。倒壊や傾斜など、使用不能と思われるビルはなかった。

調査は13日に現地で実施した。仙台市の主要ビジネス地区(駅前、一番町周辺、県庁・市役所周辺、駅東、周辺オフィス地区)にある362棟のうち、大通りに面した175棟について外観から被害状況を判断したものだ。結果は以下のようになっている。

1)無傷

95棟

2)外観上ダメージはあるが、短時間の復旧で使用できそうなビル

66棟

3)外観上強いダメージがあり、復旧に時間がかかりそうなビル

14棟

4)倒壊やフロア崩壊、ビルの傾斜などにより使用不能に見えたビル

0棟

ビルとして使用可能であっても設備関係(エレベーターや空調など)にダメージがある場合には、復旧までに1カ月程度かかる可能性もある。調査結果は三鬼商事のウェブサイトでも見ることができる。

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11  特報:停電時の便器洗浄法は? TOTOがウェブで公開<追加情報あり> 2011/03/14 日本経済新聞系

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停電TOTO断水便器東日本巨大地震. TOTOはウェブサイトで「断水・給水制限・停電時のトイレ使用について」を公開中だ。断水時の便器洗浄法、給水制限などによる水圧不足時のタンクレス(水道直圧式)便器の洗浄法、停電時の便器洗浄法について、同社製品のケースを例に使用法の情報を公開している。URLはhttp://www.toto.co.jp/News/dansui_teiden/index.htm

<追加情報>INAX、パナソニックも同様の便器洗浄法をウェブで公開している。

INAX:http://www.inax.co.jp/img/notice_0314_01.pdf

パナソニック:http://sumai.panasonic.jp/teiden/toilet/index.html

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12  【災害】東日本大地震でREIT資産は軽微な損傷にとどまる  2011/03/14 日本経済新聞系

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全35REITの地震関連発表および被害状況 3月11日に発生した東日本大地震(東北地方太平洋沖地震)に関して、REIT(不動産投資信託)運用資産の被災状況が徐々に明らかになってきた。運用に重大な影響を与える被害は発生していないものの、一部のREIT物件では軽微な損傷が生じたもようだ。

仙台市内に運用資産を持つREITは16法人。運用資産は住宅26物件、オフィスビル13物件、商業施設2物件、ホテル1物件の合計42物件だ。その他の東北地方を含めると、17法人が47物件を運用している。

地震が発生した3月11日から14日早朝までの、各REITの地震関連発表を集計したところ、上記17法人のうち4法人は被害状況を調査中。12法人は「運用に重大な影響を与えるような被害は生じていない」としている。ユナイテッド・アーバン投資法人によると、仙台市のアルボーレ仙台で天井板の一部が剥離(はくり)したり、スプリンクラーの破損によって漏水が発生したりといった軽微な損害が発生しているもの、運用に大きな影響はないという。

一方、東北地方に運用資産を持たない18法人においても、14日早朝時点で10法人が何らかのコメントをウェブサイトに掲載している。このうち日本ロジスティクスファンド投資法人は、東京・神奈川・千葉・埼玉にある物件の一部で敷地の液状化や施設壁面のクラック、シャッターの破損といった被害が生じたことを明らかにしている。

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13  特報:原発事故、「揺れではなく津波が原因」と東電社長  2011/03/13 日本経済新聞系

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東日本巨大地震津波原子力発電所東京電力福島第一原発. 東京電力の清水正孝社長は3月13日夜、東北地方太平洋沖地震発生後に初めて記者会見を開き、福島第一原子力発電所1号機が被災した原因を「地震による揺れではなく、想定外の津波が非常用電源にかかり機能しなくなったため」と説明した。

地震動の揺れに対しては、地震発生直後に原子炉を緊急停止することに成功している。ところが、その後に炉を冷却しなければならないが、津波の影響で非常用電源などの設備が水につかったため機能しなかった。

国内の原子力発電所は、地震動に対しては厳しい耐震基準を設けている。一方、津波に対して十分な安全性を考慮していたかどうかは今後、議論になりそうだ。

同社はウェブサイトで、「過去最大の津波を上回る、地震学的に想定される最大級の津波を数値シミュレーションにより評価し、重要施設の安全性を確認しています。また、発電所敷地の高さに余裕を持たせるなどの様々な安全対策を講じています」と説明している。

福島第一原発が実際、どの程度の規模の津波を受けたのかは明らかではない。ただ、「過去最大の津波を上回る」規模を想定していたのなら、「想定外」という言葉を安易に口にすべきではない。

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14  【災害】巨大地震発生で各REITが被害状況を調査、海外では保険負担にも関心 2011/03/12 日本経済新聞系

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3月11日午後2時46分に発生した東北地方太平洋沖地震を受けて、REIT(不動産投資信託)各社が被害状況の把握に追われている。宮城県仙台市に運用資産を所有するREITは16法人で、物件数は42。東北地方全域では17法人、47物件に上るもようだ。

前日に仙台で2棟の賃貸マンションを購入したばかりのアドバンス・レジデンス投資法人は地震後、「保有物件への影響については調査中です。詳細は判明次第お知らせいたします」との発表をウェブサイトに掲載した。9物件と仙台で最も多くの物件を所有する日本賃貸住宅投資法人やその他のREITも、続々と同様のコメントを掲載している。

地震発生を受けて、不動産証券化協会(ARES)は3月11日と12日に予定していた「Jリートフェア2011」の開催を中止した。会場となった千代田区丸の内の東京国際フォーラムは、安全確保のため立ち入りが規制され、展示物の撤去ができない状況だという。

世界各国から支援の申し出が寄せられるなか、海外では早くも今回の地震に対する保険会社の負担にも関心が集まり始めている。Wall Street Journalは「壊滅的な被害だが、日本の住宅所有者や企業は保険を買うことに消極的なので、世界の保険市場が最も重い負担を強いられるということはないだろう」と報道。一方、Bloombergは「日本の保険会社と政府で負担は吸収されるが、その後に世界の再保険会社は100億ドル(8000億円)規模の損失に直面する可能性がある」との専門家のコメントを紹介している。

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15  復興住宅融資受け付け  2011/3/15 読売新聞

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住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)は14日、東日本巨大地震の被災者向けに、住宅の再建や補修費用などとして低金利で融資を受けられる災害復興住宅融資の受け付けを始めたと発表した。

住宅が全半壊したことを示す罹災(りさい)証明書の交付を受けることが条件で、融資額は新築の場合は最大3260万円、補修の場合は最大1020万円。問い合わせは被災者専用ダイヤル(0120・086・353)で受け付ける。

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16  敷金の返還 トラブル増加  2011/3/11 読売新聞

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「原状回復」正しく理解

 これからの季節、就職や転勤などで引っ越しをする機会が増える。賃貸住宅の退去に伴い、家主に預けた敷金が返還されるが、返還金の金額などを巡るトラブルが後を絶たない。

国の指針では、経年劣化などによる修繕費は支払う義務はない。国民生活センターなどは注意を呼びかけている。

経年劣化、一般の損傷は家主負担

70歳代の女性は昨年、1年数か月間一人で住んでいた賃貸アパートを退去した。不動産仲介業者から「畳替えとハウスクリーニングの費用を請求する」と言われた。後日届いた精算書では、これらの費用が敷金から引かれており、返還額は数百円だけだった。女性の保証人を務めた親戚は「特に汚したり壊したりということはないのに、おかしいのでは」と話す。

賃貸住宅に入居する際には、借り主は家主に家賃の1~2か月分程度の敷金や保証金を納める例が多い。借り主が家賃を滞納したり、不注意などによって建物に損傷を与えたりした場合は、その分を差し引いた残額が返還される。

この敷金や保証金をめぐり、「家主が精算に応じない」「敷金を超える高額な費用を請求された」といったトラブルが増えている。全国の消費生活センターに寄せられた相談は2006年度から増え続け、09年度は1万6767件に上った。今年度も1月末までに1万1650件になった。

国土交通省がまとめた「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によると、借り主の故意や過失などで建物に損傷を与えた場合は、借り主の負担で復旧する義務があるが、通常の使い方で生じた損傷や建物や設備の経年劣化を修繕する費用は、家主が負担すべきだとされる。

例えば、家具を設置したことによるカーペットのへこみや、壁のクロスの日焼け、新しい入居者を獲得するためのハウスクリーニングなどは、家主の負担とされる。一方、掃除や手入れを怠ったために生じた風呂やトイレの水あかやカビなどは、借り主の負担とされる。

国民生活センターは「原状回復は入居時の状態に戻すことではないが、家主、借り主の理解は進んでいない。認識のずれがトラブルにつながる例も多い。家主が負担すべきだとされる費用は支払う義務がないので注意を」と呼びかける。国交省のガイドラインに法的な拘束力はないが交渉の材料にできる。東京都はイラスト入りでより分かりやすい「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」をまとめており、都の都市整備局のホームページからダウンロードできる。

弁護士の犬塚浩さんは「退去時の立ち会いにはしっかりと準備して行くことが大切」と指摘。あらかじめ賃貸契約書を読み直し、ガイドラインと照らして負担が大きくないか確認しておくことを勧める。

また、賃貸住宅の契約では通常の使い方で生じた損傷や経年劣化の修繕を借り主の負担としたり、無条件で敷金の一部を控除したりする特約もあるが、こうした特約を無効とした判例もある。行政の無料相談や消費生活センターに相談することを勧める。

犬塚さんは「新しい賃貸住宅に入居する際にも、契約内容をしっかり確認して、納得してから入居を」と助言する。

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17  サンウエーブとINAX、システムキッチンを刷新  2011/3/14 日経産業新聞

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住生活グループ傘下のサンウエーブ工業とINAXは、システムキッチン3シリーズを全面改良して4月1日に発売する。サンウエーブが住生活グループ入りして初めての共同開発品で、サンウエーブブランドで販売する。

「サンヴァリエ リシェル」と「同アミィ」「同シエラ」の3製品。サンウエーブが強みとする収納機能とINAXが得意とする清掃性を両立した。

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住宅関連新聞記事ダイジェスト No.375  2011/3/10~2011/3/16 Vol.3
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【日経産業新聞】

18  積水化学、子育て世帯向け平屋 水回り手入れしやすく

19  総合地所と長谷工、長期間使用できるマンション

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18  積水化学、子育て世帯向け平屋 水回り手入れしやすく  2011/3/11 日経産業新聞

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積水化学工業は10日、平屋建て住宅の新商品を26日に発売すると発表した。「子育て主婦の応援」をテーマに受注活動を展開し、家事の負担を軽減する設備を導入。耐久性の高い部材を使用することでメンテナンス費用を抑える。大容量の太陽光発電システムを搭載すれば光熱費削減にもつながる。新商品投入で平屋商品全体の受注を年600棟にまで引き上げる。

発売する「楽の家ファミリースタイル」は、鉄骨系「セキスイハイム」と木質系「ツーユーホーム」に対応する。シャワーで流すだけで皮脂の汚れが落ちる浴槽や、手入れのしやすいトイレを標準で採用。約10年間フィルターの取り外しが不要なレンジフードも搭載しており掃除の負担軽減につながる。屋根の面積が広いため大容量の太陽光発電システムを搭載でき、光熱費をゼロに抑えることも可能という。耐久性の高い外壁材や屋根材を使用することで維持・管理費も抑えられるようにした。

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19  総合地所と長谷工、長期間使用できるマンション  2011/3/10 日経産業新聞

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総合地所と長谷工コーポレーションは埼玉県志木市で開発中のマンションを3月下旬に発売する。配管の交換などメンテナンスしやすい構造として長期間住み続けられるようにした。間取りを多様なパターンから選べる仕組みを取り入れる。2012年3月以降の入居を予定している。

「志木の杜(もり)レジデンス」は両社が開発する商業施設、住宅、高齢者福祉施設などを備えた複合施設「SHIKITO」内に設ける。建物は11階建て2棟で総戸数は319戸。住戸の広さは73~97平方メートル。価格は75平方メートルで2600万~2900万円の見通し。

2011-03-16 | Posted in 住宅関連新聞記事Comments Closed