住宅関連新聞記事ダイジェスト No.388  2011/6/9~2011/6/15

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住宅関連新聞記事ダイジェスト No.388  2011/6/9~2011/6/15 Vol.1
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【日本経済新聞】

1  サンケイビル、住戸別に太陽光発電 武蔵野市でマンション販売

2  震災対応マンション発売 東京建物、横浜市内に

3  賃貸住宅の更新料巡り弁論 最高裁、来月15日に判決

4  耐震性高い物件人気 東京のオフィス空室率、上昇一服

5  4月の都内住宅着工3.2%増 震災で延期の物件が再開

【朝日新聞】

6  日常の雑事を代行「スマート・コンシェル」導入 伊藤忠都市開発、伊藤忠アーバン

7  不動産市場への震災影響を分析 2010年度土地白書

8  エコキュートで新商品 パナソニック電工

9  積水ハウスが、16万人の戸建てオーナーを対象に「節電コンテスト」

10  アキュラホーム 工期45日、680万円の太陽光発電付き復興住宅

11  安心な不動産会社を紹介「STOP!物件ミスマッチ」

12  首都圏・5月の中古マンション成約、前年比10%減 東日本レインズ

13  地盤、地域の災害対策にも注目 ホームアドバイザー、震災後の意識変化を調査

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1  サンケイビル、住戸別に太陽光発電 武蔵野市でマンション販売  2011/6/11 日本経済新聞

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サンケイビルは7月中旬から、住戸別に太陽光発電システムを導入した分譲マンション(東京都武蔵野市)の販売を始める。各住戸に1つ停電時に備えたコンセントが設置してあり、停電しても日が差していれば、テレビの視聴などが可能という。東日本大震災の発生後、防災や節電、自然エネルギーなどへの関心が高まっており新たな需要を取り込む狙い。

発売するのは「ルフォン井の頭公園」(33戸、地上3階建て)で、来年2月に完成予定。屋上に1戸あたり6枚の太陽光発電パネル(出力1.29キロワット)を設置する。発電した電気は自宅で消費でき、余った分は電力会社に売ることも可能だ。平均的な家庭の使用電力の3割程度を賄うことができるという。

室内には太陽光パネルの発電状況や、ガスや湯の使用量などを表示する装置も設ける。料金の目安や二酸化炭素(CO2)の排出量なども表示でき時間や月ごとに前年の数値などと比較できる。

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2  震災対応マンション発売 東京建物、横浜市内に  2011/6/11 日本経済新聞

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東京建物は11日、横浜市都筑区で分譲マンション「ブリリアセンター南」の販売を始める。港北ニュータウンの分譲マンションでは初めて太陽光発電装置を導入しており、防災設備や震災対応マニュアルを整備しているのが特徴という。

各住戸には気象庁が運用する緊急地震速報システムを導入した。震度5以上の地震発生が予想されると、インターホンで「大きな地震が来ます」と音声で知らせる。災害時の避難方法を記した震災マニュアルや、携帯式ラジオや懐中電灯などが入った防災リュックも配布する。

屋上には太陽光発電パネルを設置するほか、壁面緑化も導入。共用スペースには発光ダイオード(LED)の照明も取り付ける。

マンションは地上10階建て。市営地下鉄センター南駅から徒歩4分の距離にある。第1期の販売戸数は3LDKから4LDKまで合わせて35戸。販売価格は4610万円から7890万円。

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3  賃貸住宅の更新料巡り弁論 最高裁、来月15日に判決  2011/6/10 日本経済新聞

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マンションなどの賃貸契約で更新料の支払いを義務付けた条項が無効かどうかが争われた3件の訴訟の上告審で、最高裁第2小法廷(古田佑紀裁判長)は10日、原告と被告双方の意見を聞く弁論を開いた。高裁段階では判断が割れており、最高裁が統一判断を示すとみられる。判決は3件まとめて7月15日に言い渡される。

信義則に反して消費者利益を一方的に侵害する契約条項は無効と定めた消費者契約法10条に当たるかが争点。更新料条項は広く普及しており、判決次第で大きな影響が出そうだ。

この日の弁論では、借り手側が「契約更新は借り手の権利として保障されており、金銭負担を求めるのは許されない」と主張。貸し手と借り手の間には情報力や交渉力に格差があるとして「更新料が嫌なら契約するなというのは乱暴な議論だ」と訴えた。

家主側は「更新料は賃料の一部で、月額賃料を低く抑える効果がある」と指摘。「更新料を押しつけているわけではなく、合意のうえで契約しているのに、後から返還を求めるのは不当だ」と主張した。

3件の訴訟はいずれも二審が大阪高裁で、判決は「無効」が2件、「有効」が1件。無効とした2件は「消費者の利益を一方的に害する契約」などと指摘。有効とした判決は「賃借権の対価に当たり、借り手に一方的に不利益とは言えない」とした。

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4  耐震性高い物件人気 東京のオフィス空室率、上昇一服  2011/6/9 日本経済新聞

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東京都心のオフィスビル空室率の上昇が一服してきた。仲介大手の三鬼商事(東京・中央)が9日発表した5月末の都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)の平均空室率は前月比0.04ポイント低い8.88%と、2カ月連続で低下した。耐震性の高い新築物件への移転、分散していたオフィスの統合が広がっている。

5月の平均募集賃料(共益費含まず)は3.3平方メートル1万7400円と前月比19円(0.1%)安いが、下落率は縮小傾向だ。

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5  4月の都内住宅着工3.2%増 震災で延期の物件が再開  2011/6/9 日本経済新聞

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東京都がまとめた4月の都内の新設住宅着工戸数は1万2340戸と、前年同月に比べ3.2%増えた。増加は2カ月ぶり。貸家は減少したものの、持ち家と分譲住宅が増加した。都内は需要が底堅いといわれ「東日本大震災で延期された着工が再開している」(不動産情報サービスの東京カンテイ)。

持ち家は7.5%増の1633戸で2カ月ぶりに増えた。賃貸マンションを含む貸家は17.6%減の4048戸で2カ月連続の減少となった。

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6  日常の雑事を代行「スマート・コンシェル」導入 伊藤忠都市開発、伊藤忠アーバン 2011/6/14 朝日新聞

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伊藤忠都市開発(東京都港区)と伊藤忠アーバンコミュニティ(東京都中央区)は、5月下旬に竣工した分譲マンション「クレヴィア南麻布(総戸数65戸)」に、マンションコンシェルジュサービス「スマート・コンシェル」を導入する。

エントランスホールに週3日滞在するサポートスタッフが、買い物や植物への水やりといった日常生活における雑事を代行する内容。業務は生活者支援サービスを手掛けるカジタク(東京都中央区)へ委託する形で、同社と共同運営する。

なお、物件の販売開始は7月中旬の予定。

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7  不動産市場への震災影響を分析 2010年度土地白書  2011/6/14 朝日新聞

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政府は6月14日、東日本大震災の不動産市場に対する影響や復興に向けた課題を盛り込んだ2010年度の土地白書を閣議決定した。不動産市場への影響として、仙台のオフィスについては、新耐震のビルが多かったことなどから被害は比較的小さく、地域外へのオフィス移転を具体的に模索する動きはほとんど見られないと言及。また、Jリートは一旦乱高下したものの、日銀の買い入れの動きもあり、落ち着きを取り戻しているとした。

一方、今後については、電力供給の制約などが首都圏の市場に与える影響や、円滑な復興の実現に向けて被災地の土地取引動向などに留意する必要があるとしている。

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8  エコキュートで新商品 パナソニック電工  2011/6/14 朝日新聞

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パナソニック電工は9月9日から、家庭用自然冷媒ヒートポンプ給湯器「エコキュート」の新商品2シリーズ、16機種を販売する。自宅でミネラル入浴が楽しめる、業界初の「ミネラルきれい湯」機能が特徴。貯湯ユニットのミネラルイオンユニットで、ミネラルのお湯を作って浴槽に湯はりする。同時に、風呂の湯を抜くたびにミネラル自動配管洗浄を行い、風呂配管をクリーンに保つ。

また、高精細液晶リモコンの給湯ガイド機能で、省エネ・節水効果が確認できる。

価格は65万6250円から(税込・工事費別)。

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9  積水ハウスが、16万人の戸建てオーナーを対象に「節電コンテスト」  2011/6/13 朝日新聞

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積水ハウスは夏季電力15%削減に向けて、同社の戸建てオーナーを対象とする「節電アクションコンテスト」を6月11日スタートした。16万人に上る同社専用サイトのオーナー会員に呼びかけて、節電の取り組みの拡大を図る。

同社によると、一般的な戸建て住宅に暮らす家庭の夏季電力消費の平均は月約500キロワット。仮に3カ月間、16万世帯が15%削減を達成すると、3600万キロワットの節電につながると試算している。

コンテストでは、会員からエントリーを募り、昨年と今年の7月から9月までの電気使用量を報告してもらう。ユニークな取り組みで大幅な節電を達成した8家族と、既に節電に取り組んでいて電力消費が特に少ない8家族に「エコ・ファミリー大賞」、「エコ・ファミリー金賞」、「同銀賞」を授与するというもの。

また15%以上の節電を達成できたオーナーには副賞をプレゼントするほか、抽選で4家族に積水ハウスグループでリフォームした場合に利用できる20万円分のリフォームエコポイントも進呈する。

同社は5月18日付で、節電に向けた企業努力はもちろん、省エネ、節電の暮らしを広く社外に呼び掛けていく自主宣言を発表している。

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10  アキュラホーム 工期45日、680万円の太陽光発電付き復興住宅  2011/6/10 朝日新聞

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アキュラホームは6月10日、東日本大震災の被災地(福島・宮城・岩手)向けに価格を抑えた「地域復興支援住宅」を発売した。

県産材を使用した自由設計の木造住宅。太陽光発電システムを搭載する。これまでのコストダウンのノウハウを生かし、価格は680万円から(平屋建て48.74平方メートルの場合)とした。着工から竣工までの工期は45日程度。

タイプは2階建てと平屋の2タイプ。

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11  安心な不動産会社を紹介「STOP!物件ミスマッチ」  2011/6/10 朝日新聞

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ダイヤモンドメディア(東京都港区)はこのほど、「おとり物件広告はしない」など4つの約束を守る不動産業者のみを紹介するサイト「STOP!物件ミスマッチ」を開設、併せて登録不動産業者の募集を開始した。 賃貸、売買に対応する。

登録業者に求める条件はほかに、「しつこい営業はしない」「顧客のメリットを最優先する」など。登録後は、自社のサイトにリンクを張り付ける形で「STOP!物件ミスマッチ」に参加していることを提示してもらう。今後は同サイトの認知度向上に努める方針。

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12  首都圏・5月の中古マンション成約、前年比10%減 東日本レインズ  2011/6/10 朝日新聞

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東日本不動産流通機構(東日本レインズ)はこのほど、首都圏における5月の流通市場動向をまとめた。

中古マンションの成約件数は2251件(前年比10.7%減)で、2カ月連続で前年同月比減少率は縮小した。成約平均価格は2531万円(同0.5%下落)で、前月比では3カ月ぶりに上昇している。成約平均面積は65.09平方メートル、平均築年数は18.19年。

中古戸建ての成約件数は851件(同7.4%減)で、中古マンションと同じく2カ月連続で前年同月比減少率が縮小。成約平均価格は2964万円(同1.2%上昇)、土地面積は150.20平方メートル、建物面積は105.56平方メートル、平均築年数は18.44年だった。

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13  地盤、地域の災害対策にも注目 ホームアドバイザー、震災後の意識変化を調査 2011/6/9 朝日新聞

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ホームアドバイザー(東京都港区)はこのほど、運営する不動産情報サイト「HomePLAZA(ホームプラザ)」で、東日本大震災以降の住宅購入に対する意識調査を実施した。同サイトのメール配信サービス登録会員が対象。有効回答数は500。

住宅の災害対策への意識については、75.4%が「高まった」と回答。具体的に注目するポイントとしては、「構造(免震、耐震など)や耐震等級」が28.4%、「建物の基礎や地盤」が27.3%で、共に3割弱に達した。続いて「地域の安全性、災害対策」が18.4%を占め、防災を地域単位でとらえる傾向の高まりもうかがえた。

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住宅関連新聞記事ダイジェスト No.388  2011/6/9~2011/6/15 Vol.2
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【読売新聞】

14  マンション選び、利便性より「地盤の安定性」

15  天然素材の屋上クーラー

16  【住まいと震災】(4)部分改修で耐震化急ぐ

17  不動産契約書に暴排条項導入へ

18  【住まいと震災】(3)マンション補修 遠い合意

【日経産業新聞】

19  セコム、被災者宅の清掃安く 東北3県、年末まで

20  枠外さず窓交換、洗面所・浴室用も YKKAP

21  大京、新築中規模マンションに自家発電を完備 防災備蓄品も拡充

22  住友不動産、東京・仙川の「安藤ストリート」にマンション 周囲と調和重視

23  LIXIL、狭小住宅向けのスライド式門扉

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14  マンション選び、利便性より「地盤の安定性」  2011/6/14 読売新聞

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東日本大震災の影響で、千葉県内のマンション販売動向に“地殻変動”が起きている。習志野市内の高台エリアでは大規模物件が即日完売となり、液状化被害を懸念し、人気地域だったベイエリアから「山の手」へ顧客が流れる傾向を示した。

住宅選びのポイントも、利便性重視から「地盤の安定性」に変わるなど、住まい購入に対する意識の変化が目立ってきた。

習志野市の京成実籾駅から徒歩11分、海抜26~28メートルの下総台地に開発中の大規模マンション「ユトリシア」(1453戸)。76~123平方メートルと広めの家族向け物件で、4~5月に販売した3棟目(270戸、2300万~4900万円台)の1、2期分譲は、いずれも即日完売だった。

開発業者の有楽土地(東京)によると、震災後はモデルルームの客足が鈍る懸念もあったが、大型連休を含む5月の見学者は前月の2倍となった。

地域別でみると、浦安市からは震災前の2倍、千葉市美浜区からは5倍に上り、「従来はJR総武線の北と南で客層のすみ分けがあったが、湾岸エリアからの来場者が増え、順調な販売につながった」(開発事業部)という。

モデルルームでは、地盤や耐震性などに関する問い合わせが急増した。

同社が400人に対して行った意識調査でも、住宅選びのポイントで「地盤の安定性」を重視する人が震災前の2倍にあたる25%を占め、「利便性」(24%)を抜いてトップとなった。

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15  天然素材の屋上クーラー  2011/6/14 読売新聞

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モスグリーンは農家出身者らが都市の緑化と農村活性化を目指して2007年に結成。パネルは、琵琶湖産のヨシを4層に重ねた土台の上に、乾燥に強く水やりが要らないスナゴケを植えて作った。1枚は縦30センチ、横30センチ、厚さ4センチになっている。

2009年夏にコンクリート造りの社宅で行われた実験では、室温が最高6度下がり、エアコンの使用を抑えることができたという。

今回、モスグリーンはパネルを大勢に知ってもらおうと、「京都議定書」誕生の地である京都市に持ちかけた。同市保健協議会連合会で検討した結果、西七条保育園が選ばれ、5月末、屋上に約20平方メートルが敷かれた。

コケは多賀町の耕作放棄地で栽培。水を浄化するヨシは成長後、次の新芽を出すため、一定量を刈り取る必要がある。成長したヨシをパネルに活用することで琵琶湖の水質保全にもつながるという。

大辻誠男理事長(69)は「原発問題を受けての夏の節電や、耕作放棄地の解消に役立つだろう。各家庭や工場にも広めたい」と意気込んでいる。

1平方メートル分を約2万円で販売している。問い合わせは、モスグリーンEco(0749・49・0906)へ。(鷲尾有司)

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16  【住まいと震災】(4)部分改修で耐震化急ぐ  2011/6/10 読売新聞

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補助条件緩和の自治体も

「耐震改修をしておいてよかった」。東京都世田谷区の稲本節子さん(79)は、東日本大震災の揺れを思い出すたび、胸をなで下ろす。築43年になる木造2階建ての自宅を、昨年5~6月に改修したばかりだったのだ。

一人暮らしで、以前から自宅の耐震性には不安を抱いていた。体力のある60歳代の頃は地震が来ても屋外に逃げる自信があったが、70歳代になると心配が募ってきた。一時は建て替えも考えたが、工事中に一時引っ越すことなどに抵抗を感じた。

耐震改修をしようと2年前、区内の工務店に見積もりを頼むと、室内工事が必要で、300万~400万円かかると言われた。そんな時、住みながらできる工法を手掛ける耐震改修会社「ウッドピタ」(名古屋市)を知り、工事を依頼した。

1階の壁の3か所に鉄製の枠や筋交いを設置。屋外側に取り付けるため、工事中も生活に支障はなかった。費用は約270万円だった。

大震災の発生時は1階の居間にいた。「とっさに窓を開けて、工事で設置した鉄製の枠にしがみつき、揺れが去るのを待ちました」

震災では、津波だけでなく、揺れによっても一戸建て住宅などが被害を受けた。現在も全国の住宅の2割強に当たる約1050万戸が、1981年に改正された建築基準法施行令の耐震基準を満たさず、耐震性が不十分とされる。改めて耐震化の重要性が指摘されている。同社にも大震災以降、関東全域から通常の5倍以上の問い合わせが寄せられた。「真剣に考えなければと思う人が増えたようだ」と同社。

国は2020年までに耐震化率を95%にする目標を設定している。自治体は、耐震診断や改修の費用を補助する制度を設けている。信頼できる工法も開発され、東京都は事例をパンフレットなどで紹介している。

だが、なかなか進まないのが現状だ。原因の一つが、費用負担の大きさ。国土交通省によると、震災後の3月の調査(全国2620人が回答)では、改修にかかると考える金額は、31%が100万円台、23%が200万円台と答えた。だが、実際に使ってもいいと考える金額は、50万円未満が58%で最も多く、大きな開きがあった。

こうした中、自治体の中には、安価で済む部分的な耐震改修にも補助金を出す動きが出ている。大阪市では08年度から、家全体の耐震性を耐震基準の7割以上にする改修や、1階部分だけ耐震基準を満たす改修でも、工事費の2分の1(上限100万円)を補助。防災・耐震化計画担当課長の阿部正和さんは「全く改修しないより、少しずつでも工事をする方が、命を守る観点からは大切」と話す。

名古屋大学教授の森保宏さん(地震工学)は「耐震基準を満たす耐震改修だけを考えると、耐震性の低い住宅ほど、費用が大きくなり、取り残されてしまう。居住者の価値観やライフステージによって、いつ、どの程度の改修をするかを決められるように、改修の選択肢を増やし、その情報を提供することが求められる」と指摘する。

震災で被害を受けた住宅の再建を急ぐとともに、災害に備えた住まいの再点検が必要だ。(おわり)

【住まいと震災】(1)二重ローン 再建へ壁

【住まいと震災】(2)液状化 傾く室内に不安

【住まいと震災】(3)マンション補修 遠い合意

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17  不動産契約書に暴排条項導入へ  2011/6/10 読売新聞

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警察庁は9日、「全国宅地建物取引業協会連合会」など不動産流通4団体と、土地・建物の売買や賃貸契約で相手が暴力団と判明した場合、無条件で契約解除ができるとの「暴排条項」を盛り込んだ契約書導入を進めることで合意したと発表した。

暴力団の身分を隠して開設された組事務所を即座に撤去できるため、暴力団排除運動の大きな力になると期待されている。

これまでは、住民や不動産業者が建物の撤去などを暴力団側に求めると、一度販売された土地や建物の買い戻しや、契約解除に伴う違約金を支払うように要求されるケースがあった。

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18  【住まいと震災】(3)マンション補修 遠い合意  2011/6/9 読売新聞

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地震保険未加入で負担大

「これほどの被害が出て住み続けられるか、みんな不安に感じている」。仙台市郊外の築13年の分譲マンションに住む40歳代の女性は話す。

東日本大震災の揺れで、2棟のうちの1棟が大きな被害を受けた。低層階の住戸のベランダ側と外廊下側の壁が何か所も壊れ、コンクリート内の鉄筋が露出。屋外から室内が見えるほどの穴が開いた箇所もある。一部の住戸では玄関ドアが変形して、開閉できなくなった。応急処置として壁やサッシをベニヤ板で覆っている状態だ。

共用部の補修には多額の費用が要る。しかし管理組合は地震保険に未加入だった。売り主側は、補修に1億円近くかかるという見積もりを出してきた。建物は比較的新しいにもかかわらず被害が大きかったことから、住民の間には売り主側への不信も高まった。

管理組合の話し合いもなかなか進まない。二つの棟で被害の程度が違ったこともあり、当初は住民間に補修に向けた考えに温度差もあった。ようやく5月末の臨時総会で建物を調査することが決まったが、女性は「補修までスムーズに進むかどうか心配」と話す。

震災ではマンションにも被害が出た。高層住宅管理業協会(東京)の調査では4月20日現在、大規模な補強や補修が必要な「中破」が61棟、外壁がひび割れたりタイルが剥がれたりした「小破」も1070棟になる。仙台市周辺では建物本体の損傷が目立ち、液状化が起きた千葉県浦安市では、埋設した上下水道などの配管の損傷が多かった。

補修工事が管理組合の課題となるが、地震保険に未加入だったり、加入していても損害の査定が低かったりすると、負担は大きくなる。国土交通省の2008年度の調査では、管理組合の地震保険への加入率は約3割。同協会は「保険料が割高で、積極的に加入しようという傾向にはなかった」と指摘する。

一時金を徴収する、金融機関から借り入れるなどの選択肢があるが、住民の合意が進まない懸念がある。NPO法人・東北マンション管理組合連合会(仙台市)の副会長、浅野次郎さんは「第三者の専門家が客観的な立場から住民に選択肢を示し、考えてもらうことが大切」と話す。

マンションへの支援制度は一戸建て住宅に比べ、不十分という指摘もある。被災者生活再建支援法に基づく支援金は、被災した建物の居住世帯に払われ、住戸を貸して住んでいない所有者には支払われない。所有者間に補修費用の負担で不公平感が生まれ、合意の妨げとなる恐れがある。

また、液状化による被害への支援も、建物の傾きの大きさなどで決まり、配管が損傷しただけでは払われない。このため、浦安市は独自に、管理組合向け支援を行うことを決めた。上下水道などの復旧にかかった費用の3分の1(上限3000万円)を補助する。市内のマンションの住民は「一戸建てに比べ、支援が遅れていると感じる人は多かった」と歓迎する。

日本マンション学会会長で千葉大学教授の小林秀樹さんは「個人を対象とした支援だけでなく、管理組合を対象にした支援の枠組みも必要。専門家の派遣を受ける管理組合への補助制度も求められる」と話している。

【住まいと震災】(1)二重ローン 再建へ壁

【住まいと震災】(2)液状化 傾く室内に不安

【住まいと震災】(4)部分改修で耐震化急ぐ

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19  セコム、被災者宅の清掃安く 東北3県、年末まで  2011/6/14 日経産業新聞

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セコムは東日本大震災で被災した宮城、岩手、福島の3県で住宅の被害が比較的小さくボランティアの支援が届きにくい被災者を中心に生活支援サービスの提供を始めた。部屋の清掃や家具運搬などを従来に比べ20~24%安の割引価格で請け負うほか、10平方メートル当たり6万円で壊れたブロック塀も解体・撤去する。高齢者には1回から利用できる家事手伝いのプランも用意した。

2005年に始めた「セコム・ホームサービス」を拡充したもので、12月末までの期間限定。重い家具を運搬するプランが1万6590円、浴室を清掃するプランは1万4952円。高齢者向けの家事手伝いプラン(1回2時間以内、7920円)も定期契約なしで1回だけでも利用可能。

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20  枠外さず窓交換、洗面所・浴室用も YKKAP  2011/6/14 日経産業新聞

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YKKAPはリフォーム時に窓枠を外さずに窓を交換できる「スマートカバー工法」に洗面所と浴室向けを追加した。2時間~半日の施工で洗面所や浴室の窓を壁の工事をせずに変更できる。洗面所に化粧台を設置する際、窓が隠れて開けにくいといった不便を解消できる。2012年3月期に15億円の売上高を見込む。

これまで古いタイプの浴室にユニットバスを入れる際に窓のサイズが合わず、引き手が隠れて開けにくくなる問題があった。新工法では断熱パネルを入れることで壁を広げ、窓のサイズを自由に変えられる。室内で施工するため、2階の工事でも足場が不要。価格は施工費・税別で幅149センチ、高さ87センチの窓で10万4200円。

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21  大京、新築中規模マンションに自家発電を完備 防災備蓄品も拡充  2011/6/14 日経産業新聞

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大京は13日、今年10月以降に着工する新築10階以上の中規模マンション全てに自家発電設備を導入すると発表した。停電でエレベーターが長時間動かなくなる事態に備え、1基が10時間程度の運転可能な電力を供給できるようにする。7月以降建設する物件の防災備蓄品も拡充。東日本大震災でより安全で安心できるマンションを選ぶ消費者の需要に対応する。

中層マンションに装備する自家発電機は、軽油が燃料で、建物の屋上か地下に設置する計画だ。価格は1台約1000万円。同社によると、数十戸程度からの中層中規模マンションにエレベーターの動力源として自家発電機を標準装備するのは例がないという。

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22  住友不動産、東京・仙川の「安藤ストリート」にマンション 周囲と調和重視 2011/6/10 日経産業新聞

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住友不動産は9日、東京都調布市に建築家の安藤忠雄氏が設計した分譲マンション「シティハウス仙川ステーションコート」のモデルルームを11日に開設し、営業活動を始めると発表した。総戸数は91戸で、7~8月に発売する予定。同社と安藤忠雄建築研究所が協業するマンションは「シティハウス仙川」に続く2件目となる。

物件は京王線仙川駅から徒歩2分。安藤氏の研究所が手掛けた劇場、美術館、集合住宅などが立ち並ぶ全長約500メートルの通称“安藤忠雄ストリート”沿いに建設する。

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23  LIXIL、狭小住宅向けのスライド式門扉  2011/6/9 日経産業新聞

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LIXILは狭小住宅でも設置できるスライド式の門扉を発売した。狭い敷地に建てる都市部の戸建て住宅を念頭にレールを使わず門の高さを調整できるようにした。防犯などの観点から門扉に対する需要は高く、後付けを含め初年度1億2千万円の売上高を見込む。

発売したのはTOEXブランドの「アーキスライド」。レールを使わない引き戸のため、キャスター式のものに比べて省スペースで済む。特殊な柱「ロング柱」を使うことで、門扉の高さを地面から最大20センチの部分まで引き上げられるのも特徴。敷地と公道の境界に階段のステップがある場合でも、ステップの上に設置できる。価格は12万8100円から。工事費や配送費などは含まれていない。

2011-06-25 | Posted in 住宅関連新聞記事Comments Closed