住宅関連新聞記事ダイジェスト No.394  2011/7/21~2011/7/27

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住宅関連新聞記事ダイジェスト No.394  2011/7/21~2011/7/27 Vol.1
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【日本経済新聞】

1  東京のオフィス賃料「12年は5~10%上昇」 米系不動産が予測

2  NEC、家庭の電力を「見える化」 システムを販売

3  自動車部品用革加工のタカミ、住宅向け革製品参入

4  パナソニック、節水と節電の機能を向上させた温水洗浄便座

5  住宅ローン低金利競争 信託や地銀、変動型で攻勢

6  仙台のマンション販売好調 震災後に住み替え需要増

7  欠陥住宅「将来の危険も賠償責任」最高裁

8  穴吹興産、電力使用量表示などエコ仕様のマンション販売

【朝日新聞】

9  マンション「防災物件」人気 倉庫・井戸付き、即日完売

10  業者名明示、深夜勧誘は禁止…マンション勧誘ルール強化

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1  東京のオフィス賃料「12年は5~10%上昇」 米系不動産が予測  2011/7/27 日本経済新聞

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米系不動産大手、ジョーンズ・ラング・ラサールは不動産市場の見通しについてリポートをまとめた。東京市場のオフィスビル賃料は2011年通年で3~5%程度下がるが、12年にはテナント需要が本格的に回復し、5~10%程度上昇すると予測している。

東日本大震災後の不動産市場での需要減退は一時的なもので、上向く兆しをみせていた日本の不動産市場の本格回復が12年に先送りされたにとどまる、としている。

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2  NEC、家庭の電力を「見える化」 システムを販売  2011/7/26 日本経済新聞

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NECは26日、クラウド技術を活用して家庭内の電気の使用量や料金を「見える化」するシステムを開発、8月1日から住宅メーカーや工務店に販売すると発表した。初期投資10万円程度で既設の住宅にも設置できる。時間帯や部屋別の使用量が把握できるため節電や電気料金抑制につながる。

開発したのは家庭の電力使用状況をきめ細かく管理する「ホーム・エネルギー・マネジメント・システム」と呼ばれる技術。部屋ごとの電力使用量や料金、太陽光発電システムによる発電量や電力会社への売電量などを計測。利用者はパソコン画面上で自宅の電力使用状況を見ることができる。

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3  自動車部品用革加工のタカミ、住宅向け革製品参入  2011/7/26 日本経済新聞

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自動車部品用革加工のタカミ(富士市、四條充社長)は、住宅向け製品に進出する。ハンドルカバーなどに使われる本革を階段の手すりやドアノブ(取っ手)、照明スイッチ用に加工販売する。皮革の触感の良さや、不快な静電気防止などににつながることをアピールする。取引先の自動車関連企業の海外進出などに伴い、同分野向け取引が低迷しているため、新たな収益の柱に育てる。

「ハイブリッドレザー・ルーミング」事業として、住宅メーカー、建設会社、マンション施工業者などと組んで展開していく。一般住宅のほか、公共施設・介護施設などをターゲットにする。

同社が加工する革製品は国内産の牛皮をウレタン樹脂でコーティング。高級車向け素材として開発したため、傷がつきにくく、水や紫外線に強いのが特徴だ。耐久性は一般的な本革に比べ2~3倍という。同社の約10人の職人が注文に応じてハンドルやサイドブレーキのカバーなどを手作り生産している。

皮革を金属製手すりやドアノブのカバーとして用いれば、手が滑らずにぎりやすいほか、静電気が発生しない。「高齢者向け施設のバリアフリー化に役立つ」(同社)とみる。温度変化にも強く、汚れても水でふくことができる。

小さなくぼみを多数設けた「ディンプル加工」、木目・布目などのデザイン模様を付ける「シボ加工」、凹凸がほとんどない「スムース加工」など、さまざまな注文に対応する。カラーバリエーションもグレー、アイボリー、レッドなど10種類以上用意し、インテリア性の高さを訴える。

価格は手すりカバーで1個3000円程度から、ドアノブで5000円程度からを想定する。

同社の2010年7月期の売上高は2億円。リーマン・ショック後の景気低迷や円高などの影響で革製品の納入先だった自動車関連企業が拠点を海外に移転するなどの動きが出ており、取引が減少傾向にあるため非自動車分野の開拓が課題となっていた。新事業の展開により14年7月期に5000万円の売り上げ増を目指す。

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4  パナソニック、節水と節電の機能を向上させた温水洗浄便座  2011/7/25 日本経済新聞

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パナソニックは9月20日、節水と節電の機能を向上させた温水洗浄便座を「ビューティ・トワレ」ブランドから発売する。

商品名は「DL―WE60/50」。「節水機構」と呼ぶ機能により、洗浄時の水が必要以上に出ないよう効率化した。人が座らない待機時には便座の保温を停止して、消費電力を大幅に抑えられる。人がトイレに入ると室温を感知して約10秒で設定した温度に戻せる「エコナビ」や、不快な臭いを取り除く機能も搭載した。

店頭想定価格は温風乾燥機能が付いた「60」が10万円、「50」は9万円。節電機能を重視した商品で秋冬の買い替え需要を見込む。〔日経QUICKニュース〕

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5  住宅ローン低金利競争 信託や地銀、変動型で攻勢  2011/7/22 日本経済新聞

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住宅ローンの低金利競争が加速している。新規顧客の獲得や借り換え需要を狙って、変動金利型を中心に信託銀行や地方銀行が金利優遇幅を相次ぎ拡大しているためだ。変動型では顧客との取引の密接さに応じて、過去最低水準とされる年0.7%程度の超低金利を適用する銀行も現れた。企業の資金需要低迷を背景に金融機関は個人向けローンに力を入れており、金利優遇に拍車がかかりそうだ。

変動金利型の住宅ローンは、短期市場金利に連動して金利が原則半年ごとに変わる仕組み。日銀による超低金利政策が続くなか、目先の金利負担を軽減できるため、利用が増えている。現在、新規融資の5割程度は変動型とされる。

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6  仙台のマンション販売好調 震災後に住み替え需要増  2011/7/21 日本経済新聞

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東日本大震災から4カ月がたち、仙台市中心部で新築分譲マンションの販売が復調してきた。仙台はマンションの供給過剰で販売が低迷していたが、震災後は住み替え需要が増えており、販売開始当日に完売した物件もある。建物の耐震性の高さに加え、中心部はライフラインの復旧が早かったことも背景にある。仙台ではオフィスや賃貸住宅の入居率も上昇しており、地価下落に歯止めがかかる兆しが出ている。

JR仙台駅から徒歩10分の場所にある森トラストの地上29階建てマンション「ザ・レジデンス一番町」(244戸)。昨年8月に入居開始となった同マンションは震災前は成約率が約7割にとどまっていたが、震災直後から6月末までの間に約9割まで埋まった。

地震の揺れを軽減する免震構造を採用しており、震災の被害は小さかった。完成済みですぐに入居できるため被災した住宅から移り住む富裕層の購入などが増えている。仙台でも沿岸部は電気の復旧が遅れたが、オール電化対応については「中心部は震災翌日に電気が通ったため、抵抗感が小さい」(同社)という。

大京が来年1月の入居予定で昨年6月に発売した「ザ・ライオンズ定禅寺タワー」(192戸)は、震災後の1カ月当たりの成約戸数が震災前に比べ約6割増の15件で推移している。モデルルームへの来場数も約5割増加。地上29階建ての免震構造で備蓄倉庫には食料や水を完備している。大京によると「震災前から入居を検討していた人が防災性の高さを再評価して購入を決める例が目立つ」という。

野村不動産が今年11月の入居予定で販売した「プラウド仙台榴ケ岡」(54戸)は震災後の4月末に第2期販売を行い全住戸が完売した。7戸の募集に対し11件の申し込みがあった。来年3月入居予定の「プラウド長町南ガーデンズ」(40戸)も5月に実施した第1期販売の29戸が即日完売した。

仙台市では2007年前後の「不動産ミニバブル」でマンションが盛んに建設されたが、08年秋のリーマン・ショックで販売は落ち込んだ。同市に事務所を構える不動産鑑定士の千葉和俊氏は震災後のマンション市場について「購入者は災害リスクへの見方を厳しくしており、物件の立地や構造によって売れ行きが二極化する」とみている。

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7  欠陥住宅「将来の危険も賠償責任」最高裁  2011/7/21 日本経済新聞

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マンションなど住宅の欠陥がどの程度であれば、施工業者や設計者が買い主に対し賠償責任を負うかが争われた訴訟の差し戻し上告審の判決で、最高裁第1小法廷(金築誠志裁判長)は21日、「現実に危険が生じている欠陥だけでなく、放置すればいずれは生命、身体や財産に危険を及ぼすような欠陥があれば賠償責任を負う」と、具体的要件を示した。

同小法廷は賠償対象の欠陥を具体的に例示。構造耐力に関わる欠陥や、ベランダから転落するなど人身被害につながったり、漏水や有害物質で健康や財産が損なわれたりする危険のある欠陥は賠償対象になるとした。

そのうえで、「差し迫った危険がない」との理由で請求を棄却した差し戻し控訴審の福岡高裁判決を破棄。賠償対象の欠陥かどうかを精査させるため、審理を再び同高裁に差し戻した。5人の裁判官全員一致の判断。

問題となったのは大分県別府市の9階建てマンション。賃貸向けに購入した同県在住の男性が、バルコニーのひび割れや鉄筋不足など多数の欠陥があったとして、施工業者と設計事務所に約3億5千万円の損害賠償を求めた。

最高裁は2007年の差し戻し前の上告審判決で「基本的安全性を損なう瑕疵があれば業者に賠償責任が生じる」との初判断を示した。今回の判決はこれを踏まえたうえで賠償責任が生じる要件をより詳しく説明した。

判決後に東京都内で記者会見した原告側弁護団は「業者が責任を負う範囲がより明確になった。判決の例示からはシックハウス症候群なども賠償対象になると考えられ、欠陥住宅の被害者救済につながる」と評価した。

03年の一審・大分地裁は約7000万円の支払いを命じ、04年の差し戻し前の二審・福岡高裁は賠償請求を退けた。

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8  穴吹興産、電力使用量表示などエコ仕様のマンション販売  2011/7/21 日本経済新聞

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穴吹興産は、電力消費量を抑えるエコ仕様のマンション販売に乗り出した。8月に引き渡しを開始する高松市の物件が第1号。玄関や台所などに発光ダイオード(LED)照明を使用。各世帯ごとに電力の使用状況を示すモニターを設置するなど節電・省エネルギーをアピールする。今後供給する新築マンションのうち、1割をエコ仕様とする考えだ。

第1号物件は高松市の「アルファスマートレインボー通り エコエディション」。部屋数が39戸で、3LDK(30戸)と5LDK(9戸)のファミリー向け。節電が求められる日中時間帯に子どもなどがいる家庭で、省エネに対する需要が高いと判断した。

マンションの共有部のほか、各部屋の玄関や台所などにLED照明を使用している。他に電源プラグを抜かずに待機電力をカットする専用スイッチを装備。断熱性に優れたガラスを使い、室内の冷暖房利用を効率化する。

また各戸の電力の使用状況がわかるモニターも設置。毎日、毎月の電力使用量を「見える化」して、入居者が節電をしやすくする。

「アルファスマートレインボー通り」の販売価格は1戸2160万~2680万円で、通常仕様のマンションを建設した場合に比べ各50万円程度割高になるが、すでに7割の部屋が売れており「順調な滑り出し」という。

穴吹興産は高松市の物件をモデルケースとしてエコ仕様のマンションを各地で順次展開。電力使用量をどの程度削減できたかなどのデータを集め、営業にも活用していく。年間に新規供給する40~50物件のうちの1割程度をエコ仕様にする考え。

高松市の物件に設置した機器以外にも、保温性の高い浴槽の導入や、風通しのよい間取りの設計など、電力消費を抑えられる取り組みを進めて、省エネ効率を一段と高める。

四国電力では今夏、4県の企業や家庭に対する節電要請は予定していない。だが、四国の電力供給の4割をまかなう伊方原子力発電所(愛媛県伊方町)の1~3号機が、来年1月までに定期検査のためにすべて停止した場合、今冬以降の電力供給が不透明になるとされる。

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9  マンション「防災物件」人気 倉庫・井戸付き、即日完売  2011/7/25 朝日新聞

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マンション購入希望者に周辺の液状化現象についての地図を見せて説明する不動産会社の7月上旬。JR浦和駅から約10分歩いた閑静な住宅街。長谷工コーポレーションの分譲マンション「ブランシエラ浦和」。総戸数69戸、18階建て。耐震性の高さが売りで、平均価格帯は6500万円と周囲と比べるとやや高めだ。

耐震は建物の強度を強化して、地震の揺れを抑える構造。同マンションは国の定める住宅性能表示制度で倒壊のしにくさを示す「耐震等級2」を取得。一般的なマンションより1.25倍強く、自治体の指定避難所などと同レベルだ。

震災前は月1戸売れるかどうかというペースだったが、震災後の4~6月は計8戸売れた。

購入した40代の女性経営者は「震災前は立地や価格に注目していたが、震災を体験して、安心、安全の重要さを痛感した。コストは高くてもいい」と話す。

千葉市美浜区。湾岸沿いの液状化が心配される地域だが、野村不動産が手がける「プラウドシティ稲毛海岸」(総戸数555戸、平均価格帯2900万円)は5月下旬から267戸が即日完売している。営業担当者は「震災後、お客様の要求が変化している」。

このマンションは、水や食料を蓄える防災倉庫や災害用井戸水などの施設が充実している。40代の男性購入者は「防災に十分な説明がなければ購入を決められなかった」と語る。

「東京カンテイ」によると、今年1~6月に発売された首都圏のマンションは前年同期比9.8%減の1万9074戸。近畿圏は26.9%減の7390戸。震災以降、消費マインドが冷え込んで下落幅が拡大するなかで、防災機能の高い物件などには人気が集まっている。日本土地建物の田中幸雄不動産鑑定士は「大震災で、物件の防災対応力が購入を決定づける重要な要素になった」と指摘する

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10  業者名明示、深夜勧誘は禁止…マンション勧誘ルール強化  2011/7/23 朝日新聞

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国土交通省は、悪質な勧誘が目立つマンション販売の適正化を強化する。8月に宅地建物取引業法の省令を改正。10月から業者に勧誘時に社名や営業目的を明示させ、深夜の営業も禁止する方針だ。

国交省が22日、有識者でつくる社会資本整備審議会の部会で省令改正案を示した。営業で禁止すべき行為に、業者名と目的を示さない▽契約する意思がない客に勧誘を続ける▽迷惑な時間に電話、訪問する▽深夜や長時間の勧誘で困惑させる――などを追加。従来は即決を迫るといった項目だけだったが、消費者が迷惑だと思う行為を列挙した。

マンションは、居住用だけでなく利回りを狙う投資物件ともみなされている。深夜まで客を引っ張り回したり、脅迫めいた言葉を使ったりする業者もあり、問題になっているという。

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住宅関連新聞記事ダイジェスト No.394  2011/7/21~2011/7/27 Vol.2
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【朝日新聞】

11  欠陥住宅「放置すれば危険」なら賠償責任 最高裁初判断

12  液状化対策も住宅性能表示の対象に 国交省、震災で検討

【読売新聞】

13  床上浸水80cmでも対象外?支援格差に不満噴出

14  太陽光発電、押し売り続出…「格安」実は割高

15  日本の不動産への不安払拭を

16  東京都、独自に発電所整備方針

17  民間賃貸住宅、被災者向けに神奈川県が借り上げへ

【日経産業新聞】

18  日立機材、ビル屋上を省エネ改修 断熱パネルや太陽光発電

19  住友林業、軟弱地盤の補強費3分の2に 戸建てなどに来月導入

20  震災後の住宅購入「地盤を重視」84% 民間調べ

21  YKKAP、網戸で囲んだ夕涼み用テラス 庭のスペースを利用

22  建設受注、増加見込み 日建連の今年度会員企業調査、官公庁工事は減少

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11  欠陥住宅「放置すれば危険」なら賠償責任 最高裁初判断  2011/7/21 朝日新聞

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建物に欠陥が見つかった場合、どの程度なら設計・施工業者に損害賠償を請求できるのか。この点が争われた訴訟の差し戻し後の上告審判決で、最高裁第一小法廷(金築誠志裁判長)は21日、「現状では危険がなくても、放置すれば将来的に住人らの生命や身体、財産に危険が生じる程度で足りる」とする判断を示した。

最高裁が同じ訴訟で2007年に示した「建物としての基本的な安全性を損なう欠陥があれば賠償を認める」という基準をより具体化したもので、欠陥住宅による被害を幅広く救済する内容だ。

判決は賠償が認められる具体例も提示。放置した場合に鉄筋の腐食、劣化やコンクリートの耐力低下で建物の倒壊につながるような構造上の欠陥のほか、外壁がはがれて落下したり、漏水、有害物質の発生で住人の健康を害したりするケースなどを挙げた。ただ、建物の美観や住人の居住環境の快適さを損なう程度では該当しない、としている。

訴えていたのは、大分県別府市に建設された9階建てマンションを購入した元オーナーの男性。ひび割れや配水管の亀裂、バルコニーの手すりのぐらつきがあるとして、東京都の設計会社と同県の建築会社を相手取り提訴した。

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12  液状化対策も住宅性能表示の対象に 国交省、震災で検討  2011/7/21 朝日新聞

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国土交通省は、耐震性や耐火性といった住宅の性能を第三者が判定する「住宅性能表示制度」の評価項目に、液状化対策を含める方針だ。東日本大震災での被害で関心が高まり、住宅の買い手に有益な情報になると判断した。

現在、評価するのは「耐震性」「耐火性」「高齢者への配慮」「防犯」など10分野。細かい項目ごとに、2~5段階でランク付けするか、能力を数値で示すなどする。昨年度は新設住宅の約24%(19万戸)がこの制度を使った。

国交省は年内にも、液状化対策を項目に加えられないか検討中だ。固い地盤まで杭を打ち込んでいるかどうかや、地盤の水抜き作業をしているかどうかを、評価基準にする方向だ。ただ「液状化は研究が進んでおらず、有効な対策がまだ固まっていない」(幹部)との声もあり、研究の進展をみながら2~3年後の実施をめざす案も出ている。

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13  床上浸水80cmでも対象外?支援格差に不満噴出  2011/7/27  読売新聞

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東日本大震災で住宅が被災した人を支援する国の被災者生活再建支援制度をめぐり、被災者から不満の声が上がっている。

浸水被害などでも支援基準に該当しないケースがあるためだ。国とは別の基準で被害程度を判定する自治体もあり、居住地によって支援に格差が出ている。

「たった20センチの差なのに」。自宅が床上80センチ浸水した岩手県山田町の白内タイ子さん(67)は不満顔だ。自宅はヘドロで埋まり、畳の交換などに約200万円かかったが、同制度で支援金が出るのは床上浸水が約1メートル以上。白内さんは「生活に必要なものはほとんど1階にある。1メートルを基準にする理由が分からない」と話す。

地震や水害による住宅の被害程度は従来、市町村職員が柱や床などの損傷を総合して判定していた。しかし今回は被災件数が膨大なため、国は3月末に基準を変更。流失や1階天井まで浸水した住宅を「全壊」、約1メートル以上の床上浸水を「大規模半壊」とし、最大300万~250万円を支給する一方、床上浸水が1メートル未満は「半壊」で、原則として対象外とした。

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14  太陽光発電、押し売り続出…「格安」実は割高  2011/7/26 読売新聞

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住宅用の太陽光発電システムをめぐり、訪問販売業者による強引な押し売りが続出している。

東日本大震災後の電力不足を背景に、その日のうちの契約を強要したり、玄関に何時間も居座ったりする悪質なケースも出ている。国民生活センターに寄せられた相談件数は4月以降、昨年同期比で約3割増えており、消費者団体は「契約は急がず、複数の見積もりを取って見比べてほしい」と呼びかけている。

「営業所が被災して仕事が出来なくなった。格安で提供するので買ってほしい」。東海地方の無職男性(70歳代)は震災後に業者の訪問を受け、設置費込みで330万円で契約した。だが、後からインターネットで調べると同じ商品が200万円で販売されており、同センターに5月、「減額できないか」と相談した。

同センターによると、太陽光発電システムについての苦情は4月以降、前年同期比181件増の756件(25日現在)。約8割が訪問販売のトラブルだ。

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15  日本の不動産への不安払拭を  2011/7/25 読売新聞

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在日中国系団体がチャリティーイベント

中国・浙江省の温州市出身の在日中国人からなる日本温州総商会(台東区)が30日、サンシャインシティ(豊島区東池袋)で、東日本大震災のチャリティーイベントとして「不動産フェア」を開催する。

震災の影響で不動産市場が低迷する中、建物の耐震性や市場見通しなどについて専門家が講演を行い、不安の払拭を目指すという。

同会は国内外の中国人に日本の不動産購入熱が高まっていることに着目し、昨年からセミナーなどを開催し、日本の不動産を購入する際の手続きを指南したり、物件紹介をしたりしてきた。

今年3月のセミナーには約400人が集まったが、直後の震災で契約のキャンセルが相次ぎ、買い控えが目立っているという。そこで、「日本の不動産市場を活性化したい」と、フェアを企画した。

住宅メーカーやマンション開発業者など30社がブースで物件情報を展示するほか、耐震基準や不動産市況の見通しなどの講演も開かれる。

温州市は震災で甚大な被害を受けた宮城県石巻市と友好都市のため、来場者から募る義援金を同市へ寄付するという。問い合わせは同会(03・5830・2930)へ。

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16  東京都、独自に発電所整備方針  2011/7/25 読売新聞

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出力100万キロ・ワット

原発事故で首都圏の電力不足への懸念が高まる中、東京都は出力100万キロ・ワット規模の発電所を独自に整備する方針を固めた。

発電効率が高い天然ガスを燃料とする火力発電所の建設を想定している。自治体が独力で大規模な発電所を整備するのは極めて異例だ。

石原知事は22日、天然ガスを使った発電所整備を明言。「最低100万キロ・ワットくらいは東京のために供給する」と述べ、前向きな姿勢を強調した。

都では、原子力発電所並みの発電量を確保するため、ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた高出力の火力発電所の建設を模索している。総工費は500億円程度で、都が土地を提供し、民間の事業者が建設・運営する方法などを検討している。電力不足で国内企業の海外移転が加速しないよう、原子力だけに頼らない分散型の発電施設が必要としている。

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17  民間賃貸住宅、被災者向けに神奈川県が借り上げへ  2011/7/22 読売新聞

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神奈川県は21日、東日本大震災で県内に避難している被災者のために、8月から民間賃貸住宅を借り上げると発表した。

対象は、岩手、宮城、福島県の人で、津波や地震で家が全壊するなどし、長期間自宅に戻れない被災者と、東京電力福島第一原子力発電所事故で福島県内から自主避難している人。すでに県内の民間賃貸住宅で生活している人や、これから県内に避難する予定の人も対象となる。

県によると、3県からの避難者約1500世帯のうち、約1000世帯が民間賃貸住宅や親戚の家などで生活しているとみられる。

単身世帯は月6万円まで、2人以上の世帯は月9万円まで、県が家賃を負担する。管理費や駐車場代も、月2万円まで負担する。

借り上げ期間は2年。募集は8月1日から9月30日までで、問い合わせは災害対策課(045・210・3430)。

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18  日立機材、ビル屋上を省エネ改修 断熱パネルや太陽光発電  2011/7/26 日経産業新聞

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建材・機器製造の日立機材は25日、ビルやマンションの屋上向けの省エネ改修事業に参入すると発表した。8月1日から3種類の断熱パネルを投入し太陽光発電システムなどの設計・施工から保守管理までを一括して提案する。オフィス向け建材の販路を活用し、省エネ化を急ぐ企業などの需要を取り込む。

太陽光発電システムは12年3月期までに提供を開始する。太陽電池などの外部調達した部材を屋上に設置。断熱パネルと組み合わせて提案する。

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19  住友林業、軟弱地盤の補強費3分の2に 戸建てなどに来月導入  2011/7/25 日経産業新聞

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住友林業は、戸建て住宅を含む小規模建築物の地盤を補強する新技術を開発した。特殊な加工を施して傾斜をつけた鋼管を地面に埋め込むことで、軟弱な地盤に建てる住宅など建造物の耐震性を高め、地盤沈下の影響も軽減できる。従来に比べて工期が半分に短縮するほか、コストも3分の2程度に低減できる。8月からの本格導入を見込んでいる。

新開発の「スミリン・テーパー・パイル工法」は、新日本製鉄と共同で開発した。先端にいくに従って細くなった鋼管を、回転させながら地面に埋め込む。通常使う円柱状の鋼管よりも埋め込みやすく、工期短縮につながる。埋め込む際には土壌を押し固めたり、巻き込んだりする効果もある。鋼管と周辺の土壌で摩擦が起きることで補強効果が高まる。

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20  震災後の住宅購入「地盤を重視」84% 民間調べ  2011/7/22 日経産業新聞

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野村不動産アーバンネット(東京・新宿)が住宅の購入検討者を対象に実施した調査で、74.2%が東日本大震災後も取得意欲に「特に変化はない」と答えた。経済動向や社会情勢に不透明感は拭えないものの、住宅取得需要は依然、底堅い。一方、震災後、住宅購入時に重視するようになった条件は「地盤」で84.5%で最多だった。

「変化があった」(25.8%)と回答した人にどう変化したのか聞くと「しばらく様子を見ることにした」が64.1%を占めた。「見送ることにした」は12.8%。10.1%は「購入意向が強くなった」と答え、「耐震性の高い家や地盤のしっかりしたところに住みたい」ことなどを理由に挙げた。

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21  YKKAP、網戸で囲んだ夕涼み用テラス 庭のスペースを利用  2011/7/22 日経産業新聞

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YKKAPは庭の空いたスペースを利用して後付けで設置できる「夕涼み空間 網戸テラス」を発売した。既存の窓部分を利用して屋根を取り付け、正面と側面の3方向を網戸で囲み空間をつくったうえで自然の風を通す。網戸は巻き取り式で高さを自由に調節できる。夏の電力不足を背景に、エアコンのスイッチを切って夕涼みを楽しみたい一般家庭の需要を取り込む。1年間で1億円の売上高を目指す。

網戸の先端に親会社のYKK製のファスナー部材を採用してスムーズに開閉できるようにした。屋根に熱線を遮断するポリカーボネート板を採用し、熱の透過も抑えられる。価格は施工費別で、幅365センチメートル・奥行き182センチのタイプが94万4265円。

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22  建設受注、増加見込み 日建連の今年度会員企業調査、官公庁工事は減少 2011/7/21 日経産業新聞

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日本建設業連合会(日建連)が会員企業145社を対象にまとめた2011年度の受注見通し調査によると、国内受注については増加と回答した企業が減少と回答した企業を上回った。特に医療・福祉施設や工場、マンションなどを増加要因に挙げる回答が多かったという。ただ、官公庁工事受注については減少回答が増加を大きく上回っており、本格的な回復傾向は見込めそうにない。

6月下旬から7月上旬にかけて調査し、116社が回答した。受注見通しについては増加が44社で減少の37社を上回った。民間工事受注では増加が49社、減少は32社だったが、官公庁工事受注については、減少が51社と増加の24社を大きく上回った。

2011-07-30 | Posted in 住宅関連新聞記事Comments Closed