住宅関連新聞記事ダイジェスト No.670  2017/02/02~2017/02/08

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住宅関連新聞記事ダイジェスト No.670  2017/02/02~2017/02/08
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【日本経済新聞】
1 関西ペイント、東アフリカの建築用塗料大手買収発表
2 新日鉄住金ステンレス、鋼板を全品種値上げ 2月契約分
3 持続可能な住宅市場へ政策の大転換を
4 投資用不動産、価格動向握るリスクプレミアム
5 旭化成の17年3月期、純利益16%増に上方修正 2年ぶり最高益
6 賃貸入居者の火災保険、家財保障見直しで節約
7 窓の結露、防ぐには
8 戸建てにも宅配ボックス 玄関先、壁や床に後付け
9 リフォーム向けドア刷新 三協立山、7年ぶり
10 空き家登録17.5万戸目標 国交省、単身高齢者などに賃貸
11 ヤマダ電機、ナカヤマと業務提携 リフォーム拡大

【朝日新聞】
12 シティスタイル クラウド型業務管理システム「チームフォース」提供開始
13 土地価格動向DI 上昇予想が継続 全宅連調査
14 不動産の景気DIが3カ月連続改善 帝国データバンク調べ
15 インバウンドナビゲーターを育成へ エコッツェリア協会
16 インスペクション講習登録規定と調査方法基準を公布・施行 国交省
17 買って住みたい街1位に「船橋」 借りて住みたい街は「池袋」 ネクスト調査
18 東京ビル賃料改定、10~15%増額が最多 三鬼商事調べ
19 住宅セーフティーネット法改正法案が閣議決定
20 不動産買い時と「思う」「思わない」ともに減少 野村不アーバン調べ
21 賃貸入居者向けミニ総合保険を発売  エイ・ワン少額短期保険
22 リノベ賃貸事業でオフィスビルにも参入 小田急不

【読売新聞】
23 上京一人暮らし調査[1] この場所に行ってみたかった! ランキング
24 相続した土地にツリーハウスをつくっちゃった! 一体どうして!?
25 「お湯が出ない…給湯器が故障した!」その原因と修理方法は?
26 【島根に移住(下)】 移住先として人気上昇中の島根県、そのワケは

【日経産業新聞】
27 京王電鉄、高齢者に郊外から駅前へ住み替え促す 住宅・老人ホーム整備
28 3Dプリンターで造形自在、セメント系の新材料を開発
29 BIJ、簡易宿泊施設を50軒展開へ

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1 関西ペイント、東アフリカの建築用塗料大手買収発表 2017/2/8 日本経済新聞
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 関西ペイントは8日、東アフリカの建築用塗料大手、サドリングループ(ウガンダ)を買収
すると正式発表した。買収額は非公表だが100億円程度とみられる。今春をめどに全株式を取得
する。関西ペイントはアフリカの建築用塗料で4割のシェアを持つ。南部に加え東部でも塗料
需要が拡大していることに対応。現地の企業買収で事業基盤を一段と強化する。
 サドリングループは住宅の内装用塗料などに強く、ウガンダ、タンザニア、ケニアの3カ国
を中心に事業を展開。2015年度の売上高は8550万ドル(約96億円)。関西ペイントのアフリカ
事業の売上高は16年3月期で293億円。19年3月期までに550億円以上に引き上げる。

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2 新日鉄住金ステンレス、鋼板を全品種値上げ 2月契約分 2017/2/8 日本経済新聞
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 新日鉄住金ステンレスは8日、2月契約分のステンレス鋼板の国内販売価格を全品種引き上
げると発表した。全品種の値上げ表明は3カ月連続。住宅設備機器などに使うニッケル系薄鋼
板は前月比で1トン1万円(3%)、業務用厨房などに使うクロム系は同1万5000円(7%)
それぞれ引き上げる。
 原料であるクロム価格の上昇が値上げ理由。造船や化学などのプラントに使うステンレス厚
板も同1万円(3%)値上げする。

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3 持続可能な住宅市場へ政策の大転換を 2017/2/8 日本経済新聞
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 住宅建設が増えることは景気にはプラスだが、持続可能な水準なのか疑問を抱かざるを得な
い。
 2016年の住宅着工戸数が96万7千戸と前年を6.4%上回った。消費増税前の駆け込み需要で膨
らんだ13年以来の水準だ。なかでも貸家が前年比で10.5%増になった。低金利に加え、節税対
策で貸家を建てる人が増えている。
 人口が減っている地方でも貸家が大幅に増加している点は首をかしげざるを得ない。業者が
一括で借り上げて家賃収入を保証する契約方式が後押ししているが、一部でトラブルも発生し
ている。
 全国で空き家が急増しているように、住宅はすでに量的には足りている。人口に続いて20年
ごろには世帯数も減少に転じることを考えれば、新規建設よりも既存住宅の有効活用へ、住宅
政策の重点を大胆に移す必要がある。
 日本では住宅の建物の価値は築20年を超すとほぼゼロになる場合が多い。かつての土地神話
を背景に「土地さえ評価すれば建物は無視してもいい」という市場慣行があるためだ。これで
は家を適切に修繕する動機づけにならない。
 まずは、しっかりと維持管理してきたかどうかが中古住宅の価値に反映される仕組みが要る
。その方が購入者も安心できるだろう。
 そのためには建物を柱や壁などの構造部分と内装・設備部分に分けて評価する必要がある。
シロアリ対策をすれば構造部分の耐用年数は延びるし、給排水管を変えれば設備の価値は回復
するはずだ。
 すでに大手住宅メーカー10社で構成する「優良ストック住宅推進協議会」は、自らが供給し
た物件を対象に土地と建物を分けて査定している。建物では構造と内装・設備で別々に評価し
ている。
 住宅金融のあり方も問われている。アパート建設向け融資はすでに過熱気味だ。一方で土地
に加えて建物の価値も評価して住宅ローンを提供する金融機関は少ない。
 住宅の再建築率が低い点も大きな問題だ。住宅着工戸数全体に対する、古い物件を壊して建
てた住宅の割合を示す指標で、14年度は9.1%と調査を開始した1988年度以降で最低になった。
 古い物件はそのままで農地などに住宅がどんどん建っている。これでは空き家がますます増
える。
 持続可能な市場にするためには住宅政策を抜本的に改め、住宅を誘導する区域を自治体がし
っかりと定めることも必要になる。

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4 投資用不動産、価格動向握るリスクプレミアム 2017/2/8 日本経済新聞
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不動産コンサルタント 田中歩
 投資用不動産価格は2013年以降、上昇傾向が続いたものの、このところその勢いが止まりつ
つあるといった声が現場から聞こえてきます。
 投資する資産の価格に年利回りを掛けると年間収入が算出されます。この考え方からすると
、投資用不動産価格は「年間収入(賃料)÷期待利回り」で計算できます。つまり、賃料が上
昇する、または期待利回りが下がれば、投資用不動産の価格は上昇するということが分かると
思います。
 それでは、賃料と期待利回りは、これまでどのような推移を示してきたのでしょうか。

■賃料は上昇せず
グラフAは08年1月以降の東京23区賃貸マンションの成約平均単価の推移です。リーマン・
ショック以降、成約平均単価は下落し、13年に上昇を見せるものの、14年以降はおおむね横ば
い傾向となっています。14年以降、賃料は上昇していないので、投資用不動産価格の上昇は期
待利回りの低下によるところが大きいということになります。
 ところで期待利回りは、無リスク資産(一般には10年国債)の利回りと「リスクプレミアム
」と呼ばれる「投資家が上乗せしたいと考える収益率」の合計です。
 分かりやすくいうと、リスクのある資産と無リスク資産の利回りが同一であれば、すべての
人が無リスク資産に投資しますよね。そうすると、無リスク資産の利回りは最も低くなるはず
です(みんながこぞって無リスク資産を買えば、リターンは変わらないものの価格が上がるた
め)。
 結果としてリスク資産の利回りは、無リスク資産より高くなるはずです。このとき、リスク
のある資産の利回りと無リスク資産の利回りの差がリスクプレミアム(投資家が上乗せしたい
と考える収益率)ということになります。
 つまり、投資用不動産価格は、期待利回りを構成する金利が下がる(上がる)、または、リ
スクプレミアムが下がる(上がる)と上昇(下落)するということになります。

■金利とリスクプレミアムの低下
 グラフBを見てみましょう。08年1月以降の23区中古マンションの期待利回り(表面利回り
)、10年国債利回り、リスクプレミアムの推移です。期待利回りは08年のリーマン・ショック
の影響を受けて7%程度まで上昇(価格は下落)し、13年以降は下落を続け、現在は5%程度
になっています(価格は上昇)。
 要因の一つは10年国債利回りの継続的な低下です。10年国債利回りは08年以降、金融緩和政
策の過程で低下を続け、現在はほぼゼロ%付近にあります。このことが、投資用不動産の価格
上昇に一役買ったことは間違いなさそうです。
 日銀は10年国債金利をおおむねゼロ%程度に抑えるとしていますし、実際にローンを組む際
にマイナス金利になることはないと考えると、今後これ以上の金利低下を期待することには無
理がありそうです。つまり、金利低下による価格上昇は期待できないということです。
 一方、リスクプレミアムの動きを見てみましょう。リスクプレミアムは、無リスク資産(10
年国債)の利回りに投資家が上乗せしたいと思う収益率でした。これが上下動しているのはな
ぜなのでしょうか。
 グラフCは、リスクプレミアムと日経平均株価の推移を示したものです。
リスクプレミアムは株価と反対の動きをしながら、おおむね5%から6%の間で上下してい
ることが分かります。株価が上がると不動産投資に対して安心感が増してリスクプレミアムが
下がる、株価が下がると不動産投資に対して不安感が増してリスクプレミアムが上がるという
動きです。
 実際に、リーマン・ショックのあおりを受けて、不動産のリスクプレミアムは急上昇しまし
た。東日本大震災により再び上昇。政権が自公連立政権に代わり、ねじれ国会が解消されると
リスクプレミアムは5%台まで下がりました。
 その後、15年のチャイナ・ショックを経て、16年後半から米新大統領による財政政策を好感
した株価に反応してリスクプレミアムは再び低下傾向を見せています。このように、リスクプ
レミアムは国内外の経済や金融環境の影響を受けているのです。

■投資用不動産価格、夏以降は下落か
 筆者の調査によると、都内の投資用1棟マンションのリスクプレミアムも23区投資用中古マ
ンションと同様の動きを示していますので、国内の一般的な投資用不動産におけるリスクプレ
ミアムの動きも程度の差はあれ同じだと思います。
賃料の上昇が期待できず、金利低下も見込めないとなると、投資用不動産価格の行方を占う
にはリスクプレミアムの動きに注目せざるを得ません。リスクプレミアムは最低水準に張り付
いている状況ですので、投資用不動産価格がさらに上昇するには、よほどの経済発展が見込め
るという状況にならないと難しい状況にあります。
 国内外の経済のファンダメンタルズは概ね良好とされていますが、今後の米国の財政政策と
通商政策、欧州の政治経済動向、中国経済など世界を揺るがす火種は少なくありません。リス
クプレミアムが低位安定する要素と上昇する要素が混在しているのです。
 投資用不動産価格はしばらく一進一退を繰り返すものと思われますが、筆者は特に米国の政
策に対する評価がはっきりしてくる今夏から今秋以降は、下落する可能性が高いのではないか
と思っています。

田中歩(たなか・あゆみ) 1991年三菱信託銀行(現・三菱UFJ信託銀行)入行。企業不動
産・相続不動産コンサルティングなどを切り口に不動産売買・活用・ファイナンスなどの業務
に17年間従事。その後独立し、ライフシミュレーション付き住宅購入サポート、ホームインス
ペクション付き住宅売買コンサルティング仲介など、ユーザー目線のサービスを提供。2014年1
1月から「さくら事務所(http://sakurajimusyo.com/)」執行役員として、総合不動産コンサ
ルティング事業の企画運営を担う。

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5 旭化成の17年3月期、純利益16%増に上方修正 2年ぶり最高益 2017/2/7 日本経済
新聞
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 旭化成は7日、2017年3月期の連結純利益が前期比16%増の1060億円になる見通しだと発表
した。従来予想を70億円上回り、2年ぶりに過去最高となる。足元の円安を反映させた。市況
堅調を受け石油化学事業が好調に推移する。コスト削減や持ち合い株売却も利益を押し上げる

 売上高は4%減の1兆8700億円の見通し。従来予想を400億円上回る。16年10月~17年3月の
想定為替レートを1ドル=110円と10円、円安方向に見直した。
 営業利益は7%減の1530億円の見通し。最も上振れするのは化学部門だ。樹脂原料の「アク
リロニトリル」は海外勢の設備トラブルを受け需給が引き締まり、想定より利幅が改善する。
「サランラップ」は備蓄用などで内需が伸び、工場のフル稼働が続く。
 電機事業は中国のスマートフォンメーカー向けにオーディオ用半導体や電子コンパスが回復
する。医薬事業でも骨粗しょう症治療薬などの販売が順調。米子会社の救急救命機器事業も伸
び、現地通貨ベースで営業利益が4割増える。
 横浜市のくい打ち問題の影響で受注が一時落ち込んだ住宅事業は、広告宣伝の再開で回復基
調にある。住宅着工は業界全体で伸び悩んでいるが、「都市部に特化した事業展開をしている
」(坂本修一取締役)と、全体に左右されにくいとの見方を示した。

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6 賃貸入居者の火災保険、家財保障見直しで節約 2017/2/5 日本経済新聞
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 これから4月にかけては春の異動で新しく賃貸住宅に入居する人が増える。ほとんどの物件
は、賃貸向け火災保険に加入することを入居条件としている。不動産仲介会社が保険商品を扱
うことが多いが、勧められるままに契約すると保険料が過大になるかもしれない。自分でさが
した保険商品で家財の保障額を適正水準に抑えれば、コスト削減につながる余地は大きい。
 日新火災海上保険がインターネット上で扱う「お部屋を借りるときの保険」は、発売後3年
余りで契約を約3万5000件に伸ばした。家具や電気製品といった自分の家財にかける保障の金
額を下限の100万円に設定すると、保険料が年4000円に抑えられる。

■年間1万円超も
 賃貸住宅の入居者が入る火災保険は不動産会社が保険の代理店となって店頭で扱うケースが
主流。年間保険料が1万円を超える例も目立つ。日新火災の商品は、保険料を節約したいとい
うネットユーザーを中心にクチコミで人気が広がったという。
 家主が入居者に保険加入を求めるのは、入居者が火の不始末や水回り設備を使う際の不注意
などで家主に損害を与えた場合、保険金で賠償させるためだ。そのための保障は借家人賠償責
任保険(借家賠)という。
 ところが、この借家賠は一般に「特約」の扱いとなっており、単独で契約することができな
い。保障を受けるには、自分の家財にかける保障とセットで契約する必要がある。賃貸入居者
向け火災保険は、多種の保障を組み合わせた商品だ。
 不動産会社が扱う商品は、学生や単身者など、少額の家財しか持たない入居者に向かない例
が多い。賃貸入居者向け保険大手の全管協共済会(東京・中央)は2015年12月から家財保障額
を低めにしたコースを新設したが、それでも300万円。モノを持たない最近の生活スタイルはあ
まり想定されていない。
 日新火災の商品で契約者が設定した家財保障額は200万円以下が6割強を占める(図A)。「
不動産会社の店頭であわただしく契約した保険がおおむね2年ごとに更新時期を迎え、こんな
に家財を持っていないのにと気付く人が多い」(商品開発部)とみる。
 家財をすべて新品で買い直しても50万円しかかからない人が100万円の家財保障を付けても、
万が一の際に出る保険金は50万円まで。損害額は保険会社が調査して見積もるため、入居者が
申告した金額が認められるとは限らない。家財の保障額が過大だと、その分の保険料は無駄に
なる。

■「共済」も選択肢に
 家財の保障額を低く抑えられる保険商品が少ないのはどうしてか。一般的な入居者向け保険
の代理店手数料は保険料の30~40%ほどとみられ、不動産会社にとって収入源の一部。「保障
額が低いと手数料が減るとして敬遠する不動産会社もある」(関係者)という。
 家財がほとんどなかったり、家財に保険をかける必要を感じなかったりするなら、都道府県
民共済の「新型火災共済」も選択肢になる。家財保障10万円の主契約に特約で1000万円の借家
賠が付けられ、保険料は年間2048円に抑えられる。決算状況に応じて35%ほどが割戻金として
戻ってくるため、実質的な保険料はさらに安くなる。
 都道府県民共済を運営する全国生活協同組合連合会(全国生協連、さいたま市)によると、
借家賠を付けた賃貸住宅の新型火災共済の契約件数は年8%のペースで伸びている。加入でき
るのは同共済がある39都道府県で、加入の申込書は一部の金融機関の店頭に置いてあるほか、
インターネットでも資料請求できる。
 不動産会社が扱う保険は強制ではなく、どの保険に入るかは入居者が決められる。賃貸仲介
大手、アパマンショップリーシング(東京・中央)によると、「一般的な借家賠が付いている
保険商品であれば、入居者が自分で選んだもので問題はない」という。
 入居者向け保険はいったん契約しても、保険会社に解約の手続きをすれば、未経過の期間分
の保険料は一定の計算式に基づいて払い戻される。家財の保障額が多すぎたり、保険料が割高
だったりするなら、契約更新のタイミングを待たず早めに保険を乗りかえる選択肢もある。

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7 窓の結露、防ぐには 2017/2/4 日本経済新聞
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 窓や壁がよく結露します。カーテンや床までぬれることもあり、カビが心配です。結露を防
ぐにはどうしたらいいのでしょうか。効果的な掃除方法も教えてください。

■扇風機当て まめに換気
 冬の寒い朝、結露した窓を覆う水滴に思わずため息がこぼれる。何とか結露を防ぐ方法はな
いのだろうか。
 そもそも結露はなぜ発生するのか。LIXILサッシ事業部の黒坂幸二さんは「窓の内側と
外側の温度差が原因」と指摘する。水蒸気を含んだ室内の暖かい空気が冷たい外気にさらされ
た窓に触れ、冷やされることで窓に水滴が付く。放っておけば上から下に垂れ、サッシのレー
ルや床に水がたまってしまう。
 結露を抑えるには、この温度差を小さくすればいい。家事・住宅アドバイザーの藤原千秋さ
んは「結露しやすい場所に扇風機やサーキュレーターで風を当て続けると一定の効果がある」
と指摘する。室内の暖かい空気を循環させて窓に当てることで、窓の内外温度差が小さくなる
という。
 こまめな換気も効果的だ。藤原さんが勧めるのはこんなやり方だ。まずはトイレと浴室、キ
ッチンなど水回りの換気扇を全て「強」で回す。次に水回りから一番遠い部屋の扉を開け、そ
の部屋の窓を少し開けておけば風の通り道ができ、5~10分程度で換気できるという。カビの
胞子やちり、二酸化炭素で室内の空気がよどまないためにも、毎日の換気を心がけよう。
 結露防止に役立つグッズもある。ガラス部分に結露防止シートを貼ったり、食器用洗剤を薄
めて水拭きしたりすると一時的に結露しにくくなるという。洗剤に含まれる界面活性剤の効果
で水が張り付きにくくなる、という理屈だ。ただしサッシ部分には結露がたまってしまうため
、タオルでこまめに拭き取るか、窓枠用の吸水テープをこまめに貼り替えたい。
 根本的に結露を防ぐには、窓を二重窓に替えるのが効果的だ。窓と窓の間に空気の層ができ
るため、熱を通しにくく、結露の発生を抑えられる。「夏場にエアコン効率を高める断熱性や
、防音の観点からも全国的に広がっている」(LIXILの黒坂さん)。外側のサッシはアル
ミ製、内側は断熱性の高い樹脂製というハイブリッド窓が特に人気があるという。
 今ある窓の内側に樹脂製の内窓を取り付けるだけのリフォームなら、ひとつの窓あたり約1
時間で施工できる。窓の大きさにもよるが、工事費も含めて5万~12万円ほど。このほか下か
ら窓を温めて結露を防ぐ窓下専用のラジエーターもある。予算や窓の構造、結露の頻度を考慮
して、最適な対策を選びたい。

■加湿は60%まで目安
 結露は放置するとカビなどの原因となる。窓周りが木製の場合、水分が垂れたままにしてお
くと腐ったりはがれやすくなったりする。見つけたらまずは拭き取ろう。
 拭き取るときはT字型の水切りワイパーやスクイージーを下から上に向けて窓に滑らせる。
藤原さんが勧めるのは窓に特化したバキュームクリーナー。吸引力が高く、水をあまり垂らさ
ず掃除できる。
 カーテンや障子にも注意が必要だ。閉めたままでは窓との間の湿度が高まり結露しやすくな
る。水分でくっついた状態が続くとカビが生え、黒ずんでしまう。放置すると部屋中にカビを
拡散しかねない。こまめに開けるのを心がけよう。
 湿度にも気を付けたい。冬場は加湿器を使う家庭が多いが、加湿のしすぎは禁物。黒坂さん
は「室内の最適な湿度は40~60%程度」と話す。50%以上ならインフルエンザウイルスの活性
をある程度抑制でき、60%を超えるとカビやダニが繁殖しやすくなるという。
 「人体は気温を感知できても湿度はうまく判断できない。温湿度計で客観的に把握すること
が重要」(藤原さん)。同じ室内でも測る高さで温度と湿度は異なる。高いほど温度が高く湿
度が低くなるが、低い場所は温度が下がるため湿度も上がる。寝室では寝る位置の高さに温湿
度計を置いて変化に気を配ろう。

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8 戸建てにも宅配ボックス 玄関先、壁や床に後付け 2017/2/4 日本経済新聞
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 家に届く荷物を不在時でも受け取れる「宅配ボックス」。マンションでよく見かけるが、戸
建て住宅用も登場している。玄関先の壁に後付けでき、出し入れをスマートフォン(スマホ)
に通知するものもある。インターネット通販の利用が増えるなか、共働きや一人暮らし世帯で
は、「荷物がずっと受け取れない」などの悩みから解放されそうだ。
 「もう届いたんだ」。福井県あわら市の女性会社員、須田幸恵さん(33)は1月中旬に玄関
先に取り付けた宅配ボックスから小包を取り出した。宅配ボックスは昨年秋に設置。あわら市
とパナソニックが始めた再配達の削減効果を調べる実証実験のモニター世帯に応募した。
 須田さん宅は5人家族。子供服や書籍など月4~5回ほどネットで買い物する。外出時に宅
配業者が来て、不在票がポストに入っていることもあった。「わざわざ再配達に来てもらうの
が申し訳なかった。気にせずに外出できて、すぐに受け取れるのがうれしい」と重宝する。
 2月には長男の育休を終えて職場に復帰する。午後7時近くの帰宅後も、子供たちをお風呂
に入れるなどで手が離せなくなる。「土日しか荷物を受け取れなくなるかな、と心配していた
。それだけに、これからますます頼りになりそう」と期待する。
 あわら市の実証実験は昨年11月に始まった。全国初の試みで、共働き世帯100軒に宅配ボック
スを無料で設置。日本郵便やヤマト運輸と協力し、ドライバーの労働時間や二酸化炭素(CO2
)がどれだけ減るかを調べる。2月下旬にも中間報告をまとめる予定だ。同市の共働き世帯率
は約6割と全国でも高い。「日中に荷物を受け取る時間がない家庭も多い。より暮らしやすい
街づくりにつなげたい」(市政策課)と狙いを話す。

◇     ◇

 宅配ボックスは新築マンションで標準設備になりつつあるが、戸建ての普及率は1%未満と
みられる。「戸建て用の存在を知らなかった」(都内の35歳女性会社員)と認知度も低いが、
ネット通販の利用や共働きが増え、検討する家庭が少しずつ出てきたという。
 あわら市で使われた宅配ボックスは金属製で壁に固定するタイプ(縦59センチ、横39センチ
、奥行き22.5センチ)と地面に据え付けるタイプ(縦横は同じで奥行き46センチ)の2種類。
電気や電池は不要で、専用の鍵で開け閉めする。宅配業者が荷物を入れて、扉内側の施錠レバ
ーを下げて扉を閉めるとロックする仕組みだ。専用の差し込み口に伝票を入れて、ボタンを押
せば荷物の受領印をなつ印できる。希望小売価格は6万~8万円ほど。場所にもよるが、須田
さん宅は約30分で取り付けが終わった。
 「荷物が届きました」「取り出されました」。出し入れをスマホに通知する機能も登場した
。LIXILが昨年発売した宅配ボックスは電池式で、タッチパネルに暗証番号を入力して開
くタイプ。専用システムにつなぐと、外出先でもリアルタイムで利用状況や過去の出し入れの
履歴がみられる。家族が取り出したのが分かったり、宅配ボックスが空なのを確認した上で配
達を頼んだりできる。

◇     ◇

 今後はスマホで開け閉めを遠隔操作するなど機能を順次追加する。将来的には衣類をクリー
ニング店に回収してもらうなど、集荷にも使えるようになりそうだ。価格は約10万円から。過
去にマンションに住んでいて、宅配ボックスを普段からよく使っていた人が自宅にも取り付け
るケースが目立つという。
 まだまだ普及途上の戸建て用だが、折り畳み式で必要な時だけ玄関などにワイヤロックでつ
なげて設置するタイプや、荷物が2個まで受け取れる、ポストとの一体型など各社が様々な商
品を提案。コンビニエンスストアや駅の宅配ロッカーで荷物を受け取るサービスも始まってい
る。使う頻度や注文するのが多い荷物のサイズに応じて、適した宅配ボックスやサービスを選
ぶことが広まりそうだ。
 LIXIL空間創造開発室の井出真治室長は「より求めやすい価格や玄関の雰囲気を壊さな
いデザインを充実して、浸透させていきたい」と話す。ポストのように一家一台となる日が来
るかもしれない。

◇     ◇

■2割が再配達、削減課題
 国土交通省の調べによると、2015年度の宅配便は約37億個。2割が再配達に回り、年9万人
に相当する労働力が費やされているとされる。宅配業者の人手不足や交通渋滞の一因として、
再配達の削減が課題になっている。

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9 リフォーム向けドア刷新 三協立山、7年ぶり 2017/2/3 日本経済新聞
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 三協立山はリフォーム専用の玄関ドアを7年ぶりに刷新する。3月に新商品「ノバリス」を発
売する。ドア枠を部材ごとに取り付けるなど大幅に施工しやすくして、従来品と比べて施工時
間を約3分の2に短縮した。採風機構や採光機構を備えたタイプも用意。国内の新築市場の伸び
悩みが見込まれる中、改装・リフォーム需要を開拓する。
 ノバリスは外壁を壊さずに取り換えられるリフォーム専用商品。2016年に発売した高機能玄
関ドア「ファノーバ」のデザインをベースにし、断熱仕様とアルミ仕様を合わせて26種類のデ
ザインを用意。配線工事が要らない電池式の電気錠も取り付けられる。

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10 空き家登録17.5万戸目標 国交省、単身高齢者などに賃貸 2017/2/3 日本経済新聞
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 国土交通省は3日、2020年度末までに子育て世帯や高齢者、低所得者向け賃貸住宅として、
空き家17万5千戸の登録をめざす方針を決めた。同日に閣議決定した住宅セーフティーネット
法改正案に制度の創設を盛り込んだ。単身の高齢者などは賃貸住宅への入居を拒まれるケース
が多い。入居を拒まない民間の登録住宅を増やして、公営住宅の不足を補う。
 登録住宅は一定の要件を満たせば国からバリアフリー化などの改修費や家賃の補助が受けら
れる。若年ファミリー層や今後10年で100万人増えるとされる単身高齢者の入居を促す。今秋に
も制度を創設し、年5万件の登録をめざす。
 全国の空き家は約820万戸あり、このうち耐震性があり駅から1キロメートル以内のものは18
5万戸。登録制度の導入によって住宅を必要としている人が円滑に入居できる環境を整える。

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11 ヤマダ電機、ナカヤマと業務提携 リフォーム拡大 2017/2/2 日本経済新聞
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 家電量販大手のヤマダ電機は2日、住宅建材の製造やリフォーム事業を手がける中堅のナカヤ
マ(埼玉県上尾市、中山嘉己社長)と業務提携すると発表した。資本提携も検討する。ヤマダ
は現在、子会社のハウステックを通じてキッチンやシステムバスなど住設機器事業を展開して
いる。住設機器の販売や開発、販促で連携を深め、売り上げ拡大を目指す。
 ハウステックとナカヤマの店舗で相互に商品の取り扱いを広げ、共同開発にも取り組む。ヤ
マダの岡本潤取締役はナカヤマについて「特に外装などに強い」と評価する。今後はハウステ
ックとナカヤマで商材ごとに製品を統一することなども協議する。

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12 シティスタイル クラウド型業務管理システム「チームフォース」提供開始 2017/2/
8 朝日新聞
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 不動産・住宅・建設業界のITソリューションカンパニー、シティスタイルは、2月14日からク
ラウド型業務管理システム「チームフォース」の提供を開始する。リマインダ―メール機能や
ワークフロー機能を特化し、業務を「見える化」「効率化」することができる。

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13 土地価格動向DI 上昇予想が継続 全宅連調査 2017/2/8 朝日新聞
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 全国宅地建物取引業協会連合会(伊藤博会長)の不動産総合研究所はこのほど、「不動産価格
と不動産取引に関する調査報告書(第4回不動産市況DI調査)」の結果を発表した。
 それによると、1月1日時点の土地価格の動向について、3カ月前(16年10月1日)と比較したDI
は、全国平均で5.5(前回比3.5ポイント上昇)と上昇した。その内訳は、「横ばい」が73.9、「
やや上昇」が17.4、「やや下落」が7.6、「大きく上昇」が0.8、「大きく下落」が0.3。地域別
に見ると、九州のDIが12.5と最も上昇した。3カ月後の動向については、全国平均で2.4となっ
ている。
 この調査は、全宅連モニターを対象にインターネットによるアンケート調査で1月11日~29日
に行ったもの。有効回答数は356。

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14 不動産の景気DIが3カ月連続改善 帝国データバンク調べ 2017/2/7 朝日新聞
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 帝国データバンクが実施した1月の景気動向調査によると、景気指標のDI(50を境に「上」が
良い、「下」が悪い)は、「不動産」が前月の48・7から1月は49・3となり、3カ月連続で改善し
た。
 1月は「建設」など4業界が悪化した一方、「不動産」「小売」など6業界が改善した。今後の
国内景気は、緩やかな回復が続くと見られるが、米国の政策を注視する必要があると同社では
分析している。

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15 インバウンドナビゲーターを育成へ エコッツェリア協会 2017/2/7 朝日新聞
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 東京の大手町・丸の内・有楽町まちづくり3団体の一つであるエコッツェリア協会は、「イン
バウンド地域ナビゲーター育成プログラム」を2月1日に開始した。留学・海外居住経験者や在
留歴の長い外国人など都市部のビジネスパーソンを対象に日本各地の魅力を伝える人材を育成
する。
 1日に19人の受講生がすでに基礎知識などを学び活動を始めている。2月中旬に訪日外国人に
同行する「丸の内ツアー」、2月下旬に「新潟ツアー」を実施し、3月1日に成果を発表する。海
外と日本のビジネス人材の交流によるまちづくりを進める。

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16 インスペクション講習登録規定と調査方法基準を公布・施行 国交省 2017/2/7 朝
日新聞
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 国土交通省は2月3日に、既存住宅状況調査技術者講習制度の創設に伴い、講習登録規定と調
査方法基準について公布・施行した。今後、17年度以降に国の登録を受けた講習機関が建築士
に講習を実施。これを修了した建築士が調査方法基準に基づき、適正に調査を実施することと
なる。

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17 買って住みたい街1位に「船橋」 借りて住みたい街は「池袋」 ネクスト調査 2017
/2/7 朝日新聞
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 不動産・住宅情報サイトを運営するネクストは2月7日、「HOME’S住みたい街ランキング」を
発表し、買って住みたい街1位に「船橋」が選ばれた。東京都以外の駅がトップとなるのはここ
3年で初めて。近年、都内を中心に物件価格が上昇したため、都内へのダイレクトアクセスが可
能で、交通利便性が確保された近郊エリアの順位が上昇したものと同社では見ている。以下、
「目黒」「浦和」「戸塚」「柏」と続き、ベスト5では「目黒」を除き、すべて東京都以外とな
った。
 借りて住みたい街1位は、「池袋」。以下、「三軒茶屋」「武蔵小杉」「川崎」「中野」と続
いた。

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18 東京ビル賃料改定、10~15%増額が最多 三鬼商事調べ 2017/2/6 朝日新聞
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三鬼商事はこのほど、ビルオーナーに賃料改定実施状況をヒアリング調査した結果をまとめ
た。東京都心5区(千代田・中央・港・新宿・渋谷)では、4割がこの1年以内に改定を実施してお
り、その大半が増額改定だったことが分かった。その賃料の改定率としては、最も多かったの
が増額率「10~15%未満」(84社)だった。次いで、「5~10%未満」(58社)、「5%未満」(33社)の
順。「15%以上」の回答も21社あった。
 調査は、基準階面積100坪以上の主要貸し事務所ビルのオーナー523社(対象2452棟)を対象に
実施し、482社から回答を得た。期間は16年10月~12月。

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19 住宅セーフティーネット法改正法案が閣議決定 2017/2/3 朝日新聞
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 政府は2月3日、民間の空き家などを活用して、高齢者、障害者など住宅の確保に特に配慮を
要する者(住宅確保要配慮者)の入居を拒まない賃貸住宅の登録制度を創設するなどの措置を盛
り込んだ、「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律の一部改正法案」
を閣議決定した。
 登録された住宅の事業者などに補助を行う制度も17年度予算に盛り込んでいる。

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20 不動産買い時と「思う」「思わない」ともに減少 野村不アーバン調べ 2017/2/3
朝日新聞
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 野村不動産アーバンネットが1月に実施した住宅購入に関する意識調査によると、現状で「不
動産は買い時」との回答は44.6%となり、前回2016年7月調査時よりも3.5ポイント減少した。た
だ、一方の「買い時だと思わない」の回答も31.2%(前回比3.4ポイント減)と減少した。そのた
め、「わからない」の回答が増加する結果となっており、購入検討者の中では、不動産価格や
住宅ローン金利の動向を様子見している姿もあるようだ。

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21 賃貸入居者向けミニ総合保険を発売  エイ・ワン少額短期保険 2017/2/2 朝日新

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 エイ・ワン少額短期保険は、家財・修理費用・賠償の補償をセットにした賃貸入居者向け少
額短期保険の新商品を2月10日から発売する。平均年間保険料が1万5000円前後のミニ保険で、1
2年発売の従来商品から補償内容を拡充した。
 災害時の転居費用や臨時宿泊費用のほか、居室内死亡時の家賃の賠償、ストーカー被害によ
る転居費用も補償対象とした。水道管凍結のための解氷や修理も対象に加えた。同社の主力商
品として、初年度10億円の保険料収入を目指している。

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22 リノベ賃貸事業でオフィスビルにも参入 小田急不 2017/2/2 朝日新聞
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 小田急不動産は東京・新宿のビルの取得を決め、コンバージョン後にグループ会社のUDSに一
括賃貸する。UDSではインバウンド事業者向けコワーキングスペース「INBOUND LEAGUE(インバ
ウンド リーグ)」を2017年9月に開業する。
 同社は、昨年の東京・麻布の賃貸マンションの取得を皮切りにリノベーション賃貸事業に参
入しており、今回の物件は「オフィスビル」としては第1号物件となる。引き続き今後5カ年で
約100億円を投資し、オフィスビルやレジデンスで計15棟規模の事業を展開する。

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23 上京一人暮らし調査[1] この場所に行ってみたかった! ランキング 2017/2/7 読売
新聞
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憧れの一人暮らし。それが東京エリアなら、「ここに行きたい!」というスポットがあります
よね。今回は地方から東京に上京をして一人暮らしをしたことがある男女300人に上京したらこ
こには行ってみたかった!というスポットを調査。ランキングで紹介します。「そうだよね~
」とうなずけるエリアがズラリと並びました。
渋谷が堂々の1位に。新宿、原宿・表参道が続く
新しい学校、新しい会社、新しい職場など、春は引越しの季節。初めて一人暮らしをする人も
、何度目かの引越しの人も、上京して、東京での一人暮らしとなると胸が躍るはず。「東京に
住んだら、あそこへ行きたい」と思っていた場所がいくつもあるようで……。
行ってみたかったエリア、堂々の第1位は渋谷(スクランブル交差点、ハチ公、SHIBUYA109など
)でした。渋谷の代名詞でもあるスクランブル交差点やSHIBUYA 109などは、地方にいてもテレ
ビや雑誌などで見ることも多く、一度は行きたいスポットになっているのでしょう。
スクランブル交差点は、日本人だけでなく外国人観光客にも人気。交差点で写真を撮っている
姿がよく見られます。SHIBUYA 109は渋谷を代表するファッションビル。渋谷に乗り入れている
東急電鉄のグループ会社が運営しているので、語呂合わせで「109(とう きゅう→いち まる
きゅう)」となったという由来をもっています。渋谷駅前にあるハチ公像も待ち合わせスポッ
トとして昔から有名。ド定番な場所ですが、東京に住んでいるなら「待ち合わせは17時にハチ
公で!」って一度は言ってみたいかも!
2位の新宿には歌舞伎町や新宿御苑などがあります。歌舞伎町は飲食店や居酒屋など、夜遊びが
楽しめる日本最大級の歓楽街として人気です。新宿御苑は約1万本の木々が茂り、新宿駅から約
10分という立地ながら、四季の移り変わりが楽しめる都会のオアシス。週末に友達と御苑でピ
クニックなんて、ちょっと優雅な響きがあってウキウキしますね。
原宿・表参道は、トレンドに敏感な人々が集まるエリアです。原宿では、日本初のクレープ店
が誕生したことで知られる竹下通り、ファッションビル・ラフォーレ原宿などが人気。表参道
はランドマークとなっている表参道ヒルズや有名ブランドの路面店が並びます。雑貨やインテ
リア、スイーツなど、テレビや雑誌、ネットなどで話題になるお店も多く、特に女性が憧れる
エリアのようです。
第4位は横浜。港町として栄えた横浜は、世代を超えて人気です。中華街や山下公園、赤レンガ
倉庫など、行ってみたいスポットがズラリ。
以下、池袋、お台場、東京タワー、東京ディズニーリゾートと続きます。
テレビで見ていた、憧れのあの場所に行きたいという人が多数
なぜ行ってみたかったか理由を聞いてみると、以下のようなコメントが挙げられました。

■渋谷(スクランブル交差点、ハチ公、109など)
・ハチ公前で待ち合わせをしてみたかった。慣れるとTSUTAYAのほうが待ち合わせしやすいと思
った(九州エリア・39歳・女性)
・当時渋谷に行くという行為自体、特別な意味があったから。ふらりとスペイン坂などを歩い
て都会にいる自分を味わっていた(北関東エリア出身・36歳・女性)
・高校生の時にギャル系のファッションが流行っていて、109に行ってみたかった。想像をふく
らませすぎていて、こんなものかと思った(中部エリア・36歳・女性)
・テレビの天気予報で映る、渋谷のスクランブル交差点に行きたいという憧れがあった(東北
エリア・30歳・男性)

■新宿(歌舞伎町、新宿御苑など)
・日本一の歓楽街だから(中部エリア・39歳・男性)
・利用者数が日本一だという新宿駅に行ってみたかった。実際圧倒された(東北エリア・39歳
・女性)
・台風が来ると必ず新宿駅の南口が出てくるので、東京と言えば新宿南口というイメージでし
た(中部エリア・35歳・女性)
・新宿は高層ビル群と駅の複雑さに圧倒された(中部エリア・30歳・女性)

■原宿・表参道(竹下通り、明治神宮など)
・原宿でお茶がしたかった(近畿エリア・36歳・男性)
・ジャニオタだった私にとって、原宿の竹下通りは写真が買えるすごい場所だった(中部エリ
ア・31歳・女性)
・原宿の竹下通りでクレープを食べてみたかった(北海道エリア・30歳・女性)
・ラフォーレ原宿、セントラルアパート、表参道ヒルズなど、日本のカルチャーの今昔の中心
に行きたかった。表参道の歩道橋の真ん中に立ったときに、幸せ、来て良かったと思った(四
国エリア・27歳・女性)

■横浜(みなとみらい、中華街など)
・テレビでグルメリポーターが中華店で食べていて、おいしそうだったので(中部エリア・39
歳・男性)
・サッカーの試合を見たくて横浜(日産スタジアム)に行った。周辺の風景も都会的で楽しか
った(九州エリア・38歳・男性)
・横浜には海がありオシャレなイメージがあった。行ってみたらイメージ通りだったけれど、
なんだか落ち着かなかった(中部エリア・36歳・女性)

■お台場(フジテレビ、アクアシティなど)
・フジテレビのあるお台場に憧れていた(東北エリア・37歳・女性)

上位にランクインしたエリアは、ファッション、食、エンターテインメントなど、1つの街で全
てがそろい、1日いても飽きない場所が多かったです。テレビや雑誌、ネットで紹介され、地方
にいても地名をよく耳にする街が人気のようです。
どうせ上京するなら、家や学校、会社がある周辺だけでなく、話題のスポットに積極的に足を
運んでみると、日々の生活がぐっと楽しくなるかも。憧れのエリアに行く自分を想像しながら
の引越しなら、面倒な作業もはかどりそうですね!

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24 相続した土地にツリーハウスをつくっちゃった! 一体どうして!? 2017/2/6 読売新

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かなうものならば、自然環境が豊かな場所で仕事をしたい。シェアハウスに住んで、プライベ
ートも充実した毎日を送りたい。アウトドアにも興味があって、休みの日には仲間とキャンプ
ができたら最高! というぜいたくな望みを一挙にかなえてくれるスポットが福岡・宗像に登
場した。
きっかけは相続問題。空き家や売却よりも利活用することで祖先の思いをつなぐ
思うに、ここはシェアの究極系じゃないだろうか。まずはそのスケール感を写真で実感してほ
しい。
早くに両親を亡くした谷口さんは幼少時代から祖父母に面倒を見てもらっていた。しかしその
祖父母も一昨年、昨年と立て続けに亡くなり、谷口さんには実家の平屋と倉庫、そこから歩い
て15分ほどの距離にある7200坪(サッカーコート3つ分以上)の山林と田畑が遺(のこ)された

すでに独立をして福岡の中心部で一人暮らしをしていた谷口さん。託された土地はあまりにも
広大で、最初に頭によぎったのはメンテナンスの大変さだったという。売却も一時は考えたが
、若いころ画家をしていた父親の絵を部屋で見ていると自然とその迷いは消え始める。
――親戚も集まるこの場所を皆が喜ぶ形で遺していくほうが両親や祖父母も喜んでくれるので
はないだろうか。
7200坪のキャンバスを、壊すよりはどう描くか。この状況を活かして新しい場所をつくること
に焦点を当てたことは、谷口さんにとっては当然の流れだった。
メンテナンスの負担を一人で抱えない。土地保有者ならではの精神負担が軽減されれば、田舎
と都会の二拠点生活が実現できる。そう思い立ち、平屋を畑つきシェアハウスとして改装。最
大5名の居住施設として居間やキッチン、個室をリノベーション。現在は農作業に興味のある東
京や海外からの移住者を中心とした4名のメンバーが利用、谷口さんは管理人として定期訪問し
ている。
またシェアラボは倉庫をリノベーション。1階はフリースペースとして利用でき、農工具の使用
(無償レンタル)やメンテナンス、また月1回の立ち飲みバーやイベントスペースとして活用さ
れている。2階はコワーキングスペースとして最大5名が使用可能。一時利用者も目的や条件に
よって受け入れしているので、移住や定住以外の目的の人でも使いやすいスペースを設けた。
「楽しい」を創ることで雇用を生み出していく
自然豊かで外国人からも評価の高い宗像エリアも、谷口さんにとっては当たり前の風景で10代2
0代の時は実家から都会へ出たいと強く思っていた。しかし、外から来た訪問客に自分の育って
きた里山を案内すると、予想以上に感動している姿を度々目の当たりにする。谷口さんは、そ
れで初めて「この場所は多くの人の原風景に近いんだ」ということに気がついた。
ポテンシャルがあるなら最大限に活かそう。そう考えてつくり出したのがツリーハウスだ。
ツリーハウスは通常3カ月位あれば完成するが、設計士や大工、アウトドアフリークをはじめと
する約30人の有志を募り、1年という歳月をかけて完成させた。メインツリーの選定や木への負
担が少ないと言われているボルト工法でのデッキ設置、ハウスの組み立てなど対話を重ねなが
ら最も納得する方法で建設に取り組んだ。
そのかいもあってツリーハウスの完成だけでなく、この場所でしかできない、さまざまな活用
アイデアが生まれたという。
「子どもの遊具施設の設置や星空音楽祭など、幅広い世代が楽しめる場所として里山、シェア
ラボを組み合わせてたのしい場をつくっていきたい。そもそも自分が田舎から出ようと思った
のは、若者にとって魅力的な働く場が少なかったからだと思うんです。この場に若いクリエイ
ターが集い、地元の人と協働し、地域ならではのクリエイティブを生産していく。そうすれば
新たな経済が生まれ、雇用も創出できると思うんです」と谷口さん。
事実、農家は生産のプロだけれど、PRとなれば素人という人も多い。そんな人たちにクリエイ
ターたちが一緒になり、ものづくりができるようになるのが理想だと話す。
実家や土地の「相続」の活用を改めて考える
事業としてシェアハウスは月3万2000円?(共益費5000円)、シェアオフィスは平日利用者と週
末利用者で分けて月2万円台?(共益費5000円)で利用可能とし、どちらも3年単位での投資回収
を考えている。
また今後は、宗像に観光などで訪れる人たち向けの場をつくることで、シェアラボや里山など
で生まれたつながりを活かす交流スペースもつくりたいと考えている。
年々、いたるところで空き家が増えている現状だが、谷口さんのように活用の方法が見えれば
、思い切ってその場所を公共の空間として開放することも選択の一手なのかもしれない。一人
に託された場所が多くの人のよろこぶ場所となる。まさに「大河の一滴」のような取り組みを
谷口さんは実行している。
――目に見えない、思いをつなげる。
「親から子ども」への縦のつながりの相続だけに目を向けるのではなく「家と地域」の横のつ
ながりで相続に取り組む方法を考えてみることも、これから増えてきてほしいと願うばかりだ

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25 「お湯が出ない…給湯器が故障した!」その原因と修理方法は? 2017/2/3 読売新

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寒い冬はお風呂でじっくり温まりたいもの。給湯器が故障して、突然お湯が出なくなるなんて
悲劇は避けたいところです。そこで、全国対応の給湯器専門店「湯ドクター」の斉木泰光さん
に、給湯器でよくある故障原因と修理方法を教えてもらいました。
寒さが原因でお湯がつくれない!? その対処法とは?
給湯器と一口に言っても、そのタイプはさまざま。電力やガスなどお湯を沸かすエネルギー源
の違い、お湯をためるタイプか瞬間に温めるかの違いなど、種類が異なります。しかし、どの
タイプの給湯器でも、冬場になると、“共通の原因”による不具合が見受けられるようです。
「冬場は、給湯器につながる外の配管が凍結するケースが多いです。これは、配管の中の水が
凍り詰まってしまうため起きる現象です。寒冷地の場合は、凍結を防止するために凍結予防ヒ
ーターを配管に巻いていることが多いですが、通常、氷点下以下にならない地域では十分な凍
結予防をしていないため、凍結が起きるケースもあります。
ガスで水を瞬間的に沸かすタイプの給湯器は、入ってくる水が凍結してしまうと燃焼しません
のでお湯をつくれません。タンクに水をためて電力でお湯にする給湯器も同じで、お湯になる
以前にタンクに水がたまらなくなります」(斉木さん、以下同)
では、この不具合を解消するにはどうすればいいのでしょうか?
「配管が凍ってしまった場合は、凍った配管にお湯をかける、もしくはドライヤーで温めて溶
かすことが有効です。ただ、注意点もあります。あまりにも熱いお湯をかけてしまうと配管が
破裂してしまう可能性が高いので、せいぜい50℃くらいのお湯にしていただきたいです。沸騰
したお湯はNGです。また、お湯をかけると配管のまわりに水がたまるので、翌日も気温が下が
るとその部分が凍りやすくなることがあります。なので、一番良いのはドライヤーで溶かすこ
とです。とはいえ、配管近くに電源があれば良いのですが、普通はないので使えないこともあ
ると思います」
なお、氷点下以下の気温はもとより、日陰や風があたるところなどに配管があると、とくに凍
結しやすいとのこと。寒波が襲ってくるなど、凍結が予想されるような場合は、予防策もある
ようで、「例えば、一晩お風呂の蛇口から割り箸一本程度のちょろちょろっとした水を出しっ
ぱなしにしておくことがオススメです」と斉木さん。水は止まっていると凍りやすく、流れて
いると凍りにくくなるので、この方法が有効なんだとか。
ちなみに、旅行などでしばらく家を空ける際など、給湯器の電源を抜く場合は、必ず給湯器内
部にたまっている水を給湯器の水抜き栓から抜くことも重要なのだそう。これを怠ると、給湯
器内部の水が凍り部品が損傷し、水漏れの原因になることもあるようです。
故障かな?と思ったら自力で復旧できる方法も
配管の凍結によってお湯がつくれないのはいわば、冬の寒さゆえの外部要因。では、季節問わ
ず給湯器自体が故障する内部要因としては、どういったことが考えられるのでしょうか?
「特にガス給湯器の場合、燃焼にあたっていくつかの順番があり、それぞれにスイッチがあり
ます。そのスイッチが入ってお湯になるのですが、まず1つ目は『水が通るためのスイッチ』、
2つ目は水が入ってきたことを感知し、燃焼力を高めるために風を送る『ファンモーターをまわ
すスイッチ』、3つ目がガスを点火させるために『スパークさせるスイッチ』です。ちなみに、
スパークとはよくガスコンロなどを点けるときにパチパチと着火させる装置をイメージしてい
ただければと思います。この3段階を経て、最後にガスが流れてお湯がつくられるのですが、そ
れぞれのスイッチにまつわる機器や回路が故障することがあります」
機器や回路の故障となると、メーカーに部品交換や修理を依頼する必要があるそうですが、そ
の前に自分で直せる可能性もいくつか考えられるそうです。
「給湯器自体のコンセントを抜き差しすることによって、基板がリセットされますので直って
しまうケースも多々あります。なので、一度は試していただきたいのですが、抜き差しをして
も直らない場合は、給湯器のリモコンを見てください。不具合が起きるとリモコンに3桁のエラ
ーコードが出るんです。その3桁のエラーコードでどこの部品が悪いのか想像できるのですが、
なかには修理会社を呼ばなくても自分で直せるエラーコードがいくつかあります。
代表的なものだと、『111』というエラー。これはなんらかの部品の不具合で『点火しない』と
いうエラーコードです。よくある理由としては、ガスメーターが遮断しているとき。例えば、
長時間煮物などをして、とろ火でガスを使った際にガスメーターが微少なガス漏れと判断して
しまってガスを遮断してしまうことがあるんです。そうすると、ガスメーターも止まってしま
うので、お湯もでません。その場合は、ガスメーターの復帰ボタンを押して、ガスメーターを
復帰させれば給湯器も使えるようになります」
給湯器の寿命は10年から15年が目安
そのほかに考えられるのは、給湯器自体が「寿命」を迎えているケース。買い替えを検討した
ほうがいいレベルの故障には、どういったものが考えられるでしょうか?
「例えば、給湯器から水がポタポタと垂れるようになった場合です。これは給湯器内部の熱交
換器からの水漏れが原因の可能性が高いです。大体、長く使った給湯器で起きる症状で、熱交
換機を交換しなければならないのですが、修理には3万円から8万円ほど掛かってしまうので状
況によっては買い替えを検討したほうがいいかもしれません。
また、ほかに考えられる交換のサインとしては『排気のにおいが変わってきた』『運転音が大
きくなった』『お湯の温度が安定しなくなった』などです。ちなみに、給湯器メーカーは3650
時間(業務用の機器は1万時間)使えるように設計しているので、一般的な使用湯量をふまえ
るとおよそ10年から15年くらいが交換時期の目安だと考えられます」
修理の場合はやはりメーカーに問い合わせるのが一番早く、的確な修理をしてくれるとか。ち
なみに、修理費用はどこに依頼してもあまり変わらないといいます。
普段あまり状態を気にすることがない給湯器ですが、私たちの暮らしに温かいお湯は欠かせま
せん。寒い時期の配管のケアや故障予兆の察知、交換時期の目安などを頭に入れておけば、お
湯が出ない事態に見舞われたときにも焦らずに済みそうです。

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26 【島根に移住(下)】 移住先として人気上昇中の島根県、そのワケは 2017/2/2 読売
新聞
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NPO法人ふるさと回帰支援センターが毎年行っている移住希望地調査で、2015年、島根がTOP3に
ランクインしたのはご存じだろうか? この5年間で約2万3000人も人口が減っている島根県が
、なぜ移住希望地として人気なのか? その背景を探るべく、県の担当者に直撃取材してみた
。(島根に移住[上]はこちら/島根に移住[中]はこちら)
いきなりの急浮上ではなく、着実なランクアップだった
島根の県庁所在地・松江市。国宝認定されたばかりの松江城を望む、島根県庁4階にある島根
県地域振興部・しまね暮らし推進課のフロアにお邪魔し、定住支援グループの嘉本博行グルー
プリーダーと、黒崎裕人主任主事のお二人に話をうかがった。
まずは昨年のTOP3ランクインについて、率直な感想を聴いてみた。この結果には、県としても
大いに盛り上がっているだろうし、お二人も喜々として話をされると思っていたのだが、予想
に反してお二人は奇妙な苦笑いを浮かべながら、「私たちの取り組みがようやく認知された、
と感じています」と用意した資料を見せてくれた。
嘉本リーダーが指し示す移住希望地調査の過去2年のデータを見てみると、2013年には14位、2
014年には8位と、着実に順位を上げている島根県の姿があった。つまり、2015年に急浮上した
わけではなく、これまでの積み重ねで得た当然の結果なのだった。では、この着実なランクア
ップの裏には、島根県の、どんな取り組みがあったのだろう?
他県に先んじて確立させた”オールしまね”体制が成功のカギ
「一言で言えば”オールしまね”で取り組んだ成果だと思ってます」。嘉本リーダーは、順調
にランクアップしてきた背景について、そう話してくれた。”オールしまね”というのは、島
根県と各市町村や関係機関そして公益財団法人ふるさと島根定住財団のことを指しているのだ
そうだ。
ふるさと島根定住財団は、島根県や国、民間資本で設立された、人口定住促進事業を総合的に
進めるための機関で、設立は1992年。同様の機関は他県にも存在するが、島根は4番目という
早さで立ち上げを行っている。平成4年というのは、島根県において死亡者数が出生数を上回
り、自然減に転じた年でもあり、県はこの年を”定住元年”と位置付けているそうだ。
簡単に”オールしまね”と言ってはいるが、実はこれを成し遂げるには多くのハードルが待ち
構えていた。まずは、県と各市町村の足並みをそろえることの難しさである。現況やニーズの
異なる各市町村の状況把握や共有、リアルタイムな情報管理、受入制度や支援プログラムの整
備などはもちろん、現場担当者の連携なども重要なポイントになってくる。それらを実現させ
るための予算確保も必要だ。
それらを専門的に進める財団を設立し、2004年には雇用アドバイザーを導入、2010年には全19
市町村に定住支援員を配置するなど、20年以上にわたる長期的プロジェクトの成果が、「多く
の人が移住してみたい場所」として認知されるという形に現れたのだと、嘉本リーダーと黒崎
主任主事は分析している。
特徴的な支援にも注目。HOTワードは”教育””自己実現”
これまでは各市町村が、限られた予算のなかで個々に実施するしかなかった定住促進施策だが
、”オールしまね”として総合的に実施できる体制を進めたこともあり、島根県は実に多彩な
、かつ特徴のある定住促進・定住支援プログラムを展開している。
●島根県が展開している定住促進・支援プログラム
・総合ポータルサイト「くらしまねっと」での情報発信
・東京・大阪・広島で定期的に実施している全市町村参加の「しまねUIターンフェア」
・都市部への定住アドバイザーや人材誘致コーディネーターの配置
・農業や漁業などを志す人を対象にした長期体験プログラム「UIターンしまね産業体験」
・移住を前提としない”島根とかかわりをもつ”ことを出発点とした講座型プログラム「しま
コトアカデミー」
・グリーンツーリズムを定住と連結させた「しまね田舎ツーリズム」など
農山漁村でのくらしを体験する「しまね田舎ツーリズム」などは近年、若い世代にも共感を呼
び、大きな注目を集めている(しまね田舎ツーリズムは、ロハスクラブ主催のロハスデザイン
大賞で、3年連続・コト部門大賞を獲得)。
実際、県が把握しているUIターン者の数は2015年度で4252名。毎年約4000~5000人で推移して
いる県の減少人口(転出者と死亡者の合計)に匹敵する数の人が流入していることになる。こ
の数を見ても、これまでの定住関連の取り組みの成否は問うべくもないだろう。
さらに、県外の高校生を県内19の学校が積極的に受け入れる「しまね留学」など、新たな枠組
みの構築にも余念がない。まさに定住促進において島根県は国内有数の先進県といえそうだ。
「まだまだこれからです!」と熱く語る、嘉本リーダーと黒崎主任主事。お二人の話を伺って
、”オールしまね”を実現させた背景には、行政機関や財団などの組織による機能的な連携の
実現によるところが大きいが、それ以上に「島根を元気にしたい」という”人の想い”の集積
が、最大の成功要因なのだと感じた。

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27 京王電鉄、高齢者に郊外から駅前へ住み替え促す 住宅・老人ホーム整備 2017/2/7
日経産業新聞
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 京王電鉄は京王線聖蹟桜ケ丘駅(東京都多摩市)周辺へ高齢者の住み替えを促す。駅前で2月
にサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)を開業。昨年、駅近くに開設した介護付き有料老人
ホームとともに郊外住宅地からの移住を促す。高台の住宅地から利便性を求めて住み替える高
齢者のニーズに応えることで沿線からの流出を防ぎ、地域の活力維持につなげる狙いだ。
 2月に開業した「スマイラス聖蹟桜ケ丘」は同駅から徒歩2分の同社所有地(約1600平方メー
トル)に建設した。5階建てで面積約28~34平方メートルの1人用が47戸、同51~60平方メート
ルの2人用は6戸ある。食堂や図書室、各階のサンルームなど共有スペースも設けた。

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28 3Dプリンターで造形自在、セメント系の新材料を開発 2017/2/6 日経産業新聞
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 太平洋セメントは3Dプリンターで自由な造形ができるセメントベースの無機系材料を開発
した。樹脂など有機系材料に比べ強度が高く、風雨にも強い。屋外で使用する建築部材などの
造形に適しているという。3Dプリンターを使えば型枠が必要なコンクリート工法にはできな
い造形が可能になり、建築デザインの自由度が増す。近くサンプル出荷を始め、用途開発を急
ぐ考えだ。

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29 BIJ、簡易宿泊施設を50軒展開へ 2017/2/2 日経産業新聞
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 太陽光発電システム販売のBIJ(東京・渋谷、木地貴雄社長)は、2020年5月期までに50
軒の簡易宿泊施設の展開を目指す。宿泊施設は投資家を募って建設してもらい、同社が借り受
けて運営する考え。BIJは主力の太陽光発電の買い取り価格が下がり、経営環境が悪化。事
業を多角化することで新しい収益源を育成する。

2017-02-09 | Posted in 住宅関連新聞記事Comments Closed