住宅関連新聞記事ダイジェスト No.684  2017/05/11~2017/05/17

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住宅関連新聞記事ダイジェスト No.684  2017/05/11~2017/05/17
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【日本経済新聞】
1 イーグランド、中古住宅販売がけん引
2 ニチハ、増配
3 香川で樹脂窓増産 YKKAP、11億円投じ新ライン
4 ニュータウンに若い世代流入 新旧交流、にぎわい生む
5 中古マンションのリノベ 壁・配管・階高をチェック
6 三井ホーム、営業増益
7 インベスターズクラウド、アパート仲介好調
8 クワザワ、リフォームに注力
9 放置すればリスク大 空き家でも欠かせぬ火災保険
10 瀬戸内に黒船 米大手が民泊で開く、訪日観光の後進地
11 戸建て受注、大手7社中4社が前年割れ 4月
12 三井不の18年3月期、6%増の1400億円 4期連続最高益更新
13 福井コンピュータ、住宅の仮想現実体験システム 新機能を追加
14 納得住宅工房、売上高倍増80億円へ 新システムで商談など円滑化
15 人口減にらみコンパクトな街を目指せ
16 吉祥寺、西宮北口…「住みたい街」は賃料も高い?

【朝日新聞】
17 地方公共団体と協定締結式を実施 住宅金融支援機構
18 建設現場を応援するメディアサイトを開設 C4
19 10月に米国賃貸管理業視察ツアー開催 日管協
20 4月中古マンション成約数 再び減少 東日本レインズ
21 IT重説活用セミナーを5月25日開催 いい生活
22 2016年度の上場企業不動産売却、77社に増加 東証リサーチ
23 4月倒産件数は650件、3カ月連続の前年同月比増 TDB
24 民泊を考える研究会、5月24日開催 日管協
25 UR都市機構 5月の高齢者向け優良賃貸住宅の入居者募集開始

【読売新聞】
26 タワーマンションの防災対策レポート[後編] 震災後に竣工/「晴海タワーズ ティアロ
レジデンス」
27 施主も一緒に。新しい住まいのつくり方[4] 新築住宅を自分好みに“育てる”
28 中古マンションの売出価格をどうやって決める?売出時と成約時の価格変化から分析し
てみた
29 施主も一緒に。新しい住まいのつくり方[3] 参加しないなんてもったいない。家族でつ
くる団らんの場
30 タワーマンションの防災対策レポート[前編] 震災を経験/「シティタワーズ豊洲ザ・ツ
イン」
31 施主も一緒に。新しい住まいのつくり方[2] “即興ライブ”のような家づくり
32 もう隣人のタバコに悩まされない!「禁煙マンション」ってどんなマンション?
33 新築マンション「非分譲住戸数」23区では港区が最多、等価交換事業等での開発が要因
、東京カンテイ

【日経産業新聞】
34 セメント品質 ロボが分析 トクヤマ
35 住友ベークライト、におわず長持ちする防カビフィルムを開発
36 太陽光のサンテックパワー、パネル工場を保守管理拠点に 事業モデル転換
37 電気代、大手より7%安く 新電力の長谷工アネシス、光回線+ネットをセットで

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1 イーグランド、中古住宅販売がけん引 2017/5/17 日本経済新聞
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【中古住宅販売がけん引】事業エリアは首都圏、関西とも広げ、中古住宅の再生販売が伸びる
。投資用マンションの販売も好調で増収。仕入れる物件は採算重視で選別を進め、利益率が向
上。営業拠点の再編・強化も奏功し、税引き利益は増加。年間配当は8円増。

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2 ニチハ、増配 2017/5/17 日本経済新聞
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【増配】住宅市場は国内で新設住宅着工戸数が弱含みで推移する見通し。市場縮小する国内で
は高付加価値商品などの拡販や非住宅市場向けの販路拡大を進める。海外では堅調が見込まれ
る米国市場などに注力。全体の売上高は微増を確保する。合理化やコスト削減を進め増益、3
円増配し年間配当55円に。

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3 香川で樹脂窓増産 YKKAP、11億円投じ新ライン 2017/5/17 日本経済新聞
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 YKKAPは四国製造所(香川県宇多津町)に樹脂製の枠を採用した窓製品の生産ラインを
新設する。早ければ2017年中に稼働する。投資額は約11億円で新たに20人を雇用する。アルミ
窓に比べて省エネ効果に優れた樹脂窓の需要拡大に対応し、神戸市にある西日本向けの基幹工
場を補完して増産体制を築く。
 建物総面積約18万平方メートルの同製造所内の余剰スペース約4600平方メートルに樹脂窓の
主力ブランド「APW」シリーズの新ラインを導入する。生産能力は検討中という。香川県か
ら県企業誘致条例に基づき新規雇用数に応じて助成金を得る。
 これまで同製造所は窓製品ではアルミ製が主力だった。樹脂窓や、アルミに樹脂を組み合わ
せた複合窓の製造拠点として機能を強化する。
 同社のAPWシリーズは熱伝導率がアルミより大幅に低い樹脂製の枠に加え、重ねた特殊な
ガラスの層に熱を伝えにくいガスを注入し、高い断熱性を実現したという。冷暖房費を抑える
省エネ建材として戸建て住宅の新築・リフォーム向けの需要を取り込む。

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4 ニュータウンに若い世代流入 新旧交流、にぎわい生む 2017/5/17 日本経済新聞
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みなで野菜づくり、シニアから声掛け
 戦後、各地で開発されたニュータウンも誕生から50年を超え、20~30代だった住民もシニア
になった。活気が乏しくなるなか、4~5年前から建て替えなどで若い世代が流入。昔から住む
住民と断絶する傾向もあったが、最近は積極的に世代間交流を図る動きも広がる。そうした街
では、昔のにぎわいが戻っている。

 ◇    ◇    ◇

 「ダンゴムシだ」。土遊びをしていた男児が丸くなった虫を得意そうに見せる。別の男児は
土から抜いた野菜を見て「これ、何」と尋ね、年配の男性が「それは高菜だよ」と答える。
 ここは日本初の大規模ニュータウン、千里ニュータウンの一角にある北丘小学校(大阪府豊
中市)の校庭。自治会などで成る新千里北町地域自治協議会の子育てサークル部会が開く「畑
のある交流サロン」だ。

■3歳から80代まで
 同サロンは住民の交流の場として、空き校庭を耕した畑で2年前から週2回、野菜づくりにい
そしむ。メンバーは子ども8人、大人26人。3歳から80代まで幅広い。収穫した野菜でカレーや
芋ごはんを作ったり、セミの羽化観察やドングリ検定などで高齢者が子どもに教えることもあ
る。
 千里ニュータウンは住民の高齢化が目立つ。一方、新築マンションに住む子育て世代も増え
ている。北町地域の高齢化率は2010年の37.7%をピークに下がり、16年は35%だった。逆に15
歳未満の子ども率は10年の8.7%から16年には12.1%に上昇。若い世代が流入してきた当初は、
古くから住むシニア世代と街ですれ違っても挨拶もないこともあった。接点のない新旧住民が
どう交わったらいいかが課題だった。
 4歳と小1の息子2人とサロンに参加する小八木明子さん(33)は、千里に住んで5年がたつ。
佐賀県出身で、子どもが祖父母に会うのは年に1、2回。「地域の人から昔の話が聞けて楽しい
。子どもには第二のおじいちゃん、おばあちゃんができたみたい」と話す。
 野菜づくりを指導する戸松昭次さん(81)は「孫のような子どもと接する機会ができてうれ
しい。高齢化が進み街ににぎやかさがなくなったが、若い人たちが入ってきて活気が戻ってき
た」と目を細める。
 子育てサークル部会長の浅野博光さん(64)は「同じ地域に住んでいるのに交流もせずバラ
バラなのはもったいない。サロンは新旧の世代間交流だけでなく、旧住民同士や新住民同士の
交流の場にもなっている」と手応えを感じている。
 東京西部の多摩ニュータウンでも新旧の住民が世代間交流に励む例がある。4年前、老朽化し
た5階建ての団地23棟が並ぶ多摩市の「諏訪2丁目住宅」を、11~14階建てのマンション7棟に建
て替えた大規模プロジェクトだ。戸数が640から1249に増え、旧住民と新住民が混住する巨大マ
ンション群が誕生した。

■まずはあいさつ
 「新旧住民のギャップをどう埋めるか頭をひねった」。そう話すのは前理事長の加藤輝雄さ
ん(70)。手始めが、挨拶だった。旧住民が若い親子連れを見かけたら、「どこから来たんで
すか」「お子さんは何歳?」などと気軽に声を掛けることから始めた。
 管理組合の理事会も新旧住民の理事が名を連ね、積極的に意見交換している。夏祭りやクリ
スマス、餅つきなどの行事も盛りだくさん。ヨガやカラオケ、自転車などのサークル活動も盛
んで、新旧住民が参加する場が広がっている。
 加藤さんは「団地と言えば閉じられた世界という印象が強いが、ここはちがう。以前は空き
家も目立ち活気が乏しかったが、今は子どもの声が響き明るい雰囲気になった」と喜ぶ。
 変わりダネでは団地に学生を呼び込み住民と交流させる事例もある。大東文化大学が08年度
から始めた教育事業だ。高島平団地(東京・板橋)の空き店舗を借り、学生が中心になって読
書会や書道教室、中国語教室を開いて住民を招く。
 中国語教室に通う女性(73)は「日常生活では学生と接する機会がないので刺激がある」と
話す。この動きは多摩大の学生が多摩ニュータウンの住民と交流するなど、他地域にも広がり
つつある。
 ニュータウンは同じ年齢構成の人が集まりやすく、高齢化すると一気に活気がなくなる危険
がある。それを防ぐには若い世代を呼び込み、世代間交流を促すことが重要。それを円滑に進
めるには、畑のある交流サロンのような場づくりや、諏訪2丁目住宅の加藤前理事長のような強
力な指導力を発揮する人材が求められそうだ。

 ◇    ◇    ◇

■年齢構成、建て替えで変化
 初期に開発されたニュータウンでは今なお住み続ける人が多く、高齢化が目立つ。多摩ニュ
ータウンでいち早く開発された諏訪2丁目住宅を例に見てみよう。まちづくりの研究者らが2014
年9月、住民に尋ねたアンケート調査(回収率約52%)によると、マンションに建て替える前の
居住者の年齢構成は70~74歳が最も多く、65~69歳が続いた。
 一方、同じ調査で建て替え後に入居した居住者は30代が最多で、0~4歳も多かった。両者の
人数をグラフに重ね合わせると、60~74歳、30代、0~4歳の3つの山ができた。建て替えが進む
と若年人口が増え、均衡の取れた年齢構成になることがわかった。

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5 中古マンションのリノベ 壁・配管・階高をチェック 2017/5/17 日本経済新聞
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不動産コンサルタント 田中歩
 世の中にはたくさんの「リノベーション済みマンション(改修済みの中古マンション)」が
売り出されています。一方で「立地や建物の設備のグレード、質感は良いが、内装が自分の好
みではない」「業者に必要以上に作り込まれたものは嫌」「リノベーション済みの物件は、後
々のトラブルが怖い」といった声も多く聞かれるようになってきました。それならば全く手が
加えられていない中古マンションを見つけ、自分の好きなようにリノベーションする。最近は
こう考える人が増えています。
 マンションをリノベーションする際、注意が必要なのが構造上の制限です。問題なのは、こ
うした制限をあまり知らない不動産業者が多いこと。せっかく気に入ったマンションを見つけ
ても、思うようにリノベーションできないことが後になって判明することも多々あるのです。
 そこで、リノベーションするなら知っておきたい3つのポイントを紹介します。

■その1:構造壁の位置を知る
 マンションには手を加えられる部分と、そうでない部分があります。専有部分は手を加えら
れますが、共用部分はマンションの所有者の共有物なので勝手に手を加えることはできません

 共用部分とは構造壁(コンクリートの壁)、玄関扉、窓、サッシ、バルコニーなどです。間
取りを大きく変えたいからといって、構造壁を解体したり、穴を開けたりするのはご法度。た
だ構造壁以外の壁は解体することができるので、構造壁の位置が把握できてさえいれば、どの
程度、自由に間取りを変えられるかがつかめます。

■その2:配管ルートを確認
 マンションの配管は、共用部分にある「たて配管」と専有部分にある「横引き管」に分かれ
ます。横引き管が老朽化して水漏れなどを起こすと、階下に迷惑をかけることになるので、中
古マンションを購入する際は注意したい部分の一つです。
「床上配管」は専有部分の床上に横引き管があるので、自由に交換・修繕できます。そのうえ
床上でたて配管とつながっているので、メンテナンスや交換も容易。ただ配管が露出しており
、見た目が気になる人がいるかもしれません。
 1990年代後半までに建築されたマンションだと、フローリングとコンクリート床との間、つ
まり床下部分に配管を固定してはわせる方式が主流です。専有部分の床下に配管があるので、
こちらも自由に交換・修繕ができ、配管も露出していないので見た目もすっきりしますが、工
事の際にはフローリングを解体せざるを得ず、コストはかさみます。
 もっと古いマンションになると、コンクリート床の中に配管が埋め込まれているものや、コ
ンクリート床を貫通して階下の天井に配管をはわせている「スラブ貫通配管」もあります。こ
れらは、どこまで自分で自由に手を入れられるかの判断が難しく、メンテナンスが困難です。
 一方、最近のマンションはメンテナンスがしやすい「サヤ管ヘッダー工法」が主流。サヤ状
の樹脂管に配管を通している同工法では、配管を交換する際、サヤの中に入っている内管を引
き抜き、新しい配管を入れ替えるだけで済むので、フローリングを壊さなくても配管工事がで
きるものもあります。また、もともとのフローリングをはがし、コンクリートの床面から一定
の空間を確保して新しくフローリングを設置。その空間に新たに配管を通すこともできますが
、床を上げた分、天井高が低くなるというデメリットがあります。
 つまり、リノベーションする際には将来のメンテナンスも視野に考える必要があるわけです

■その3:階高は290センチ以上が望ましい
 部屋のコンクリート床面から上の階のコンクリート床面までの高さを「階高(かいだか)」
と呼びます。「天井高」という言葉はよく聞くと思いますが、これは室内のフローリング面か
ら天井面までの内側の高さです。
 古いマンションでは、コンクリート床に直接カーペットを貼る「直床(じかゆか)」、コン
クリート天井に直接壁紙を貼る「直天井」が多かったのですが、最近では間取りの変更がしや
すい「二重天井」「二重床」が多くなっています。二重天井ならば照明の配線が自由にでき、
二重床であれば水回りの配置の自由度が高まります。
 しかし、二重にすると天井高は低くなります。一般に、二重天井は約8センチ、二重床は約12
センチの厚みが必要なので、これだけで約20センチも天井高に影響を及ぼします。最近のマン
ションだと、コンクリート床の厚みが約20センチ。二重天井、二重床、コンクリート床のそれ
ぞれの厚みを合計すると、約40センチです。逆算すると、天井高を250センチ以上にしたい場合
の階高は最低290センチ必要、ということになります。
 階高が290センチ以上となると、2000年以前のマンションだと物件の数は少なく、リビングの
一部を直天井にして高さを保つなどの工夫をする人が多いようです。

■竣工図を見て現地見学を
 では構造壁の位置や配管ルート、階高をどうやって調べればよいのでしょうか。まずは不動
産業者に確認します。スムーズに答えてもらえない場合は、竣工図を見せてもらい、そのうえ
で現地を見学するとよいでしょう。最近では、リノベーションに詳しいホームインスペクター
(住宅診断士)、設計士、工務店などの専門家が物件の見学に同行してくれるサービスもあり
ますので、利用してみるのも一案です。

田中歩
1991年三菱信託銀行(現・三菱UFJ信託銀行)入行。企業不動産・相続不動産コンサルティング
などを切り口に不動産売買・活用・ファイナンスなどの業務に17年間従事。その後独立し、ラ
イフシミュレーション付き住宅購入サポート、ホームインスペクション付き住宅売買コンサル
ティング仲介など、ユーザー目線のサービスを提供。2014年11月から「さくら事務所」執行役
員として、総合不動産コンサルティング事業の企画運営を担う。

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6 三井ホーム、営業増益 2017/5/16 日本経済新聞
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【営業増益】住宅向けリフォームやオフィスやホテルの改装需要が伸びる。新築事業では期初
の受注残高が前期を小幅に上回る。医療施設や商業施設など新規顧客も獲得し増収。期末に集
中していた着工・引き渡しの平準化や人件費の抑制に取り組み、利益率が向上。営業増益。

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7 インベスターズクラウド、アパート仲介好調 2017/5/16 日本経済新聞
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【アパート仲介好調】主力の賃貸アパート仲介事業はスマホアプリで相談できるサービスで登
録会員数が増加。契約数も伸び、増収。クラウドファンディングでの不動産投資も堅調で最終
増益。20円増配。
【提携】住宅ローンの借り換えサービスなどを提供するMFSと提携し住宅ローン診断サービ
ス開始。

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8 クワザワ、リフォームに注力 2017/5/16 日本経済新聞
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【リフォームに注力】新設住宅着工戸数の減少を見据えてリフォーム市場の需要を開拓する。
札幌市に新設したショールームなどを生かし販売を強化。住宅関連資材は成長する環境分野に
太陽光発電など創エネ・省エネ関連商品を投入。全体は小幅増収。仮設資材リース会社の買収
が寄与し営業益は増える。

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9 放置すればリスク大 空き家でも欠かせぬ火災保険 2017/5/16 日本経済新聞
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 契約はしたものの、細かな内容はよく知らない――。生命保険や損害保険の契約者の中には
、こんな人も少なくないだろう。だが、保険は契約条項ひとつで受けられる補償が大きく変わ
る上、新たなサービスも続々と登場している。本コラムでは、生命保険と損害保険を交互に取
り上げ、保険選びの上で知っておきたい知識を解説する。

◇  ◇  ◇

 親の死亡や施設入居などで空き家になった実家。その管理の手間やコスト負担に頭を悩ます
人は少なくない。自分の住まいを既に得ていたり、遠方に住んでいたりする子世代には、まさ
に重荷だ。処分したくても買い手がないという状況もある。持て余し、結果として放置するケ
ースも耳にする。
 だが、放置された空き家は時間がたつにつれて防災上・防犯上の危険が増す。不審者が入り
込み放火するかもしれないし、管理不備で傷んだ家は台風や地震などで被災しやすくもなる。
こうしたトラブルが一度発生すれば、建物の取り壊しや残存物の片付けが必要となり、数百万
円レベルの費用負担を強いられることもあり得る。
 それだけではない。空き家トラブルで他人を死傷させたり、ものに損害を与えたりして法律
上の損害賠償責任を問われる可能性もある。その賠償額は予測もつかない。
 好むと好まざるにかかわらず、空き家を所有する限り管理や費用負担は必須。怠れば、子世
代が自らの生活設計を犠牲にせざるを得ない事態も起こるのである。
 空き家がもたらす偶発的なトラブルへの経済的備えとして、火災保険は欠かせない。「住ま
ないから不要」ではなく、「住んでいないから増すリスク」にこそ、十分な対応が必要なのだ

 実家が空き家になると、親が住んでいた頃にかけていた住宅向け火災保険は継続できず、事
務所や店舗向けの事業物件用の火災保険に入り直すことになる。補償内容は、火災をはじめ風
・水害やその他偶然の事故について、ほぼ住宅同様にカバーが可能だ。ただし、事業物件扱い
となるため地震保険はかけられない。空き家では地震被害に対する補償手段がないことは知っ
ておきたい。
 加えて、空き家が原因で生じた他人への損害賠償に備えるため、施設賠償責任保険の契約も
必要だ。
 補償内容をほぼ同条件とした場合の、使用中の住宅と空き家との年間保険料を比較したのが
下の表。賠償責任保険を含めた年間保険料は、空き家の方が約1万2000円高い。住まない家の方
が、維持コストは高くなるわけだ。

注:東京都の木造住宅(H構造)、保険期間1年として損害保険ジャパン日本興亜の商品で試算
。*1=店舗総合保険は風災・ひょう災・雪災では損害額20万円以上の場合が対象 *2=店舗
総合保険は水災では損害の程度に応じて3段階の保険金支払い
 国内の空き家総数は現在約820万戸。団塊世代の高齢化に伴い今後さらに増加するとみられて
おり、実家の取り扱いに悩む子世代も一段と増えることだろう。
 住宅の所有には、言うまでもなく相応のコストが必要とされる。住宅の取得理由の多くは「
家族のため」。だが、時間の経過に伴い家族の形態は変わっていく。今だけではなく、自らが
高齢者になり、そしてこの世からいなくなった時のことも考え、子世代に“負の資産”を残さ
ない住まい方を考えるべき時代が来ている。

清水香
 生活設計塾クルー。学生時代から生損保代理店業務に携わり、2001年、独立系FPとしてフリ
ーランスに転身。翌年、生活設計塾クルー取締役に就任。『地震保険はこうして決めなさい』
(ダイヤモンド社)など著書多数。財務省「地震保険に関するプロジェクトチーム」委員。

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10 瀬戸内に黒船 米大手が民泊で開く、訪日観光の後進地 2017/5/16 日本経済新聞
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エアビーとエクスペディア子会社がそろい踏み
 四国・中国の瀬戸内地域で、民泊仲介の世界大手が相次いで宿泊施設の開拓に乗り出した。
米エアビーアンドビーは高松市のNPO法人と組み、離島などの古民家を改装した施設の予約受け
付けを始めた。旅行予約サイト運営、米エクスペディア子会社の米ホームアウェイも地元の観
光団体と提携し、このほど古い町並みが残る愛媛県内子町の施設を掲載した。民泊をきっかけ
に、訪日外国人(インバウンド)の少なかった地域にも新たな人の流れが生まれる可能性があ
る。
 エアビーアンドビーと地域振興に取り組むNPO法人アーキペラゴ(高松市)は香川県内の宿泊
施設の開拓で連携する。このほどアーキペラゴの紹介で高松港そばの「瀬戸内ステイ 北浜住
吉」と女木島の海辺にある「同 女木島ビーチアパート」がエアビーに登録した。古い民家や
海の家を旅館業法に基づく「簡易宿所」に改装し、それぞれ2014年と16年に開業した施設だ。
 北浜住吉は6人まで泊まれて料金は1泊約2万2000円(5人以上は追加料金が必要)。女木島は1
5人まで泊まれて1泊約11万円(1部屋は約1万6000円)。従来も自社サイトなどで1日1組に1棟貸
ししていたが、エアビーへの登録により稼働率の向上を見込む。
 アーキペラゴはアートによる地域おこしなどに取り組み、瀬戸内国際芸術祭を通じて会場の
島々とも深い関わりを持つことから、これを第1弾として県内に24ある有人島を中心にエアビー
への宿泊施設の登録拡大を後押しする。
 エアビーの登録に向けては簡易宿所の許可取得を求めるなど体制整備に協力し、既存の宿泊
業者や住民などの理解を得られるよう配慮する。瀬戸内海での双胴船クルーズなど体験型観光
のメニューもそろえ、宿泊と組み合わせて国内外からの観光客の滞在を促す。
 民泊仲介大手の米ホームアウェイは瀬戸内沿岸7県の官民でつくる観光推進組織「せとうちDM
O」を構成する瀬戸内ブランドコーポレーション(広島市)と業務提携した。同社が開発に携わ
り1棟単位で貸し出す民泊などの宿泊施設を、ホームアウェイのサイトに掲載する。
 まず愛媛県内子町の2施設の掲載を始めた。いずれも使われていなかった古民家や蔵を改装し
、簡易宿所に転用した。サイトには瀬戸内の特集ページも開設。影響力のあるブロガーを招い
て宿泊体験記も流し、交流サイト(SNS)やブログ、メールマガジンで情報を拡散する。
 ホームアウェイは予約者の性別や年齢、国籍、人数、宿泊日数などのデータとアンケート結
果を瀬戸内ブランドコーポレーションに提供する。同社が今後5年で100カ所に計画している宿
泊施設の開発に役立ててもらう考えだ。
 香川、愛媛など四国4県の総住宅数に占める空き家率は首位の山梨県に次いで上位に並ぶ。十
分住めるにもかかわらず、都市部に住む所有者が管理に悩む物件は少なくない。外国人延べ宿
泊者数の全国シェアは四国全体でも1%に満たないインバウンド後進地だが、瀬戸内海の多島美
など観光地としての潜在力は高い。

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11 戸建て受注、大手7社中4社が前年割れ 4月 2017/5/15 日本経済新聞
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 戸建て住宅メーカー大手7社の4月の受注状況(金額ベース、速報値)が15日出そろった。
7社中4社が前年実績を下回った。前年同月比で住友林業が10%、積水ハウスが9%それぞれ
減少したほか、ミサワホームと旭化成ホームズも前年水準を下回った。
 高額な注文住宅に代わり、建て売りの戸建てを購入する消費者が増えたため大手住宅メーカ
ーの受注は伸び悩んだ。

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12 三井不の18年3月期、6%増の1400億円 4期連続最高益更新 2017/5/12 日本経済
新聞
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 三井不動産は12日、2018年3月期の連結純利益が前期比6%増の1400億円になる見通しだと
発表した。4期連続で過去最高を更新する。不動産投資信託(REIT)などへのオフィスビ
ルや物流施設の売却益が増える。住宅販売事業も拡大しそうだ。年間配当は前期実績より2円
多い36円とする。
 売上高は5%増の1兆7900億円を見込む。投資家向けの物件売却益が480億円と38%増える見
通し。低金利下で相対的に利回りの高い不動産への関心は高い。佐藤雅敏取締役は「海外投資
家を中心にニーズは強い」とみている。
 住宅販売戸数は4450戸と24%減るが、都心の高級マンションといった利幅の厚い物件が多い
ため採算が上向く。事業全体では340億円と11%の増益を見込む。オフィスビルの空室率は2%
台と低水準を維持する見通しで、需給の引き締まりを背景に賃料引き上げも進みそう。ただ18
年1月完成の東京・千代田の大型ビルで開業経費がかさみ、賃貸事業の利益は1%減の1350億
円を見込む。
 同日発表した17年3月期の連結決算は純利益が前の期比12%増の1318億円だった。年間配当
は従来予想より2円多い34円(前の期実績は30円)と4円増配した。

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13 福井コンピュータ、住宅の仮想現実体験システム 新機能を追加 2017/5/12 日本経
済新聞
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 福井コンピュータホールディングス(HD)は7月に、同社の3次元建築CAD(コンピュ
ーターによる設計)ソフトと連動した住宅の仮想現実(VR)体験システムを刷新する。ドア
や窓を開閉しての移動、照明の点灯・消灯機能を新たに追加。体験中に壁紙やキッチンなどの
建材変更もできる。工務店や建材メーカーなどに売り込む。
 システムは昨年発売した「アーキトレンドVR」のバージョン2で、HD傘下の福井コンピ
ュータアーキテクトが手掛ける。実際に住宅を歩き回る感覚が得られるため、物件購入前後の
消費者のギャップ解消を助ける。年内をめどに東京や大阪など全国に9カ所ある同社の事業所
やショールームで体験できるようにする計画だ。
 システムの使用には、同社の建築CADソフトとゴーグル型のヘッドマウントディスプレー
(HMD)が必要で、VRシステムを合わせて初期導入費用は200万円程度になる。
 同社は「VRを住宅選びの際に欠かせないサービスにしたい」と意気込む。同システムをて
こに現在約1万1000社ある建築CADの継続契約件数をさらに800社増やしたい考えだ。

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14 納得住宅工房、売上高倍増80億円へ 新システムで商談など円滑化 2017/5/12 日本
経済新聞
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 注文住宅の納得住宅工房(静岡県富士市)は、県内で顧客と商談するスペースやショールー
ムなどを備えた店舗を増やす。現在4店舗だが、年内に約1億円を投じて3店舗を新設する。
注文から設計までの作業に新しいシステムやクラウドを導入し、業務を効率・円滑化。2020年
に連結売上高を80億円と倍増することを目指す。
 現在は静岡市、富士市、浜松市、長泉町に4店舗を持つ。県内の注文住宅市場で認知度が高
まってきたことなどを踏まえ、年内に新たに藤枝、掛川の両市内に店舗を増やす。またデザイ
ン重視のリフォーム需要を取り込むため、リノベーション(改修)に特化した店を別に新設す
る。
 商談の効率化・円滑化のため、今年4月には全店に新たなシステムを導入した。「ALTA
」と呼ばれるプレゼンテーションのシステムを独自に設計。導入コストは1店舗で約500万~60
0万円。
 注文主と相談を重ね、見積もりや図面を設計していたが、ALTAなら「休日の使い方」や
「どんな性格か」といった質問をし、大まかな間取りを入力すれば、生活様式に合わせた仮の
図面が出来上がる。注文主が想像しやすく、まだ注文を決めていない見込み客が取り込みやす
くなる。
 契約が成立すれば同社の設計者が実際に設計図を引く。その図面をALTAに読み込ませる
と、建物の強度を示す壁量計算や建築確認申請に用いるデータが自動的に打ち出される。設計
図とデータを自社クラウドで送信、専属的に契約している業者に発注する。
 同社はインテリアやキッチン、フローリング、ドアなどで自社のオリジナル商品を提供。高
品質の素材や家具にこだわった家造りを手掛ける。独自調達で付加価値の高い素材を基本とし
、価格の上昇を抑えている。塗り壁はしっくいなら通常1平メートル当たり約2500円だが、同
社は専属契約の施工業者と一括で計算するため1000円以上安価になるという。
 132平方メートル程度の土地に2階建てで4LDKの住宅を作る場合、大手の工務店ならおよ
そ4000万円ほどかかるが、2500万円強に抑えられるという。注文住宅は標準価格が低くてもオ
プションで値段が上がることが多いが、同社は「高品質を標準化する」(久保淳社長)ことで
競争力を上げる。
 同社は1999年創業で16年6月期の連結売上高は約40億円だった。

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15 人口減にらみコンパクトな街を目指せ 2017/5/12 日本経済新聞
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 全国の自治体で住宅や商業・福祉施設などを一定の区域に誘導する「立地適正化計画」の策
定が広がっている。地方の人口減少が加速するなかで、郊外での無秩序な開発に歯止めをかけ
、コンパクトな都市構造に転換することが求められているためだ。
 市町村がつくる同計画では、住宅を集める「居住誘導区域」と、店舗や病院、学校などの立
地を促す「都市機能誘導区域」を設ける。市街化区域よりも狭い範囲にそれぞれ設定すること
になっており、時間をかけて街を縮め、人口密度を維持する狙いがある。
 背景にあるのは地方都市のにぎわいの喪失だ。特に、県庁所在市に次ぐ第2、第3の都市の
衰退が著しい。このまま人口密度が低下すると、スーパーのような生活に欠かせない店や施設
の撤退が加速しかねない。
 団塊世代がすべて75歳以上になる2025年ごろには、車を運転できない高齢者が急増する。現
在のように通勤から通院、買い物まで車に依存せざるを得ない都市構造では暮らしづらくなる
。そうなる前に様々な機能を一定の区域に集約しようというのが同計画だ。
 特に重要になるのが住宅の立地だ。駅やバス停に近い地域に誘導し、公共交通や徒歩で移動
できる街に徐々に変えていく必要がある。日常生活で歩く時間が増えれば健康面にもいいだろ
う。サービス付き高齢者向け住宅の郊外立地も抑えてほしい。
 老朽化した公共施設についても街なかでの集約を積極的に進めるべきだ。コンパクトな街に
なれば、訪問介護の事業者などの生産性も高まる。
 車への過度な依存を改めるカギとなるのが公共交通網の充実だ。この点では住民の協力が欠
かせない。岐阜市では地域住民が協議会を設けてコミュニティーバスのルートやダイヤ、運賃
を決め、利用増につなげている。
 市町村がすでに策定した計画をみると、熊本市や山形県鶴岡市などのように居住区域の縮小
に積極的な地域がある一方で、都市機能区域だけを設けて居住区域は先送りしたところもある
。人口減少時代の都市のあり方について自治体はもっと真剣に検討すべきだ。
 同計画の策定を後押ししているのは国土交通省だが、政府全体で取り組むべき課題だろう。
過疎対策などと同時に地方都市の再生にもっと力を入れてほしい。

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16 吉祥寺、西宮北口…「住みたい街」は賃料も高い? 2017/5/11 日本経済新聞
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吉祥寺は駅の近くだと値ごろな物件は探しづらい
 春の引っ越しシーズンが過ぎ、新居での生活を始めた人も多いだろう。職場へのアクセスや
家賃との兼ね合いでどこに住むか決めた一方、「いつかはあの地域に住んでみたい」という願
望もあるはず。「住みたい街」ランキングは毎年話題になるが、実際に住むとしたらいくらか
かるだろうか。リクルート住まいカンパニーが4月までに公表した「SUUMO住みたい街ラ
ンキング2017」の賃貸相場から街の魅力を探ってみた。間取りは便宜的に独身~家族構成の少
ない段階の世帯などが探しやすそうな1LDKが対象。3LDKなど、より広い間取りで考え
たい場合は数万円プラスしてイメージしてほしい。

■吉祥寺と恵比寿の差は7万円だが…
 街ごとの賃貸相場(1LDK)と照らし合わせると、関東の10位以内の街はすべて賃貸相場
が月10万円を超えており、関西や九州と比べて高さが目立つ。近年「住みたい街」として激し
い首位攻防戦をくり広げるのが、どちらも東京都内の吉祥寺と恵比寿だ。今回は2年ぶりに吉
祥寺が首位を取り戻した。
 「吉祥寺エリア」として目安となる賃貸相場は10万6千円。恵比寿より約7万円低く、首位
争いといっても回答者の求めるものがかなり異なる。吉祥寺は今年で開園から100年となる井の
頭公園を中心に、自然を生かした街並みが魅力となっている。とくにファミリー層の支持が強
い。一方、恵比寿は独身者とDINKS(共働きで子供のいない世帯)による「住みたい」と
の回答が多く、総合ランクで16年に首位、今回は2位となった。実際に住むかどうかは別とし
て、子育ての環境という観点より「住んでみたい高級住宅街」として選んだようだ。
 ただ、本当に住むとなると必ずしも「吉祥寺は恵比寿より安い」とは言いきれないのが難し
いところだ。リクルート住まいカンパニーの池本洋一SUUMO編集長は「都内の他の街と比
べ、吉祥寺は広めにエリアを認識されている傾向がある」と話す。
 不動産業者によっては「吉祥寺駅からバス20分」でも吉祥寺エリアとして掲載してあり、実
際には南側を走る京王線の仙川や千歳烏山のほうが近いケースもある。北側も同様で、西武新
宿線の武蔵関や上石神井のほうが最寄り駅であっても「吉祥寺から〇分」との表示をまず目立
たせる物件もある。実際に吉祥寺駅を通勤に使う場合、値ごろな物件は徒歩15分以上かかる例
が少なくない。吉祥寺駅から歩いて10分以内だと、1LDKで月18万~20万円する物件も多い

 半面、家賃がやや高くても「住みたい街」ランキングで躍進したのが品川だ。目安の賃料は
1LDKで14万9千円だが、16年の13位から17年は5位へと大幅上昇した。池本編集長は「街
の魅力は従来のおしゃれ感だけでなく、再開発、コストパフォーマンス(コスパ)、郊外の中
核地域などもキーワードになっている」とみる。
関西では「なんば」が前回の7位から3位へと急上昇した。1位の西宮北口と比べて目安の
賃料は約2万円高い9万円だが、品川と同じく再開発が多くの回答者を引き寄せた。南海なん
ば駅の近隣では、地上30階建ての商業ビルが18年にも完成する。大丸心斎橋本館も21年に向け
建て替え工事が進む。

■「穴場の街」1位は北千住
 同社では、さらに「コスパ」を重視した街選びの参考として「穴場だと思う街」のランキン
グも投票結果をまとめた。結局のところ、吉祥寺だと値ごろで内装も良い物件を探すには駅か
ら遠くなりがち。恵比寿のような高級イメージの地区も本当に住むとしたら賃料のハードルが
高い。
 関東の穴場ランキングで1位の北千住(東京・足立)だと駅から徒歩10分以内かつ築年数も
浅い物件(1LDK)が、おおむね11万~13万円台で出ている。つくばエクスプレスが開業し
た2005年ごろから再開発も進み、商業施設や大学の新校舎の効果で学生など若者でにぎわうよ
うになった。都心への交通の便を考えても地下鉄の千代田線に乗ると約15分(7駅)で大手町
に着く。吉祥寺や恵比寿などで駅から遠い「ブランド駅周辺」のステータスを手に入れるより
、実用的で「コスパ」に優れているかもしれない。
 「関東の穴場」2位の赤羽(東京・北)も再開発が進むエリアで、北千住と同様に大学の新
キャンパスを誘致した。学生を呼びこむことで活気を演出しつつ、耐震性に不安のあった団地
を建て替えるなどして街全体の若返りも図っている。JR湘南新宿ラインだと新宿まで約16分
(2駅)で着く。
 関西もアクセスの便利さや再開発の進むエリアに注目が集まっている。穴場ランキングで1
位の東三国は地下鉄の御堂筋線を使うと新大阪の隣駅で、新幹線に乗りやすい。梅田にも約7
分(4駅)で出られる。目安の賃料は7万4千円と、梅田より2万4千円安い。さらに関西の
穴場2位の中津は総合ランキングでも20位と、2年前の44位から大幅にアップした。目安の賃
料は8万9千円と東三国よりは高くなるが、東京と比べると安く住めて梅田にはすぐ行ける。
 一方、初の調査となった九州(福岡)は博多が1位で、関東や関西よりも住みたいエリアと
経済の中心地が同一となっている。広島や仙台、札幌など他の地方都市でも同様の傾向がある
。家賃はおしなべて東京や大阪より安いが、地方都市のほうが車社会なので駅前にそこまでこ
だわる必要がないのも要因として考えられる。全国の「住みたい街」の賃料を比較すると、総
合ランキングで上位なのに安い場合は「街のエリアが広い」と捉えられるようだ。住みたい街
で駅に近く利便性の優れた物件を選べばコストがかかるため、これから伸びる「穴場の街」を
探すのも一手のようだ。

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17 地方公共団体と協定締結式を実施 住宅金融支援機構 2017/5/17 朝日新聞
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 住宅金融支援機構は5月25日に約55の地方公共団体と協定締結式を行う。4月にフラット35に
ついて創設した、地方との連携による子育て支援・地域活性化推進事業の推進を図るもの。同
機構と協定を締結する地方公共団体が一堂に会する。
 地方の「子育て支援」「UIJターン」「コンパクトシティ形成」施策で、同機構は財政的支援
と併せ、フラット35の金利を引き下げるなど支援する。このような地方公共団体との連携によ
る子育て支援や地域活性化への取り組みは、同機構としては初めてのものとなる。

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18 建設現場を応援するメディアサイトを開設 C4 2017/5/17 朝日新聞
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 建設技術者の人材紹介や人材派遣事業などを行うC4(神奈川県横浜市、上村隆雅社長)は5月10
日、建設業界向けのウェブメディアサイト「施工の神様Powered by 施工管理求人ナビ」を開設
した。施工管理技士の転職や給与、待遇などの最新動向を紹介する「キャリアを考える」カテ
ゴリのほか、~「インタビュー」「失敗を生かす」「技術を知る」などのカテゴリも用意し、「
失敗」と「技術」という二つの視点から施工管理技士の抱える課題にアプローチすることを目
指す。建設現場での実体験やノウハウを生の声として配信、共有することで建設業界全体の技
術向上につなげていくコンセプトだ。

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19 10月に米国賃貸管理業視察ツアー開催 日管協 2017/5/17 朝日新聞
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 日本賃貸住宅管理協会は、10月3日から9日の5泊7日で米国西海岸・ポートランド(オレゴン州
)賃貸管理業視察ツアーを開催する。定員20人(1社2人まで)、参加費は40万円から45万円前後。
先行予約を受け付け、6月下旬に先行予約者に正式申し込みを案内する。
 米国流の賃貸管理システムや投資家意識の高い個人オーナーへの対応方法、築古物件のリノ
ベーション事例などを学ぶ。

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20 4月中古マンション成約数 再び減少 東日本レインズ 2017/5/15 朝日新聞
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 東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は5月15日、4月の首都圏流通動向をまとめた。首都
圏の中古マンションの成約件数は3163件で、前年同月比4.0%減。再び減少に転じた。今年に入
ってからは増加と減少を1カ月おきに繰り返している。中古戸建ての成約件数は1126件で同マイ
ナス3.0%となり、3カ月ぶりに増加した前月から再び減少した。

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21 IT重説活用セミナーを5月25日開催 いい生活 2017/5/12 朝日新聞
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 いい生活は、IT重説活用セミナーを5月25日午後3時から、東京・南麻布の同社本社会議室で
開く。参加費無料。定員20人(1社2人まで)。IT重説の仕組みから活用事例などを解説する。

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22 2016年度の上場企業不動産売却、77社に増加 東証リサーチ 2017/5/12 朝日新聞
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 東京商工リサーチは2016年度の東証1部・2部上場企業の不動産売却調査をまとめた。それに
よると、国内の不動産を売却した上場企業は昨年より7社増加の77社で、2年ぶりに前年度を上
回った。
 譲渡価額の総額は、公表した44社合計で2774億3400万円(見込み額を含む)だった。
 経営不振を補うための事業資産の売却は少なく、余剰資産の遊休地や駐車場、賃貸用不動産
などの売却が半数を超えたとしている。

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23 4月倒産件数は650件、3カ月連続の前年同月比増 TDB 2017/5/12 朝日新聞
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 帝国データバンクによると、17年4月の企業倒産件数は650件(前年同月比1・2%増)で、3カ月
連続で前年同月を上回った。前年同月を3カ月以上連続で上回ったのは、08年6月~09年8月(15
カ月連続)以来、7年8カ月ぶり。
 負債総額は915億1400万円(前月比46・0%減、前年同月比20・0%減)で、00年以降で最小を記録
した。

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24 民泊を考える研究会、5月24日開催 日管協 2017/5/12 朝日新聞
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 日本賃貸住宅管理協会は、平成29年度第1回簡易宿所実務者研究会を5月24日午後4時から、東
京都千代田区の大手町サンスカイルームで開く。申込締切は5月19日、定員は先着順60人、参加
費無料、懇親会は5000円。
 「民泊」を切り口に今後の業界動向を考える。AirbnbJapan、Zens、secaiの3社が民泊の高い
稼働率を維持する方法などを解説する。

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25 UR都市機構 5月の高齢者向け優良賃貸住宅の入居者募集開始 2017/5/11 朝日新聞
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 UR都市機構は5月の高齢者向け優良賃貸住宅の入居者募集を開始する。募集戸数は26戸(21団
地)で、内訳は東京21戸(16団地)、千葉2戸(2団地)、神奈川2戸(2団地)、埼玉1戸(1団地)。申込
本人の年齢が満60歳以上であることが要件で、申込期間は5月20日から26日まで。問い合わせは
東日本賃貸住宅本部募集案内コーナーで、電話0120(411)363。

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26 タワーマンションの防災対策レポート[後編] 震災後に竣工/「晴海タワーズ ティアロ
レジデンス」 2017/5/17 読売新聞
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2011年3月11日の東日本大震災から6年。震災前から建つマンションと、震災後に建てられたマ
ンションとで、防災対策はどのように講じられているのだろうか? 「タワーマンションの防災
対策レポート」前編では、震災を経験した「シティタワーズ豊洲ザ・ツイン」のケースをレポ
ートした。後編では、震災後に建てられ、防災対策に取り組み始めたばかりの「ザ・パークハ
ウス晴海タワーズ ティアロレジデンス」のケースをレポートする。

築1年。震災後に建った晴海タワーズ ティアロレジデンスがはじめたこと
訪れたのは、東京都中央区の「ザ・パークハウス晴海タワーズ ティアロレジデンス」。2016
年に建てられた地上49階地下2階、免震構造のタワーマンションだ。築1年に満たないというこ
ともあり、同年11月に発足した管理組合の理事たちはまだ1期目。その管理組合が、発足6カ月
目の2017年4月に初めての防災訓練を行った。
そもそもの発端は、2016年12月。理事の一人、防災担当のNさんと、ティアロレジデンス自治会
長のTさんが、ほぼ同時期に理事長の牧内真吾さんに防災の取り組みについて相談をもちかけた
ことだった。
「もともと管理会社との契約で、2018年6月までにマンションの防災マニュアルを制定すること
になっていました。マニュアルづくりのための議論を机上で始めるよりは、まずはイベントを
開催してみたほうが課題が見えてくるのではないかという方向に話が進み、管理組合と自治会
の共催で防災訓練をすることになりました」(牧内さん)
地域を管轄する臨港消防署や中央区の防災アドバイザーに相談して助言を求める役割は、防災
担当理事のNさんが担った。臨港消防署は、支援を依頼すると起震車(地震体験車)などの機材
が使える日程を候補日として提示。調整の後に、開催日が決まった。中央区は、区内の約9割の
世帯が集合住宅に住む(2015年国勢調査)というだけあって、マンション、とりわけタワーマ
ンションを含む高層住宅については、防災アドバイザーの派遣や、防災に関するDVDを制作して
貸し出すなど、サポート体制を整えている。牧内さんたちは、防災イベント開催のノウハウを
もつマンション管理会社の協力も得ながら、その都度、ミーティングを開いて準備を進めた。

震度7の揺れ体験、煙体験、消火訓練……約300人が参加した防災訓練
防災訓練当日は、朝8時から管理組合理事や自治会役員が1階エントランスのロビーに集合して
、イベント会場の設営をスタート。9時には2階の共用スペースで災害対策本部設置訓練が、9時
半からは1階防災センターで臨港消防署や警備会社による防災(消防総合)訓練が行われ、居住
者たちも避難階段を使うなどして1階まで降りる避難訓練に参加した。
10時からは火災・地震体験訓練が始まった。避難訓練で1階に降りてきていた居住者たちが、思
い思いのコーナーへと足を運んでいく。エントランス前の屋外スペースとエントランスロビー
は、赤ちゃん連れ、子連れのファミリーから、高齢のご夫婦や女性二人組までと、幅広い年代
の居住者で一気ににぎわった。
屋外で消火器を使っての消火訓練を体験した70代の女性は、「消火器って思ったより重いんで
すね。今の訓練では、その場で使うだけだったからいいけど、長い距離を運ぶのは大変かも。
訓練と分かっていても慌ててしまったので、火事のときは、いかにして落ち着くかが大事だと
実感しました」と、訓練から得た教訓を語ってくれた。
居住者の皆さんがひととおり体験し終えたのを見計らって、筆者も起震車(地震体験車)にチ
ャレンジ。「直下型の揺れ」と「ちょっと離れたところが震源の場合の揺れ」のいずれかが選
べるというので、迷わず「直下型」をオーダー。「思いっきり強くしちゃってください」と強
気で臨んだものの、何の前兆もなくドンっと縦揺れがきて、すぐに激しい横揺れに変わると、
テーブルの下にもぐってテーブルの脚にしがみつくだけで精一杯。「テーブルが固定されてい
るからよかったけど、家のテーブルは動いちゃうだろうなー」という私の独り言に、消防隊員
が「それでも、テーブルと一緒に移動すれば、常に頭は守られていることになります」とあり
がたい突っ込みを入れてくれた。
12時前には各体験プログラムが終了し、臨港消防団の挨拶や中央区防災アドバイザーからの講
評によって、この日の訓練は締めくくられた。会場の撤収作業を終えた管理組合理事と自治会
役員が再び集まって反省会を開いたのが12時。この日の参加が約100世帯、約300人であったこ
となどが理事長の牧内さんから報告され、この日のイベントは幕を閉じたのだった。

防災マニュアルの制定と、生活実態に合わせた “カスタマイズ”が今後の課題に
約100世帯、人数にして約300人が参加したという結果は、牧内さんたちが期待していたほどの
参加率には及ばなかったものの、起震車(地震体験車)などの体験プログラムでは2時間ほどの
開催時間中に順番待ちの列が途切れることもほとんどなく、第1回目の取り組みとしては成功し
たと言えるものだった。
「初めての試みでこれだけの人が参加してくれたわけですから、よしとしましょう」(牧内さ
ん)
ともあれ、この日の防災訓練によって、防災マニュアルの制定をはじめとするこのマンション
の防災への取り組みについての課題が一層明確になったのは間違いなさそうだ。
「地震も火災も、今日のように理事や自治会役員が家にいる土曜の朝に起きるわけではありま
せん。平日の昼かもしれないし、深夜かもしれない。さまざまな状況に対応できるように、ま
ず基本的な方針を決めていくことを考えています。そのためには、まず『共助』の意識が薄い
居住者に、防災への意識を高めてもらわないと。今回の訓練で、倉庫に備蓄されている簡易ト
イレなどの備品を実際に目にしてもらったことでも、皆さんの防災意識に働きかけることはで
きたのではないかと思っています」(牧内さん)
今回の経験を踏まえ、今後は2018年6月の防災マニュアル制定に向けて管理組合と自治会とで作
業を進めていくことになる。具体的には、管理会社による『防災マニュアル案』を叩き台にし
ながら、マンション居住者たちの生活実態に合わせてカスタマイズしていくことになるだろう
と牧内さんは語る。
「防災の取り組みに成功しているほかのタワーマンションのノウハウも積極的に取り入れなが
ら、進めていきたいと考えています。マニュアルを制定して終わりではなく、その時点から適
宜、見直しを図っていく予定です」(牧内さん)
2つのマンションを取材して、マンションの防災、とりわけタワーマンションの防災については
、自治体(区)や消防署によるサポート体制、バックアップ体制が整っていることがよく分か
った。ただ、両マンションで防災対策に精力的に取り組むDさんと牧内さんの言葉からは、なに
よりも当事者である居住者自身が防災に対する意識を高め、日ごろから近隣とのコミュニケー
ションを図るなど、いざというときに備えることが重要なことも伝わってきた。
今回の防災訓練では、松葉杖をついた女性が煙体験ハウスに入っていく光景を目にした。確か
に、けがの治療中に地震や火災に遭うことだって大いにあるわけで、けがをしていても積極的
に訓練に参加する姿に心を打たれた。前編で紹介した豊洲ザ・ツインの防災訓練では、車いす
の人や速く歩くのが難しい高齢者などの「避難行動要支援者」については「OK」マークの有無
にかかわらず、一律に訪問して安全を確認するようにしているという話もこのとき思い出した

そして今回、何よりも印象に残ったのは、両マンションの管理組合理事、自治会役員の皆さん
の、積極的で行動的な姿勢だ。昨年度に引き続き、今年度も自宅マンションの管理組合理事を
務めることになった自分の「管理会社任せ」な姿勢を反省する機会にもなった取材だった。

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27 施主も一緒に。新しい住まいのつくり方[4] 新築住宅を自分好みに“育てる” 2017/5
/17 読売新聞
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今回紹介するのは30代前半夫婦+子ども1人のための新築住宅のプロジェクト。「一軒家をたて
るなら、大手のハウスメーカーに依頼するのではなく、誰かの処女作にしたかった」という想
いがあった施主のOさん。独立してからはじめて新築をつくる僕らと同世代のOさんが何もない
更地から一緒に育て、つくりあげた家を紹介します。

【連載】施主も一緒に。新しい住まいのつくり方
普通、家づくりというのはハウスメーカーや工務店、リフォーム会社などのプロに施工をお任
せするのが一般的です。ですが、自分で、自分の家づくりに参加してみたい人もいます。そん
な人たちをサポートするのがHandiHouse。合言葉は「妄想から打ち上げまで」。デザインから
工事までのすべてを自分たちの「手」で行う建築家集団です。坂田裕貴(cacco design studio
)、中田裕一(中田製作所)、加藤渓一(studio PEACE sign)、荒木伸哉(サウノル製作所)
、山崎大輔(DAY’S)の5人のメンバーとお施主さんがチームとなって、デザインや工事のすべ
ての工程に参加するスタイルの家づくりを展開する。そんな「HandiHouse project」が手掛け
た事例を通して、「自分の家を自分でつくること」によって、「住まい」という場所での暮ら
しがどういうものになるのかを紹介します。
施主と一緒にゼロから妄想、65m2の新築住宅
施主のOさんの実家は、横浜市の住宅街。ご両親が長年、人に貸していた土地があり、子どもが
産まれたのをきっかけに、そこを譲りうける形で新築住宅を建てることにしました。実家より
コンパクトな敷地で、建築できる最大延べ床面積が65m2ほど。そこで、将来は人に貸すことも
視野に入れたシンプルな間取りがご希望でした。
住宅地で南側道路のため、リビングを1階にもうけると、プライバシー確保が難しい土地です。
そこで、2階にバルコニーと一体に見えるリビングをつくることでコンパクトながらも、狭さを
感じさせない空間を目指すことにしました。1階の前庭にはあえてフェンスをつくらずに、セミ
パブリックなリビングとして、子どもが友達やご近所さんと遊びやすくなるような場と位置づ
けています。屋根の形は模型を見ながら、Oさん夫婦が決めました。
平面の広さが確保できなくとも、リビングにロフトをつくり、天井を張らずに木の小屋組を見
せることで空間の広がりを最大限確保しました。新築は、ゼロからつくりあげるので、想像力
を育てることが必須です。似たような大きさや高さの空間を探してきては、お客さんと一緒に
妄想力を養っていき、設計を進めていきました。

工事のハイライト、施主が上棟に参加。家づくりの体験が愛着を生む
最近の木造住宅は、工場で設計図どおりにあらかじめカットした部材を現場で組み立てるやり
方がほとんどです。柱が1本もない状態から、屋根の棟木までの組立は、小規模な住宅ならば
1日で一気にやります。躯体工事を担当してもらった伊丹工務店の協力を得て、Oさんにも工事
に参加してもらいました。しかも、現場が狭いので重機を入れずに手運び。皆で一緒に力をあ
わせて、梁(はり)を運び、柱をおこしました。
現場では、歩きはじめた娘ちゃんがお父さんの作業を見守ります。お父さんが組み立てたお家
。一生に一度の大きな買い物です。施主にはできるだけ、たくさんの体験をしてもらいたい。
見ているだけでは、もったいない。体験した分だけ、愛着も生まれるし、家のことを好きにな
れます。好きになってもらえた家は大切に扱われます。

工事に参加することで、何にお金を払っているかを知る
工事に参加する方法はいろいろあります。例えば、材料選びをすることもそのひとつ。住みは
じめたら毎日見ることになるキッチンのタイルを、タイル専門ショールームへ出かけて一緒に
選びました。あらかじめ好みのイメージ写真を持っていると、よりスムーズに決まります。
また、毎日の工事風景をSNSで共有することで、現場に行かずとも、工事の進捗をリアルタイム
で知ることができます。どんな工事にどのぐらい時間がかかっているのか。毎日の積み重ねで
、少しずつ、現場ができていくことが理解できるようになります。工事見積もりの内容とつな
がっていき、何にお金を払っているのか、知ることができます。
実際に体を動かして、体感することも、もちろん大事です。このプロジェクトでは、寝室の仕
上工事(塗装工事、床のカーペット張り)はOさんがやりました。やり方は教えるけど、プロは
一切、手をだしません。Oさんとその友人が施工しました。木の梁についたはみ出たペンキ跡も
工事の良い思い出になります。また、メンテナンスの方法も自然と覚えることができます。
前職の現場監督時代に、つくり手の職人さんたちの顔を住み手が全く知らないことを残念に思
っていました。
せっかく高いお金をだして家をつくるのだから、誰がつくっているのか、どうやってつくって
いるのかを知ってもらいたい。そして、もっと家づくりを楽しんでもらいたい。その思いが僕
らがHandiHouseの活動を行うきっかけでした。
新築でも改修プロジェクトでも、家づくりをとことん楽しむことが、自分好みの家に育てる最
大のコツです。
妄想中、工事中、少しずつでもどんどん参加していくことが楽しみにつながっていきます。任
せてしまってはもったいない! 自分たちの家なのだから。

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28 中古マンションの売出価格をどうやって決める?売出時と成約時の価格変化から分析し
てみた 2017/5/17 読売新聞
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東京カンテイが発表した、2016年の中古マンションの価格乖離(かいり)率を見ると、売却期
間や専有面積、最寄駅からの時間によって、乖離率には違いがあることが分かる。マンション
を売る際の売出価格を、どう決めるのがよいのか? 首都圏の価格乖離率を参考に考えてみよう

「売却に時間がかかるほど、価格乖離率は下がる」が原則
東京カンテイの「価格乖離率」とは、中古マンションの売出価格と実際に成約した取引価格の
差額との比率を示したもの。2016年の首都圏の価格乖離率は-6.46%なので、売出価格から平均
で6.46%下がって成約したことになる。
さて、マンションを売るときには、不動産会社の査定価格を参考にして、売主が売出価格を決
める。売主側は高く売りたい、買主側は安く買いたいと思うものなので、売買交渉によって成
立する取引価格は、売出価格から下がるのが一般的だ。
不動産会社が提示する査定価格は、不動産会社との媒介契約の有効期間が3カ月というのが一般
的なことから、3カ月以内の成約を想定した価格で査定するといわれている。売主は、査定価格
で売り出してもいいし、査定価格より高い額で売り出してもいいのだが、いくらに設定するか
は慎重に考えたい。
売出価格をあまり高く設定すると、なかなか買い手が見つからず、じりじりと価格を下げざる
をえないこともあるからだ。
東京カンテイが分析した、首都圏の直近10年間(2007年~2016年)での価格乖離率を売却期間
ごとに見ると(画像1)、「1カ月以内」という極めて短期間で成約した場合が、全体の39.6%
と最も多く、価格乖離率は-3%に収まっている。以降、売却期間が長くなるに連れて価格乖離
率は下がっていき、売却期間が「5カ月」になると乖離率は-10%を超える。
また、媒介契約の有効期間である「1カ月以内」~「3カ月」に成約したシェアは全体の67.3%
を占め、平均の価格乖離率は-4.21%だったことから、3カ月以内に成約することを目指して、
売出価格を設定するのがよいと言えるだろう。
「最寄駅からの所要時間」や「専有面積」などの特性を踏まえて、売出価格の設定を

では、査定価格で売り出せばよいのだろうか?
査定価格は市場相場から見て「多くの人が納得しやすい価格」といえるが、査定価格で売り出
してすぐに成約してしまい、もっと高く売り出せばよかったと思う場合もあるだろう。その額
で買うという人が1人いれば売買が成立するので、自分が売ろうとしているマンションの特性も
理解して、強気の価格設定ができるかどうか、しっかり判断するようにしたい。
東京カンテイの分析によると、築年数別よりも価格乖離率に影響があったのが「最寄駅からの
所要時間」だ。「徒歩3分以内」「徒歩6分以内」では首都圏平均よりも価格乖離率の差は小さ
く、売却期間は短くなり、「徒歩10分以内」「徒歩15分以内」ではおおむね首都圏平均と同程
度の水準だが、それを超えると徐々に拡大していく。したがって、査定価格にも反映される要
因ではあるが、徒歩6分以内なら売出価格を強気に設定できる可能性もあるわけだ。
また、「専有面積」による影響も見逃せない。「40m2台」から「70m2台」という、一般的に需
要のある広さのものは、首都圏平均より価格乖離率が小さく、売却期間も短い。しかし、「30m
2台」や「80m2台」以上になると価格乖離率が下がってしまい、専有面積が広くなるほど、売却
期間が長くなる傾向が見られる(画像2)。カップルやファミリーが好む住宅地であれば、一般
的に需要のある広さのほうが買い手は見つかりやすいと言えるだろう。
ただし、マンションの立地条件によって需要は変わる。例えば、大学に近い立地なら30m2台に
需要があったり、広い公園に近いファミリータイプなら最寄駅から少し遠くても需要があった
りするので、自分が売ろうとしているマンションの特性を理解して、市場相場を意識した売出
価格を設定することが大切だ。

マンション市場の動向も大きな判断材料に
首都圏以外のエリア別の価格乖離率を見ると、マンション市場の動向による違いも見えてくる

東京カンテイの分析によると、例えば近畿圏では、新築マンションの価格高騰で中古マンショ
ンの割安感が強まったことなどから、2015年・2016年は価格乖離率が縮小して-6%程度を推移
しているが、新築の価格高騰で消費者の市場離れも生じて売却期間は長期化している。また中
部圏では、一戸建て志向がもともと強いこともあって、マンションの価格上昇に伴い、価格乖
離率も売却期間も悪化している。
このように、自分のマンションの周辺の市場動向、例えば新築マンションの有無や価格、購入
層の変化、一戸建てとの競合なども頭に入れて、自分のマンションのポジショニングを客観的
に判断する相場感覚も不可欠だ。
こうした分析から分かるように、できるだけ短期間で中古マンションを売るには、最寄駅から
の所要時間、専有面積、マンション市場の動向などを参考に、相場に合った売出価格を決める
ことがカギになる。もちろん、これらをすべて自分で分析し、判断することは難しいだろう。
そこで、重要になるのがパートナーとなる不動産会社選びだ。
査定価格の妥当性や高めに設定できる可能性などを相談し、具体的な数字や事例を挙げて回答
をしてくれるパートナーを選び、そのアドバイスを基に売出価格を決めるのが良いだろう。

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29 施主も一緒に。新しい住まいのつくり方[3] 参加しないなんてもったいない。家族でつ
くる団らんの場 2017/5/16 読売新聞
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マンションの購入前から「どうやって自分の家ができるのか、せっかくつくるのであればその
過程も知りたい」と考え続けていた稲葉家。繰り返し妄想していたという間取りや、仕上げを
実現するパートナーとして選ばれた僕たちHandiHouse project。今回は稲葉家×HandiHouseの
家づくりを紹介します。

【連載】施主も一緒に。新しい住まいのつくり方
普通、家づくりというのはハウスメーカーや工務店、リフォーム会社などのプロに施工をお任
せするのが一般的です。ですが、自分で、自分の家づくりに参加してみたい人もいます。そん
な人たちをサポートするのがHandiHouse。合言葉は「妄想から打ち上げまで」。デザインから
工事までのすべてを自分たちの「手」で行う建築家集団です。坂田裕貴(cacco design studio
)、中田裕一(中田製作所)、加藤渓一(studio PEACE sign)、荒木伸哉(サウノル製作所)
、山崎大輔(DAY’S)の5人のメンバーとお施主さんがチームとなって、デザインや工事のすべ
ての工程に参加するスタイルの家づくりを展開する。そんな「HandiHouse project」が手掛け
た事例を通して、「自分の家を自分でつくること」によって、「住まい」という場所での暮ら
しがどういうものになるのかを紹介します。

HandiHouseのコンセプトに共感して依頼
数年前に都内の改修済み分譲マンションを購入し、ご夫婦と息子さんの3人で住まわれていた稲
葉さんご家族。第二子の息子さんが誕生後、2LDKの間取りのこの場所では少し手狭ということ
もあり、横浜のマンションを購入することに。
出来合いの決まりすぎた格好良さの空間よりも、「つくりながら一緒に仕様を決める」という
余白のある空間づくりが期待できることや、「自分でやれることはできるだけ携わりたい」と
いう想いから自身も家づくりに参加できるというHandiHouse projectのコンセプトに共感され
、お家づくりの依頼を決められたそうです。
これを請け、2013年の春、稲葉さんご家族とHandiHouse projectとの家づくりがスタートする
のでした。

現場の空気を感じてつくるつくりかた
「つくること、空間を生み出すことって面白くないですか?」。稲葉さんからいただいた言葉
です。
実際に現地で作業をすすめることで見つけられる形。まぐれで生まれる線。場所のもつ固有の
質感と現地で感じる想像とは違う空間。元々のイメージを一緒につくり込んでいくことで見出
だせる空気感。建設業的な空間のつくり方ではなく、互いの意見を出し合い、より良くするた
めの建設的な会話をして形成する住まい方。これが共につくることの醍醐味。
偶然の一致などから見出だせるもののほうが自分たちにとっては的を射ていて、効率の良さを
優先するばかりで見落としていたものを見つける作業は遠回りかもしれないけれど、遊動する
ように進めていくことが自分たちには合っているのかもしれない。
稲葉さんとの会話の中からはデジタルのような精密さではなく、アナログな肌触りのような感
覚を大切にした、自分のアイデンティティーが形になることへの強い気持ちがうかがえました

“本当の仲間”とつくる仲間の家
土日や祝祭日は稲葉さんのお友達が工事に参加。主に部屋の塗装を手伝っていただきました。
初めはHandiHouse projectから道具の名称、使い方、手順と注意事項を説明していたのですが
、解体から一緒に作業をしてきたこともあり、すっかり一通りの手順を習得された稲葉さん。
「ここはこういう風に塗る」「そこはこうなるからはみ出ても大丈夫」「あそこは目立つから
ね。要注意」など、現場監督のように指示を出されていました。
自分たちの住まいを自分たちでつくることの進捗を楽しまれている感じがその様子からうかが
えました。さらにお友達がその気持ちに応えるように一所懸命にお手伝いをされていたのもと
ても印象的。単にワークショップとしてこの取り組みを行っても、自分が利用しないことから
あまり良い結果とならない場合がありますが、気の置けない仲間となるとそういった問題は解
消されるのかもしれません。

予測不能を楽しむ
石でできたキッチンカウンターがメインの稲葉家。「自分たちで住む場所を設計から携わりつ
くり出すなら絶対にやりたい!」とお話をされていたそのキッチンカウンターには、何種類も
ある石のなかから石英石を選びました。さまざまな形やサイズがある乱形石を取り寄せ、現地
で好みのサイズと形に加工をしていきました。
この作業はこのお家づくりのハイライトでした。好みのサイズと形といっても、乱形石の自然
な粗雑さは損ないたくないため、ハンマーで叩いてつくっていきました。そうするとやはり思
いもよらない形が生まれるのですが、これがとても良かったのです。
まぐれで生み出されるラインが良い形となり、稲葉さんの口からも「おぉ! 良いねー!」と。
さらにそれらを組み合わせることで生まれる偶然が形成していった張り石造のカウンターキッ
チンは、同じものは二度とつくられることはない、まさに唯一無二のものとなったのです。
予測不能の楽しさは共につくるからこそ。完成後の「大満足なキッチン!」から、その後の生
活を経ての「宇宙一のキッチン!」という言葉や「朝起きてここに立って、そこから見える景
色を見てる時間が本当に好き」「一日中ここに居る」という話をしてもらえると、自分の手で
つくった空間だからこそ、住まいへの愛着もより強まるのだろうと思いました。

「1000%理想の住まい」
工事が終了後、共に考え共につくる作業を振り返り、「食べ物を食べて身体は成長する。経験
を通して心が成長すると思っているので、今回のことで自分も子どもも超成長した感じがしま
す! 自分が積極的に家づくりに参加することは、満足感とか愛着が、参加しないそれとは比較
にならないくらいヤバいです!」と話をしてくれた稲葉さん。共に生み出したLDKのカウンター
でうれしそうに話をしてくれるそんな稲葉さんご家族の笑顔が、一緒に家をつくることで築く
ことのできた僕たちとの関係性をあらわしているようでした。
それぞれのお家でいろいろな出会いがあります。そして、そのお家での暮らしの未来を共に想
像することや「住まいをつくること」は見た目がおしゃれだったり、出来がよければ良いだけ
ではなく、共にその過程を過ごしてきた“仲間”との関係性が大切なのだと稲葉さんとのかか
わりをもって改めて感じられました。
横浜の家のお手伝いをさせてもらうことで築くことのできた稲葉さんのご家族との新しい絆は
、この時点からのHandiHouse projectの活動に大きく影響を与えてくれたように思います。
「1000%理想の住まいです!」今でもふと思い出す最高の言葉です。

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30 タワーマンションの防災対策レポート[前編] 震災を経験/「シティタワーズ豊洲ザ・ツ
イン」 2017/5/16 読売新聞
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2011年3月11日の東日本大震災では、首都圏でも、地盤の液状化やライフラインの被害、エレベ
ーターの停止などで影響を受けたタワーマンションが少なくなかった。震災以来、「タワーマ
ンションは災害時に大変だ」というイメージをもつようになった人も多いのではないだろうか
? あれから6年。震災前から建つマンションと、震災後に建てられたマンションとで、防災対
策はどのように講じられているのだろうか? 前編では、震災を経験した「シティタワーズ豊洲
ザ・ツイン」のケースをレポートする。

東日本大震災では被害ゼロだった「シティタワーズ豊洲ザ・ツイン」
最初に訪れたのは、2009年に建てられた東京都江東区の「シティタワーズ豊洲ザ・ツイン」。
地上48階建て、耐震構造のツインタワーだ。東日本大震災が起きたのは、ちょうど築後2年とな
ったときだった。
「14時15分ごろに帰宅して家にいたのですが、『XX秒後に大きな地震がきます』という緊急地
震速報が館内放送で入り、カウントダウンの後に揺れがきました。引越したばかりで、まだ食
器棚に食器が入っていなかったので、大事にしている大きな花瓶を2つ寝室のベッドに運んでか
ら、テレビを押さえて倒れてこないようにしました」(サウスタワー43階住人女性のAさん)
同じくサウスタワー28階に住むBさん(女性)も、同じようにまずテレビを押さえたという。甥
の保育園のお迎えを頼まれていたBさんは、揺れが収まると、急いでお迎えに向かった。エレベ
ーターが緊急停止したため、地上まで階段を下りなければならなかった。
「ただ、エレベーターが止まったのは地震後2~3時間程度で、すぐに復旧したんです。当時、
弟が湾岸エリアにあるタワーマンションの41階に住んでいたのですが、そのマンションは次の
日までエレベーターが動かず、大変だったそうです」(Bさん)
揺れが収まってからしばらくすると、防災センターからの館内放送で、このマンションは耐震
構造なので安全であること、外に出ずに待機するようにという指示があり、Aさんはこの館内放
送を、とても心強く感じたそうだ。
電気、ガス、水道といったライフラインも無事で、住戸内の被害も、「書斎の机に乱雑に積ま
れた本が1冊落ちた」という住戸があった程度だったのだとか。外出先から戻ったAさん、Bさん
の家族は、普段どおりの自宅の様子に拍子抜けしていたという。

「災害協力隊」発足。安否確認訓練には居住者の4割程度が参加
このマンションの被害が少なかったのは、「高強度コンクリートを使用」「50mの杭が固い地
盤に達している」など、「耐震設計の完成形」と言われるほど強固な建造物であったためと考
えられている。加えて、電気、水道、ガス管などのライフラインがすべて地中化され、丈夫な
共同溝に埋設されていたことで、ライフラインが問題なく使い続けられたことが挙げられる(
震災時、ガスは自動的に止まる仕様となっていたため、管理会社が点検後に開栓)。
被害が少なかったとはいえ、震災後に居住者たちの防災に対する関心はいやがおうにも高まっ
た。マンションに「災害協力隊」が発足したのは、震災から約2年後。このマンションの「防火
管理者」を務めていた居住者Cさんの呼びかけに応じて、管理組合理事会が全戸に有志の隊員を
募り、災害協力隊を結成した。同じデベロッパーによる近隣のマンションの先駆事例があった
こと、江東区が「共助」の観点から、区民による隊の立ち上げを推進していたことなども背景
にあった。
災害協力隊の取り組みは、まず防災マニュアルをつくり、避難計画を立てることだ。そのため
に、もともと定期的に行っていた防災訓練を年2回行うことにした。訓練内容がワンパターンだ
と参加者が少なくなってしまうので、飽きないようにその都度、内容を変えていると、災害協
力隊の隊長Dさんは語る。
また、災害時の初動で最も重要なのが「居住者の安否確認」であることから、災害協力隊は、
まず安否確認の訓練を盛り込んだ防災訓練を実施した。

【安否確認訓練の流れ】
1.各住戸の居住者が、「OK」と書かれたマグネットを玄関ドア横に張り出すことで、無事をフ
ロアのリーダーに知らせる
2.「OK」が出ていない住戸には、「大丈夫ですか?」とリーダーが確認を行い、フロア全体の
状況を把握して5フロアごとに置かれたブロックリーダーに報告する
3.各フロアのリーダーからの報告を受けたブロックリーダーが、担当ブロックの状況をサウス
タワー1階の防災センターに知らせる

「安否確認訓練(OKマークの表示)には、毎年、居住者の4割程度が参加しています。江東区の
マニュアルに従って行っていますが、エレベーターが動かないときに、ブロックリーダーが防
災センターへの報告のために1階に降りてしまうと、持ち場に戻るのに、階段を上がらなければ
ならなくなる。1階まで降りなくても報告ができるように、無線機を買うことにしました」(隊
長のDさん)
江東区が定めたマニュアルをベースにしつつ、マンション、とりわけタワーマンション用にカ
スタマイズする必要性を痛感しているという。

余震でエレベーターが止まったときの経験から、備蓄品の置き場所を改善
2015年5月30日、東日本大震災の余震で震度4の揺れに見舞われたとき、地震の波動の具合でこ
のマンションのエレベーターが止まってしまったことがあった。土曜日の20時ということもあ
って、外出先から帰ってきた居住者たちのうち、25階くらいまでに住んでいる人は階段を歩い
て上ったが、それより上の階の人や、高齢者、妊婦、子連れファミリーなどは、3階のロビーに
待機。ロビーにいる居住者のために、地下に備蓄していた毛布を3階まで運ばなければならなか
ったことから、「ロビーのある3階にも備蓄品を置いたらどうか」という案がもち上がった。そ
れ以来、3階にある設備室等の空きスペースを利用して、毛布や水、携帯トイレなどの備蓄品を
置くようになったのだという。
また、停電時に備えた非常用電源こそあるものの、燃料が7時間しかもたないことから、周辺の
マンションと「湾岸マンションネットワーク」をつくり、東京湾のタンカーに積まれた重油を
共同購入する計画も進んでいる。
サウスタワーとノースタワーの総戸数は合計1063戸。管理組合をはじめとして、災害協力隊、
自治会なども両棟合同で運営している。自治会には、ハロウィンやクリスマス会などを企画す
る「子ども会」に加えて、「女子会」もあり、外部の講師やメンバー(居住者)を講師とした
セミナー、料理を持ち寄る形式の忘年会なども開いているのだとか。土曜日の朝10時にサウス
タワー地下1階に集まって取材に協力いただいた災害協力隊、管理組合、自治会それぞれの中心
メンバーや居住者の方々の様子を見ていると、各組織が連携して“大所帯”での暮らしを安全
で快適なものにしようと取り組んでいることが伝わってきた。

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31 施主も一緒に。新しい住まいのつくり方[2] “即興ライブ”のような家づくり 2017/5
/15 読売新聞
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2012年の年末から始まった日野の家のプロジェクト、翌2013年2月に本格的に工事を開始した1
カ月後、工期は折り返し地点、まだまだこれからというときに、引越しをしてしまったお施主
さん。「つくりかけの家に住んでいる!? という状態」だからこそできた家の姿とは。
【連載】施主も一緒に。新しい住まいのつくり方
普通、家づくりというのはハウスメーカーや工務店、リフォーム会社などのプロに施工をお任
せするのが一般的です。ですが、自分で、自分の家づくりに参加してみたい人もいます。そん
な人たちをサポートするのがHandiHouse。合言葉は「妄想から打ち上げまで」。デザインから
工事までのすべてを自分たちの「手」で行う建築家集団です。坂田裕貴(cacco design studio
)、中田裕一(中田製作所)、加藤渓一(studio PEACE sign)、荒木伸哉(サウノル製作所)
、山崎大輔(DAY’S)の5人のメンバーとお施主さんがチームとなって、デザインや工事のす
べての工程に参加するスタイルの家づくりを展開する。そんな「HandiHouse project」が手掛
けた事例を通して、「自分の家を自分でつくること」によって、「住まい」という場所での暮
らしがどういうものになるのかを紹介します。

「この家族と一緒に家づくりをしたい」
日野の家の計画は普段のHandiHouse projectとは違ったかたちで始まりました。普段、設計か
ら施工まで一貫して請け負う形態でのみ依頼を受けているのですが、このときは交流のあるリ
ノベーションデザイン会社「フィールドガレージ」の原さんから「ハンディと合いそうなお客
さんがいるから、一緒にやらない?」と声をかけていただいたことがきっかけだったのです。
「施工のみは行いません」と断ることも考えたのですが、原さんは信頼できる方だしひとまず
乗ってみよう、ということで現場調査にいくことになりました。その際に、改装予定の新居の
鍵を借りに以前のお宅に伺ったのが、初めて施主家族と僕らが顔を合わせた日だったと思いま
す。以前のお宅の玄関で夫のタカさんから鍵を受け取ったのですが、タカさんの雰囲気や、玄
関先でも感じることができる住まいの匂いみたいなものから、メンバー皆直感的に「この家族
と家づくりしたいね」と話したのを覚えています。それが、タカさん、あーちゃん、げん、は
る、とも。この5人家族との家づくりのスタートでした。

家の完成前に引越し?!
設計はフィールドガレージ、施工がHandiHouse projectという体制でのスタートだったので、
フィールドガレージの原さんのデザインを元に計画を進めていきました。床は無垢のパイン材
にオイル仕上げ、壁はOSB合板に塗装、天井は既存を解体して塗装、コンクリートブロックのカ
ウンターキッチンの上には亜鉛めっきの丸いレンジフード。シンプルだけれど素材感があるデ
ザイン「さすが原さん」と言った感じです。
それを元に僕らは2013年2月からおよそ2カ月間の工事計画を出したのですが、その工程表には
普通ではありえない項目がありました。

「お引越し」
工程表のちょうど真ん中。つまり工事期間中に引越しをしましょう、という計画です。一般的
には家が完成してから引越しをするものですが、最終的にはこれがこの家づくりの行く末を決
定づける大きなポイントとなりました。

家づくりと日々の生活が同時進行
工事が始まり、引越しまでの期間に、どうにか生活できるスペースの確保とお風呂を完成させ
ることが目標でした。
今回つくっていく家は元々診療所併設の2階建てのお宅で、延べ床面積が200m2ということもあ
り、2階の6畳間3部屋をつなげて、生活するための大きなワンルームに仕上げました。なんとか
ユニットバス設置もすませて、お引越し。
さあ新居だ! というすがすがしさではなく、玄関を入るとそこは工事現場です。1階には工具
や材料が置かれていて、靴のまま2階に上がり、唯一仕上がった広めのワンルームの前で靴を
脱ぐ。1階のお風呂に入るときは2階の部屋から靴を履いてお風呂まで行き、お風呂の前で服と
一緒に靴も脱いでお風呂に入る。そんな生活は決して楽ではなかったはずですが、必然的に家
族そろって家づくりの舞台に上がることに、というよりも“舞台に住む”ことになりました。
このころ、フィールドガレージ原さんの設計内容がおおむね施工完了していたこと、現場で僕
らと施主のタカさん一家が直接話して決定して行くほうがスムーズであることなどを考慮して
「あらかじめ決定していた内容は終えているから、これ以降の変更や追加、詳細の決定は任せ
るよ」と、原さんからバトンを受け取りました。
ここから、HandiHouse projectとタカさん、あーちゃん、げん、はる、ともの家づくりという
名の“現場即興LIVE”がさらに熱を帯びることになります。
引越してきてからの家は現場でもあり、すでに住まいでもあります。朝のおはようから始まり
、日中は僕たちが工事を進め、夕方からは子どもたちが帰ってきて宿題や遊びの時間、その後
工事が終わるころには家族の晩御飯の準備が始まる。そんな混沌とした状況で現場はすすんで
いました。
工事が終われば、その晩現場でキャンプでもするかのように、一緒にご飯を食べたりもしまし
た。時には僕が図面を描いている横で、学校帰りの子どもたちが宿題をしていることもありま
した。
引越しの前も、たくさんの会話やメールのやりとりでお互いに感覚を共有しあって家づくりを
進めていましたが、この段階で圧倒的にコミュニケーションの量が増え、互いの感覚への理解
がどんどん深まります。
それと同時に現場での即興性も高まり、事前に想像、想定をしていなかったアイデアが出てき
て、会話のなかで練られて形になっていきます。そうしてこの場でタカさん一家だからこその
唯一無二の空間が出来上がっていきました。

即興LIVE的家づくり
朝、床や壁を張り終え随分と家らしくなってきた現場の玄関をあけると「おはよう、コーヒー
飲む?」と、まるで自宅に帰ってきたような、むしろ起き抜けに部屋を出てリビングのテーブ
ルに腰をかけるような、そんな穏やかな1日のスタート。その場で、今日の作業箇所を話します
。「今日は階段の1段目の修繕をしようと思ってて」。すると「そういえばこのタンスはもう使
わないから何かに使って良いよ」と言われ「そしたらこのタンスを加工して、階段の1段目にす
るのどうですか?引き出しもそのまま使えると楽しいですよね」と返す。「それ良いじゃん!
決定、やろやろ」となって1段目を取り替え終わったら「ほかの段はこれだね」とタカさんが塗
り始めて……。
コーヒーを飲みながらの朝の雑談から始まり、夕方には階段が劇的に変化している。そんな日
々を積み重ね、あーだこーだと妄想を重ねることで、徐々に家が出来上がってきていました。

想定外の2カ月間の工事の中断がプラスに
このように即興的なやりとりによって着々と工事が進んでいたとき、想定外の出来事が起きま
す。僕たちがほかの現場のために、どうしても2カ月間工事を中断しなければいけなくなったの
です。
タカさん一家とともに“即興ライブ”を楽しんでいたのですが、新しいアイデアや素材を得て
、即興で変更しつくり上げることは、どうしても時間がかかってしまいます。生活するには不
自由ないほどには家は出来上がっていたのですが、気付くと当初の引き渡し期日は過ぎていま
した。
ですが、良い流れで家づくりは進み、確実に5人らしい家が出来上がっているので「一件工事し
て終わったらまた戻ってきます」と約束をして僕らは現場から離れることになりました。これ
がきっかけで、この家のさらなる飛躍につながることになるとは、このときは想像もしません
でした。
別の工事を終えて、久しぶりに戻ってきた僕らの目に飛び込んできたのは、2カ月の間にさらに
つくり込まれた空間でした、「なんだこりゃ」と想像を超えるレベルで。ものすごい迫力のド
ア、自前の帽子や道具でつくられたオリジナルの照明、廊下の床にハマった雑貨をコラージュ
したオブジェ。僕らがいない間、これまであーだこーだと一緒に妄想していたものを、2カ月の
間にタカさんが、思いのままに形にしていたのです。
タカさんはそのころを振り返って、こんな風に話してくれました。「これまではプロの横で真
似て作業することに抵抗があったんだよ、だけどみんなを見ているうちにもっとやって良いの
かもと、いない間にやっちゃえ。と思って」と、やっちゃえと思ってこんなものつくれる人も
そんなにいないと思いますが、これはもう僕らにとっては最高の褒め言葉でした。「ハンディ
と一緒に家づくりができて、家づくりと向き合う勇気と覚悟をもらったよ」そう言ってもらっ
たころには、タカさん一家はこの家を住みこなし、自分たちのものにしていました。
その後も僕らが工事をしたりタカさんがつくったりして、下足棚ができたり、ドアノブが東南
アジア土産のオブジェに変わったり、本棚ができたり、裏口をつくったり、コタツができたり
。妄想とアイデアが詰まったものが家中に増えています。
そんな家づくりを通して、僕らとタカさん一家は家族ではないし、友人というのも違うけれど
、共に「家」という生活の“舞台”をつくり上げた仲間になれた気がします。成長した子ども
たちとの交流も途絶えません。大晦日におじゃまして一緒に年を越して、舞台をかりて「妄想
から打ち上げまで」の、アンコールを毎年やっているような感覚です。
この前もあーだこーだと盛り上がって、また工事をすることになりそうです。盛り上がってと
いうか、もともと未完の部分なんですが。
だけど、いつまでも未完でいてほしい。失礼かもしれませんが、そんな風にも考えてしまいま
す。

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32 もう隣人のタバコに悩まされない!「禁煙マンション」ってどんなマンション? 2017
/5/12 読売新聞
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2020年の東京五輪・パラリンピックに向けた取り組みの一つに、受動喫煙対策の強化がある。
街中での喫煙エリアの縮小、飲食店、パブリックスペースの分煙化などさまざまな動きがある
なか、住宅業界においてもユニークな事例が出てきた。旭化成ホームズが展開する「禁煙マン
ション」だ。居室部分を含む建物内および、敷地内の喫煙を完全に禁止にした賃貸マンション
である。その狙いや背景、今後の展開などについて同社に聞いた。

契約書に「喫煙禁止」のルールを明記する徹底ぶり
2014年11月からスタートした「禁煙マンション」は現在、東京都内で30~40棟。1LDK~2LDKの
、シングルもしくは夫婦2人暮らしを想定した物件が多い。禁煙マンションといっても特別な設
備があるわけではなく、「喫煙をしない」というルールのみが共有されている。
「入居条件が『禁煙を守る』というだけであって、他には特に変わったことはありません。ま
た、家賃も通常の地域の相場と変わりません。入居者は20代から40代の方が中心で、男女比は
半半。特別に女性が多いというわけではないですね」(旭化成ホームズ マーケティング本部
の高橋浩介氏、以下同)
なお、賃貸借契約を結ぶ際に行う「重要事項説明」の書類には、「敷地内及び屋内での喫煙を
厳禁とする。またこれを遵守できない場合は借主に対し貸主は何らの催告を要せず、本契約を
解除することができる」と記されている。マンションの管理規約などで共用部の禁煙を明記し
ているケースはあるが、貸主・管理側がここまで徹底しているのは珍しい。もちろん、入居者
本人だけでなく、部屋に遊びに来た友人などの喫煙もNGだ。
ありそうでなかったコンセプト。昨今の禁煙志向の広がりも相まって、健康志向の入居者には
好評のよう。さらに、マンションのオーナーにとってもメリットが大きいという。
「タバコを吸う、吸わないで、部屋の壁紙の汚れは全く違ってきます。現状、壁紙の黄ばみは
経年劣化とも入居者の過失とも、どちらにもとれるグレーゾーンなんです。そこで、壁紙の劣
化のリスクが少なく綺麗に使ってもらえる禁煙マンションは、メンテナンス費用という観点か
らもオーナーに喜ばれています。また、吸殻のポイ捨てや寝タバコによる火災の不安が減るの
も大きいのではないでしょうか。特別な設備の増設やリノベーションを行う必要もなく、規約
に書き足すだけでコストもかかりませんからね」

現時点では競合不在、今後の展開は?
隣人のタバコの煙やにおいに悩まされてきた人にとっては、まさに願ってもないコンセプトだ
ろう。かなりのニーズが見込めそうだが、「禁煙マンション」と表だって謳ったマンションを
展開しているのは、少なくとも大手では旭化成ホームズのみ。いったいなぜなのか?
「確かに、社会的な禁煙の動きがあるのに、競合がいないというのは意外ですよね。理由とし
て考えられるのは、物件のオーナーさんの意識。多くのオーナーさんはやはり、入居者の属性
を限定して間口を狭めたくないという思いがあるのではないでしょうか」
ただ一方で、最近は「ペット共生型マンション」や、変わったところでは「ワイン愛好家向け
マンション」など、属性やコンセプトを絞り込むことで、ターゲットに強く訴求する物件も増
えてきた。今後、さらにタバコ離れの流れが進めば、「禁煙」しばりというコンセプトは、か
なりの訴求力になりそうだ。
「集合住宅で隣人を選ぶことはできません。ただ、『禁煙』『女性限定』など入居者の属性を
限定すると、ある程度の安心感は担保されますよね。例えば女性限定マンションに住む方に入
居の理由を聞くと、女性だけのほうが安心できると思った、喫煙者が少なくマナーが良いと思
ったといった声が聞かれます。貸主・管理側がある程度ターゲットを絞ることで、同じ価値観
を持った人が集まっていることへの安心感につながるのではないでしょうか」
今後、「禁煙マンション」を増やしていくかどうかは「検討中」というが、潜在的なニーズは
十分に感じていると高橋氏。「今は禁煙マンションの存在自体を知らない人が多いと思います
が、認知が広がっていけば禁煙を条件に探す人も増えてくると思います」とのことだ。ちなみ
に、SUUMOでは現在のところ検索条件に「禁煙」という項目はないが、キーワード検索に「禁煙
」と入力して探すと関東地方で約1600の物件がヒットした。
実際、タバコ絡みの隣人トラブルは少なくない。これまでは吸う人、吸わない人の分煙があま
りできていなかった住宅業界だが、こうした「禁煙マンション」は解決策の一つとえるかもし
れない。

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33 新築マンション「非分譲住戸数」23区では港区が最多、等価交換事業等での開発が要因
、東京カンテイ 2017/5/11 読売新聞
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(株)東京カンテイは、このたび、新築分譲時に販売対象外となった「非分譲住戸」を集計し
、その結果を発表した。
データは同社独自のデータベースに登録されているものを使用。集計対象は、2007年~2016年
に分譲された新築マンションのうち、土地権利が所有権かつファミリータイプのマンション(
マンション内の店舗・事務所区画は除外)。
それによると、2007年~2016年に東京都で新規分譲された総住戸数349,814戸のうち、非分譲住
戸は15,650戸だった。中でも最寄り駅から3分以内の非分譲住戸数が6,699戸(非分譲住戸比率8
.8%)と最も高く、次いで4~6分が5,261戸(4.8%)となり、全非分譲住戸数の76.4%に相当する
住戸が最寄り駅から徒歩6分圏内に集中している。
また、東京23区のみの非分譲住戸数14,086戸を行政区ごとに見ると、港区が1,666戸と最も多く
、1物件あたりの非分譲住戸数も28.7戸と大きい。主として複合型再開発のエリアでは、多くの
非分譲住戸が発生している。千代田区や中央区では、新規分譲された2区合計の非分譲ありの物
件87件のうち59.8%に相当する52件が駅徒歩3分以内に存在。さらに徒歩6分以内までを含めると
非分譲ありの物件の92.0%が集中。デベロッパーが需要のある都心の駅近マンションを分譲しよ
うとした結果、等価交換事業等で開発を進めたと思われる。
非分譲住戸の比率を物件の所在階別に注目すると、15~19階に8.3%、20~29階に8.5%と、比較
的中層階に多く存在する。5階未満の低層階住戸では3.1%に、40階以上の超高層階には4.9%と比
較的比率は小さく、投資価値が高く投資家から狙い目物件として人気が高くなるタワー物件の
低層階や高額物件化する上層階には非分譲住戸を設けないことが多いようだ。
最高階数が14階以下のマンションでは、非分譲住戸6,687戸のうち、5階未満の低層階に3,161戸
、47.3%と比率は高いが、20階建て以上のタワーマンションでは、6,602戸ある非分譲住戸のう
ち、5~9階に1,940戸(29.4%)、10~14階に1,356戸(20.5%)と、ほぼ半数が存在している。

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34 セメント品質 ロボが分析 トクヤマ 2017/5/17 日経産業新聞
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 トクヤマが年度内をめどに、山口県周南市のセメント工場でロボットによる品質管理システ
ムを導入する。ロボットが中間製品の成分をはやく正確に調べ、従業員が結果をみながら原料
の投入量などを調整する。アジアやアフリカのインフラ需要で日本からの輸出が拡大しており
、品質チェックを一層強化する。

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35 住友ベークライト、におわず長持ちする防カビフィルムを開発 2017/5/16 日経産業
新聞
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 住友ベークライトはほぼ無臭の防カビフィルムを開発した。青果物など生ものの風味を損な
うことなく保存期間を延ばせる。人体には無害でカビの増殖を抑える効果を持つ物質を鮮度保
持フィルムに練り込んだ。夏場の輸送時に発生しがちなカビによる廃棄ロスを減らせる。歩留
まりを上げたい青果物の流通業者や食品メーカーなどに売り込む。

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36 太陽光のサンテックパワー、パネル工場を保守管理拠点に 事業モデル転換 2017/5/1
5 日経産業新聞
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 中国の太陽光パネル大手、サンテックパワーの日本法人(東京・新宿、高瞻社長)は、長野
県の太陽光パネル工場を、点検や故障対応を請け負う保守管理拠点に切り替えた。生産を中国
工場に移す一方、成長が見込める保守管理事業を強化する。新規開発需要が減少するなか、日
本市場における太陽光ビジネスの事業モデルを転換する。

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37 電気代、大手より7%安く 新電力の長谷工アネシス、光回線+ネットをセットで 20
17/5/11 日経産業新聞
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 長谷工コーポレーション子会社で新電力の長谷工アネシス(東京・港、木下寛社長)はマン
ション向け電力サービスを拡充する。光回線サービスのNTTぷらら(東京・豊島、板東浩二
社長)と提携。マンション居住者が電気と光回線とネット接続をセットで契約すると、電気代
が大手電力会社に比べて約7%安くなる新プランを導入する。

2017-05-18 | Posted in 住宅関連新聞記事Comments Closed