住宅関連新聞記事ダイジェスト No.686  2017/05/25~2017/05/31

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住宅関連新聞記事ダイジェスト No.686  2017/05/25~2017/05/31
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【日本経済新聞】
1 4月の新設住宅着工、1.9%増 低金利追い風、貸家は伸び鈍化
2 必ずしもベストではない 相続対策のアパート建築
3 パナホーム、ジャカルタ郊外で住宅事業 双日などと
4 三井住友信託、10年固定住宅ローン金利0.05%引き上げ 6月分
5 中国木材、呉に乾燥場と製材工場 端材でバイオマス発電
6 京阪HD 戸建て建築会社買収 沿線の開発強化
7 改正民法が成立 契約ルール、120年ぶり抜本見直し

【朝日新聞】
8 リスト、戸塚で大規模エコタウン 全棟で「BELS」最高ランク
9 店内キッズスペースを国産材100%で木質化 タマホーム
10 本格開始に向けて「AI管理員」の実証実験 大京アステージなど 
11 賃貸オーナーにリフォームローン提供 東急住宅リース
12 非常電源用切替盤内蔵の電動シャッターを共同開発 プロロジスほか
13 省エネの動機は「家計」のためが9割以上 リンナイ調べ
14 「20~30代で始めたかった」が不動産オーナーの本音 日本財託調査
15 日本不動産学会の16年度国土交通大臣賞に不動産経済研究所
16 4月中古マンション売り価格 小幅ながら2カ月連続で下落
17 賃貸住宅情報誌のリニューアル版を全国展開 CHINTAI
18 IoT技術によるエコキュート制御サービスを共同開発 大和ハなど
19 野村不動産とシャープ 「シャープ スマートタウン構想」が始動

【読売新聞】
20 その日の気分で間取りが変えられる「間取りの無い家」実証実験中!
21 賃貸入居者向け保険「新リバップガード」販売、大東建託グループ
22 大和ハウス工業とFNJ、マンションでのエコキュート制御サービスを共同開発
23 2017年4月開業!「渋谷キャスト」の賃貸住宅ってどんな部屋?
24 古い建物を活かし、街並みの魅力を残す「小樽」の人々の取り組み
25 2017年版 みんなが選んだ「穴場だと思う街」の家賃相場は?
26 ペットと入居が前提? 愛馬とも暮らせる賃貸住宅に行ってみた
27 “補助金に頼らない”まちづくりの最先端。岩手県紫波町で完成した「オガールプロジェ
クト」がすごいワケ
28 【沿線調査】通勤・通学も観光も!「東海道本線」の住み心地は?
29 ダブルでお得?住宅購入時の補助金利用で、【フラット35】の金利優遇も受けられる可
能性!
30 17年第1四半期の住宅リフォーム市場、前年同期比2.5%増の1兆2,838億円、矢野経済研究

31 東京・四谷で日本初の民間分譲マンションを建替え、旭化成不動産レジデンス
32 ナスタ、戸建向け宅配ボックスシリーズ第二弾、据置タイプ発売

【日経産業新聞】
33 小型風車、開発相次ぐ 九大発VBは「後付け羽根」実用化
34 ダスキン、家の小さな傷 短時間で補修
35 水素精製 実証大詰め 千代田化工、風力で水を電気分解
36 アマダHD、成長市場に的、UAEなど3カ国に新拠点

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1 4月の新設住宅着工、1.9%増 低金利追い風、貸家は伸び鈍化 2017/5/31 日本経済
新聞
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 国土交通省が31日発表した建築着工統計調査によると、4月の新設住宅着工戸数は前年同月
に比べて1.9%増の8万3979戸だった。2カ月連続で増加した。QUICKがまとめた市場予想
の中央値(1.6%減)を上回った。持ち家、貸家、分譲の全ての項目で前年実績を上回った。日
銀のマイナス金利政策などを受けた低金利環境の長期化が追い風になった。季節調整済みの年
率換算値では、前月比2.0%増だった。
 内訳をみると、貸家は1.9%増の3万6194戸と、18カ月連続で増加した。相続税の節税を目的
とした建設が増えた。もっとも、伸び率は16年3月(1.1%増)以来1年1カ月ぶりの低さだっ
た。
 持ち家は0.8%増の2万3751戸と2カ月ぶりに増加した。分譲は2.9%増の2万3708戸で3カ
月ぶりに増加した。分譲のうちマンションは1.3%増、一戸建ては5.2%増だった

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2 必ずしもベストではない 相続対策のアパート建築 2017/5/31 日本経済新聞
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 2015年1月の相続税法の改正で、基礎控除が従来の6割に圧縮されました。基礎控除とは相続
する財産の評価額から引き算できる額で、それまでは「5000万円+1000万円×相続人の数」で
したが、現在は「3000万円+600万円×相続人の数」と圧縮され、相続税がかかる人が増える要
因となっています。
 国税庁によると、15年に亡くなった人(被相続人数)は約129万人(14年は約127万人)。こ
のうち相続税の課税対象となった被相続人数は15年が約10万3000人(同約5万6000人)で、課税
割合は8.0%(同4.4%)と、前の年より3.6ポイント増加しました。
 こうした中、相続対策としてアパート建築をしようとする人が増えています。アパートを建
築すれば(1)土地の評価が下がる(2)建物は時価よりも低い評価がなされる(3)資金を借り
入れれば相続財産評価額から引かれる――といった効果があるからです。

■賃貸事業のリスク、吟味を
 とはいえアパート経営は長期にわたる事業ですから、賃貸事業のリスクを受け止められるか
、現金収支が赤字にならないか、赤字になった場合でも対応可能かといったことを十分に吟味
する必要があります。主な注意点については、2016年8月31日にこのコラムで掲載した「相続対
策でアパート建築 3つのワナに注意」で解説した通りです。
 ところが、最近、賃貸事業リスクを吟味する以前の問題として、そもそもアパート建築が相
続対策としてベストではないという事案に出くわしました。
 筆者に相談に来られた人は、首都圏の約300平方メートルの敷地にある老朽化した住宅に、寝
たきりの母親と同居している60代の一人息子のAさんです。Aさんは複数の大手ハウスメーカー
からアパート建築を提案され、どの提案を選べばよいか悩んでいました。
 母親はさほど金融資産を持っていません。「借り入れをしてアパートを建築をすれば相続税
を大幅に節税できる」というハウスメーカーの提案は、代々守ってきた土地を売らずに済み、
相続税も節税できるため、Aさんにとって歓迎すべき話でした。しかし、リスクをとってまでア
パートを建築することが必ずしもベストとはいえなかったのです。
 この土地の路線価は1平方メートルで40万円でしたので、土地の評価額は1億2000万円となり
ます。ほかに財産がないと仮定した場合、基礎控除は3600万円ですから、課税遺産総額は8400
万円となります。

■小規模宅地等の特例、利用を
 借金をしてアパートを建築すれば、課税遺産総額は大幅に減るのは事実です。ただ、Aさんは
母親と長く同居していたので、小規模宅地等の特例を利用すれば、330平方メートルまでの宅地
ならば相続税の評価を80%減らせます。Aさんの場合、1億2000万円だった土地の評価額は2400
万円まで圧縮できます。ここから基礎控除額の3600万円を差し引けば、課税遺産総額は0円とな
るので、確定申告をすれば相続税はかからないことになります。
 筆者が懇意にしている相続専門の税理士とともに、このことをAさんに説明したところ、「借
金をしてまでリスクをとらなくても、相続税がかからない方法があるならば、そのほうがいい
」との考えに変わりました。母親も本当は思い出のある自宅で天寿を全うしたいという気持ち
があったので、結果としてベストな選択となりました。
 アパート建築が効果的な相続対策となるケースもあるので、ハウスメーカーなどが老朽化し
た住宅のある一定規模の土地の所有者を営業の対象とするのもうなずけます。しかし、ハウス
メーカーの中には、建築の受注を第一の目的としているところが全くないとはいえないのでは
ないかと筆者は考えています。
 相続税は複雑でなかなか理解しにくいところがありますが、少なくとも借金をしてアパート
を建築することだけが、ベストな相続対策ではないということを知ってほしいと思います。

田中歩
 1991年三菱信託銀行(現・三菱UFJ信託銀行)入行。企業不動産・相続不動産コンサルティン
グなどを切り口に不動産売買・活用・ファイナンスなどの業務に17年間従事。その後独立し、
ライフシミュレーション付き住宅購入サポート、ホームインスペクション付き住宅売買コンサ
ルティング仲介など、ユーザー目線のサービスを提供。2014年11月から「さくら事務所」執行
役員として、総合不動産コンサルティング事業の企画運営を担う。

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3 パナホーム、ジャカルタ郊外で住宅事業 双日などと 2017/5/30 日本経済新聞
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 【ジャカルタ=鈴木淳】パナホームは30日、インドネシアの首都ジャカルタ郊外で住宅事業
を始めると発表した。双日と大手財閥、シナルマス・グループが都市開発を進める「デルタマ
ス」内に戸建て住宅を建設・販売するほか、スマートシティー(環境配慮型都市)化を目指す
。インドネシアの旺盛な住宅需要を取り込む。
 パナホームのインドネシア現地法人とデルタマスの運営会社が共同で出資し、9月にもパナ
ホーム・デルタマス・インドネシアを設立する。2018年から住宅販売を始める予定で、26年ま
でに3兆ルピア(約250億円)相当の事業を手掛けるという。省エネ技術や防犯など、日本の住
宅建設や都市開発で得たノウハウをインドネシアで応用する。
 デルタマスの面積は約3200ヘクタールで、三菱自動車など日系企業が多く入居する工業団地
のほか、住宅地や商業地区の開発を進めている。イオンも出店を予定している。

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4 三井住友信託、10年固定住宅ローン金利0.05%引き上げ 6月分 2017/5/30 日本経
済新聞
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 三井住友信託銀行は30日、住宅ローン金利で主力の10年固定金利を6月分から0.05%引き上
げて0.65%にすると発表した。
 変動金利は0.600%と過去最低水準で据え置く。10年以外の固定金利も前月と同じにする

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5 中国木材、呉に乾燥場と製材工場 端材でバイオマス発電 2017/5/30 日本経済新聞
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 製材加工の中国木材(広島県呉市)は29日、呉市内の工業用地に木材の乾燥場と国産材の製
材工場を新設すると発表した。同日、呉市と立地協定を締結した。約27億円で9万平方メート
ルを取得する。6月以降は本社工場でバイオマス発電設備を増設することも合わせて公表した
。コスト削減や発電事業による収益増を図る狙いだ。
 同社は木造住宅の骨格をなす梁(はり)や柱など構造材をつくる大手。12月に呉市内の工業
用地「阿賀マリノポリス」内に天日で木材を乾燥する場を設ける。住宅木材に適した針葉樹「
ベイマツ」を北米から輸入し、本社工場(同)ではりや柱に加工して、日光で3~4カ月かけ
て乾かす。水分を抜くことで、割れやひびの発生を防ぐ。
 これまでは木を乾燥するのに木材加工の端材を燃やしてできる蒸気を使ってきた。乾燥場の
新設により、木を自然乾燥に切り替えるため、年1億5千万円のコスト削減につながるという

 6月以降は木材の乾燥に使ってきた端材の用途をバイオマス発電の燃料に切り替える。本社
工場に増設した出力約1万キロワットのバイオマス発電設備を稼働する。発生した電気は電力
会社に1キロワット時あたり24円(税抜き)で売る。年20億円の売電収入を見込む。
 2019年12月には乾燥場の隣に国産材の製材工場を設ける計画だ。四国や九州北部にある森林
から木を伐採して製材にする。今後、円安により輸入木材の調達価格が上昇する可能性を見据
える。
 同日開いた立地協定の締結式で中国木材の堀川保幸会長は「国産木材の需要はさらに増える
」と見通して進出を決めたと強調した。呉市の小村和年市長は「地元の企業が工業用地に進出
を決めてもらい、大変うれしく思う」と話した。

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6 京阪HD 戸建て建築会社買収 沿線の開発強化 2017/5/30 日本経済新聞
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 京阪ホールディングス(HD)は29日、京都市が地盤の住宅建築会社、ゼロ・コーポレーシ
ョン(京都市)を子会社にすると発表した。戸建て住宅など不動産事業の強化が目的で、京都
府や大阪府など沿線での宅地の再開発に生かす。7月3日にも親会社のゼロホールディングス
(同市)から全株式を取得する。買収額は非公開。
 京阪HDは大阪府枚方市などで大規模ニュータウン開発を手掛ける。今後寝屋川市など沿線
の宅地再開発が見込まれるなか、戸建て住宅の外注を減らし採算性を高める。
 戸建ての建設を担う京阪電鉄不動産(大阪市)とノウハウを共有し、狭小地や特異な形の土
地での建築やリノベーションなどの需要も取り込む。ゼロ・コーポレーションの2017年3月期
の売上高は121億円。

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7 改正民法が成立 契約ルール、120年ぶり抜本見直し 2017/5/26 日本経済新聞
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 企業や消費者の契約ルールを定める債権関係規定(債権法)に関する改正民法が26日午前の
参院本会議で与野党の賛成多数で可決、成立した。民法制定以来、約120年ぶりに債権部分を抜
本的に見直した。インターネット取引の普及など時代の変化に対応し、消費者保護も重視した
。改正は約200項目に及び、公布から3年以内に施行する。
 改正の柱の一つが、当事者間で特に利率を定めていない際に適用される「法定利率」の引き
下げだ。現在は年5%で固定されている法定利率を年3%に引き下げる。低金利が続く実勢に
あっていないためで、3年ごとに1%刻みで見直す変動制も導入する。法定利率は、交通事故
の損害賠償額の算定などに使われている。
 インターネット通販など不特定多数の消費者と同じ内容の取引をする場合に事業者が示す「
約款」の規定も新たに設ける。消費者の利益を一方的に害する条項は無効になる。長文で細か
い約款をほとんど読まずに契約したことによるトラブルで泣き寝入りする事例を減らす狙いが
ある。
 連帯保証人制度でも、個人の保護を進める。中小零細企業への融資などで、第三者が個人で
保証人になる場合、公証人による自発的な意思の確認を必要とする。このほか、賃貸住宅の退
去時の敷金の返還ルールを設けるなど、生活に密着した改正が多い。
 参院法務委では、犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」の構成要件を改め「テロ等準備罪」
を新設する組織犯罪処罰法改正案の審議に移る。衆参両院の法務委では性犯罪を厳罰化する刑
法改正案の審議も控える。与党は両法案を今国会で成立させる方針だ。6月18日までの今国会
の会期末に向けて審議日程は窮屈で、与野党の攻防が激しくなる。

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8 リスト、戸塚で大規模エコタウン 全棟で「BELS」最高ランク 2017/5/31 朝日新聞
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 リストグループ(神奈川県横浜市、北見尚之社長)は6月上旬から、横浜市戸塚区で戸建て分譲
住宅「リストガーデン・ノココタウン」(全160棟)の販売を始める。全棟で、省エネルギー性能
表示指標「BELS」最高ランクの5つ星取得を予定している。
 同社担当者は「今回、全世帯の入居が完了するのが19年の予定。20年の省エネ基準適合義務
化の動きを見据え、入居時に既存不適格にならないよう環境性能を高めることにした」と話す

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9 店内キッズスペースを国産材100%で木質化 タマホーム 2017/5/31 朝日新聞
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 タマホーム(東京都港区、玉木康裕社長)はこのほど、同社平塚店(神奈川県)の移転に伴い、
店内のキッズスペースを100%国産の木材を使用した木育スペース「木っずすぺ~す」としてリ
ニューアルした。同スペースの設置は、さいたま支店(埼玉県)に続き2店舗目。
 木材が使用されているのは、キッズスペース内の床やベンチなどの基本的な設備のほか、お
もちゃ箱やボールプール、ミニキッチンといった遊具。木造軸組在来工法を中心とした家づく
りを手掛ける同社が、子供たちが木に親しみ、木の良さや国産材利用の意義を学ぶきっかけと
なる場を提供する目的で行っているもので、今後も同様の取り組みを複数店舗で順次展開して
いく予定だ。

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10 本格開始に向けて「AI管理員」の実証実験 大京アステージなど 2017/5/31 朝日新
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 大京グループの大京アステージと穴吹コミュニティ、東京電力グループのファミリーネット
ジャパンの3社は、AI(人工知能)を活用した実証実験を開始する。マンションの管理員やコンシ
ェルジュをサポートする「AI管理員」「AIコンシェルジュ」のAIサービスを具現化し、今後1年
以内の開始を目指す。不動産業界初の試みという。
 同サービスは居住者や管理組合の問い合わせにAIが音声対話で対応する。モニターを募集し
て居住者と共にサービスの精度を上げ、本格的にスタートさせたい考え。

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11 賃貸オーナーにリフォームローン提供 東急住宅リース 2017/5/30 朝日新聞
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 東急住宅リースは、管理受託物件の賃貸住宅オーナーを対象として、三井住友トラスト・パ
ナソニックファイナンスのリフォームローンの取り扱いを6月1日から開始する。東急住宅リー
スの定額制リノベーション商品を施工する際に利用でき、オーナーの資産運用をサポートする
。ローン利用金額は上限2000万円、支払期間は最大15年に設定する。

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12 非常電源用切替盤内蔵の電動シャッターを共同開発 プロロジスほか 2017/5/30 朝
日新聞
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 物流不動産の開発や運営を手掛けるプロロジス(東京都千代田区、山田御酒社長)はこのほど
、停電時に非常電源で開閉可能な電動シャッターを文化シヤッターと共同開発・製品化したと
発表した。同製品は5月から文化シヤッターが販売を開始しており、現在は特許を出願中。
 開発したのは、通常使用する商用電力を非常用発電機用の電源に切り替える機能を内蔵した
電動シャッターで、停電時などにもシャッターの開閉が可能になる。同様の電動シャッターは
これまでになく、災害による停電時にも物流施設でシャッターを稼働させ、荷物搬出などの事
業を継続できる。

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13 省エネの動機は「家計」のためが9割以上 リンナイ調べ 2017/5/29 朝日新聞
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 ガス機器などの住宅設備を手掛けるリンナイはこのほど、省エネに関する意識調査の結果を
発表した。同調査によれば、暮らしの中で省エネを「強く意識している」「やや意識している
」と答えた人は合計で67・5%と7割近くに上ることがわかった。その動機について、「家計(節
約)」と「環境保全」のどちらへの意識がより強いかという設問に対しては、93・5%が「家計」
であると応えている。また省エネを意識するようになったきっかけ(複数回答)についても「節
約」が83・4%と最多で、2位の「震災」29・6%に大差をつけた。
 同調査は、4月に全国の20代から40代の男女987人を対象としてインターネットで行われたも
の。

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14 「20~30代で始めたかった」が不動産オーナーの本音 日本財託調査 2017/5/29 朝
日新聞
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 日本財託グループによる収益不動産オーナーを対象とした意識調査で、4人に3人の収益不動
産オーナーが、20~30代までに不動産投資を始めるのが理想と考えていることが分かった。不
動産投資を始めた年齢については、平均43・5歳で、一方、理想は平均32・6歳ととらえている
。現実と理想の差は10・9歳にのぼった。

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15 日本不動産学会の16年度国土交通大臣賞に不動産経済研究所 2017/5/29 朝日新聞
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 16年度の日本不動産学会による国土交通大臣賞に不動産経済研究所が選ばれた。不動産政策
の発展に寄与する優れた業績が評価されたもの。業績賞には千葉商科大学とシーラカンスケイ
アンドエイチによるThe University Diningと、ULIジャパンが選ばれた。

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16 4月中古マンション売り価格 小幅ながら2カ月連続で下落 2017/5/25 朝日新聞
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 東京カンテイが発表した4月の中古マンション価格(70平方メートル換算、売り希望価格)によ
ると、首都圏は前月比でマイナス0.6%の3560万円と小幅ながら引き続き下落した。価格水準の
高い東京都での事例シェア縮小、神奈川県や千葉県での弱含みなどが要因。都県別に見ると東
京都は同0.5%プラスの4841万円。東京23区では同プラス1.3%の5323万円。神奈川県(2785万円、
同マイナス0.7%)ではマイナスに転じ、千葉県(1923万円、同マイナス0.9%)は下落率が拡大した
。一方、埼玉県(2105万円、同プラス0.7%)は再び上昇して、2月の水準まで戻した。

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17 賃貸住宅情報誌のリニューアル版を全国展開 CHINTAI 2017/5/25 朝日新聞
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 CHINTAIは、17年1月にリニューアルした賃貸住宅情報誌「CHINTAI」首都圏版でライフスタイ
ルを紹介する記事が好評だったことを受け、このコンテンツ記事をその他のエリア版でも展開
していくことにした。
 同コンテンツ記事は自由な暮らし方や今を楽しむ暮らし方などの内容となっており、17年5月
24日発売号では全国のご当地アイドルの部屋を公開している。

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18 IoT技術によるエコキュート制御サービスを共同開発 大和ハなど 2017/5/25 朝日
新聞
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 大和ハウス工業と東京電力グループ会社のファミリーネット・ジャパン(東京都品川区、松村
芳昭社長)は、IoT技術を使って各戸のエコキュート稼働時間を遠隔操作で最適制御するサービ
スの共同開発を開始した。対象は高圧一括受電サービスを導入しているマンション。
 同サービスにより、生活リズムが類似する居住世帯をグルーピングし、グループごとのエコ
キュートの稼働時間が分散されるよう制御することで、マンション全体の電力負荷の平準化を
目指す。

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19 野村不動産とシャープ 「シャープ スマートタウン構想」が始動 2017/5/25 朝日
新聞
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 野村不動産とシャープは、大阪市阿倍野区のシャープ田辺ビルの敷地を利用して、住宅とオ
フィスを核とした「シャープ スマートタウン構想(仮称)」の検討を共同で進めることに合意
した。同敷地で、シャープはスマートオフィス構想を盛り込んだ中核拠点となりうる自社ビル
の建設を、野村不動産とシャープは協力して、先端のスマートマンションの建設を目指す。

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20 その日の気分で間取りが変えられる「間取りの無い家」実証実験中! 2017/5/25 読
売新聞
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広々としたリビングに家族みんなが集まって、思い思いの時間を過ごす「リビ充家族(リビン
グ充実家族)」。そんな暮らしを実現する方法は、リノベーションだけではありません。生活
シーンに応じて間取りをフレキシブルに変化させられる住まい、「間取りの無い家」をご紹介
します。

【連載】リビ充家族
「個室をコンパクトに抑えてリビングを広くとり、家族が集まってそれぞれ充実した時間を過
ごす」
――そんな「リビ充家族(リビング充実家族)」が増えています。子どもが小さいうちはまだ
しも、大きくなったら? 勉強は? お父さん、お母さんの居場所は?……今回は、伊藤忠都
市開発が試験的に制作した「間取りの無い家」のモデルルームを訪問しました。
89m2の住まいで40畳以上のリビングが実現できる理由とは?
個室は小さくてもいいから、リビングは家族が集まってくつろげるゆとりのある空間にしたい
……そう思っても、既存の間取りや設備ではむずかしいのが実情です。これまでにご紹介した2
家族も、リノベーションで「リビ充」を実現していました。
今回、わたしたちが訪れたのは、伊藤忠都市開発が試験的に制作した「間取りの無い家」のモ
デルルーム。通常の間取りのモデルルーム(89m2)を改築して制作したという場所に足を踏み
入れてみると、そこは……。
ガラーン。何にもない空間でした。
それもそのはず。間取りの無い家とは、間取りに合わせて生活するのではなく、生活シーンに
応じて間取りをフレキシブルに変化させるという発想から生まれた住まいです。この状態は、
“家を最大限に広く活用できるよう変化させた間取り”バージョン。
一般的に、90m2 前後の住まいを従来の間仕切り壁で3LDKに仕切ってしまうと、20畳のリビング
を手に入れるのさえ厳しいところ。けれども、「間取りの無い家」なら20畳どころか40畳以上
のリビングでも、十分に実現可能です。さらにここから、壁を引き出したり、扉を開けたりす
ると……。
大きな作業スペースを備えたシステムキッチン、10名以上が集まっても余裕でテーブルを囲め
るパーティースペース、食後にほっこりくつろげる和室までもが現れました!
空間を多目的に使う工夫が必須! 3LDKは65~70m2の時代へ
「間取りの無い家」を設計したのは、武市健太さんほか、都市住宅本部に所属するメンバーで
す。住まいに関する知識が豊富なタレントのテリー伊藤氏をアンバサダーとして迎え、都心の
住宅の限りあるスペースをいかに有効活用するか、丸1年かけて考え抜きました。
武市さんによると、「以前はファミリー向けの3LDKというと80~90m2あるのが一般的でした。
ところが、最近はマンションの価格が高騰し、65~70m2で3LDKという間取りも珍しくありませ
ん。手狭になった住まいに合わせて窮屈に暮らすのではなく、空間を多目的に使うことで限ら
れた空間をより有効に活用できるようにしたい。そんな思いでプロジェクトを進めました」。
使うとき以外は隠せる間取り:水まわり(キッチン、洗面・脱衣室)
「間取りの無い家」が生み出すフレキシブルな間取りを、詳しく見ていきましょう。例えば、
キッチンや洗面・脱衣室といった“使うための空間”は使っていないときに隠しておくことで
、“寛ぐための空間”であるリビング・ダイニングを広く使える工夫がなされています。
そこで生活している以上、使うための空間、とくに水まわりは、24時間356日美しい状態をキー
プするのは困難です。使っていないときに隠すことができれば、空間を広く使えるだけでなく
、「いつもきれいにしておかなくては!」というプレッシャーからも解放されますね。
使うときだけ引き出せる間取り:趣味の部屋(ホームシアター、和室)
コンパクトな住まいだからといって、キッチンや浴室、玄関といった生活に必要な機能を省く
ことはできません。どこにシワ寄せがくるかというと、趣味の部屋です。「ホームシアターが
欲しい」「オーディオルームが欲しい」と思っても、優先すべき空間のために諦める方が多い
のではないでしょうか。けれども、使うときだけ引き出す仕様なら、実現できる可能性は高ま
ります。
なくても生活できるけど、あったら生活が豊かになる空間は、使うときだけ引き出す。そんな
間取りが手に入れば、「今日は家族で映画を見よう」「和室でお茶を飲もう」といった、非日
常のリビ充が満喫できそうですね。

形を変えられる間取り:個室(寝室、収納スペース)
限られたスペースのなかで広々としたリビングを手に入れるためには、個室を小さくしたり、
なくしたりといった調整が必要です。連載1回目、2回目で紹介した実例のように、子どもが小
さいうちは個室を設けず、大きくなったらリノベーションで個室をつくるという家庭もありま
す。
一方で、好きなときに、好きな大きさの個室をつくり出すことができるのが、間取りの無い家
。例えば、壁面に格納されたベッドを開いて……。
部屋の一角に埋め込まれた可動式クローゼットでベッドのまわりを囲めば、主寝室の完成です
。間仕切り壁になる可動式クローゼットを自在に組み合わせることで個室を変形できます。
小さな住まいの「こんなこといいな、できたらいいな」がギュッと詰まった間取りの無い家。
安全性の向上や動作の簡易化など、まだまだ改善すべきポイントがあるとのことですが、未来
の住まいのカタチを十分に予感させるものでした。実用化されれば、リノベーションなしで「
リビ充」が実現できるかも? 楽しみですね!

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21 賃貸入居者向け保険「新リバップガード」販売、大東建託グループ 2017/5/25 読売
新聞
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大東建託グループの少額短期保険ハウスガード(株)は、6月1日(木)より、賃貸住宅入居者
あんしん総合保険「新リバップガード」を販売する。
「新リバップガード」は、2014年12月に販売開始した「リバップガード」に代わる商品で、近
年の入居者ニーズの多様化や社会情勢の変化などに対応するため、補償内容を充実させた。
持出家財の補償や、ピッキングによるドアロック被害、凍結による水道管被害の再発防止費用
の補償を追加。建物オーナーをはじめとする第三者への損害賠償の補償まで、賃貸住宅に入居
する方の暮らしをサポート。入居者死亡時の修理費用の貸主請求も可能になった。QRコードを
利用したスマートフォンからの加入手続きを可能とし、利便性も高めている。

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22 大和ハウス工業とFNJ、マンションでのエコキュート制御サービスを共同開発 2017/5
/25 読売新聞
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大和ハウス工業(株)と(株)ファミリーネット・ジャパン(FNJ)は、高圧一括受電サービス
を導入するマンションを対象に、IoT技術を用いたエコキュートの制御サービスを共同で開発す
ると発表した。
マンション各戸のエコキュートの稼働データを集約し、生活リズム毎に居住世帯をいくつかの
グループに分類する。各グループのエコキュートの稼働時間が分散されるよう、IoT技術を用い
て遠隔操作で最適制御を行い、マンション全体の電力負荷を平準化。電力使用量のピークを抑
えるピークシフトを実現する。削減できたコストは、マンションでのイベント開催や防災グッ
ズの更新費用などに充当し、入居者へ還元するという。
サービスの開発が完了次第、大和ハウス工業が提供するスマートマンションサービス「D’sエ
ネルギープラン」に組み込み、展開していく予定。また、同サービスの技術をベースにした同
様のサービスを、大和ハウス工業が今後開発・販売する戸建分譲地にて導入することも検討し
ているという。

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23 2017年4月開業!「渋谷キャスト」の賃貸住宅ってどんな部屋? 2017/5/29 読売新

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2017年4月28日、東京・渋谷区に複合施設「渋谷キャスト」がオープンした。JR渋谷駅から明治
通りを原宿方面へ向かい、宮下公園交差点を超えた右側のエリアで、キャットストリート(旧
渋谷川遊歩道で個性的なショップが集まる通り)の入り口にあたる場所だ。地下2階~地上16階
の建物で、シェアオフィスや賃貸住宅、カフェ、レストラン、アパレル店舗、広場などから構
成されるのだが、今回はSUUMOジャーナルらしく、賃貸住宅「渋谷キャスト アパートメント」
を中心に紹介しよう。
13階「コレクティブハウス」 クリエイターたちが交流を深められる空間
渋谷キャストの賃貸住宅は、建物の上階にあたる13階~16階まで。1R~3LDKタイプの物件があ
り、戸数は全部で80戸。今回報道機関向け内覧会があり、13階・14階・16階の部屋を見学する
ことができたので、その一部を紹介していくのだが、13階の賃貸住宅(=コレクティブハウス
)では現在一般募集をしていない点あらかじめご了承いただきたい。
まずは13階の「クリエイター向け賃貸住宅」から紹介しよう。全部で19部屋あり、エレベータ
ーを降り奥に進むと、目に飛び込んでくるのは広々とした“共有スペース”だ。
この共有スペースは、オープンテラスやキッチン、ダイニングスペースなどもあり、気軽に住
人同士の交流を深められそう。シェアハウスではこういった共有スペースがあるのはめずらし
くはないが、一般的な賃貸住宅でここまで充実した共有スペースを設けている物件はそうない
だろう
ちなみに、トレーニングルームもあるので、運動不足の解消や仕事で煮詰まったときの気分転
換にもなりそうだ。
続いて見学したのは、肝心の居住スペース。玄関前に、自身の作品などを飾るラックがあるの
も、クリエイター向け住戸フロアならでは。
今回見学した1319号室は、1K+Sのルーフバルコニー付きアトリエタイプ(C40Crタイプ)。玄
関を抜けると、すぐ左手にアトリエとして使える部屋がひとつある。
その奥には、広々としたリビング
「多種多様な才(知)を持った人々が集い」「世界から注目される新たな文化や才能を生み出
す場」といったコンセプトを掲げる渋谷キャストらしい賃貸住宅といえよう。
ただし、この13階コレクティブハウスに住むには通常の賃貸借契約における審査の前に、入居
者コミュニティ側の推薦が必要で、現在一般募集はしていない。また、完全に居住用とのこと
で、事務所としての利用はNG。フリーランスの人は、要注意だ。
14階は1カ月から契約できる家具がついた「サービスアパートメント」
続いて、14階について。この階は、「サービスアパートメント」と呼ばれ、“短中期滞在者”
向けで全23部屋。13階や15・16階は、2年間の定期建物賃貸借契約となるが、14階は1カ月以上1
年未満という条件で契約できる。
今回見学したのは、サービスアパートメントで最も狭いタイプの1Kの部屋。29.47m2で家賃30万
円だ。
広報に確認してみたところ、「国内外のビジネスパーソンや旅行者の滞在先としての利用を想
定しております。おもに、法人様での契約・ご利用を想定しております」とのこと。
家具はもちろん、家電や食器類も付属しているが、コンシェルジュは24時間常駐ではないので
ご注意を。ちなみに、先ほど紹介した13階の共有スペースは、サービスアパートメントの居住
者でも利用可能だ。
15・16階はさまざまな家族構成に合わせた「プレミアムレジデンス」
最後に紹介するのは、15・16階にある「プレミアムレジデンス」。1K(15万5000円)・1R(17
万9000円)~3LDK(59万8000円)まで間取りや部屋の大きさは幅広い。一人暮らしでも夫婦で
も、子育て世帯でも、さまざまな家族構成に合わせた間取りを用意している。
今回見学したのは、2LDK(82.81m2)、家賃46万5000円の部屋。
玄関ドアを開けてすぐ右手には、シューズクローゼット。靴を収納するだけではもったいない
と感じてしまうほど広い。
部屋に入ると、大きくて見晴らしのいい開放的な窓が。バルコニーも広く、渋谷の街を見渡せ
る。
印象として、「めちゃくちゃ広い!」というわけではないのだが、ダイニングテーブルやソフ
ァが置いてあっても、まったく窮屈な感じはしない。すぐ隣には、リビングダイニングとつな
げることもできる、5.2畳のサブベッドルームがある。間取図では、ベッドルームとなっている
が、仕事や勉強するのにちょうどよさそうだ。
キッチンも4.3畳と広々していて、料理も楽しくなりそうだ。ただし、食べ過ぎてしまって幸せ
太りしないようにご注意を。

シェアオフィスや飲食店など、居住フロア以外も充実!
さまざまなタイプの部屋を紹介してきたが、渋谷キャストは、併設する施設も充実している。
例えば、1階のシェアオフィス。このスペースは、入会申し込みをして会員になれば、居住者で
なくても利用できる。
また、シェアオフィスに併設されたカフェは、一般の方でも利用可能だ。
渋谷キャスト前には広場もあり、移動販売の飲食店も並んでいた。今後は、イベントスペース
としても活躍するだろう。
賃貸住宅は一般募集をしていないし、サービスアパートメントやプレミアムレジデンスは、一
般の人にとっては高額なため、気軽に検討できる物件ではないのだが、渋谷再開発のプロジェ
クトのひとつとしての集合住宅とは? ということで今回物件の紹介をしてみた。この施設には
もちろん食事や買い物ができる店舗も入っているので一度足を運んでみてはいかがだろうか。
「都市再生ステップアップ・プロジェクト(渋谷地区)」における第一弾事業として計画された
渋谷キャストの建設。今後も、2018年秋開業予定の「渋谷ストリーム」や同じく2018年秋開業
予定の「渋谷代官山Rプロジェクト」などが控え、渋谷の変化からまだまだ目が離せない。

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24 古い建物を活かし、街並みの魅力を残す「小樽」の人々の取り組み 2017/5/29 読売
新聞
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北海道小樽市は、明治・大正時代の建物が数多く残るノスタルジックな風景が魅力の街。市で
は、街並み保存のための指針となる「小樽市景観計画」を施行するなど、さまざまな取り組み
を行っているが、実は小樽市にかかわる一般の人々も、街並みの保存や活用に大きな役割を果
たしている。地元企業や人々の取り組みを紹介しよう。
貿易港として栄え、北海道経済の中心だったころの雰囲気が残る
歴史を感じる古い建物や街並みは、効果的に活用することで街の顔となり観光資源にもなる。
地元の古い建物や街並みを守るために、さまざまな活用や支援を行っている自治体は多い。例
えば、北海道小樽市。ここは、明治から大正のころ、貿易港として栄えた北海道の経済・文化
・商業の中心地で、「北のウォール街」と呼ばれるほど繁栄した歴史を持つ街だ。小樽市では
明治時代から昭和初期に建てられた、当時の最先端の技術やデザインが見られる建物を文化遺
産として評価し、2017年5月現在で85棟もの建物を歴史的建造物として指定。保存と活用に力を
入れることで、古き良き時代の面影が残る、観光客に人気の街となった。
実は、小樽市で街並み保存に力を入れているのは行政だけではない。街の歴史に誇りをもつ民
間の人々が、古い建物の中に価値を見いだし大切に使い続けていることも、この街の趣のある
景観を保つ力になっている。ここでは、地元の企業や人々の取り組みを3ケース紹介しよう。

ケース1.地元企業が明治時代の倉庫を活用。街並みと人の流れが変わった
小樽観光の定番スポットは小樽運河と、石造倉庫など古い建物を改装した店が建ち並ぶ、堺町
通り。今では国内外から多くの観光客が集まる場所だが、にぎわうようになったのは1980年代
以降のことだ。小樽運河は1986年にガス灯の灯る散策路が設けられたことで観光スポットにな
った。そして、さびれたエリアだった堺町通りを変えたのは、地元の企業だった。
明治時代から小樽で石油ランプの製造を行っていた北一硝子(きたいちがらす)が、古い倉庫
をショップや喫茶店に転用した「北一硝子三号館」をオープンさせたのは1983年。
「この倉庫は1891年に建てられたもので、水産加工品が納められていました。所有していた会
社の移転のため取り壊されることになったのですが、歴史ある貴重な建物をなんとか活用でき
ないかと、当社が譲り受け、ガラス製品のショップと喫茶店にしたのです。北一硝子は小樽に
生まれ、小樽に育てられた企業。この街のために、街並みの魅力を伝えていくことも私たちの
使命だという思いからです」と、同社広報課の岡田乙志さん。これが古い建築物を再生し、成
功させた小樽で最初の例となった。
ガラス製品と、吹抜けのホールにランプが灯る喫茶店が人気を呼び、北一硝子を訪れる観光客
が増えたのをきっかけに、使われなくなっていた周辺の古い建物が次々と活用されはじめた。
閑散としていた堺町通りは小樽を訪れた観光客が必ず足を運ぶ場所となり、小樽市内で最もに
ぎわうエリアに生まれ変わったのだ。

ケース2.かつての郵便局がカフェに。愛着ある建物の再生を地元が歓迎
カフェを始めたいという夫婦の夢が建物の保存につながった例もある。
大自然の写真を撮りたくて関東から北海道に移住した松本望さんは、小樽出身の愛子さんと出
会い、結婚。愛子さんの夢だったカフェを始めることに。
「場所を探していたころ、市の中心部にある商店街で偶然、『貸』と張り紙がある建物を見つ
けて、すぐに中を見せてもらいました。1966年に建てられて、その後しばらく郵便局として使
われていたかなり古い建物でしたが、中の雰囲気が良く、広さも立地も希望にぴったり。クリ
ーム色の壁と青い扉のかわいらしさも気に入りました」(望さん)
二人は、知り合いの大工さんの力を借りながら、できるだけ自分たちの手でリノベーションを
行った。
「外観も中も、もともとの色や素材がすてきだったので、残せるところはそのまま残しました
。飲食店なので清潔感を出すため、壁や天井、窓枠などは塗り替えたのですが、塗料は元の色
に限りなく近い色のものを探したんですよ」(愛子さん)
その結果、郵便局だったころの面影がよみがえったかのようなカフェになった。
「オープン後、近所の方たちが来店されて『懐かしい』『そうそう、こんな感じだったね』と
懐かしんでくださいました。そのなかの一人に『この建物が残ってくれてよかった』と言われ
たんです。郵便局として使われなくなってから、賃貸住宅になったり、音楽教室として貸し出
されたりしたそうなのですが、築50年を超える建物ですから借り手がいなくなれば取り壊され
る可能性もあり、気がかりだったようです」(望さん)
街並みから愛着のある建物が消えるのはさびしいもの。街の雰囲気に合わない建物に建て替え
られる心配もある。松本さん夫妻は、建物の良さを活かしたリノベーションが、結果として街
の人に喜んでもらえたことがうれしいそうだ。

ケース3.ショートフィルム制作を通して日常の風景から魅力を掘り起こす
最後は観光スポット以外の街の魅力を探す、チームでの活動を紹介。
映像や音楽作品の制作を趣味として活動している札幌市在住の渡部さんは、仕事で小樽市へ通
勤するようになったことで、観光地以外の街並みにも魅力があることに気がついた。
「小樽は海と山が近く、よい具合に湾曲しコンパクトにまとまっていて画になる街です。全体
の景観が美しいだけではなく、歴史的な建物も多く、街角に独特の空気感があります。札幌か
ら近いのに小旅行気分を味わえる街です」(渡部さん、以下同)
小樽市主催のショートフィルムのコンペティションに、小樽の街をテーマにしたミュージック
ビデオを出品したことがきっかけで、さまざまな人とのつながりができ、小樽の魅力を伝える
ショートフィルム制作の「美女*小樽」プロジェクトを立ち上げた。
「小樽を舞台にストーリーを感じさせる2分間程度のベリーショート映像を制作中です。現在
、メンバーは5名ほど。小樽の魅力をテーマに作品を撮りためています」
これまでに取り上げたのは、階段、丸型ポスト、無人駅、夕日など。いずれも、観光パンフレ
ットには載らないような場所やモノだ。
「この街には、観光スポットではない日常の風景のなかにも世界に伝えたくなるような魅力が
あると感じています。誰に頼まれたわけでもないのですが、20本くらいまとまったらWEBサイト
をたちあげて公開し、小樽の観光振興に役立てられればいいなと思っています」
撮影では地元の方たちにさまざまな形で協力をしてもらう。渡部さんの活動を知ったことで「
自分の街にこんなに魅力があることに改めて気づいたよ」という地元の人もいるそうだ。
建物は使わずに放置していると、みるみる朽ちていく。しかし、古い建物でも手入れをし活用
すればその寿命は長くなり、やがて街の歴史を映した趣のある景観が育っていく。ノスタルジ
ックな風景は、年間約400万人の観光客が訪れる小樽の重要な観光資源。自治体主導ではなく、
地元の企業や街に愛着をもつ人々がそれぞれの立場で景観や建物を活かしていることが、街全
体の魅力を支えているのだろう。

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25 2017年版 みんなが選んだ「穴場だと思う街」の家賃相場は? 2017/5/30 読売新聞
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リクルート住まいカンパニーが発表した「みんなが選んだ住みたい街ランキング2017 関東版」
では、住みたい街以外に「穴場だと思う街」についても調査している。これはアクセスがよく
て生活がしやすい割に、家賃や物件価格がリーズナブルなイメージがある街を挙げてもらった
もの。ランキングトップ10と一緒に実際の家賃相場を見ながら、本当に穴場といえるのかをチ
ェックしてみた。

●穴場だと思う街(駅)ランキング(2017 関東版)
順位(得点※)/駅名(主な路線)/家賃相場
1位(77点) 北千住(JR常磐線)/7.43万円
2位(45点) 赤羽(JR京浜東北線)/7.30万円
3位(26点) 池袋(JR山手線)/8.50万円
3位(26点) 大塚(JR山手線)/8.32万円
5位(25点) 駒込(JR山手線)/8.22万円
6位(23点) 巣鴨(JR山手線)/8.47万円
7位(20点) 田端(JR山手線)/7.95万円
8位(19点) 川崎(JR京浜東北線)/7.87万円
9位(18点) 綾瀬(東京メトロ千代田線)/6.79万円
9位(18点) 和光市(東武東上線)/6.35万円
※「みんなが選んだ住みたい街ランキング2017 関東版」調査時の回答を1投票=1点として数値
化(調査概要は下部参照)

1位・2位は3年連続で同じ街が「穴場」としてランクイン
「穴場だと思う街」の調査は、2015年より実施している。毎年ランクインする顔ぶれは入れ替
わりが激しいが、1位と2位は3年連続で同じ街が選ばれた。
1位の北千住駅は東京都足立区に位置し、JRや東京メトロ、東武線など5路線が乗り入れており
アクセスの利便性がピカイチ。昔は都内のはずれにある下町というイメージだったが、近年は
再開発により街並みの整備が進行。大学キャンパスも複数移転してくるなど、街の若返りが進
んでいる。こうした状況から、2位以下に大差をつけて堂々の1位に輝いたのだろう。家賃相場
は3年前に比べるとじわじわと上昇傾向にあるので、穴場としてのコストパフォーマンスを求め
るのなら今のうちがチャンスかもしれない。
2位は東京都北区の赤羽駅。2011年に誕生したエキナカ施設「エキュート赤羽」があり、2014年
には駅直結の商業施設も誕生するなど施設が充実している。また、昔ながらの商店街もにぎわ
っており、暮らしやすい環境といえる。駅周辺に立ち並ぶスーパーや大型マンションを横目に1
0分弱歩いた場所には2017年4月、東洋大学の新キャンパスが誕生。若者の活気あふれる街とし
て、今後のさらなる発展が期待できる。家賃相場は3年前からさほど変わりなく、新宿駅や東京
駅まで乗り換えせずに行ける利便性もあり、確かに穴場な街といえそうだ。

都内屈指の人気路線、JR山手線にも実は穴場の駅が……!?
3位~7位にはJR山手線の駅がランクイン。JR山手線沿線の家賃相場は、都内でも決して安いほ
うではない。環状に結ばれた駅のうち、渋谷駅や品川駅、有楽町駅といった南側に位置する駅
の家賃相場が特に高いのだが、今回ランクインした駅はすべて北側に位置している。東京を代
表する便利な路線沿線でありつつ、比較的家賃がリーズナブルな「穴場」が見事に選ばれたわ
けだ。
JR山手線の駅のうち、3位の池袋駅は「住みたい街ランキング」でも7位に選出。シングル・DI
NKS(夫婦共働きの2人暮らし)・ファミリーという投票者の属性別に見ると、特にシングル層
から高く支持されていた。家賃相場はトップ10のなかで最も高いが、駅直結の2つの百貨店をは
じめ大型商業施設が充実した街並みと、西武線や東武線、東京メトロも乗り入れる交通の便の
よさ、JR山手線内では比較的手ごろな点を考えると穴場だといえるだろう。
ランクインした駅でもう一つ注目したいのは8位の川崎駅。「穴場だと思う街ランキング」では
昨年の50位から大幅にランクアップしており、「住みたい街ランキング」でも昨年の47位から3
0位へと順位を上げている。神奈川県川崎市にあるこの駅は、品川駅と横浜駅のほぼ中間に位置
し、都心にも横浜にも行きやすいロケーション。現在は「川崎駅周辺総合整備計画」の下で再
開発が進められており、駅自体も大規模な改良工事が進行中。東口と西口を結ぶ北口自由通路
やエキナカ商業施設の完成を来春に控えていることからも、注目度が高まっている。街の魅力
が高まるにつれ家賃相場の上昇も考えられるので、今のうちが狙い目かもしれない。
ここまでランクインした駅を見てきたが、確かにイメージどおりに穴場といえる要素を備えて
いる様子。「住みたい街ランキング」の上位に選ばれた吉祥寺駅や恵比寿駅、横浜駅ほどには
ネームバリューがないかもしれないが、アクセスのよさや生活のしやすさ、コストパフォーマ
ンスからいえば、十分に魅力的な街だろう。

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26 ペットと入居が前提? 愛馬とも暮らせる賃貸住宅に行ってみた 2017/5/31 読売新聞
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ペットと暮らせる賃貸住宅が増えている。とはいえ、ペットと言えば、犬や猫、小鳥、熱帯魚
などが思い浮かぶだろう。ところが、もっと大型の「馬」と暮らせる賃貸住宅があるという!
いったい、どんな賃貸住宅なのか? そこでどんな暮らしができるのか? レポートしよう。
動物や自然と触れ合う暮らしができる場所、女性が助け合える場所にしたい
場所は、埼玉県入間郡越生(おごせ)町。都心から1時間半ほど、豊かな自然が残る里山が広が
るエリアだ。
オーナーの小森恵子さんは、ベネッセグループの会社社長を務めた経験もあり、かつては仕事
漬けの日々を過ごしていた。持病が悪化して退職したときに、乗馬が趣味で馬も所有していた
ので、越生町に愛馬と一緒に引越して、休業生活を始めた。ところが、それが縁で乗馬クラブ
の経営に参加するようになり、乗馬を中心とした動物や自然と触れ合って過ごせる場をつくろ
うと考えるようになった。それからは馬術の指導員資格や審判員資格の取得や競技会にも参加
、馬術技術向上をめざし海外にも勉強に出かけた。
そして、近所に廃業した料亭(地鶏などのジビエ料理)旅館があると聞き、そこを買い取って
『ビレッジ・マイエッセ』と名付け、都会を離れて動物や自然と触れ合って過ごせる場をつく
ることを決めた。
できるだけ建物を残してほしいという売主の意向を受けて、母屋を住まいにし、点在する離れ
風一戸建ての宴席場を厩舎(きゅうしゃ)や事務所、物置、宿泊施設などにリフォームし、複
数の馬場もつくった。和風の一戸建ての外観が残っているため、現地を訪れた筆者はどこが厩
舎なのかよく分からなかったほどだ。
さらに、離婚経験がある小森さんは、女性が年をとっても助け合いながら暮らせる場をつくろ
うと思い立ち、敷地内に女性専用のコレクティブハウス(※)『トロット』もつくった。ちな
みにトロットは、馬の走り方のうち速歩のことをいう。

※コレクティブハウスとは、北欧発祥の住み方で、仲間同士がそれぞれ独立した居室で暮らし
ながら、共用スペースで生活の一部を共に過ごせる住まいのこと
温水の洗い場、滑らない廊下、しつけ教室……動物と暮らすのが当たり前の賃貸
2階建て全15室のトロットは、ペットと暮らすのが当然という前提なので、さまざまな工夫が施
されている。
バリアフリーであるのはもちろんのこと、共用玄関脇の大型シューズインクローゼットには、
温水も出るペットの洗い場を設けている。廊下部分は、滑りにくい素材の小さなカーペットを
敷き詰めているが、犬がおしっこをかけてしまうところは、そこだけはがして交換できるよう
になっている。
窓から馬場が見える、入居者の共用のダイニングキッチンは、入居者たちが集まってパーティ
ー(実費は参加者負担)を開いたりするだけでなく、定期的に無料で開催される犬のしつけ教
室や馬に関する勉強会などの会場にもなる。ほかにも、施設のサービスとして、ペットのトリ
ミングや獣医への無料送迎サービス、馬の世話や運動、健康管理までまるごと請け負うお任せ
パック(月額7万5000円~※厩舎利用のみは月額2万円)などもある。
建物に隣接した場所にドッグランをつくる予定だが、「長い廊下を走り回る犬が多いので、ド
ッグランは頭数が増えてきてからでもいいかなと思っています」と小森さん。
一方、入居する部屋は25.63m2~40.28m2までの3タイプあり、賃料は月額6万2000円~8万9000円
。共用部分の利用料金は家賃に含まれるが、ほかに、月額9000円の共益費(共用部分の清掃費
用も含む)がかかる。
室内は、一般の賃貸住宅の設備に比べるとグレードが高いと思える、システムキッチンやユニ
ットバス、トイレが設置され、ウオークインクローゼットもある。
ちなみに、トロットで飼えるペットは、飼い主が責任を負えるという原則の下でその種類や頭
数には大きな制限はないが、人に恐怖心を与える動物もいるので、特殊なペットについては相
談の上ということだ。
馬と深く接することができること、動物好きの仲間がいることが入居の決め手
トロットは現在4室が契約済み。40代~60代の7人の女性が住むが、定住している人もいればセ
カンドハウスとして週末などに利用する人もいる。馬を預けている人も、馬を持たずに乗馬を
楽しむ人もいるが、共通しているのは馬が好きというということと、ペットを飼っているとい
うことだ。
そんな入居者の一人Sさん(50代)に、入居理由をうかがった。Sさんは乗馬仲間3人と1室をシ
ェアしている。それぞれ仕事があるので、休日にトロットに泊まって乗馬を楽しんでいるが、
幸い仕事の休日が異なるため、交代で利用する形となった。
Sさんは当初、家の近くの乗馬クラブに通っていたが、そこではサラブレッドが多く、本格的な
馬術向きの馬は少なかったと言う。小森さんによると、馬術には温厚な性格で馬体ががっしり
としている馬が適しているので、サラブレッドだけでなく、外産馬も多く飼育して乗馬できる
ようにするのがよいのだそうだ。
ここでは、乗馬に適した馬を多く飼育しているうえ、小森さんが事前に調教して乗りやすい状
態にしてからレッスンが受けられるのが良いと考え、Sさんは入居を決めたと言う。さらにSさ
んは、ただ乗るだけでなく、馬のことをもっと知りたいと、自主的に厩舎の馬の世話もしてい
る。そうしたことができるのも、ここの魅力のようだ。
犬も好きなSさんは、ドッグトレーナーの資格を取って犬のしつけもしている。今は、保護犬の
アースを引き取って育てている。入居者の多くが犬を飼っているということで、不在時に犬の
エサやりや散歩を頼める環境にあるのも、助かるのだという。
入居者などが集まってバーベキューパーティーを開いたときは、皆が犬を連れてきたので、小
型犬から大型犬まで多種多様な犬が集まったのだとか。オーナーの小森さんも保護犬だった夢
ちゃんを引き取って育てているが、馬好き・犬好きの集まりなので、臆病な犬にもはしゃぐ犬
にも適度な距離感で接してくれるため、人も犬も楽しめるパーティーになったのだそうだ。
「動物は見るだけ」という筆者は、馬・犬という括りででしか見ていなかったが、動物愛好家
がのびのび暮らせるようにという、小森さんの想いに共感した人たちが入居するので、動物へ
の理解が深く、その特徴や性格を見ながら適切な距離感で接することができ、安心して助け合
える関係が構築できるのだろう。その核となるのが、オーナーの動物愛なのだと思った。

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27 “補助金に頼らない”まちづくりの最先端。岩手県紫波町で完成した「オガールプロジェ
クト」がすごいワケ 2017/5/31 読売新聞
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人口減少、少子高齢化……こうした課題に立ち向かうべく、全国各地で「地方創生」のかけ声
のもと、地域活性化に向けた取り組みが進められている。そんな自治体の一つである人口約3万
3000人の岩手県紫波町が手がけた「オガールプロジェクト」は補助金に頼らない“稼ぐまちづ
くり”をコンセプトに10年前に立ち上がった、民間主導の公民連携プロジェクトだ。
もしまちづくりの甲子園があるとしたら間違いなく優勝候補の一つとなるであろう、注目のま
ち「オガール」とは、いったいどんなところなのか。プロジェクトの完成を記念して開催され
た「オガールEXPO」の様子と合わせて紹介する。

まず地域のにぎわいをつくり出す
「オガール」とは開発地区だった紫波地方の方言で「成長」を意味する「おがる」にフランス
語で駅を意味する「Gare」(ガール)を掛け合わせた造語。このエリアを出発点として、紫波
が持続的に成長していくようにとの願いが込められているという。
10.7ha、およそ東京ドーム約2.3個分のオガール地区には、南側にはフットボールセンターなど
スポーツエリア、北側には一戸建て住宅地エリア、そしてその間のA~D街区の4ブロックには移
転・新築してきた紫波町新庁舎(C街区2015年開庁)を含む公共公益施設が立地している。
2012年、同地区に建てられたのが、紫波町の情報交流館(図書館と地域交流センター)や子育
て応援センター、民営の産直販売所、カフェ、居酒屋、学習塾などのテナントが入った複合施
設「オガールプラザ」だ。2014年には宿泊施設とバレーボール専用体育館、テナントからなる
「オガールベース」が、そして最後に、小児医療・病児保育、こどもセンター、集合住宅、テ
ナントなどからなる「オガールセンター」が2016年11月に完成した(テナントは順次開業)。
一番初めの施設が完成してから約5年をかけて、教育、文化、医療、育児応援、農業振興、スポ
ーツ、住まい、そして行政機能が整備され、さらにさまざまな商業テナントが入居し出来上が
り、オガール地区がまちびらきした。
これらの施設を一気に建ててしまうのではなく、一つ一つ成果を確認しながら順繰りに、確実
に整備していくことも、従来型の施設整備の手法とは異なる特徴だ。
「地方では、国からの多額の補助金を頼りにして大きなハコモノを一気につくりがち。これで
は経営的な検証がおろそかになり、失敗してしまうケースも多い。われわれは、少しずつ施設
整備を行い事業の収支に気を配るとともに、地域のにぎわいを創り出し、価値を高めてそのう
えで次の計画を立ててきました」
そう話すのは、紫波町の町有地を活用したオガールプロジェクトの仕掛け人、岡崎正信さんだ
。岡崎さんは、オガール地区内に立地するオガールプラザ、オガールベースなどを設立した株
式会社の代表でもある。
当初、コンビニエンスストアにテナント入居を打診したが、更地だった土地を見て、どの会社
からも断られた。それが図書館やマルシェが入居する「オガールプラザ」の年間約70万人を超
える集客力を見て、第2期の「オガールベース」ではコンビニ各社から掌を返すようにラブコー
ルがあったという。
岡崎さんが成果目標に設定しているのは「施設整備を行っていくなかで、不動産価値を上げる
こと」。指標となる地価は、岩手県全域が落ち込むなか、近年は県都である盛岡市と紫波町の
みが上昇しているという。オガール地区では宅地分譲も行い、紫波中央駅の東エリアを含め住
宅を建設する人たちで駅周辺の人口が約600人も増加した。

ハコモノ整備と一線を画す収支計算
オガールプロジェクトの秘訣は、マーケットを見極め、経営的に成り立つまちづくりにある。
「市場調査を行った上で建物の規模を決め、設計・建設することで、入居率100%でオープンで
きる。これからは逆算からの施設整備が求められます」(岡崎さん)
岡崎さんは東京の大学を卒業後、20代は政府系法人や建設省(現国土交通省)で地方の再開発
や区画整理などの地域活性化に取り組んできた。地方都市のハコモノ整備には、国から多額の
補助金を投入し、巨大な施設を建設したのに集客に失敗、赤字となっているモノがいたるとこ
ろにあるという。
「従来型のまちづくりでは、国からの補助金に見合った建物の規模を決め、設計・建設する。
それからテナント募集を行うものの結局埋まらず、空き室に公共施設が入居して赤字経営とな
っている例は数多い」。岡崎さんはそう打ち明ける。
岡崎さんが紫波町に戻ったのはいまから16年前、29歳のときだ。紫波町で建設業を営む父親が
亡くなったことがきっかけになった。以来、ハコモノ事業から得た反省を胸に、補助金に頼ら
ない、民間主導のまちづくりのあり方を探ってきた。事業収支が成り立つハコモノの建設、つ
まり逆算の考え方で、予想される収益に応じて建物の建築費を抑える考え方だ。身の丈にあっ
た設計・建築方法ともいえる。その手法で造られたのが「オガール」なのだ。
建物の建設資金についても、ほとんど国の補助金には頼らず、地元の金融機関などからの借り
入れで行う。オガール地区の最初の建築物である「オガールプラザ」の建築費用は、通常の公
共施設と比べると破格のローコストだ。この建設費用は、投資コンサルタントが、事業計画か
ら逆算してはじき出した数字。このコストで建てることが、採算上求められた。
林業の盛んな岩手県の地元産材を活用するという意図もあったが、コスト面から木造を選択す
るほかなかったという事情もある。設計を担当した建築家からは「こんな金額では、納屋しか
建たないよ」という愚痴が出たほど。それが図らずも、畜産の盛んなこの地域に多くあった木
造の畜舎を模した建物となった。

年間100万人が訪れる街に成長
こうしたオガール地区、紫波町における公民連携のまちづくりは、日本中から注目を集めてい
る。
地元の銀行から融資を受け、地元の建設業者に発注し、テナントもなるべく地域で集め、地域
熱供給のエネルギーも地元の間伐材(立木を間引く間伐の過程で発生する木材)から生み出す
。その結果、オガール地区で地域に約250人の新しい雇用を産みだした。地域でお金が循環する
理想的な「地域創生」のかたちがここにある。
いまやオガール地区は、全国から行政視察なども含め年間約100万人が訪れる街にまで成長した

全施設の完成を祝う「オガールEXPO2017」を開催
2017年4月18日、オガール地区の完成を祝う式典「オガールEXPO2017」が開催された。
当日は岡崎さんをはじめ、紫波町長・熊谷泉さん、紫波町公民連携室の鎌田千市さんら実行委
員会のメンバーや、東洋大学大学院客員教授でデザイン会議の座長をつとめた清水義次さん、
デザインガイドラインの策定・オガールプラザの設計に当たった建築家の松永安光さん、ラン
ドスケープデザインを担当した長谷川浩己さん、オガールセンター・オガール保育園の設計に
当たった建築家の竹内昌義さん、ファイナンシャルアドバイザーをつとめた山口正洋さんなど
、その実現に向けて力を注いだ関係者らが一堂に集まった。平日にもかかわらず、地元のほか
全国から約280人が詰めかけ盛況だった。
シンポジウムでは、10年にわたるプロジェクトの道程での苦労話や破天荒な打ち明け話が披露
される一方で、岡崎さん・オガールプロジェクトが標榜した、補助金に頼らない「稼ぐまちづ
くり」の重要性が何度も訴えられたのが印象的だった。
シンポジウム後のパーティーは場所をアリーナの大空間に変えて、津軽三味線や地元のシンガ
ーソングライター、アイドルユニットらのアトラクションとともに、オガールに飲食店を構え
る飲食店の提供する料理、紫波町の日本酒・ワインなどがふるまわれた。
パーティーに参加した、紫波町の住人で不動産業を営む星麻希さんは「オガールができて、そ
れまでと違い、町内で過ごす時間の楽しみ方に選択肢が増えました。図書館やマルシェも充実
していて、広場に点在するあずまやでは家族とBBQを楽しめる。紫波町に暮らしていることをよ
り自慢・誇りに感じるようになりました」と笑顔を見せてくれた。
建物の建設、施設整備の完了をもってオガールプロジェクトは終わりではない。オガールが掲
げているスローガン「まち 人 オガール」にのっとって、紫波町の美しい自然とやさしさに包
まれて、街並み・人が育まれるまちの実現に向けてのスタート地点に立ったところだ。

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28 【沿線調査】通勤・通学も観光も!「東海道本線」の住み心地は? 2017/5/31 読売
新聞
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今回は、東京駅(東京)と熱海駅(静岡)の間を運行するJR東海道本線を調査。ターミナル駅
である東京駅や品川駅のほかに、湯河原駅や熱海駅など観光地としても人気のスポットを通る
本路線だが、沿線に住む人々の住み心地はどうなのだろう? シリーズでお届けしている沿線調
査、今回はJR東海道本線沿線に住む150人にアンケート調査を実施し、ホンネを探ることにした

交通利便性はもちろん、景色や観光スポットの多さも高ポイント
東京駅や品川駅など、通勤・通学に便利な駅が多い路線ではあるが、東京から静岡という長距
離を走行していることを考えると、ユーザーたちが沿線に対しどう感じているのかはなかなか
読めない。そこで、沿線の好きなところ・気に入ってるところを聞いてみた。TOP10は以下のと
おり。

●好きなところ(複数回答)
1位:どこに行くにも便利(65.7%)
2位:ほかの沿線に乗り換えしやすい(34.3%)
3位:運行本数が多い(32.9%)
4位:好きな駅やスポットがたくさんある(23.8%)
5位:走行中の景色が好き(22.4%)
6位:都心のターミナル駅に出なくても沿線上に栄えた駅があって便利(20.3%)
7位:終電が遅いもしくは始発が早い(14.0%)
8位:座れる頻度が高い(13.3%)
9位:これから発展していきそう(11.2%)
10位:遅延が少ない(10.5%)

断トツだったのは、「どこに行くにも便利」の項目。コメントでも、「東京の中心部や箱根な
どの観光地に出かけるときも乗り継ぎが便利で、短時間で行きたいところに行ける」(41歳・
男性)や「都内にも1本で行けるし、熱海や小田原などの温泉地にも1本で行ける」(39歳・女
性)など、通勤や通学のみならず、プライベートでもその交通利便性のよさは評判。
また、交通利便性のよさは、東京駅や品川駅など都心部のターミナル駅に限ったことではない
。2位「ほかの沿線に乗り換えしやすい」へのコメントを見てみると、「小田原駅からは、JRの
ほかにも、小田急線や新幹線にも乗り換えられるので、近場も遠方も行きやすい」(27歳・女
性)、「大船駅では横須賀線や京浜東北線が利用でき、藤沢駅では小田急線や江ノ電も利用で
き、どこに行くにも乗り継ぎしやすい」(47歳・男性)などの意見もあり、乗り換え拠点駅が
点在している。
また、4位「好きな駅やスポットがたくさんある」に対する、「駅弁などの楽しみが多いから」
(25歳・男性)や5位「走行中の景色が好き」への「街あり、海あり、山ありで楽しい」(66歳
・女性)といったコメントは、温泉地や観光地が多いJR東海道本線ならでは。
「駅ビルや駅周辺の商業地がどんどん発展している」(39歳・女性)や「だいぶ開発が進んで
にぎわいを見せている」(50歳・女性)とのコメントもチラホラ見受けられ、今後のさらなる
発展に期待を寄せるユーザーも少なくないようだ。
「あと50円下げてほしい」……約4割が乗車運賃の高さを実感
好きなところを聞いてみて、交通利便性やそれぞれの駅がもつ個性が見えてきたが、反対に改
善してほしいと感じるところは? TOP10は、次のような結果になった。

●改善してほしいところ(複数回答)
1位:乗車運賃が高い(42.7%)
2位:通勤ラッシュ時の混雑が激しい(40.0%)
3位:悪天候時や事故など、遅延が多い(38.0%)
4位:あてはまるものはない(18.0%)
5位:運行本数が少ない(17.3%)
6位:終電が早いもしくは始発が遅い(12.0%)
7位:ほかの線との乗り換えが不便・面倒(11.3%)
8位:駅やホーム、トイレが清潔ではない(10.0%)
9位:駅のエレベーターやエスカレーターが少ない(6.7%)
10位:電車の種類が多くて複雑(5.3%)

2位と3位の項目は、どの沿線でも上位にくるのだが、1位はまさかの「乗車運賃が高い」だった
。「頻繁にSuicaのチャージをする必要がある」(25歳・男性)といった声も漏れ聞こえるが、
「もう少し安いとうれしい」(40歳・男性)、「あと50円下げてほしい」(46歳・男性)とい
ったホンネも……。
「運行本数が少ない」と感じるユーザーも多く、なかには「運行本数が増えれば、利用する回
数が増えると思う」(39歳・女性)という意見も。また、運行距離が長いため仕方のないこと
ではあるのだが、静岡在住のユーザーからは、「終電をもっと遅くしてほしい」(43歳・女性
)という意見も挙がった。
8位と9位の項目に対し、「(トイレを)あまり使いたくない」(31歳・女性)、「バリアフリ
ーの観点からも、エスカレーターやエレベーターを増やしてほしい」(49歳・男性)などの意
見もあり、設備への不満も少なくないようだ。

温暖な気候でさらにリゾート気分アップ!?
沿線の好きなところと改善してほしいところを詳しく見てきたが、率直に「今住んでいる沿線
は好きですか?」と聞いてみると、「とても好き」(22.7%)「好き」(51.3%)と、74.0%
のユーザーが沿線を気に入っている様子。一方の、「嫌い」(0.7%)「あまり好きではない」
(4.0%)は、わずか4.7%という結果に(「どちらともいえない」は、21.3%)。74.0%とい
う数値は満足度が高いように思えるが、今回SUUMOジャーナルで調査を行った全15路線で比較し
てみると、全体で8番目だった。
これから沿線に住もうと考えている人に向けて、オススメポイントは…? 先輩ユーザーたちの
コメントをのぞいてみると、「都心に出るのも、湘南や小田原、箱根、伊豆へ遊びに出るのもJ
R東海道本線があればなんとかなる」(47歳・男性)「都内への通勤が苦にならない」(52歳・
男性)など、交通利便性を挙げる人や、「海や山が美しい環境」(49歳・男性)、「富士山や
駿河湾などの自然を楽しめる」(25歳・男性)など、自然を挙げる人が散見された。
また、「温暖な地域」(68歳・男性)、「温暖で雪が降らない」(46歳・男性)という意見も
あり、寒いのが苦手な人にとっては過ごしやすい沿線なのかもしれない。
続けて、「デート」「子連れ」「穴場」の3つをテーマに、それぞれオススメのスポットも教え
てもらったのでいくつか紹介しよう。

●デートするなら?
・熱海駅周辺「ビーチや温泉、「来宮神社」などのパワースポットもあり、いろいろまわれる
」(27歳・女性)、「観光地で駅前からグルメスポットや温泉地の雰囲気が感じられ、リゾー
ト気分になれる」(48歳・男性)
・辻堂駅/テラスモール湘南「ひと通りの店が密集しており、ひとつの街のようにショッピン
グができる」(48歳・男性)、「映画館もあって、食べ物もおいしいショッピングモール」(2
7歳・女性)
・大船駅周辺「大船観音の近くには、商店街も飲食店もたくさんあるので楽しい」(53歳・女
性)、「大船仲通り商店街はお手ごろ価格なので、買い物やお酒を飲むにも困らない」(47歳
・男性)
・川崎駅周辺「ショッピングも食事も映画鑑賞もすべてできる」(44歳・女性)、「川崎工場
夜景は、街中では見られない風景が幻想的。近くに行くと、工場の息遣いも聞こえてくる」(6
7歳・男性)

●子連れでおでかけするなら?
・辻堂駅周辺「駅前に広くて新しいスポットがたくさんできているので、家族での映画鑑賞や
ショッピングに最適」(37歳・女性)、「子どもが遊べるスポットが多いショッピングセンタ
ーもあり、少し足を延ばせば海もあるため」(46歳・男性)
・二宮駅/吾妻山公園「眺めもよく、アスレチックもあるいい公園」(47歳・男性)
・小田原駅からバス/わんぱくらんど「広い公園のようになっているので、子どもたちが思い
っきりはしゃげる」(27歳・女性)

●穴場スポットは?
・平塚駅/イチゴ農園「おいしいイチゴが堪能できる農園がたくさんある」(27歳・女性)
・大磯駅/めしや大磯港「定置網からあげた魚を活〆しているのでとてもおいしい」(59歳・
男性)
・大船駅からバス/田谷の洞窟「大船駅からバスで移動すると、日常とは別世界の洞窟がある
。お寺の中にあるので、神秘的」(47歳・男性)
・早川駅周辺「漁港があり、海の幸がおいしい」(53歳・女性)

東京・神奈川・静岡の3都県にまたがるJR東海道本線。今回の調査を通して、通勤や通学だけで
なく、沿線上には観光地もたくさんあるため、ONとOFFどちらでもユーザーにとってのメリット
が高いことが分かった。また、好きなところの結果にもあるように、都内の中心部以外でも、
駅ビルや商業ビルが整備されてきているとのこと。これから発展していくであろう期待値も含
めて考えれば、次の住まい候補として、見逃せないはずだ。

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29 ダブルでお得?住宅購入時の補助金利用で、【フラット35】の金利優遇も受けられる可
能性! 2017/5/31 読売新聞
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2017年4月から創設された「【フラット35】子育て支援型・地域活性型」が、いよいよ具体的に
動き出した。実は、補助金とローンの金利優遇をダブルで受けられる、お得な制度なのだ。た
だし、利用するには注意点も多い。詳しく見ていこう。
2017年度に創設された、長期固定型ローン「【フラット35】子育て支援型・地域活性化型」に
ついては、筆者の記事「子育てや地方移住の支援も!2017年4月から【フラット35】はこう変わ
る」ですでに速報を伝えている。
ところが、特定の地方公共団体と連携するという特異な位置づけから、創設されたローンがど
の街のどんな政策で利用できるかは、明らかになっていなかった。
住宅金融支援機構が5月25日に、「【フラット35】子育て支援型・地域活性化型」による金利優
遇を活用して、政策を推進しようする55の地方公共団体と協定を締結したことで、ようやく具
体的に動き出すことになった。
子育て支援・地域活性化を促進する住宅補助金のある特定の自治体でなければダメ
最大の特徴は、連携する地方公共団体に子育て支援・地域活性化を促進する、住宅購入補助金
などの事業があるという前提条件だ。「【フラット35】子育て支援型・地域活性化型」を利用
するには、まず住宅を取得する地方公共団体のこうした補助金が受けられるかどうかにかかっ
てくる。
具体的には、地方公共団体の事業の中でも、住宅金融支援機構が設置した有識者委員会におい
て適切であると認められたものに限られる。それが、今回締結した55の団体※だ。
※詳細は、「【フラット35】子育て支援型・地域活性化型を連携している地方公共団体」を
参照

いくつか具体的な事例を見ていこう。
●千葉県松戸市「松戸市子育て世帯親元近居・同居住宅取得補助金」
子育て世帯が市内に住む親世帯と近居(2キロメートル以内)または同居するために市内に住
宅を取得する際に、最大100万円(近居50万円、同居75万円、市外からの転入は25万円を加算)が
補助される。

●栃木県小山市「小山市転入勤労者等住宅取得支援補助事業」
住宅の取得に伴って市内に転居する際に、新築住宅で最大110万円(基本額30万円、市内事業
者から取得した場合10万円、一般保留地を取得した場合50万円、駅西中心市街地に取得した場
合50万円、若年子育て世帯の場合20万円が加算)、中古住宅で最大40万円(基本額30万円、空
き家バンク登録物件を取得した場合10万円加算)が補助される。

こうした対象となる補助金が交付される住宅を取得する際に、【フラット35】を借りる場合、
子育て支援型か地域活性化型が適用されて、当初5年間の金利が0.25%引き下げられる。3000万
円のローンであれば、金利優遇による削減効果は5年間で約38万円になる。
したがって、松戸市ならば補助金で最大100万円+利息削減額で約38万円得することになるし、
小山市ならば補助金で最大110万円+利息削減額で約38万円得することになる。補助金を活用す
る予定があるなら、住宅ローンは【フラット35】を利用するとお得効果が増すというわけだ。
適用条件や申請手続きなどがダブルになるのでかなり複雑に

もちろん、注意点もある。
まず、地方公共団体の事業によって、住宅や取得者にそれぞれ条件があること、補助金の手続
きなども異なることに注意したい。例えば、松戸市では住宅の面積に条件があり、小山市では5
年以上定住する誓約書が求められるなど。また、松戸市では、売買契約や建築請負契約の前に
、事前相談を行い(事前相談書の提出が必要)、補助金の対象に該当するかどうか回答を得る
流れになっているが、小山市では事前相談の手続きはない。
さらに、補助金と併せて【フラット35】を利用する際には、地方公共団体に「【フラット35】
子育て支援型(または地域活性型)利用対象証明書」を発行してもらい、それを金融機関に提
出する必要がある。小山市では補助金の交付申請の手続きは住宅取得後に行うが、金融機関に
提出する証明書は事前に申請する必要がある。
こうした団体ごとのルールの違いだけでなく、【フラット35】または金利引き下げのある【フ
ラット35】Sを利用する場合には、住宅金融支援機構の定める基準に適用した住宅であること、
などの条件が加わる。
加えて、地方公共団体の補助金の場合も、【フラット35】子育て支援型・地域活性化型や【フ
ラット35】Sの場合も、それぞれに予算金額などがあるため、条件を満たしていても予算枠に
達した時点で利用ができなくなるという場合もありうる。
協定締結式の場では、「住まいかたに融資するのは初めてだ」、「均一の支援ではなく、頑張
る都市と一緒にやっていこうというのはうれしいことだ」といった声を聞いた。
地方公共団体の規模や抱える課題によって、政策や補助金の内容は異なるのだが、いずれも積
極的に子育て支援や定住促進に取り組んでいる。5月25日時点では55団体だが、今後も有識者委
員会が適切と認めた地方公共団体が増えていくだろう。
金額的にお得というだけでなく、こうした積極的な支援策に取り組んでいる街を探して、住み
やすさを検討してみるのはいかがだろう。

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30 17年第1四半期の住宅リフォーム市場、前年同期比2.5%増の1兆2,838億円、矢野経済研究
所 2017/5/31 読売新聞
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(株)矢野経済研究所は、国内の住宅リフォーム市場の短期的な市場トレンド調査を行った。
調査期間は2017年1月~3月(2017年第1四半期)。
同調査における住宅リフォーム市場とは、「10m2超の増改築工事」・「10m2以下の増改築工事
」・「設備修繕・維持関連」・「家具・インテリア等」の4分野をさす。
それによると、2017年第1四半期(1~3月)の住宅リフォーム市場規模は、1兆2,838億円(速報
値)、前年同期比で2.5%増と推計。消費税増税前の2014年第1四半期以降は、例年どおりの市場
規模であり、1.2兆円台で推移している。
住宅リフォーム市場規模を年度ベースで算出すると、2016年度(2016年4月~2017年3月)は、6
兆2,311億円、前年度比(2015年度比)で3.4%減と推計。消費税増税の反動による駆け込み需要
の影響が依然として残っていること、消費税再増税の先送りによりリフォーム需要も先送りと
なったことなどが要因となり、全般的に消費者のリフォーム需要が低迷したと考察。
2017年の市場トレンドとしては、需要の一巡感もあり、前年並みの需要で推移するものと見込
んでいる。

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31 東京・四谷で日本初の民間分譲マンションを建替え、旭化成不動産レジデンス 2017/
5/31 読売新聞
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旭化成不動産レジデンス(株)は、日本初の民間分譲マンションとされる「四谷コーポラス」
(東京都新宿区)の建替えに事業協力者として参画する。
「四谷コーポラス」は、現在再開発が盛んに行われているJR「四谷」駅徒歩5分に位置。築61年
(1956年竣工)を迎える鉄筋コンクリート5階建て・28戸のマンション。1962年の区分所有法施
行以前の建物で、所有形態の位置づけや共用部の管理責任などが明確ではなかった時代に初め
て民間企業による運営管理がなされ、また、住宅ローンが現在のように一般的でない中で割賦
販売が導入されるなど、その後広く行われているマンション販売の先駆けとなった。
建物の再生計画については、管理組合活動のもと、建替え・大規模修繕等の検討会が2006年に
スタート。その後東日本大震災をきっかけに耐震性能への不安が顕著化し、建物の高経年化に
伴う給排水管の老朽化などの理由から建替えを中心に検討することとなり、2017年3月25日に管
理組合による建替決議が成立、5月に全員合意が成立した。
「四谷コーポラス」は、分譲当時の購入者が長く所有し、その後転売することなく相続されて
きたケースが半数以上。これからも四ツ谷の地に住み続けたいと希望する方が多く、区分所有
者の9割が再建後のマンションを再取得予定であることも特徴だ。再建後の分譲マンションは、
それぞれの家族の想いや要望に応えるオーダーメイド設計を採用し、これからも長く住み続け
たいと思ってもらえるような住まいを計画していくという。なお、解体工事は2017年9月に着手
、竣工は2019年7月の予定。

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32 ナスタ、戸建向け宅配ボックスシリーズ第二弾、据置タイプ発売 2017/5/31 読売新

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(株)ナスタ(東京都港区)は、戸建向け宅配ボックスシリーズ第二弾として、据置タイプの
宅配ボックス新商品を6月より受注開始する。
同社の戸建宅配ボックスは、受け取りだけでなく発送サービスや、6月より日本郵便(株)がス
タートする「書留配達サービス」(不在の場合、書留を設置した宅配ボックスへ配達)にも対
応する。
新商品として発売する「据置タイプ」は、新築はもちろん市場ニーズの高い既設戸建住宅のリ
フォームにも対応できる仕様。サイズは3種類(スマート/レギュラー/ビッグ)、カラーバリ
エーションも豊富に取り揃え、設置場所や利用状況によって選ぶことができる。
今秋には、「ポールタイプ(脚付き)」の発売も予定している。さらに、年内にはコストパフ
ォーマンスにすぐれた1万円前後の宅配ボックスの発表も予定している。

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33 小型風車、開発相次ぐ 九大発VBは「後付け羽根」実用化 2017/5/29 日経産業新

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 風力発電所向けの小型風車で製品開発が相次いでいる。九州大学発ベンチャーの日本風洞製
作所(福岡県久留米市、ローン・ジョシュア社長)は発電量を後付けで増強する技術を実用化
した。ベアリング大手のNTNは風向きを問わずに効率よく発電できる新製品を投入する。小
型風車は導入しやすく、今後の成長分野と期待されている。

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34 ダスキン、家の小さな傷 短時間で補修 2017/5/29 日経産業新聞
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 ダスキンは住宅の小規模な傷などの補修サービスを9月から本格的に始める。はがれた壁紙
、床のへこみや擦り傷などを短時間で直す。自宅に気になる傷があっても工務店などに頼みづ
らい人は多いとみて、掃除サービスの顧客などに売り込む。FC(フランチャイズチェーン)
店向けの従業員教育制度も整えており、来年度には全国展開する計画だ。

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35 水素精製 実証大詰め 千代田化工、風力で水を電気分解 2017/5/26 日経産業新聞
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 千代田化工建設による水素生産の研究が大詰めを迎えている。風力発電所の余った電力で水
を分解して水素をつくり、それを精製する内容だ。水素をつくる元の電力をクリーンな風力と
し、二酸化炭素(CO2)を出さないエネルギー生産を目指す。再生エネルギーをガスにして運
ぶ「パワー・ツー・ガス」は欧州で研究が進んでおり、同社は日本の先頭を目指す。

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36 アマダHD、成長市場に的、UAEなど3カ国に新拠点 2017/5/25 日経産業新聞
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 板金加工機大手のアマダホールディングス(HD)は東欧や中東など新興工業国の開拓を加
速する。今年から来年にかけてポーランド、アラブ首長国連邦(UAE)、インドネシアに相
次ぎ拠点を新設する。総投資額は数十億円規模。3地域はそれぞれ電子部品や建築資材、自動
車などの産業が集積しつつある。拠点新設で成長市場の需要を取り込む。

2017-06-01 | Posted in 住宅関連新聞記事Comments Closed