住宅関連新聞記事ダイジェスト No.697  2017/08/10~2017/08/16

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
住宅関連新聞記事ダイジェスト No.697  2017/08/10~2017/08/16
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

―*―*―* MENU *―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―
【日本経済新聞】
1 NITTOH、リノベーション再販好調
2 TSON、独自システムで収益効率化
3 名古屋木材、圧縮木材の新事業立ち上げ
4 エムジーホーム、マンション販売好調
5 タワーマンション活況 大阪市内 7月の供給7割増
6 ヒアリ、駆除は巣をたたけ 西日本は生育の適地?
7 保育園用地、賃貸に税優遇 大阪市や西宮市が待機児童対策
8 勾配屋根とエレベーター標準搭載の3階建て パナホーム
9 人生100年時代 住宅、消費…変わるお金の使い方
10 直交集成板「CLT」を活用 建物コンペ
11 中古マンション、プロが診断 「リノベ物件」は要注意
12 戸建て受注、4社が前年割れ 大手7社の7月

【朝日新聞】
13 リビングで学習すると子どもの成績が良くなる説は本当か?
14  歴史の「証人」地域に根付く 百舌鳥・古市古墳群、世界遺産候補に
15 山林相続、負担ばかり… 重い税金、買い手はつかず
16 「ヤミ民泊」泊まってみた 貸主と会わず、隣室鍵なく
17 売れぬリゾマン相続、処分費115万円 肩の荷降りた…
18 沖縄)住宅地「民泊」180日ルール 対応は?
19 京都)民泊NGマンションは管理規約改正を 京都市
20 「資産」から「お荷物」へ 別荘地に見る土地神話の崩壊
21 熊本)益城「畑の断層」の堂園地区、住民主導の復興計画
22 AIや仮想現実は、人の仕事をどう変えつつあるか

【読売新聞】
23 JA福井市職員、15年間に1億6千万円着服
24 犯罪者を遠ざける、子どもに安全な場所の作り方
25 適正管理の森林 国際団体がお墨付き
26 橋本空き家撤去 初の略式代執行
27 福岡空港入札に5陣営、民営化1次審査
28 立野ダム今年度本体着手 22年度完成
29 公費解体は全壊家屋だけ、環境省特例見送りへ…九州北部豪雨

【日経産業新聞】
30 星野リゾート出資のMATCHA、訪日客の視点で観光情報サイト
31 酉島製作所、インドで火力向けポンプ、更新需要取り込む

―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―

********************************************************************************
1 NITTOH、リノベーション再販好調 2017/8/16 日本経済新聞
********************************************************************************
【リノベーション再販好調】中古マンションを購入し、リノベーション後に再販する事業が堅
調に推移。集合住宅などの中規模物件の補修・修繕工事の件数も増加。注文戸建て住宅の販売
も好調。シロアリ対策などの工事も微増。床清掃などビルメンテナンス事業は首都圏の受注が
増加。増収増益の見込み。

********************************************************************************
2 TSON、独自システムで収益効率化 2017/8/16 日本経済新聞
********************************************************************************
【独自システムで収益効率化】分譲住宅事業では、自社開発の「TSONマーケティングシス
テム」を活用し、需給バランスなどを分析し、効率的に収益化。コンサルティング事業にもシ
ステムを活用し、賃貸物件の販売支援が加速。広告企画事業では住宅のネット広告の提案活動
を進め、増収増益を確保。

********************************************************************************
3 名古屋木材、圧縮木材の新事業立ち上げ 2017/8/16 日本経済新聞
********************************************************************************
【圧縮木材の新事業立ち上げ】主力事業の建設資材の販売促進と新規顧客への販路拡大を推進
。三重県鈴鹿市の高級分譲マンション、尾張旭市や岐阜県瑞穂市で分譲住宅を建設。販売は堅
調推移。独自の加工技術を使った圧縮木材の新規事業を立ち上げ、手帳やスピーカーなどに応
用。最終赤字脱却狙う。

********************************************************************************
4 エムジーホーム、マンション販売好調 2017/8/16 日本経済新聞
********************************************************************************
【マンション販売好調】新築の分譲マンションの販売事業は好調推移し、収益をけん引。注文
住宅の建築事業も堅調。賃貸事業ではマンション20棟を管理し、業績を下支えする。建設資材
や人件費、用地の仕入れ価格は高止まりするが、最終利益は2割増狙う。年5円配を維持。

********************************************************************************
5 タワーマンション活況 大阪市内 7月の供給7割増 2017/8/16 日本経済新聞
********************************************************************************
なお割安感、需要安定
 大阪中心部でタワーマンションの発売が相次いでいる。不動産経済研究所(東京・新宿)が1
5日に発表した近畿圏のマンション市場動向によると、7月の大阪市部の新規供給戸数は前年同
月比で7割増えた。価格に天井感がある東京都心部に比べてなお先高観があり、低金利のなか
、資産を不動産で持つ動きが需要を押し上げている。
 近畿2府4県の新規供給戸数は1832戸と前年同月に比べ29.6%増。特にタワーマンションが
立地する大阪市部に限ると1001戸と67.1%増となった。近畿全体の契約率は好不調の目安とさ
れる7割を7カ月連続で上回り、73.6%だった。
 7月に発売された大型物件が東急不動産が開発を進めるマンション「ブランズタワー梅田N
orth」だ。オフィス街の印象の強い中津に建設。50階建て653室のビッグプロジェクトは、
第1期販売の約300戸の8割が既に売れた。

■低金利後押し
 平均価格は約7千万円とかなりの高額だが、契約者のうち、年齢がわかる6割の半分弱が30
~40代。低金利のなかで住宅ローンも組みやすく、若い世代が積極的にマンションを購入して
いる。
 顧客の一人、東京に住む40代男性は「御堂筋線の駅に直結し、住むことも貸すこともできる
」と評価する。購入した4割は大阪府以外の在住という。
 大阪中心部はタワーマンションの開発ラッシュだ。来年3月にはマンションで関西随一の高
さの「ザ・パークハウス中之島タワー」(55階建て、894戸)の入居も始まる。
 なぜ開発が相次ぐのか。不動産のコンサルティングを手掛けるウエストパートナーズ(大阪
市)の信田光晴社長は「4~5年前、需要と利回りのバランスが良かったことからタワーの計
画が増えた」と話す。
 老朽したビルなどを建て替えるとき、オフィスビルは企業流出が続くなかで将来需要が減る
可能性がある。ホテルよりも安定した需要が見込めると考え、マンションを選ぶ流れができた
。限られた敷地でタワーマンションは収益を上げるのに良く、大阪市が御堂筋沿いのビルの容
積率を緩和するなど後押しの動きもある。賃貸は大手があまり手掛けていないほか、売りきり
に比べてリスクも高く、分譲が大半だ。
 東京都心部では価格高騰で一般消費者には手が届かなくなりつつあるが、大阪都心部ならば
まだ先高観があることも大きい。7月の東京都区部の平均価格は7379万円だが、大阪市部は440
5万円だ。

■売れ残り懸念も
 ただ、先行きは順風満帆ではない。東京で価格の大幅な上昇が消費者の購入欲を冷ましたた
め、マンション市況は「西高東低」が続いてきた。建設費は全国的に上がっており、大阪でも
価格を押し上げる一因となる。7月の契約率は高水準だが、前月比では6.6ポイント低下した。
大阪でも価格が高くなりすぎれば今後「在庫が残ることが懸念される」(信田氏)とみる専門
家は多い。

■オフィスビルは不足感
 大阪中心部でタワーマンションの建設が進む一方、オフィスビルには不足感が広がっている
。三鬼商事(東京・中央)がまとめた7月の大阪中心部のオフィス空室率は4.09%と「不足感
」の基準となる5%を7カ月連続で割り込んだ。
 JR大阪駅から徒歩数分、大和ハウス工業本社の隣にある23階建ての「梅田ダイビル」。入
居していたキヤノンマーケティングジャパンがこのほど新しいビルに移転、上層部が空室にな
った。ただ、ダイビルの玉井克実社長は涼しい顔。「社名は言えないが、間髪入れずに大口の
顧客がはいった」。穴はすぐ埋まるようだ。
 大阪から企業が首都圏に流出する流れ自体は変わっていない。それでも不足するのは新規供
給のペースが落ちているからだ。
 2016年は貸室面積1万坪(3万3千平方メートル)を超す大型物件がゼロ。17年は中之島フ
ェスティバルタワー・ウエストが開業、18年は新南海会館ビルが予定されるが、東京などに比
べ少ない。
 不足感は賃料を押し上げつつある。ニッセイ基礎研究所が三幸エステートとまとめた1~6
月の大阪の成約賃料は1坪あたり1万788円で、3年前から2割強、1年前から1割高くなった
。次の大型物件はまだ先で、不足感は当面続きそうだ。

********************************************************************************
6 ヒアリ、駆除は巣をたたけ 西日本は生育の適地? 2017/8/15 日本経済新聞
********************************************************************************
 南米原産で強い毒を持つヒアリが西日本から関東までの広い範囲で相次いで発見されている
。毒針で刺されると、人によっては呼吸困難などのアナフィラキシーショックを起こし、死に
至ることもあるという。7月には福岡市でコンテナからの荷下ろし作業をしていた30代男性が
左腕を刺され、軽傷を負った。海外では1930年代からヒアリの駆除を始めているが、絶滅には
至っていない。ヒアリとは一体どんなアリで、効果的な駆除はできるのだろうか。
 ヒアリは5月に中国・広州から神戸港に入り、兵庫県尼崎市に運ばれたコンテナで、国内初
上陸が確認された。6~8月にかけて名古屋港や東京港の大井埠頭など各地で相次いで発見さ
れ、今のところ兵庫県、愛知県、大阪府、東京都、神奈川県、福岡県、大分県、岡山県の8都
府県の港で確認されている。
 ヒアリとはそもそもどういう生き物なのか。大きさは小さいもので全長が2~3ミリメート
ル、大きいのは6ミリ、女王アリになると8ミリ前後だ。10年ほど前にヒアリの生態を解説し
た著書「ヒアリの生物学」を出版した北海道大学の東正剛名誉教授によると、もともとは南米
のラプラタ川沿いに多く生息していたという。30年代に貨物船に紛れ込み、米国のアラバマ州
モービルに入ったのが原生地以外での最初の発見例だ。
 ヒアリとの戦いに、米国も苦戦している。生息範囲は米国でも広がり、食害でトウモロコシ
が不作になったり、家畜や人が刺されたりといった被害が増加した。政府は農薬散布で対策を
講じた。ところが農薬は生態系や生活環境に悪影響を及ぼし、環境問題に発展。対策は頓挫し
た。

毒針に刺されると、人によっては死に至ることも
 だが米国では発見例や被害が広がり続けたため、70年代には米農務省がエサに毒を混ぜた「
べートトラップ」を開発し、一定の成果を上げた。しかしベートトラップには発がん性物質が
含まれていることから、80年代に入ると、この方法も主流ではなくなったという。
 米国ではヒアリに寄生する極小のハエやバクテリアなど、天敵に退治させる方法をとってい
るところもある。ヒアリの体内に卵を産み付け、孵化(ふか)したウジなどが栄養を吸い取っ
てしまう方法だ。しかし「寄生虫なのでヒアリが死んでしまうと生きられない。増加は防げる
が根絶までは難しい」と東氏は話す。
 ヒアリは基本的には雑食だ。トウロモコシ、アブラムシから出る甘露など何でも食べるが、
中でも「大豆の油を好む」(東氏)。米国に広がったヒアリは今や、カリブ海、ニュージーラ
ンド、オーストラリア、シンガポール、台湾、中国まで生息範囲を広げている。
 高温多雨の場所でしか生きられず、日本では西日本が最適地になる。「北限は福島県で、そ
れより北上すると生きられない」(東氏)。日本の対策を注視しているのは、上陸例がまだな
い欧州だ。東氏は「イタリアやスペインといった地中海地方はヒアリの生息に適している」と
警戒する。
 繁殖能力は高い。1時間で平均して80個の卵を産め、1日で1000個の卵を産んでしまうとい
う。最初のコロニー(巣)を作るのは女王アリ。オスの精子を自分の体の中に栄養分としてた
めて出産する。
 さらに自ら羽を落とした後、羽を動かすための筋肉を栄養源にしながら幼虫を育てる。20~3
0匹育てれば全て働きアリになり、エサ集めを始める。そのうちコロニーが徐々に大きくなって
いく。
 ただ女王アリの大半は最初のコロニーを作るのに失敗し、コロニーを完成させられるのは100
0匹に1匹ぐらいしかいないという。それでも半年から1年かけて、こんもりと盛り上がったア
リ塚ができれば、爆発的に増える恐れがある。巣の中の温度が25度以上でないと幼虫は育たな
いが、アリ塚は太陽熱を有効利用して常に適温をつくり出しているという。
 環境省と国土交通省は8月からヒアリが生息する中国、オーストラリア、北中南米などから
の定期コンテナ船が来る全国各地の港湾で生息調査を始めた。対象は全国計68カ所となる。さ
らにコンテナの出発地での対策を強化することなども検討しており、政府は徹底した水際対策
でヒアリの生息拡大を食い止める方針だ。
 自治体独自の生息確認調査も始まっている。ヒアリの巣らしきものが見つかった神戸港を抱
える神戸市。発見された場所から4キロメートルほどの場所に多くの集合住宅があるだけに、
粘着シートを設けたり、エサに毒を混ぜたりしたしかけを用意したりと、対策は入念だ。周辺
の7500世帯に注意を呼びかけるビラも配り、生息確認調査を年内にさらに2回程度実施する予
定だ。
 幸いなことにヒアリの行動範囲は狭い。交尾したところから半径400メートル程度が一般的だ
。中には風に飛ばされて1キロメートル、最大では16キロ移動したヒアリもいるが、これはま
れなケース。東氏は「今は港湾だけなので心配ないが、内陸に入ってしまうとやっかいになる
。もしアリ塚を見つければ、これを一つずつつぶしていくのが一番効果的な対策だ」と初動の
重要性を指摘している。

********************************************************************************
7 保育園用地、賃貸に税優遇 大阪市や西宮市が待機児童対策 2017/8/14 日本経済新

********************************************************************************
地主に固定資産税免除や助成
 保育園に土地を貸してくれたら税金を優遇します――。待機児童の解消を目指し、大阪市や
兵庫県西宮市などが2017~18年度から、認可保育園に土地を貸した地主に一定期間、固定資産
税を免除したり、同額を助成したりする新制度を始める。都心部はマンション建設の影響など
で地価が上がり、保育園の用地が確保しにくくなっている。税優遇で用地提供を促すのが狙い

 若い世代が安心して子育てするには、子供を預ける保育施設の整備が不可欠。大阪市などの
取り組みは、待機児童対策に悩む各地の自治体の参考になりそうだ。
 17年4月時点で325人の待機児童がいる大阪市は、保育園運営者の用地確保を支援しようと、
同年度から認可保育園などに土地を貸した地主に、固定資産税の10年分にあたる金額を助成す
る制度を導入する。初年度は10億8千万円の予算を確保。8月中にも助成の要件を決め、他の
施策による効果と合わせて18年春までの「待機児童ゼロ」を目指す。
 市の試算によると、待機児童数が全24区のうち2番目に多い西区で、一般的な保育園の規模
(面積600平方メートル)の土地を貸した場合、地主は約3400万円を一括で受け取れるという。
 大阪府は既に府営住宅の空室を生かした保育所の整備を進めている。市民からは市に「空い
ている土地があるのに、どうして保育園を増やせないのか」との声が寄せられていたといい、
担当者は「子供を持つ親の切実な悩みを解決したい」と話す。
 大阪や東京で保育園を運営する「global bridge」(東京・墨田)によると、
都市部ではマンションの建設ラッシュで地価が上昇し、採算に見合う場所は減っている。立地
の良い土地を見つけても、より高い賃料を提示するコンビニエンスストアなどと競合し、賃貸
契約できないケースも多いという。
 同社は21年ごろまでに、大阪市内で保育園10~15カ所を新設する計画。尾野村満・関西エリ
アマネジャーは「地主の協力が得やすくなる」と新制度を歓迎する。
 西宮市は18年度から、認可保育園に土地を貸した地主の固定資産税と都市計画税を5年間免
除する方針。市内の待機児童は4月時点で約300人おり、19年度中に保育園の受け入れ枠を1500
人分増やす目標を掲げる。市子供支援総括室は「地主の税金負担が軽くなれば賃料も安くでき
、保育園を作りやすい環境が整う効果が期待できる。土地活用の有力な選択肢にしたい」と話
す。
 全国最多の8千人以上の待機児童を抱える東京都は今年度、23区内を対象に西宮市と同様の
制度を設けた。申請は秋以降の予定だが、利用条件などについての相談が相次ぐ。
 千葉県市川市は18年度までの2年間に認可保育園を開設することなどを条件に、土地の所有
者だけでなく、空きテナントを貸したビル所有者にも、貸した面積に応じて土地や建物の固定
資産税を減免する。既に30件以上の問い合わせがあるという。

■保育園確保へ自治体工夫
 保育園に入りたくても入れない待機児童の問題解消に向け、関西の自治体が新たな対策を打
ち出した。政府は2020年度末の「待機児童ゼロ」を目指すが、女性の社会進出が進むなか、目
標達成は容易ではない。都市部を中心に、あの手この手の受け皿作りに知恵を絞っている。
 厚生労働省によると、16年10月時点の全国の待機児童数は約4万7千人。政府は6月に公表
した待機児童解消プランで、新たに22万人分の保育施設などを整備するとしている。
 18年春までの待機児童ゼロを掲げる大阪市は今年度、前年度比3倍となる約116億円の関連予
算を計上した。固定資産税の実質的な免除や全24区役所と本庁舎の空き部屋活用などで計150カ
所に保育施設を整え、約6千人分の新規入所枠を確保する。
 70戸以上の大規模マンションを建設する事業者に対し、保育所設置について市と事前協議す
ることを義務付ける条例案も9月議会に出す方針。
 大阪府は府営住宅の空き室を活用し、小規模保育所の整備に乗り出した。昨年11月に島本町
で定員12人の保育所が開かれたほか、今年4月には交野市でも定員15人の施設が完成。既存の
施設を使えるため、事業者側はコストを抑えられるほか、行政にとっても空き家対策となる利
点がある。
 兵庫県明石市は今秋から、企業が従業員の子供を預かる「企業主導型保育所」が従業員以外
の子供を受け入れた場合、年間で1人当たり最大20万円を助成する独自の制度を始める。市の
待機児童数は今年4月時点で547人と過去最多で、新制度により75人分の受け皿を確保する予定
。市担当者は「保護者から寄せられた声を踏まえ、今後も切れ目なく手を打っていく」として
いる。

********************************************************************************
8 勾配屋根とエレベーター標準搭載の3階建て パナホーム 2017/8/14 日本経済新聞
********************************************************************************
 パナホーム(1924)は3階建て住宅「Vieuno3E(ビューノ スリーイー)」を発売
した。勾配屋根の形状を生かして3階建て部分に最大天井高3.1メートルのリビングを実現。フ
ロア間の移動をしやすくするため、パナソニック(6752)製の住宅用エレベーターを標準搭載
した。太陽光発電システムの搭載も可能で、建築規制の厳しい都市部での住宅に向く。北海道
や一部地域を除く全国で展開する。

********************************************************************************
9 人生100年時代 住宅、消費…変わるお金の使い方 2017/8/14 日本経済新聞
********************************************************************************
人生100年時代をマネーハック(2)
 今月のお題は「人生100年時代」です。ベストセラー「LIFE SHIFT」や千葉商科大学教授・日
本FP協会専務理事の伊藤宏一先生が提唱する「ライフプラン3.0」をヒントに、来るべき人生10
0年時代をマネーハックしています。今週考えてみたいのは「現役時代のお金のテーマ」です。

■所有が豊かさになる時代の終わり
 人生100年時代はまず、消費のあり方が変化していくことになります。すなわち、消費と所有
を豊かさに置き換えてきた時代が終わりそうだということです。
 バブルが終わるまで、私たちは消費と所有こそが豊かさの象徴だと考えてきました。たくさ
んのお金をかけて買い物をし、そのためには広い部屋も必要になりました。そもそも家を買う
ということも所有の一つです。
 しかし、人生100年時代においては、所有するものが陳腐化する問題は避けて通れません。ま
た、ほとんど時間をかけられないものを無理をして所有、維持する価値は下がっていくことで
しょう。
 シェアリングエコノミーといわれるようなアプローチはどんどん普及していくことでしょう
。例えば、カーシェアリングのように、週に数時間しか乗らない車をひとりひとりが所有する
必要はなく、必要に応じて同じ車を複数人が使えばいいわけです。マイカーを所有、駐車場代
を負担、ガソリン代や車検代を払うより、低コストで実質的な利便性は高まります。
 おそらく団塊ジュニア世代までが所有に価値を見いだす最後の世代になるのではないかと思
います。むしろ所有から離れることがマネープランの課題になるのかもしれません。

■持ち家はメンテナンスで悩み
 従って、人生100年時代は家を買わない人が増えそうですが、注意してほしい点もあります。
賃貸物件で老後に家賃を払い続けることは金銭面でリスク要因になるからです。「生涯賃貸派
」は現役時代からお金をためて、老後の家賃支払い資金を確保する必要があります。
 それでも、実際にうまくいくとは限りません。なぜなら、老後の家賃支払いがいくらになる
かは誰にもわからないからです。
 「老後は20年かも30年かもしれません。家賃が月8万円なら20年で1920万円、30年で2880万円
必要です。もっと長生きしたらもっとかかります。さて老後に家賃分をいくら確保してリタイ
アしますか」と聞かれれば、どんな人でも困ることでしょう。生涯賃貸派はそういう決断をし
ていることになります。
 老後の家賃支払いのリスクが嫌なら、持ち家にするのも一つの考え方です。しかしながら、3
0年超の老後を考えたとき、持ち家は維持できるのか、という問題があります。40歳前後に買っ
た家を100歳まで維持すれば60年のすみかです。あまりにも長すぎる人生は、家購入のタイミン
グでまず悩み、家をどうメンテナンスして住み続けるかでも悩むことになるでしょう。
 あえてメリットを考えれば、住宅ローンを長期設定しやすいことがあげられます。しかし、
人口減少社会においては長期的に家の価値は下がるでしょうから、地価の下落に見舞われて早
期に組んだローンが「高い買い物」になるリスクも残ります。
 人生100年時代の家問題は、長い時間で変化する不動産の価値と、「住むコスト」をどうやり
くりしていくか、という難問を私たちに突きつけることになりそうです。

■体験と感動に価値を見いだす
 ところで、人生100年時代は「体験」と「感動」に価値が見いだされるのではないかと思いま
す。ネットで映画や音楽が無料で見られるようになりましたが、力のあるアーチストはCDが売
れなくてもライブを通じて大きな収益を確保しています。これは「体験」や「感動」にお金が
払われる一例ではないでしょうか。
 子どもを牧場に連れて行き、本物の牛を見せ搾乳体験をするように、「体験」「感動」にお
金を使うことが意味を持ってくるでしょう。
 お金の使われ方を道徳的・倫理的に選択していくエシカル消費の考え方も市民権を得ていく
ことになるでしょう。使われたお金の「満足」はモノの質まで影響してくる時代になるという
わけです。
 人生100年時代は趣味も重要になります。また人付き合いなどのコミュニケーションも欠かせ
なくなります。本連載も先月は趣味の話題を取り上げましたが、実は趣味こそ「感動」や「満
足」を得るためにお金をかける、新しい時代のお金の使い方かもしれません。

■教育費は高額化の可能性も
 100年人生時代には多くのものごとが変化しますが、あまり変化しないものもあります。子育
てについては両方ありうるテーマです。
 長寿化は子との関係が長期化するということでもあります。現役時代に親の葬式をあげるこ
とは今やむしろ珍しい時代になりました。子が70歳になったころ、親の葬式の喪主となること
がこれから当たり前になっていきます。
 これは親にしてみると、孫と関わることができる時間が長くなるということでもあります。
現在でもすでに、65歳のときに誕生した孫の成人式まで見届けられる時代ですが、それ以上に
長く孫との時間をつくれるかもしれません。せっかくの長い時間、経済力もあるのですから、
プレゼントをしたり、子育てを手伝ったりしながら、子や孫と親密な関係を築いてください。
 一方で変わらないものもあります。子育てをスタートさせる年齢には一定の限界があること
、子育てにお金がかかるということ、そして子育てに時間がかかる、という単純な事実です。
 不妊治療の技術が進展することは確実ですが、50歳代での子育て開始が女性にとって難しい
ことは変わらないでしょう。子育て開始については人生100年時代といっても何十年も遅らせる
ことはできません。
 そして子育てにかかるマネープランの問題も長寿化で解消されるわけではありません。子ど
もを育て上げる、ということはお金をどう確保するかという問題として永遠に存在し続けるで
しょう。
 子どもが22歳まで養われる存在である、という時間軸も大きくは変化しないことと思われま
す。22年というのはスムーズに大卒で社会人になった場合の例ですが、教育プログラムの革新
により学習期間が短くなることはあっても、数年程度の短縮でしょう。むしろ学ぶ時間を数年
延ばして、長い社会人人生に備える人が増えるかもしれません。教育費の総額は高額化するか
もしれません。
 いずれにせよ、二十数年かけて子育てをする、という親の責任はこれからも変わらないこと
でしょう。親であることはつらいこともありますが、子育てを楽しめるよう工夫していくこと
が必要になりそうです。

マネーハックとは ハックは「術」の意味で、「マネー」と「ライフハック」を合わせた造語
。ライフハックはIT(情報技術)スキルを使って仕事を効率よくこなすちょっとしたコツを指
し、2004年に米国のテクニカルライターが考案した言葉とされる。マネーハックはライフハッ
クの手法を、マネーの世界に応用して人生を豊かにしようというノウハウや知恵のこと。

山崎俊輔
 AFP、消費生活アドバイザー。1972年生まれ。中央大学法学部卒。企業年金研究所、FP総研を
経て独立。退職金・企業年金制度と投資教育が専門。著書に『誰でもできる 確定拠出年金投資
術』(ポプラ新書)など。http://financialwisdom.jp

********************************************************************************
10 直交集成板「CLT」を活用 建物コンペ 2017/8/11 日本経済新聞
********************************************************************************
 強度や耐火・耐熱性に優れた新建材、直交集成板「CLT」の普及を目指す日本CLT協会
(東京・中央)は10日、CLTを使った建物のデザインコンペを開催すると発表した。戸建て
住宅、事業所の2部門で募集し、最優秀作品は実際にデザインに基づいた建物を建設する。C
LTは木の繊維方向を交互にして板を張りつける構造の集成材で、大規模建築物などでの利用
が見込まれている。
 岡山県の2社が協賛。戸建て部門は住宅メーカーのライフデザイン・カバヤ(岡山市)が協
力。最優秀作品は同社のモデルハウスとして活用する。事業所部門は国内最大級のCLTの量
産工場を持つ集成材メーカーの銘建工業(岡山県真庭市)が協力。最優秀作品を建設、同社の
事務所として活用する。
 近年、国産材の活用策としてCLTが注目されている。ライフデザイン・カバヤはこのほど
CLTを使った戸建て分譲住宅を岡山県倉敷市に建設。8月末から企業やメディア向けの内覧
会を開いて周知を図る。銘建工業も真庭市内の公共施設や岡山市の企業事務所などの建設を手
掛けており、CLTの建材としての定着を目指している。

********************************************************************************
11 中古マンション、プロが診断 「リノベ物件」は要注意 2017/8/10 日本経済新聞
********************************************************************************
 広さや間取りを重視して新築ではなく、あえて中古マンションを購入する人が増えている。
心配なのは築年数の古さからくる設備の劣化やトラブル。夢のマイホームも住んでみたら欠陥
住宅では台無しだ。安心して中古マンションを買うために、契約前に住宅の様々な問題を第三
者の目で点検してくれる住宅診断サービスの利用が広がっている。
 「不安なく子育てのできる家かどうか、事前にプロに診断してもらい、契約に踏み切れた」
。こう話すのは横浜市のAさん(29)だ。2月に築27年の中古マンションを約2000万円で購入。
夫と1歳の子どもと、まもなく入居する予定だ。
 Aさん夫婦は目星を付けた物件について住宅診断をしてもらおうと、診断士をインターネット
で探した。住宅診断とは、住宅の劣化度合いや安全性を第三者の診断士が点検するサービス。
「ホームインスペクション」ともいわれ、診断士の多くは1級建築士などの専門資格を持つ。「
配管や設備の劣化度合いは素人には判断が付かない。入居前にどこまでリフォームすべきかも
含めてプロに判断を仰ぎたかった」とAさんは話す。

■床や壁、配管劣化を点検
 診断では床の傾斜や壁や柱の腐食、配管の劣化状況などを確認する。依頼内容によっても異
なるが、一般に5万円程度の費用がかかる。住宅診断士の取りまとめをするNPO法人日本ホーム
インスペクターズ協会(東京・新宿)のホームページなどで、最寄りの診断士を検索できる。
 新築マンション価格の高止まりを背景に、中古市場は伸び続けている。東日本不動産流通機
構の調べでは、2017年4~6月期中古マンションの成約件数は首都圏で前年同期比1.2%増。9期
連続で前年同期を上回っている。
 Aさんの新居の診断を手掛けた住宅診断大手のさくら事務所(東京・渋谷)の住宅診断士、山
見陽一さんによると、中古マンションで特に診断が必要なのは「築年数が15年超の物件」。新
築時に設置する設備の交換時期が15~20年程度だからだ。

■体調が悪化するほどの傾き
 「新居に暮らしているだけで体調が悪くなる」。先日、山見さんのもとへ救いを求める依頼
が来た。入居後約1カ月。真っすぐ立っているのに傾いているような感覚が日増しに強くなり、
自律神経に異常を来したという。
 住宅診断に訪れ、一歩、廊下を踏み出すと、足が吸い込まれるように床がたわんだ。廊下の
傾きは実に1センチ。リビングは全体が中心部に向かってすり鉢状に約2センチ傾いていた。
 この物件は基礎となるコンクリートに直接床を張り付ける構造。コンクリートの劣化で隙間
が生じたのに気づかず床を張ったことが原因だった。診断結果を施工会社に説明し、交渉の結
果、無償でコンクリート補修と床の張り替えをしてもらえたという。
 ただ、こうした施工会社が責任を負う例は少ない。中古物件の契約後に見つかった瑕疵(か
し)は多くの場合、買い主の責任で修繕をする。入居したとたんに全面的なリフォームが必要
となる可能性もあり得る。「中古だから経年劣化はあって当たり前。大事なのは買う前にきち
んと認識しているかどうかだ」と山見さんは強調する。
 この物件が販売業者が買い取って全面的なリフォームをして売り出す「リノベーション物件
」だった点にも注意しよう。リノベ物件は目に見える部分を美しく整えている分、深刻な問題
を見落としがちだ。きれいに張り直した壁紙の裏は壁の基礎部分まで全面カビだらけという例
もある。「前の持ち主が退去したままの状態の物件よりもトラブルが起きやすいので、契約前
にしっかり点検したい」(山見さん)

■修繕積立金、追加負担のケースも
 中古マンションの場合、住居のハード部分の診断だけで安心してはいけない。忘れてはなら
ないのが中古マンションのソフト部分の要となる管理状況だ。
 マンションは住民で構成する管理組合があるのが一般的だ。大規模修繕費用は管理組合で計
画を立て、積み立てていく場合がほとんど。この計画の見込みが甘ければ不足資金を埋め合わ
せるため入居後すぐに積立金が倍増するなど、追加の費用負担が発生するケースもある。
 多くの人にとって住まいは人生最大の買い物だ。理想的な物件を前にすると、心が躍ってし
まいがち。中古でも長く安心して暮らせる理想の住まいを手に入れるために、プロに診断をし
てもらってはどうだろうか。

ワンポイント:管理状況にも注意
 中古マンションの購入に際しては、管理組合についてもよく調べよう。修繕積立金の計画や
管理費など会計情報は必須だ。総会や理事会の開催状況も要チェック。喫煙やペット飼育など
生活ルールのほか、管理会社の経営状況も把握したい。

********************************************************************************
12 戸建て受注、4社が前年割れ 大手7社の7月 2017/8/10 日本経済新聞
********************************************************************************
 戸建て住宅メーカー大手7社の7月の受注状況(金額ベース、速報値)が10日出そろった。
4社が前年実績を下回った。大和ハウス工業が15%減り、パナホームが17%減だった。17%減
だった旭化成ホームズは過去最高の売り上げだった前年同月の反動で落ち込んだ。三井ホーム
と住友林業、積水ハウスの受注は微増だった。

********************************************************************************
13 リビングで学習すると子どもの成績が良くなる説は本当か? 2017/8/16 朝日新聞
********************************************************************************
子どもがリビングで勉強するというライフスタイルが増えている?
 わが家には今、高校3年生の受験生がいるので、各種情報収集のため学習関連のサイトをたび
たび見る。すると「リビングで学習すると成績が良くなる」とする説をあちらこちらのサイト
で目にする。そこにはリビング学習の良い点について、親が近くにいる安心感で勉強に集中で
きるとか、親に質問してすぐに疑問を解消できるといった理屈が書かれている。ただ、子ども
の性格にもよるだろうが親がいる安心感と勉強する集中力にどんな因果関係があるのか、質問
する相手は親より学校や塾の先生のほうが的確な助言を得られるのではないか、といった疑問
も浮かんでくる。
 また、この説を補強する材料として、東大生にとったアンケートを引用した記事も多い。そ
の調査によれば東大生の約半数はリビング学習がメインで、自分の部屋で勉強していたという
学生は3割程度だったそうだ。そう聞くと「リビング学習=成績向上」説に信憑(しんぴょう)
性を感じる人もいるだろうが、筆者は実のところ懐疑的に見ている。
 というのも、昨今は子どもがリビングで学習するライフスタイルが一般化しているだけで、
東大生じゃなくても同じアンケートをとれば、やはり半数がリビングで学習していたと答える
かもしれないからだ。残念ながら東大生以外にとった同じアンケートを見つけることはできな
かったので、本当のところはわからない。
 もちろん、説の真偽が不明なだけでリビング学習が否定されるわけではない。ただ、リビン
グ学習が子どもの成績を上げてくれる決め手のごとく妄信するには、科学的根拠に乏しいとい
うのが筆者の率直な感想だ。
 筆者自身は今から30年以上前に、国立大学理系を受験した。相応に勉強した記憶はあるが、
それは自分の部屋や放課後に居残った教室で、だった。実家は地方の古い一軒家で、今で言う
家族のリビング(居間)は畳敷きのいわゆる茶の間である。茶の間は家族全員の居間兼食卓で
あり、勉強のためであってもちゃぶ台を独り占めすることは行儀が悪いとされ、当時はそこで
受験勉強をするという発想すらなかった。それは筆者の実家に限ったことではなく、当時の一
般家庭のライフスタイルがそうだったのだ。仮に筆者が茶の間で勉強していたら自分の成績が
もっと良かった可能性はあるが、そうではなくても志望大学に現役合格できたのだから、勉強
する「場所」は核心的な問題ではないと思うのだ。
 子どもの成績向上のために快適なリビングを手に入れましょうという提案は、住宅の販売促
進トークに使われることもある。しかし、冷静に考えれば、場所を整えるだけで子どもの成績
が上がるなんて、ある意味、子どもをバカにしたような話である。筆者は教育の専門家ではな
いが、子どもの学習意欲は、知識欲や向上心、達成感などが刺激されてスイッチが入るもので
、場所から湧くものではないと思うからだ。
 なかなか自律的に学習に向かわない子をもつ親としては、学習に向くリビングを整えれば子
どもの成績が上がる説は福音に聞こえるかもしれないが、そんな簡単な話はないと捉えるほう
が賢明だ。子どもの成績向上には、どこで勉強するかより、どれだけ勉強するかが本質であり
、子ども自身のやる気を刺激することこそが大切だろう。親として住まいのなかに子どもの学
習に向く場所を整えることは決して無駄ではないが、場所はあくまで枝葉末節。それを整えて
安心してしまっては、まさに本末転倒である。

********************************************************************************
14  歴史の「証人」地域に根付く 百舌鳥・古市古墳群、世界遺産候補に 2017/8/15 朝
日新聞
********************************************************************************
 2019年の世界文化遺産登録をめざす国内候補に決まった百舌鳥・古市古墳群。大きさや
形が様々な計88基の古墳が密集し、うち49基が遺産候補の対象となった。開発の波を越え
て守られてきた貴重な歴史の「証人」。二つの古墳群を紹介する。(大隈崇、渡辺元史)
 古墳といえば「立ち入り禁止」が多い中、実際に登れる古墳がある。それも世界文化遺産の
国内候補に決まった49基の中に含まれているという。これは登ってみるしかないと、行って
みた。
 一般の人が入れるのは、羽曳野・藤井寺両市にまたがる古市古墳群の8基。うち7基は藤井
寺市が管理する。
 市の担当者に、地上からでも前方後円墳の形が分かると勧められた大鳥塚古墳と古室山古墳
に行った。どちらも、市が生えていた木々を伐採して整備したため、気軽に登ることができる

 まずは大鳥塚古墳。5世紀ごろの築造とされ、全長は110メートルほど。周りには民家が
立ち並び、古墳だけがまるでぽっかりと、約1500年前からタイムスリップしてきたみたい
に見える。

********************************************************************************
15 山林相続、負担ばかり… 重い税金、買い手はつかず 2017/8/15 朝日新聞
********************************************************************************
■負動産時代
 放棄したくても引き取り手がいないなど、処分に困る不動産、いわば「負動産」は全国に広
がる。高知県には夫の死後、山林を相続したものの、処分できずに困っている女性がいる。ま
た、所有者がいない宅地の土台が雨で崩れ、町道をふさいでしまったケースもある。中山間地
における「負動産」の実態とは。(吉田美智子)
 四国山地の中央部にある高知県大豊町(人口約4千人)。面積の9割を山林が占め、急斜面
に集落や農地が点在する。
 町内の女性(71)は昨年9月、病死した夫から約40ヘクタールの山林と家屋を相続した
。女性自身はこの山林に足を運んだこともないが、名義変更などの手続きに約45万円かかり
、さらに毎年約30万円の固定資産税を納めなくてはならない。
 女性には3人の子がいるが、夫の死後、2人は相続放棄したという。次男だけは放棄しなか
ったが、女性は将来を心配する。「山は銀行の抵当にさえならないと聞く。会社員の息子に固
定資産税などの負担は重すぎる。私が死んだらどうしたらいいのか」

********************************************************************************
16 「ヤミ民泊」泊まってみた 貸主と会わず、隣室鍵なく 2017/8/14 朝日新聞
********************************************************************************
 全国で増えるヤミ民泊とはどのようなものなのか。記者が泊まってみた。
 8月上旬、スマートフォンで大手仲介サイトのアプリをダウンロードした。ユーザー名、メ
ールアドレス、電話番号、顔写真を登録すると、すぐに宿泊先を選べる。日程を指定すると、
福岡市内で泊まれる部屋が140件見つかった。
 いくつかに絞り、条件を見た。どれも所在地は地図に大きめの円が示されるだけで、詳細は
分からない。「駅から徒歩○分」などと書かれた情報をもとに選ぶ。泊まる前にチャット機能
で貸主と連絡を取り合えたが、返信が来なかったり、拒否されたり。結局、市中心部に近い「
地下鉄の駅から徒歩3分」の部屋に決めた。新築のような部屋もあったが、清掃料込みで34
00円ほどという値段と立地にひかれた。

********************************************************************************
17 売れぬリゾマン相続、処分費115万円 肩の荷降りた… 2017/8/13 朝日新聞
********************************************************************************
 国内有数のスキーリゾート地、新潟県湯沢町。バブル期は建設ラッシュに沸いたリゾートマ
ンションも、いまや価値が暴落。「1戸10万円」などで売り出される物件が続出し、管理費
などの負担に悩むオーナーの中には、お金を払ってでも処分したいという人も。こうした「需
要」に目を付けた新手の業者も出てきている。
 新潟県長岡市の男性(61)のもとに、不動産業者からダイレクトメール(DM)が舞い込
んできたのは2016年夏のことだ。
 「市場性のない物件→処分費用が必要となりますが『買取』します」
 同県湯沢町のワンルームマンション(約20平方メートル)を持つ男性は、業者に電話をか
けてみた。すると電話口でこう言われた。
 「売却には120万円ほどかかります」
 所有者がお金を支払って物件を引き渡す実質「マイナス価格」での買い取り提案だった。で
も、男性に迷いはなかった。向こう3年分のマンション管理費や事務手数料などとして約11
5万円を振り込み、物件を手放した。
 男性の兄が15年に亡くなり、相続した物件。男性自身は長岡市に自宅マンションを持って
おり、スキーにもリゾート地にも興味はなかった。空き部屋にしていても、管理費や修繕積立
金が年間約15万円、固定資産税は約3万円かかることは、兄が亡くなってから知った。
 先々の負担が不安で、すぐに売りに出した。最初の売値は40万円。値下げ交渉にはいくら
でも応じるつもりだったが、1年たっても物件の見学者はゼロ。そこに舞い込んだDMは、男
性にとって「渡りに船」だった。「兄の残した面倒の後始末はすべてできた。肩の荷が下りま
した」
 こうして引き取られた物件はどうなるのか。リゾート地を中心に物件を続々と引き取ってい
る大阪府の不動産業者を、記者が訪ねた。

********************************************************************************
18 沖縄)住宅地「民泊」180日ルール 対応は? 2017/8/13 朝日新聞
********************************************************************************
 アパートやマンションの一室、空き家などを宿泊施設として有料で貸す「民泊」について、
新たな法律が年明け以降に施行される見通しだ。これまで民泊が認められていなかった住宅地
でも、必要な届け出をすれば営業できるようになる。ただし、営業日数は全国的に年間180
日以内。各自治体レベルでは、さらに短く設定できる。県や那覇市は、新法の施行時期や今後
予定される細かいガイドラインを見極めながら、所管部署や条例の必要性を検討したい考えだ
。(政経部・平島夏実)
 民泊ビジネスは本来、物件ごとに旅館業法の許可が必要。住宅専用地域に指定されているエ
リアでは許可を得られない仕組みで、エリア内にあっても消防設備や建築基準が不十分なら営
業できない。
 しかし、現状では無許可の「ヤミ民泊」が広がっている。近隣住民から「ゴミ出しのルール
を守らない」「夜間に騒いでうるさい」などの苦情が寄せられているだけでなく、賃貸物件で
火災が発生した場合、元々の借り主と宿泊客のどちらが責任を取るべきか不明確という問題も
はらんでいる。

********************************************************************************
19 京都)民泊NGマンションは管理規約改正を 京都市 2017/8/13 朝日新聞
********************************************************************************
 民泊を認めないマンションは、管理規約の見直しを――。住宅宿泊事業法(民泊新法)が来
春にも施行されるのを前に、京都市は10日、市内の分譲マンション管理組合に、そう呼びか
ける文書を送った。規約で禁止したマンションでは民泊を認めない国の方針を周知させ、すで
に目立っている住民とのトラブルをなるべく抑え込みたい考えだ。
 民泊新法は、自治体に届け出ればマンションの一室でも民泊事業をできるようにする。一方
、トラブルを防ぐため、国は届け出の際にマンションの管理規約を提示させる方針。規約に民
泊の禁止を明記してあれば、自治体への届け出を認めない仕組みを省令などで定める考えだ。
 市内に約1700ある管理組合向けに送った文書で、市は、エントランスや廊下など共有部
分があるマンションで民泊が行われることは、「住民の居住環境に与える影響が非常に大きい
」「安心・快適な居住環境が確保できなければ(物件の)資産価値に影響を及ぼす」などと指
摘。市も民泊を規制する条例を検討しているが、認めない場合は「管理規約の変更(改正)が
最も確実」としている。

********************************************************************************
20 「資産」から「お荷物」へ 別荘地に見る土地神話の崩壊 2017/8/12 朝日新聞
********************************************************************************
 売るに売れない、捨てるに捨てられない「負動産」を、お金を払ってでも処分したいという
動きがでてきた。かつて土地は、持っているだけで値上がりする大切な「資産」だったが、い
まや持っているだけで税金や管理費がのしかかる「お荷物」だと感じる人が増えている。
 その典型例が別荘地だ。バブルのころ、週末に家族と遊びにいける別荘を持つことは「ステ
ータス」だった。静岡県内の不動産業者は当時、何度も東京にきて多くの商談をまとめたこと
を懐かしむ。
 30年たち、いまやそうした別荘地は様変わりしている。道路は補修されずガタガタで、空
き家や雑草が生えた空き区画が目立つ。廃棄物の不法投棄にも悩まされている。
 東京五輪に沸く東京など大都市の都心部の不動産市場は今も活況だが、リゾート地や地方都
市、大都市でも郊外などは地価の下落が止まらない。国土交通省の住宅地の公示地価を、20
11年を100とした指数でみると、3大都市圏が高止まりしているのに対し、地方圏は90
・8と10ポイント近く下落した。
 大量の人が都会に流れ込んだ「団塊の世代」は25年には全員が75歳以上となり、近い将
来には「大相続時代」がやってくる。
 有識者でつくる所有者不明土地問題研究会(座長・増田寛也元総務相)の推計では、相続未
登記などで所有者が分からなくなっている可能性がある土地の総面積は、九州よりも広い約4
10万ヘクタールに達する。政府は、所有者不明の土地を公的事業に限って利用しやすくする
新たな法整備などを検討している。
 ただ、「負動産」の所有者たちにとっては、固定資産税や登録免許税の負担の重さや、不動
産取引の停滞の方が深刻な問題だ。価値が上がり続けるという「土地神話」を前提につくられ
た税制や不動産の登記制度について、抜本的に見直そうという動きは鈍い。
 土地制度に詳しい東京財団の吉原祥子氏は「価値が低下した行き場のない土地の情報をどう
共有し、誰がどのように管理と権利の保全をしていくのか、包括的な議論が必要だ」と指摘す
る。(

********************************************************************************
21 熊本)益城「畑の断層」の堂園地区、住民主導の復興計画 2017/8/10 朝日新聞
********************************************************************************
 熊本地震で大きな被害を受けた益城町東部の堂園地区の住民らでつくる「まちづくり協議会
」が9日、町役場を訪れ、地区内の道路の拡充や災害公営住宅の整備を盛り込んだ「まちづく
り計画」を西村博則町長に提出した。同協議会がつくった計画が提出されるのは初めてで、住
民主導での復興のモデルの一つとなる。
 48世帯の堂園地区では36世帯の住宅が全半壊。畑には最大約2・4メートルの断層の横
ずれが現れ、町が文化財に指定して「震災遺構」としての活用を模索する。
 住民は3月、地区の復興計画を住民で話し合って町に提案する協議会を設立。応急仮設住宅
などに散らばる全住民に参加を呼びかけて議論を重ねた。計画には、倒壊した住宅に塞がれて
緊急車両が通れなかった道の拡幅や災害公営住宅の建設用地の提案、子どもが集える公園や断
層の見学に訪れる人たちの散策ルートの整備などを盛り込んだ。

********************************************************************************
22 AIや仮想現実は、人の仕事をどう変えつつあるか 2017/8/10 朝日新聞
********************************************************************************
FInTechにつづく「不動産テック」を舞台に、「未来の働き方」を考えてみる
 さまざまな産業が、新しいネット技術や人工知能(AI)を取り入れることで、変革を進め
ている。巷間「××テック」と呼ばれる動きだ。
 金融業界の「フィンテック」(FinTech)は、よく知られている。フィナンシャルとテクノロ
ジーが融合して、古くさい業務スタイルを根底から変えつつある。「ブロックチェーン」はそ
の最有力の基盤技術だ。取引手数料を大幅に減らし、人員削減を迫る勢いがある。
 これに続くように、××テックがあちこちで加速している。教育のEduTechや、医療のMediTe
chには勢いがある。農業でもAgriTechが進む。すべてのモノがインターネットに繋がる「Io
T」を活用して、これまで人手に頼っていた仕事が機械へと置き換わりつつある。
 こうした変化を知るために、ReTech(Real-Estate Tech)の世界を見ていこう。つまり不動
産テックだ。「テクノロジーが働き方を変えるとは、どういうことか」。そのイメージをつか
む手がかりにもなる。

広がりはじめた人工知能やVRの応用
 新興の6社に話を聞いた。さまざまな業務を展開している。
 物件情報の提供、価格査定、顧客とのマッチング、各種業務管理……。不動産という広い業
界で、さまざまな仕事が分担されていることが分かる。それぞれの分野に専門家や業者がいる

 賃貸と売買では、ノウハウが違う。業者向けと消費者向けでも、サービスは異なる。6社は
、時には連携し、時には競い合いながら、事業拡大を図っている。

人工知能で問い合わせにも対応
【1】ITANDI(イタンジ)=不動産賃貸の業務支援
 空室率を下げたい管理会社に向けて、内見の予約をネットで完結できる「内見予約くん」や
、物件の空き状況の問い合わせに自動応答する「ぶっかくん」といったシステムを提供してい
るのがイタンジだ。入居者からの問い合わせに人工知能のチャット機能で対応する「nomad」(
ノマド)というサービスもある。効率よく来店率を上げたい仲介会社向けには、顧客が探して
いる条件に合った物件を自動メールで提案するシステムなどがある。
 「不動産業界の非効率な部分を、どんどん改善していきたい」と話すのは、代表の伊藤嘉盛
さん。三井不動産レジデンシャルリース勤務などを経て、2012年に起業した。

店にいながら仮想空間で物件を内覧
【2】ナーブ =ヴァーチャルリアリティー(VR)内覧
 借りてみたい、購入したい、と考える物件がいくつもあるとき、現地まで出かけなくても室
内の様子を確認できたら便利だろう。ヴァーチャルリアリティー機能を活用して、まるでその
場にいるような内覧体験ができるのが、ナーブの「VR内見」というサービスだ。
 室内の四方八方を、ゴーグルを通じて映し出す。不動産業者に過重な負担をかけず、簡便に
VR画像を製作できるのが、このサービスの強み。専用ソフトとカメラを利用し、わずか30秒
で撮影できるという。画像をその場でアップロードすれば、作業はもう完了だ。「どの物件の
画像データなのかを、GPSの位置情報によって自動取得するなど、徹底的な簡略化を図って
います」と、社長の多田英起さんは胸を張る。

不動産に特化したSNS機能を提供
【3】ツクルバ =流通情報サイト
 中古住宅の流通に特化したサイト「cowcamo」(カウカモ)などを展開する。最寄り駅やエリ
ア別だけでなく、「日当たりのよさ」「一人暮らし」といった条件や、求めるライフスタイル
で物件をさがせる。豊富な写真や丁寧な説明が特徴で、従来の不動産サイトにはない身近さが
ある。内見の申し込みなどもネットで完結。各種セミナーも開いている。
cowcamoのコンセプトは「家を買うことを学べるサイト」だと、取締役の上村康太さんは言う
。購入したあとも、情報交換できるコミュニティー機能がある。「不動産に関わる幅広い情報
提供のしくみをつくりしたい」

新しい不動産用途をデータ分析で発見
 さて、あと3社あるが、ここでいったん6社の関係を整理してみたい。マトリクスのなかに
位置づけてみる。
 今回の6社は、「消費者向けか、事業者向けか」というサービス対象の違いや、「ハード指
向か、ソフト指向か」といった基盤技術に差がある。ここから、下のように立ち位置が分かれ
る。

拡大不動産業界で進む「ReTech」関連の新興企業マトリクス
 つまり、このマトリクスからも、不動産という業界にさまざまな専門分野や業務内容がある
ことがイメージできるだろう。業界の裾野は広い。テクノロジーを活用することで、さらに未
開拓の分野が見つかり、新規参入が続く予感がある。

********************************************************************************
23 JA福井市職員、15年間に1億6千万円着服 2017/8/15 読売新聞
********************************************************************************
 福井市渕のJA福井市は14日、支店勤務の40歳代前半の男性職員が2002年から15
年間で計1億6000万円を着服していたと発表した。
 職員は「とんでもないことをしてしまった」と認めているといい、JAは業務上横領容疑で
刑事告訴する方針。
 発表では、職員は2組の顧客に対して「もっと運用が良くなる」などと持ちかけ、月払いを
一括払いにさせるなどして得た現金の一部を着服。この顧客との取引期間が長く、預かった通
帳や印鑑を無断で使い、貯金を引き出していた。職員は着服した資金を、自動車購入や遊興費
や生活費、住宅ローンの支払いなどに充てていたという。
 7月に別の顧客が定期貯金の解約のために来店したが、職員によって既に解約されており、
解約金も未払いだったことなどから、職員に確認し着服が発覚した。JAは職員を出勤停止処
分にしており、懲戒解雇を検討している。

********************************************************************************
24 犯罪者を遠ざける、子どもに安全な場所の作り方 2017/8/14 読売新聞
********************************************************************************
立正大教授 小宮信夫.
 「不審者に気をつけて」。子どもの防犯指導でよく言われてきた言葉である。しかし、今年
3月に千葉県松戸市で発生した女児殺害事件で逮捕された容疑者は、子どもたちの登下校の見
守り活動を行っており、「不審者」とは認識されにくい立場だった。防犯に詳しい立正大の小
宮信夫教授は、不審者に的を絞った防犯対策には限界があり、「犯罪をしにくい環境づくり」
が有効だと指摘する。

「不審者」は見抜けない
 私は時々、小学校で授業を行っているが、子どもたちに「どんな人が不審者だと思うか」と
聞くと、ほとんどの場合、「サングラスやマスクをしている人」という答えが返ってくる。し
かし、そうした姿で誘拐などの子ども相手の犯罪に及んだ例は聞いたことがない。これでは、
子どもたちは「普通の格好の人」にだまされて、ついていく。
 実際、1988~89年に埼玉県と東京都で発生した連続幼女誘拐殺人事件も、1997年
の神戸市連続児童殺傷事件も、2004年の奈良女児誘拐殺人事件も、だまされて連れ去られ
たケースだった。松戸市の女児殺害事件で逮捕された保護者会長も、子どもから見れば「親切
そうな人」「知っている人」であり、決して「怪しい人」ではなかったはずだ。犯行の動機が
あるかないかは見ただけでは分からない。「不審者に気をつけて」と言われてそのように心が
けたとしても、犯罪者を見抜けるわけではない。
 それでもなお、「不審者」に注目し続ける日本の防犯対策に比べ、実効性を重視するのは、
海外の取り組みだ。犯罪を起こりにくくする「場所づくり、環境づくり、まちづくり」が活発
に行われている。
 犯罪学では、こうしたアプローチを「犯罪機会論」と呼んでいる。犯罪は、犯行の動機があ
るだけでは起こらず、動機を抱えた人間が犯罪の機会、言わば「チャンス」に出合ったときに
初めて起こる。つまり、犯罪者の動機をなくせなくても、犯罪の機会を与えなければ、犯罪を
防げるともいえる。「機会なければ犯罪なし」である。日本では、あまり知られていない方法
論なので、ここで紹介したい。

犯罪のチャンスを奪え
 海外では、「不審者」に当たる言葉は使われていない。防犯のために注目するのは、「人」
ではなく、「場所(景色)」である。「危ない人」は見ただけでは分からないが、「危ない場
所(景色)」は見ただけでも分かる。犯罪者は、周辺の景色を見て犯罪が成功するかどうかを
判断すると言われる。その基準は「入りやすいかどうか」「周囲から見えにくいかどうか」だ

 「入りやすい場所」では、犯罪者は容易にターゲットに近づくことができ、すぐに逃げるこ
ともできる。「見えにくい場所」では、余裕を持って犯行を準備することができ、犯行そのも
のも目撃されにくい。
 このような場所で犯罪が起きやすいなら、対策は「入りにくく、見えやすい場所づくり」と
いうことになる。犯罪者が周囲の景色を見たときに、「犯罪は失敗しそうだ」と思い、あきら
めるような場所にするというわけだ。これが、犯罪機会論に基づく「防犯まちづくり」である
。海外では、住宅、道路、学校、公園、駅、乗り物、トイレ、病院、スタジアム、ショッピン
グモールに至るまで、犯罪機会論に基づくデザインを採用した街が少なくない。
 私は7年をかけて、世界92か国を歩き回り、「安全な街の景色」を集めてきた。それらを
写真集としてまとめ、『写真でわかる世界の防犯――遺跡・デザイン・まちづくり』(小学館
)として出版した。その中からいくつかの例を紹介しよう。

********************************************************************************
25 適正管理の森林 国際団体がお墨付き 2017/8/14 読売新聞
********************************************************************************
 環境に配慮して管理されている森林に対して国際団体などがお墨付きを与える「森林認証」
を取得する動きが国内で広がっている。
 「伐採後の植林が適切か」「生物多様性が守られているか」などの基準を満たした山林から
切り出された木材には認証マークが付けられ、一般の木材と区別して販売される。2020年
の東京五輪・パラリンピックで、認証材の利用を促す方針が示されたことが、取得への追い風
となっている。(小林雄一)
 山梨県北部の北杜市。標高1600メートルの山中で、1台の重機がうなりを上げていた。
アームを動かし、運ばれてきたカラマツをつかみ上げ、切断する。県有林の出荷作業だ。作業
を任されている木材生産会社「山梨中央林材」の内田吉郎さん(45)は「県有林には認証と
いうブランド力がある。必ず売れるから、一年中、仕事が途切れることがない」と汗を拭った

 県土の3分の1を県有林が占める山梨県。昭和30年代に植林されたカラマツやヒノキが多
く、伐採の適期を迎えている。同県は03年、全国の公有林では初めて、国際的な森林認証「
FSC」を取得。県有林の9割にあたる14万3000ヘクタールが認証を受けている。
 同県の県有林課は「認証は、国際基準により山林が適正管理されていることの証し。環境保
護への意識が高い企業などに販路が広がってほしい」と期待を寄せる。コンビニチェーンの一
部では、木造店舗の建設時に山梨県の県有林を使用。また住宅メーカーや製紙会社からも注文
が相次いでいるという。
 国際的な森林認証は、ドイツに本部がある「FSC」と、スイスの「PEFC」の2種類が
ある。日本の林業団体は、国内の小規模経営の山林に合わせた独自基準「SGEC」を定めて
おり、相互承認で国際的にはPEFCとして認められる。
 認証は、森林管理部門と加工・流通部門の2種類に分かれ、林野庁によると、森林管理部門
の16年の認証林面積はFSCとSGECを合わせて計195万ヘクタール。国内の森林全体
の8%で、10年前の約3倍まで増えた。山梨県のほか、林業が盛んな北海道や静岡県で認証
の取得が進んでいる。また、民間の森林組合や製紙会社などが持つ山林にも広がっている。
 認証では、環境コンサルティング会社などの認証審査機関が山林や木材加工業者などに出向
き、現場を確認する。SGECでは、約100項目の審査基準を設定している。例えば、森林
管理部門では、「伐採で沢に土砂が流出しないか」「植林の際に土壌浸食の防止などの保全策
がとられているか」など、細かな手順を点検する。
 取得後も年1回の監査、5年ごとの更新が必要だ。林野庁は「山林の管理水準が向上し、木
材を輸出する際のアピールポイントにもなる」と認証取得を後押ししている。
 東京五輪・パラリンピックでは、主会場の新国立競技場の建設に国産材が使われる。選手村
など各種施設の建設も相次ぎ、木材需要が一気に高まるとみられている。大会組織委員会は昨
年、「持続可能性に配慮した木材の調達基準」を公表し、認証材の使用を推奨する原則を示し
た。
 東京大学の白石則彦教授(森林経理学)は「かつては作業道を作るために沢を土砂で埋めた
り、伐採した木の枝を沢に捨てたりしていた」と林業現場での問題点を指摘した上で、森林認
証について、「環境への影響が厳しく審査されるので、現場の意識が変わる。それが山林の全
体を守ることにつながる」と評価。認証を得るために木材生産業者と山林所有者が連携するこ
とで、「間伐などの作業が効率化し、木材の安定出荷にもつながる」とみている。

********************************************************************************
26 橋本空き家撤去 初の略式代執行 2017/8/12 読売新聞
********************************************************************************
 ◇市が費用負担
 橋本市は11日、空家対策特別措置法に基づき、長年放置されて傷み、倒壊の恐れがある同
市古佐田の空き家について、略式代執行による撤去作業を始めた。市建築住宅課によると、2
015年に施行された措置法により略式代執行が行われるのは県内で初めて。
 空き家は木造2階建て延べ76平方メートルで、築50年以上とみられる。経年劣化により
屋根が落ち、壁や柱の一部も壊れ、建物全体が傾いている。西隣の市道は県立橋本高などの生
徒の通学路で、倒壊すると通行人に危険が及ぶと判断。所有者が亡くなり、親族も相続を放棄
したため、市が撤去費約150万円を負担して取り壊すことを決めた。
 この日は、同課の西前克彦課長が現地で代執行の開始を宣言。職員ら約10人が解体に必要
な足場を組む作業を始めた。今月末までに撤去する予定。
 西前課長は「今後は、傷みが激しい空き家の所有者に、適切に管理するよう助言していく」
と話している。

********************************************************************************
27 福岡空港入札に5陣営、民営化1次審査 2017/8/11 読売新聞
********************************************************************************
国土交通省は10日、2019年4月に予定する福岡空港(福岡市)の民営化について、入
札手続きの1次審査書類の提出を締め切り、五つの企業グループが参加したことを明らかにし
た。企業名は公表していないが、応募したのは、西日本鉄道や九州電力などの地場企業でつく
る福岡エアポートホールディングス(HD)、伊藤忠商事、オリックス、住友商事、東京建物
をそれぞれ中核とする企業グループ。国交省は1次審査で3グループ以内に絞り込み、9月頃
、結果を通知する。2次審査を経て来年5月頃に優先交渉権者が決まる。
福岡エアポートHDは、三菱商事とシンガポールの空港運営会社チャンギ・エアポート・グ
ループと組んだ。空港民営化で初めて入札に参加した伊藤忠商事は、大手住宅メーカーの大和
ハウス工業や豪ファンド・マッコーリーグループと連携した。
 オリックスは既に関西国際空港と大阪(伊丹)空港の運営に参画している。今回は、国管理
空港で初めて民営化された仙台空港の運営に携わる東京急行電鉄、18年4月に民営化される
予定の高松空港(国管理)の運営権を取得する見通しとなった三菱地所の2社も陣営に加わっ
た。
 住友商事は三井不動産やドイツの空港運営会社アヴィ・アライアンスと、不動産大手の東京
建物は英国の空港運営会社マンチェスター・エアポート・グループとそれぞれ組んだ。

********************************************************************************
28 立野ダム今年度本体着手 22年度完成 2017/8/10 読売新聞
********************************************************************************
 洪水被害を防ぐため、国が南阿蘇村と大津町にまたがる白川で建設中の立野ダムで今年度、
本体工事に着手する。2012年の九州北部豪雨では下流で住宅の浸水被害が相次ぎ、下流域
の自治体は、早期の着工を望んでいたが、熊本地震の影響で1年遅れとなっていた。22年度
の完成を予定しており、国土交通省は「白川の安全性を早く高めたい」としている。(本部洋
介)
 ダムは、阿蘇地域から熊本市などを経て有明海に流れ込む白川(延長74キロ)の洪水調節
を目的に1979年度に整備が始まった。流水型ダムという構造で、ダム本体の下部に開いた
穴から、ダムに収まりきれない水が下流に流れる。
 阿蘇地域の年間の平均雨量は全国平均の約2倍に上り、大雨の時には白川に大量の水が流れ
込む。白川は勾配が急なため、熊本市内で急速に水位が上昇するという。12年の北部豪雨で
は、同市の水位が約4メートルも上昇し、住宅の浸水被害が相次いだ。
 流水型ダムは、人がゲートの開閉の操作をしなくても、下流への水量調節ができるため、急
速な増水に対応しやすい。ダムが完成すれば、熊本市でピーク時の1秒当たりの流量を約1割
減らせるという。
 熊本地震では、ダム本体予定地近くの斜面が一部崩れるなどした。同省は昨年7月、専門家
委員会を設け、地震による影響を検討。同委員会が同8月、予定地の岩盤が強固なことなどを
確認し、ダム建設は可能との結論を出したため、高さ90メートルのコンクリート製の本体工
事を始めることになった。
 同省は、工事用道路の設置や、地震で崩れた斜面の復旧を進めている。同省立野ダム工事事
務所は「今後もダム周辺の斜面の状況など、地震の影響を確認しながら早期に工事を進めたい
」としている。

********************************************************************************
29 公費解体は全壊家屋だけ、環境省特例見送りへ…九州北部豪雨 2017/8/10 読売新聞
********************************************************************************
 九州北部を襲った豪雨で被災した家屋の解体について、環境省は、自治体が無償で解体を代
行する公費解体の適用対象を全壊家屋に限定する方針を決めた。今回の豪雨では大規模半壊や
半壊家屋が700棟に上り、福岡県などが適用対象の拡大を求めていたが、同省は災害の規模
などから適用拡大を見送った。
 福岡、大分両県のまとめによると、豪雨での住宅被害は10日現在、全壊229棟、大規模
半壊・半壊700棟。床上・床下浸水した1607棟については、家屋被害調査で全壊や半壊
などに区分する。
 廃棄物処理法に基づく補助制度では、公費解体の対象を全壊のみと定めている。
 ただ、東日本大震災と熊本地震では特例として対象を拡大した。約9000棟が全壊、約3
万4000棟が大規模半壊・半壊した熊本地震では、半壊以上が対象となり、6月末現在で2
万5686棟が公費で解体された。
 今回の豪雨を受け、福岡県の小川洋知事は7月、現地視察した山本環境相(当時)に対象拡
大を要望した。ただ、環境省は「被害規模は熊本地震より小さく、半壊でも修繕して住み続け
られる家もある」と判断。対象拡大を見送った。

********************************************************************************
30 星野リゾート出資のMATCHA、訪日客の視点で観光情報サイト 2017/8/16 日経
産業新聞
********************************************************************************
 星野リゾートが7月に出資したベンチャー企業がある。外国人に日本の観光情報を伝えるM
ATCHA(東京・台東、青木優社長)だ。全従業員19人の出身国・地域は6つに及ぶ多様性
を武器に、10の言語で記事広告をウェブサイトに掲載している。訪日外国人の買い物需要の取
り込みが課題となっている消費財メーカーや、観光客を誘致したい地方自治体にとって不可欠
な存在になっている。

********************************************************************************
31 酉島製作所、インドで火力向けポンプ、更新需要取り込む 2017/8/15 日経産業新聞
********************************************************************************
 酉島製作所は2018年4月までに、インドで火力発電所向けの大型ポンプの製造を始める。南
部バンガロール市の保守拠点を活用し、日本から輸出していた製品を現地生産に切り替える。
インドでは電力不足を背景に、老朽化した火力発電所の設備の更新需要が見込まれる。現地で
供給体制を整えて需要を取り込むほか、生産コストも3割削減する。

2017-08-17 | Posted in 住宅関連新聞記事Comments Closed