住宅関連新聞記事ダイジェスト No.263 2008/12/18~2008/12/24

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【日本経済新聞】
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【朝日新聞】
1  17年売れ残るマンション 市再開発のお役所仕事
2  愛知県営住宅、単身の若者に特別枠「雇い止め」対策

【読売新聞】
3 火災警報器の悪質販売“再燃”
4 UR住宅2000戸2割引き提供 社員寮退去者ら対象
5  アーバンコーポレイション 清算へ
6  ダイア建設、民事再生法を申請
7  野良ネコ保護地域「説明なし」都営住宅を住民提訴
8  マンション発売、連続5万戸割れ…09年首都圏予想

【日経産業新聞】
9   トステム住宅研究所、太陽光発電を期間限定で戸建てに装備
10  靴の悪臭和らげる玄関収納 トステム、原因物質をイオンで吸着
11  東京都区部の高級賃貸住宅、新規供給1年で52物件
12  ゲオエステート、横浜に営業拠点 首都圏でマンション開発強化
13  ニッコー、家庭用小型風力発電機を低価格で

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1  17年売れ残るマンション 市再開発のお役所仕事  2008/12/18 朝日新聞
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 兵庫県西宮市がJR西宮駅前の好立地で分譲した再開発マンションが、売り出しから17年たっても「完売」に至っていない。先月ようやく最上階の1室が売れたが、まだ1室が残っている。景気の冷え込みにもかかわらず最近まで当初の高値を掲げており、不動産業者は「信じがたいお役所仕事」とあきれている。
 92年着工、95年8月完成の「ヴィエント西宮」(17階建て、全85戸)。着工に先立って91年に分譲を始めた。29戸は地権者、47戸は県住宅供給公社に売却。残り9戸を再開発地域の住民向けに売り出したが、最上階の3LDK(91.91平方メートル、当初販売価格4980万円)と6階の2LDK(65.32平方メートル、同3840万円)の買い手がつかなかった。価格には、バブル期の高い開発コストが反映されていた。
 市は02年度、この2室の売却を同公社に打診したが、提示された額は計3千数百万円という安さだったため、「市民の理解を得られない」と断念。大幅に値下げしての販売も検討したが、「差損につながる」と見送られた。
 だが、空き室の所有を続けるだけでも経費がかかる。マンション管理組合に支払う共用部分の管理費などは2室で年間約40万円、今年までに累計500万円以上になった。市監査委員は06年度の定期監査で「売却を含め早期に処分を」と指摘。07年3月の市議会でも、議員から「駅前の大変便利な場所にある。速やかに処分するなど方針を出すべきではないか」と問われた。
 市は今年度、不動産鑑定士の意見を聞いたうえで、新たな分譲価格を3LDKは3230万円、2LDKは2725万円に設定した。民間業者に委託すると多額の経費がかかるため、直接販売することにし、再開発地域の住民向けという条件も外した。
 9月に申し込みの受け付けを開始。3LDKには10人以上が応募し、抽選で西宮市内の男性との契約が11月に成立した。だが2LDKは3人が申し込んだものの成約に至らず、先着順での募集を続けている。西宮市市街地整備グループの担当者は「買い手がつかなければ別の方法を考えないといけないかもしれない」と苦悩する。
 当初に47戸を引き受けた県住宅供給公社も一般向けの販売に苦戦したが、こちらは早くに手を打った。01年になっても21戸が売れ残ったため、負担軽減のため賃貸に切り替えたのだ。
 地元の不動産業者は「マンションは築年数がたつほど価値が下がる。普通なら半値にしてでも早く売ろうとするのに、十数年も漫然と保有し続けるなんて民間ではありえない」と市の対応に驚いている

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2  愛知県営住宅、単身の若者に特別枠「雇い止め」対策  2008/12/18 朝日新聞
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 派遣労働者の契約打ち切りや期間従業員の「雇い止め」で寮を追い出される人が増えると予想されることから、愛知県は、県営住宅に通常は応募できない若年の単身者でも入居できる「特別枠」約70戸分を準備する方向で検討に入った。早ければ年内にも、遅くても09年1月から受け付けの態勢を整える。
 県営住宅管理室によると、通常の入居者募集は年3回。08年度は5月に448戸、9月に591戸が空き室に入居したが、いずれも倍率が12倍程度の狭き門だ。加えて、応募の要件は単身者の場合、60歳以上か障害者に限られる。
 今回は「100年に1度の深刻な事態。早急な対策が必要でタイミングが大事だ」とする神田真秋知事の指示もあり、大量のリストラが想定される20代から50代が単身でも入居できる「特別枠」を用意することにした。国の了承が必要となる。
 対策室によると、8月末の豪雨で同様に用意した「特別枠」に10戸が入居したが、災害以外で通常の要件を取り払うのは極めて珍しいという。

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3  火災警報器の悪質販売“再燃”  2008/12/24 読売新聞
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義務化に便乗 相談4割増244件
 警報器は直径10センチほどで、5000~1万3000円程度。ネジやくぎに引っかけるだけで取り付けられる 一般住宅への設置が義務づけられた住宅用火災警報器を巡り、不当に高い価格で売りつけられたり、現金をだまし取られたりする被害が今年度になって“再燃”している。東京消防庁は「強引な営業に不安を感じたら、その場で電話で消防署や消費生活センターに相談して」と注意を呼びかけている。
 2004年6月に消防法が改正され、06年6月から、新築住宅には警報器の設置が義務づけられた。建築済みの住宅については、11年6月までに、各市町村が設置義務の期日を設定することになっている。
 これに便乗する形で、悪質な訪問販売が現れた。国民生活センターによると、全国の消費生活センターに寄せられた警報器を巡る相談件数は、05年度は173件だったが、06年度は507件に増えた。07年度は387件とやや収まったものの、08年度は再び増加し、11月末現在、前年度同期の178件より約4割も多い244件に上っている。
 東京消防庁によると、今年5月、都内の高齢の女性宅を訪ねた業者が、「設置が義務化された」と、警報器ではない保安システムを75万円で売りつけようとした。女性が購入を渋ると、「50万円でいい」と“値引き”され、つい契約してしまったという。
 都内では、2人組が「警報器設置のための調査」と言って訪ねてきて、1人を2階に案内しているすきに、もう1人に現金を盗まれるという事件も起きた。
 金だけをだまし取る詐欺のような手口も出始めた。関西地方のある消防本部によると、今年2月、79歳の女性宅を作業服姿の男が訪れ、「法律で必要になった」と8万円で購入を持ちかけた。女性が断ると、男は「頭金だけでもいい」と粘り、2万円を受け取ると「領収書を取りに行く」と外に出て戻ってこなかった。
 被害の背景には、設置が義務づけられたことが十分に知られていないことがあるとみられる。総務省消防庁が今年6月時点の普及率を調査したところ、同月までに設置が義務づけられている地域でさえ40・9%で、09年中に設置義務化の期限を設定している地域では26・1%どまり。日本火災報知機工業会は「義務化を知らないところに、『義務づけられた』と言われてつい購入してしまう人もいるのでは」と指摘。「あまりに高い価格でのセールスには警戒を」と呼びかけている。

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4  UR住宅2000戸2割引き提供 社員寮退去者ら対象  2008/12/24 読売新聞
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 雇用問題の深刻化を受け、国土交通省は24日、解雇や派遣契約の打ち切りで社員寮などから退去を余儀なくされた人を対象に、都市再生機構(UR)が保有する賃貸住宅(旧公団住宅)の空き室を割安の賃料で提供すると発表した。
 発表によると、UR賃貸住宅では、比較的家賃が低く空き室が多い団地で2年間に限り、通常の2割引きで借りられるようにする。来年3月末までに2000戸程度を確保する予定だ。
 例えば、東京都西東京市のひばりが丘団地の場合、毎月の家賃は1室(28~45平方メートル)あたり3万6000円~5万3000円になる。このほか、単身世帯などが入居する場合、国交省の事前承認が必要だった公営住宅や地域優良賃貸住宅の空き室については、事前承認の手続きを不要とした。

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5  アーバンコーポレイション 清算へ  2008/12/24 読売新聞
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 2558億円の負債を抱えて経営破綻(はたん)した不動産開発会社アーバンコーポレイション(広島市)は22日、中央三井信託銀行や広島銀行などに事業を分割譲渡し、本体は清算すると発表した。
 8月に民事再生法の適用を申請後、存続を目指して支援企業を探していたが、景気が急速に悪化したあおりで大和ハウス工業など候補企業が次々と撤退した。
 22日に東京地裁に提出した計画案などによると、老朽ビルの再開発・売却を手がける主力の不動産流動化事業を、中央三井信託銀行と極東証券の企業連合に譲渡する。住宅事業は、広島銀行と投資ファンドの広島ベンチャーキャピタルの連合が譲り受ける。アーバン本体は2年程度の清算業務を経て、解散する。

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6  ダイア建設、民事再生法を申請  2008/12/20 読売新聞
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 マンション分譲のダイア建設(東証2部)は19日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し、保全命令を受けたと発表した。負債総額は約300億円。同社は、産業再生機構が2003年に決定した再建支援の第1号(3社)。再生機構の支援終了後も販売が伸び悩み、金融危機による景気悪化で収益が急速に悪化して資金繰りに行き詰まった。
 同社は1976年創業の五光住宅が前身。中高層マンション分譲を手掛け、「ダイアパレス」のブランドで営業展開した。事業を急拡大した結果、バブル崩壊後に多額の負債を抱えて経営が悪化、再生機構の支援を仰いだ。
 最近の不動産不況でマンション販売が落ち込み、08年3月期連結決算の税引き後利益は19億円の赤字に転落していた。

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7  野良ネコ保護地域「説明なし」都営住宅を住民提訴  2008/12/19 読売新聞
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 野良猫の世話をする東京都のモデル地域に指定されていたことを、入居前に説明されなかったのは不当だとして、国立市の都営アパートの男性住民(46)が都住宅供給公社を相手取り、慰謝料や転居費用など計132万円の損害賠償を求める訴訟を、東京地裁八王子支部に起こしていたことが分かった。
 訴状などによると、男性は昨年7月、1階の部屋に引っ越してきたが、一部の住民が餌やりをしている二十数匹の猫のふん尿のにおいや夜鳴きに悩まされるようになった。
 都営住宅では本来、犬や猫の飼育が禁じられている。しかし、ここは野良猫が目立つようになった2003年に、都が無料で猫の不妊去勢手術をしたり、飼育ルールを作るために職員を講師として派遣したりする「地域猫制度」のモデル地域に指定されていた。1年の指定期間後は、猫が寿命で姿を消すまで、地元の自治会やボランティア団体などが管理を続けることになっているという。都内ではこれまでにモデル・対象地域に計30か所が指定されている。
 公社側の答弁書によると、都が「捨て猫を誘発する」という理由でモデル地域の場所を公表していないことなどから、指定を知る立場になく、男性に対して説明する法的義務はなかった、と主張。これに対し、男性は「都営住宅管理者でありながら『説明義務はない』は通用しない。猫の嫌いな人、アレルギー体質の人にとっては生死にかかわる」と訴えている。
 都住宅供給公社の話「係争中なので、コメントは差し控えたい」

地域猫制度
 野良猫の数を増やさないため、地域ぐるみで野良猫を1代に限り飼育する仕組み。不妊去勢手術で繁殖を抑え、自然に数が減るのを待つ。

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8  マンション発売、連続5万戸割れ…09年首都圏予想  2008/12/19 読売新聞
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 不動産経済研究所は18日、2009年に首都圏で新たに発売されるマンション戸数の見通しが、約4万7000戸になると発表した。08年見込みの約4万2000戸に続き、2年連続で5万戸を割り込む。
 09年は今年の在庫物件が市場に出回るとみられ、見かけ上の戸数は前年比11・6%増える。

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9  トステム住宅研究所、太陽光発電を期間限定で戸建てに装備  2008/12/24 日経産業新聞
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 住生活グループ傘下のトステム住宅研究所(東京・江東)は2009年1月1日、「フィアスホーム」ブランドで太陽光発電システムを標準搭載した戸建て注文住宅を発売する。住宅のガレージ内に電気自動車を高速充電するコンセントを搭載できるのも特徴。同社は12月、「アイフルホーム」ブランドでも同様の製品を投入した。対象のブランドを拡充し普及につなげたい考えだ。
 商品名は「アリエッタSP」で、既存の商品に改良を加えるかたちで開発した。09年2月末までの期間限定販売となる。アイフルホームの省エネ戸建て住宅に比べ、小さな敷地面積でも建てることが可能。延べ床面積約145平方メートルで、価格は2500万円程度となっている。

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10  靴の悪臭和らげる玄関収納 トステム、原因物質をイオンで吸着  2008/12/22 日経産業新聞
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 トステムは2009年1月、靴の悪臭を和らげる玄関収納=写真=を内装建材ブランド「ウッディーライン」の一商品として発売する。収納内の奥にあるパネルに、靴から発生する悪臭物質を吸着する機能を盛り込んだ。収納内のにおいを抑制し快適に使える。初年度20億円の売り上げを目指す。
 収納内の奥にあるパネルに、靴の悪臭のもととなる物質の吸着成分を取り込んでいる。代表的な足のにおいの原因物質である「イソ吉草酸」を、イオン結合によりパネルに吸着させることで、収納内の悪臭を抑制する仕組みだ。

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11  東京都区部の高級賃貸住宅、新規供給1年で52物件  2008/12/22 日経産業新聞
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 最高賃料は350万円 不動産経済研究所は東京都区部の高級・高額マンションの供給動向をまとめた。2008年11月までの1年間で新たに供給されたのは、52物件、6863戸で、前年同期の新規供給戸数(47物件、6159戸)を上回った。新規の供給物件の月額最高賃料は、渋谷区の「グロブナープレイス神園町」の350万円だった。
 高級・高額賃貸マンションを、月額30万円以上の住戸を含むマンションと定義。同物件が11月までの1年間に増えたのは前半に富裕者層の需要が高まったことや、「不動産投資信託(REIT)などへの転売を狙って開発する事例が増えたため」(不動産経済研究所)と分析している。

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12  ゲオエステート、横浜に営業拠点 首都圏でマンション開発強化  2008/12/22 日経産業新聞
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 【名古屋】マンション開発のゲオエステートは首都圏の営業を強化する。このほど横浜市に「横浜オフィス」を新設した。不動産市場の大きい首都圏の情報収集能力を高めるほか、営業基盤を拡大する。拠点新設により、宅地建物取引業者免許を愛知県知事免許から国土交通大臣免許に変更することで、信用力を高める。
 不動産業の経験者5人を中途採用し、横浜オフィスに配置した。ゲオエステートはマンション開発と販売不振のマンションを仕入れて再販売する事業を手掛ける。首都圏は不動産不況が深刻でマンション再販市場の拡大が見込めると判断した。

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13  ニッコー、家庭用小型風力発電機を低価格で  2008/12/18 日経産業新聞
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 住設環境機器のニッコーは、出力1キロワットの家庭用小型風力発電機の拡販に乗り出す。量産化で価格を抑えた発電機を2009年10月期中に投入。場所をとらず維持費も少ないことを売り物に、住宅メーカーなどと組み販売する。10年10月期の風力発電機の売上高を8億円と前期実績の8倍に引き上げる計画だ。
 出力1キロワットの発電機「風流(かぜながす)鯨Kids」は直径2メートルと同社製品では最も小さい。平均風速が毎秒4―5メートル以上あれば同じ出力の太陽電池より高い発電量を得られる。11月に発売した最初のモデルは価格が100万円前後だが、今期中に低価格機種を開発し、太陽光発電システム並みの50万―60万円に引き下げる。

2009-01-31 | Posted in 住宅関連新聞記事Comments Closed