住宅関連新聞記事ダイジェスト No.293 2009/7/23~2009/7/29

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【日本経済新聞】
1  産総研・東芝など、住宅向け省エネシステム開発 照明自動停止
2 積水ハウスとシャープ、天井埋め込み型プラズマクラスターイオン発生機共同開発
3 住宅用室内ドア180万台を無償点検へ

【朝日新聞】
4  賃貸トラブルに防止法 国、家賃保証・管理業を規制方針
5  全国の住宅、13%は空き家 高齢化・過疎化で高まる
6  イケア、1450品目を平均25%値下げ 出店拡大計画
7  賃貸住宅の更新料は無効 借り主勝訴の初判断 京都地裁

【読売新聞】
8 広まる「永代供養墓」
9 Jリート同士初 合併へ協議入り
10  賃貸更新料は「無効」判決…京都地裁
11  「太陽光発電」買い取り費、全世帯に負担
12  トイレ洗浄技術 メーカーしのぎ削る

【日経産業新聞】
13  大和ハウス、800億円投じ中国・大連で開発
14  首都圏新築マンション、東急2沿線で価格急上昇
15  TOTO、LED照明を底面に配置した浴槽
16  ネクスト、入居一時金の分割払いサービスを開始
17  西松建設、大旺新洋と土壌浄化で営業協力
18  マンション価格、「高い」4割に増加 民間調べ
19  東急ホームズ、定価制リフォームに環境配慮型を追加
20  09年度の建設投資額
21  穴吹建設、マンションのリフォームを定価で受注 価格の透明性PR

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1  産総研・東芝など、住宅向け省エネシステム開発 照明自動停止  2009/7/29 日本経済新聞
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 産業技術総合研究所と東芝、清水建設、関電工、積水化学工業など7社は28日、生活実態に合わせて照明や空調機器を自動停止する住宅向けの新しい省エネルギーシステムを開発したと発表した。面倒な操作をしなくても通常より電力消費量が10%削減できる見通し。2016年にも一般住宅向けに実用化する。
 開発したシステムは住宅内に赤外線センサーを多数設置したほか、温湿度計、照度計なども取り付けた。センサーで集めた情報を家庭内のサーバーに送り、ネットワークで結んだ家電機器の運転を自動制御する。

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2  積水ハウスとシャープ、天井埋め込み型プラズマクラスターイオン発生機共同開発 2009/7/25 日本経済新聞
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 積水ハウスとシャープは24日、天井に埋め込むプラズマクラスターイオンの発生機を共同開発したと発表した。8月5日から積水ハウスの住宅商品への採用を始める。ウイルスや細菌の活動を抑制する効果があるとされるプラズマクラスターイオンを天井から散布することで、床置き型より効率的に室内にイオンを行き渡らせることができるという。
 一台あたり約10平方メートルの広さに対応し、リビングのほか台所やトイレ、寝室など様々な部屋の天井にはめ込むことを想定した。価格は工事費別で5万9850円。常時運転しても電気代は年410円という。

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3  住宅用室内ドア180万台を無償点検へ  2009/7/25 日本経済新聞
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 大建工業、部品交換も 大建工業が製造した室内用ドアで、ちょうつがい部分に誤った部品を使用したことが原因でドアが倒れ、女性2人が骨折などの重軽傷を負う事故が2件あり、経済産業省は24日、同社が無償点検と部品交換に乗り出すと発表した。
 対象は2000年12月~06年9月製造の「リビングドアR3シリーズ」など9シリーズ・型式の計183万5704台。ひとつの建物で複数設置され、推定で全国の住宅・建物30万~35万戸で使われているという。

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4  賃貸トラブルに防止法 国、家賃保証・管理業を規制方針  2009/7/29 朝日新聞
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賃貸住宅トラブルをめぐる規制法のイメージ
 増加する賃貸住宅の滞納・明け渡しトラブルを防止するため、国土交通省が検討している規制の概要が明らかになった。一部業者による追い出し行為が批判されている家賃保証業に加え、不動産管理業に対象を広げた規制法を作り、登録制を柱に違反業者への行政処分や罰則を盛り込む方針だ。次期通常国会への法案提出を目指す。  08年度に国民生活センターに寄せられた賃貸住宅の相談は約3万3700件。原状回復や敷金返還をめぐる紛争のほか、昨秋以降は、一部の管理業者や保証業者らが家賃を滞納した借り主宅の鍵を交換したり、家財を処分したりする「追い出し屋」被害の相談が目立つ。
 賃貸住宅の関連法には、借地借家法や宅地建物取引業法があるが、対象は家主や不動産仲介業者などに限られ、管理業と保証業の規制法はない。このため、国交省は法令による規制がトラブルの解決や予防に有効と判断している。
 国交省によると、不動産管理業に従事する事業所は全国に約2万8千(06年)。民間の賃貸住宅は全住宅の約3割を占める約1200万戸あり、家主が業者に管理委託する物件は7割超に達している。一方、保証業者は約70社あり、国交省は約30社の契約書で違法性の高い記載を確認している。
 管理業について、賃料徴収、契約更新、解約などを主な業務範囲と定め、過剰な取り立て・明け渡し行為の禁止や契約時の書面交付、重要事項の説明などをルール化する。違法な業者の排除を目的に無登録の営業を禁じ、違反時には登録を取り消す。
 保証業についても、あわせて家賃回収に対する夜間の訪問禁止などを並べたガイドラインをまとめ、借り主が入居前に契約内容を確認できるシステムもつくる。
 今秋以降、国交省は有識者や消費者団体などから聞き取り調査をし、管理業と保証業の規制を1本の法案にするか二つに分けるかを含め、詳しい中身を詰めたいとしている。国交省は31日に開く社会資本整備審議会の部会でこうした考え方を示す方針。
 賃貸住宅トラブルをめぐっては、各地で追い出し行為を受けた借り主の訴訟支援に取り組む「全国追い出し屋対策会議」も独自に規制法案をまとめている。

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5  全国の住宅、13%は空き家 高齢化・過疎化で高まる  2009/7/28 朝日新聞
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 全国の空き家が08年は756万戸に達し、総住宅数に占める割合(空き家率)が過去最高の13.1%になった。総務省が28日まとめた住宅・土地統計調査でわかった。山梨県で初めて2割を超えるなど過疎化や高齢化が進む地方の空き家率が高まっている。
 調査は1948年以来、5年ごとに実施。昨年10月の全国の総住宅数は5759万戸で前回調査より6.9%増加。空き家率は関東・中京・近畿の三大都市圏が12.1%なのに対し、それ以外の地域は14.3%だった。同省は「独り暮らしの高齢者世帯が増えて、病院や施設に入ることで空き家が増える傾向が強まっている」と分析する。
 住宅分類では、マンションやアパートなどの「共同住宅」が2069万戸で全体の41.7%を占め、ともに過去最高。特に3大都市圏では過半数の52.1%を占め、一戸建てを上回った。
 全体の持ち家率は61.2%で前回調査と同率。ただ、持ち家の一住宅あたりの延べ面積は120.89平方メートルと初めて前回調査より減った

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6  イケア、1450品目を平均25%値下げ 出店拡大計画  2009/7/27 朝日新聞
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 倉庫のような店内に積み上がった家具。購入後、お客が自分で組み立てるシステムも安くできる要因という=千葉県船橋市のIKEA船橋
 家具量販店大手のイケア・ジャパンは27日、ソファやテーブルなど人気の1450品目を8月1日から平均25%値下げする、と発表した。不況による消費低迷や、ニトリなどライバル勢の値下げ攻勢に対抗するねらいだ。日本市場に進出した06年以降で、初めての本格値下げとなる。
 イケアはスウェーデンを発祥とする世界的な家具量販店。日本法人のラース・ペーテルソン社長が、27日の事業説明会で明らかにした。
 ペーテルソン社長は値下げの理由について、「昨秋からの不況で、消費者はお値打ち感を求めている。商品を手の届く価格にしないといけない」と説明した。
 値下げ対象となるのは全商品の約2割。例えば、現行価格が3万8千円の2人がけソファは2万8千円に、1500円のサイドテーブルは999円に値下げする。8月4日には、値下げを反映させた新カタログ計800万部の配布も始める予定だ。
 愛知県内に昨秋、物流センターが完成し、中国やマレーシア経由で持ち込んでいた商品を、生産拠点から直送できるようになり、物流コストを削減できるようになった。
 また、ペーテルソン社長は出店計画について、「名古屋や東京都西部を具体的に考えている。福岡も立地を探している。年内に2店舗の進出もありうる」と述べた。イケアは現在、千葉県船橋市や横浜市、神戸市などに計5店舗を展開している。09年度(08年9月~09年8月)の売上高は前年実績を4割強上回る約520億円を予想。来店者数は初めて2千万人を超えると見込んでいる。(内山修)

■市場頭打ち、体力勝負
 国内の家具業界では、世界的な景気後退による消費の低迷を受けて、値下げ競争が加速している。
 家具製造販売大手のニトリは昨年5月から5回にわたり、ソファや机など1700品目を値下げした。さらに8月にも、数百品目を値下げする予定だ。価格を平均2割程度下げても、09年2月期は22期連続の増収増益。客足が順調に伸びたからで、都市部の出店にも意欲的だ。
 東日本を中心に展開する東京インテリアも、今年2月にソファやベッドなど780品目を約5~30%値下げした。6月には390品目を追加した。今年の既存店売上高は前年並みで、広報担当者は「利益を削って値下げしている。勝ち残るための競争は厳しい」と話す。
 家具市場は世帯数の伸びが鈍化し、大きな成長は期待できない。値下げ攻勢が販売増につながれば「勝ち組」となるが、集客に失敗すれば「じり貧」になりかねない。
 大塚家具は昨年11月、「円高還元」として、輸入品のソファやダイニングセットなど約9500品目を値下げした。しかし、今年上半期の既存店売上高は前年同期に比べて約1~2割減。同社は「値下げしなければ、もっと厳しい状況だった」(広報)としている。

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7  賃貸住宅の更新料は無効 借り主勝訴の初判断 京都地裁  2009/7/23 朝日新聞
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 賃貸住宅の契約更新時などに家主が更新料の支払いや保証金の敷引(しきびき)特約を借り主に強いるのは消費者契約法違反だとして、京都府長岡京市の20代の会社員の男性が家主に計46万6千円の返還を求めた訴訟の判決が23日、京都地裁であった。辻本利雄裁判長は「更新料などを借り主に負担させる合理的理由はなく、契約は無効だ」として全額返還を家主に命じた。
 原告側の京都敷金保証金弁護団によると、更新料をめぐる訴訟は東京地裁などで借り主側の敗訴が続いていた。01年施行の消費者契約法に基づき更新料について無効とした判決は初めてで、「消費者保護の動きを加速させる画期的な判断だ」と評価した。
 訴えによると、原告の男性は06年4月に京都市内のマンションに入居する際、保証金35万円を支払い、月5万8千円の賃料と、2年ごとの更新時に賃料2カ月分の更新料を支払う契約を締結。08年1月に更新料11万6千円を支払い、同年5月に解約を申し込んだ。保証金の大半は敷引特約で返ってこなかった。
 訴訟で男性側は「借り主に賃料以外の金銭負担を強いることは、消費者に二重の義務を負わせるもので違法だ」と主張。被告の家主側は「更新料には家主が契約更新を拒絶する権利を放棄することへの対価などが、敷引には物件の損傷回復費などが含まれ、いずれも賃料の補充・前払いなどの性格がある」と反論した。
 判決は「基本的に借り主が賃料以外の金銭を負担することはない」と指摘。そのうえで、「更新料や敷引は賃料に比べて高額で、入居期間と関係なく一定の金額を負担させている。賃料の補充の性質があるとはいえない」などとして家主側の主張を退けた。
 契約書には更新料や敷引特約の記載があるが、借り主と家主の間では情報量や交渉力に格差があることを踏まえ「借り主に具体的、明確に説明したと認められない以上、無効だ」と判断した。
 家主側の弁護士は「十分な審理をせず拙速な判決を出されたことは遺憾だ」と述べた

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8  広まる「永代供養墓」 2009/7/29 読売新聞
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跡継ぎなくても購入OK NPO法人の低額プランも

 永代供養推進協会が東京・広尾に設置した永代供養墓と代表理事の小原さん 跡継ぎがいなくても購入でき、寺や霊園が存在する限り供養を続けてくれる「永代供養墓」の普及が進み、全国で500か所を超えた。NPO法人が設置し、葬儀とセットにして低価格で利用できる新タイプの永代供養墓が登場する一方、草分け的な永代供養墓では来月、開設20年を記念するイベントを開く。
 東京都渋谷区広尾の禅宗寺院・東江寺。その墓園の一角に永代供養墓「涅槃墓」がある。NPO法人「永代供養推進協会」(東京)が昨年8月、同寺と連携して開設した。遺骨をパウダー状にして地下室に合祀する。2000体の埋葬が可能という。両脇のプレートに故人の名前を刻む。
 永代使用料(お寺への永代供養料)は1体5万円。この夏からは、火葬から納骨法要までをセットにした低額プランも実現した。合計金額は28万8000円。内訳は火葬料金を含む葬儀社への支払いが19万8000円、永代使用料5万円、寺院へのお布施3万円、墓碑プレート作製料1万円。生活保護を受けている人には17万8000円で行えるように支援するという。
 同協会代表理事の小原崇裕さんは「様々な事情で、納骨や法要、葬儀で悩んでいる人は多い。生前に決めておくことで安心を得ることができる葬送のシステムにしていきたい」と話す。
 一方、新潟市の妙光寺にある「安穏廟」は1989年に設置された永代供養墓の草分け的な存在。直径18メートル、高さ4メートルのまんじゅう形で、その周囲に108区画の個人用の墓がある。1区画の永代使用料は85万円。開設当初は全国的にも珍しかったため、申込者の半数が首都圏を中心とする県外在住者だった。好評を博したことから、同じ規模の永代供養墓を3基増設。合計4基で432区画の個人用の墓は満杯の状態という。
 毎年8月に、一般の人も参加できる法要と講演会を開いており、今年は8月29日に20回目の記念イベントを行う。「生きているということ」というテーマでシンガー・ソングライターの小室等さんが歌い、映画評論家のおすぎさんが語る。
 このほか永代供養墓の先駆けとしては、東京都豊島区のすがも平和霊苑・もやいの碑、京都市の常寂光寺・志縁廟などが知られる。跡継ぎのいない人や「子どもにお墓のことで迷惑をかけたくない」と考える人のほか、墓を供養する親類・縁者が途絶えた無縁墓が増えるのを防ぎたい寺院からも大きな関心が寄せられ、永代供養墓はこの20年間で飛躍的に増えた。
 全国の永代供養墓の設置状況を調査し、「永代供養墓の本」(2000円税別)として出版した六月書房(東京)によると、今年1月時点で、北海道から鹿児島県まで505か所に上った。大都市部での開設が目立つという。
 調査をまとめた編集部の石井博さんは「永代供養墓への関心は地方でも高い。今後は都市部以外でも開設が進むだろう」と話している。

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9  Jリート同士初 合併へ協議入り  2009/7/27 読売新聞
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 伊藤忠商事系列のJリート(上場不動産投資信託)と、経営破綻(はたん)した不動産ファンド運営、パシフィックホールディングス(HD)傘下のJリートが合併する方向で協議に入ったことが25日、わかった。実現すれば、初のJリート同士の合併となる見通しだ。
 協議を始めたのは伊藤忠傘下の「アドバンス・レジデンス投資法人」とパシフィックHD傘下の「日本レジデンシャル投資法人」。日本レジデンシャルが行う第三者割当増資を伊藤忠側が引き受け、秋にもアドバンスと合併させる方向だ。
 両投資法人は賃貸マンションを保有し、家賃収入による利益を投資家に配当している。不動産市況の悪化で資金が調達しにくくなっており、規模拡大で資金調達力の強化を目指す。
 今月15日には、大和ハウス工業が自社系列のJリートと、民事再生手続き中のJリート、ニューシティ・レジデンス投資法人の合併に向けた交渉を進める意向を表明している。

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10  賃貸更新料は「無効」判決…京都地裁  2009/7/24 読売新聞
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家主に返還命令
 賃貸マンションの契約更新の際に「更新料」の支払いを求める契約条項は、消費者契約法に反するとして、京都府長岡京市の20歳代の男性会社員が、支払い済みの更新料など46万6000円の返還を家主に求めた訴訟の判決が23日、京都地裁であった。辻本利雄裁判長は「入居者の利益を一方的に害する契約条項」と認定、同法に基づいて、更新料の契約条項を無効とする初の判断を示し、家主に請求全額の支払いを命じた。
 国土交通省によると、更新料が設定された賃貸住宅は京都や首都圏などに約100万戸あるとみられる。同種の訴訟では更新料を有効とする判断が地裁段階で続いており、判決は他の訴訟にも影響を与えそうだ。
 判決によると、男性は2006年4月、京都市下京区内のマンションに、賃料月5万8000円、2年ごとの契約更新の際には賃料2か月分の更新料を支払う、との内容の契約を結んで入居。08年の更新時に11万6000円を支払ったが、同5月末に退去した。
 裁判で家主側は、「更新料には賃料の補充的要素がある」などと主張したが、辻本裁判長は「更新後の入居期間にかかわりなく賃料の2か月分を支払わなければならず、賃借人の使用収益の対価である賃料の一部とは評価できない」と指摘。そのうえで、「家主が主張する更新料の性質に合理的理由は認められず、趣旨も不明瞭。男性に具体的かつ明確な説明もしていない」などと述べ、契約条項は無効と判断した。
 男性は今回の訴訟で、入居時に支払った保証金(敷金)35万円の返還も求めており、判決は保証金についても消費者契約法に照らして無効とし、請求を認めた。
 男性の弁護団は「判決内容は当然の判断」と評価。家主側の代理人弁護士は「拙速に出された判決で遺憾。内容を精査し、今後の方針を決めたい」としている。

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11  「太陽光発電」買い取り費、全世帯に負担  2009/7/23 読売新聞
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電気代に上乗せ 来年4月から
 家庭などの太陽光発電で余った電力を電力会社に現在の2倍の価格で買い取らせる新制度の導入に伴い、電力会社が買い取りコストを一般家庭の電気料金に転嫁する仕組みの詳細が23日、明らかになった。来年4月以降、低所得者も含めた全世帯から徴収する。上乗せ額は来年4月からの1年間は未定で、2011年度は標準的な家庭で平均月額約30円、16年度以降は最大月100円程度となる見込みだ。経済産業省が23日午後、買い取り制度に関する審議会の小委員会で公表した。
 新制度は7月に国会で成立したエネルギー供給構造高度化法で定められた。電力会社は現在、太陽光発電で余った電力を1キロ・ワット時あたり24円程度で自主的に買い取っているが、新制度では買い取りが義務付けられ、価格も同48円に引き上げられる。今年中に適用し、太陽光発電の普及を後押しして温室効果ガスの排出量を減らす狙いだ。
 一方、買い取り価格引き上げで生じる電力会社のコストは、電気料金への転嫁が認められた。電力会社がコスト増に耐えきれないためだ。コストは受益者が負担するという公共料金の考え方を根拠としており、各世帯の電力の使用量に応じて電気料金に上乗せする仕組みとする。
 所得の低い家庭や太陽光発電設備を設置しない家庭から不満が出る可能性もあり、上乗せ方法が焦点となっていたが、経産省は温暖化対策は国民全体で取り組むべきだとの考えから、全世帯への上乗せを決めた。
 経産省は国内の太陽光発電を20年に05年比で20倍の2800万キロ・ワットまで増やすことを目指しており、これをもとに電気料金への上乗せ額をはじいた。実際の上乗せ額は、各電力会社が買い取り量に応じて独自に決める。経産省が想定した標準家庭の額を上回るケースも出るとみられる。

「免除なし」に反発も
 太陽光発電の余剰電力買い取り制度で、経済産業省がコストの負担を求める対象を全世帯にするのは、全国民に地球温暖化防止対策への参加を求めることが目的だ。同様の買い取り制度を持つドイツなどが太陽光発電の普及率で日本に先行しており、国民の意識を高めて一気に普及を進める狙いもある。
 新制度では、使用する電力量に比例して上乗せ額が増えるため、経産省は各世帯が省エネに努め、負担を小さくすれば、ある程度不公平感も抑えられるとみている。
 一方で、低所得者からの徴収を免除する場合、線引きを設定するのが難しいことから、全世帯から徴収せざるを得ないという事情もあるようだ。
 標準的な設備で約250万円とも言われる太陽光発電の設備が設置できるのは、一定以上の収入がある世帯に限られる。その設置費用を支援するために、すべての世帯が負担を強いられることに、反発の声が出ることも予想される。
 電力は消費者が事業者を選択しにくいサービスだ。「金持ち優遇制度」との批判を浴びないよう、全世帯からコストを徴収する理由について、政府はさらにわかりやすく国民に説明する必要があるだろう。(経済部 瀬川大介)

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12  トイレ洗浄技術 メーカーしのぎ削る  2009/7/23 読売新聞
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 家庭の中では最も多く、水を使うのがトイレ。なんと消費量の3割に達する。水の節約のために、1回の洗浄に使う量をいかに減らすか。各メーカーは、少量の水でもきれいなトイレを目指して、しのぎを削っている。(安田幸一)

■学習機能搭載
 住宅用トイレの節水はこの30年間、急激に進んだ。日本衛生設備機器工業会によると、1970年代に販売され、今も最も多く普及している水洗トイレは1回の放水量が13リットル。これ以降、水量を減らす努力が続き、1990年代は8~10リットルに。2006年になると、多くの製品が6リットル以下になった。
 そして、大手住宅設備メーカー「TOTO」が6月に発表した「新ネオレストハイブリッドシリーズ」は、国内では初めて5リットルの大台を切り、4・8リットルを達成。成功のカギは、初めて搭載した「給水圧学習機能」だ。
 「旧ネオレスト」の放水は〈1〉渦状に水を流し、便器を洗う「トルネード洗浄」〈2〉底にたまった汚物に水を噴射して、排水管に送り出す「ゼット洗浄」――の2段構え。ゼット洗浄は、コーヒーをわかす「サイホンの原理」を利用する。U字形の排水管に勢いのある水を流すと、入り口と出口に圧力差が出て、汚物を吸い込む力ができる。これによって少ない水でも洗浄できるようになった。
 だが、課題もあった。「トルネード洗浄の水は、水圧に関係なく一定時間流し、無駄があった」。開発を担当した同社技術主査の秋吉修さんは説明する。
 例えば、一般にマンションの下階は上階よりも水圧が高い。水圧に合わせて放水時間を決めないと、余計な水を使うことになる。
 「新ネオレスト」の「学習機能」は、タンクに水がたまる時間から水圧を計算し、「トルネード洗浄」の次の放水時間に反映させる。水圧が高ければ、放水時間を短くする仕組みだ。「この機能などで旧ネオレストより700ミリ・リットルを節約できた」(同社)。「13リットル」からの買い替えだと、1年間で水使用量を68%ダウンできるという。

■水アカ防ぐ
 同じく大手の「INAX」が4月に発売した「サティス」は当時、業界最高の「5リットル」だった。2か月で破られたが、節水技術は優れている。
 少ない水で洗浄するには、便器を汚れにくくするのが肝心。同社は、便器の汚れがたまってできる「水アカ」ができない工夫を施す。
 水アカの原因は、水道水中の「ケイ酸」という化合物だ。石の成分でもあり、陶器製の便器にも含まれる。便器表面からケイ酸の一部の「水酸基」が出ており、これに水道水中のケイ酸が反応して、塊をつくって水アカができる。
 サティスは、「プロガード分子」という特殊な物質で、水酸基をブロックする。これでケイ酸が反応しなくなった。同社商品部企画担当の小嶋一郎さんは「所定の手入れを続ければ、10年は効果が持続する」と話す。上薬に抗菌効果がある銀をまぜ、細菌の繁殖も防いだ。

■におわぬ便器
 究極の水を使わないトイレもある。南海電鉄(大阪市)は、19駅のトイレに76台の「男性用無水小便器」を導入。その結果、同社が鉄道事業で使う1年間の水のうち、約1割にあたる3万3256トンを節約できた。
 秘密は、便器の底に設置されたカートリッジ。排水管のにおいは、カートリッジにたまる尿が止める。尿のにおいは、「尿の上層を覆うように浮かぶ、特殊な油脂膜が止める」と、このカートリッジを国内販売する、省電舎営業開発グループマネジャーの小山田明宏さんは語る。
 「便器についた尿がにおうのは、細菌が繁殖するから。水を使わなければ、便器はすぐ乾き菌は繁殖せず、においも出にくい。水を流すと逆効果」という。

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13  大和ハウス、800億円投じ中国・大連で開発  2009/7/29 日経産業新聞
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 マンション2190戸など 大和ハウス工業は28日、中国・大連での不動産開発計画の詳細を発表した。海岸沿いのリゾート地にある高級住宅街に、約800億円を投じて計54棟のマンション・商業施設などを建設する。このほど着工し、2011年9月末から順次、完成する見通しだ。
 大連医科大学の跡地(15.6ヘクタール)に総戸数2190のマンション群と、小売店やホテル、オフィスなどが入居する商業施設を開発する。建物は地上2~54階建てで、高さは最高で187メートルになる。

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14  首都圏新築マンション、東急2沿線で価格急上昇  2009/7/28 日経産業新聞
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 07~08年、民間調べ 首都圏でも人気の高い東急東横線、東急田園都市線沿線の新築マンション価格が2007~08年に急上昇し、首都圏平均価格との乖離(かいり)が広がっていることがマンションコンサルティングのトータルブレイン(東京・港)の調査で分かった。同社は両沿線とも中古市場と比較してもバランスを欠いていると指摘。価格調整が必要だとみている。
 調査は東急東横線が代官山―反町、東急田園都市線が池尻大橋―中央林間までの各駅での新築マンションの分譲価格を対象にした。
 00年~04年に供給された新築マンションの平均坪単価は首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)平均が176万8千円だったのに対し、東急東横線は225万6千円と28%、東急田園都市線は204万円と15%それぞれ高かった。

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15  TOTO、LED照明を底面に配置した浴槽  2009/7/28 日経産業新聞
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 TOTOは発光ダイオード(LED)照明を底面に配置した浴槽「ルミニストバス」を9月15日に発売する。特殊な表面処理を施して照明の光が柔らかく広がるようにしており、幻想的な雰囲気を作り出せるという。同社が持つデザイン性に優れた商品群「TOTO NEW MATERIAL」の高級ラインアップに位置づける。
 ルミニストバスの価格は241万5000円(工事費は別)。欧州市場で好評だったため、日本でも発売する。TOTOは8月から順次、欧州で先行発売した水栓や洗面器などを日本市場に投入する計画で、今回もその一環となる。

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16  ネクスト、入居一時金の分割払いサービスを開始  2009/7/27 日経産業新聞
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 不動産情報サイト運営のネクストは、賃貸物件の入居一時金を分割払いできるサービスを始める。8月に試験的に開始し、その後、同社がサイト上で紹介する約100万の賃貸物件に対象を広げる方針。入居者は敷金や礼金に当たる費用を月々の家賃に上乗せして払い、初期負担を軽減できる。留学生らが入居しやすいようにして成約率を高め、物件情報を掲載する不動産会社の囲い込みにつなげる。
 子会社のネクストフィナンシャルサービス(東京・千代田、中村安志社長)が新サービスを手がける。同社が入居者の希望する部屋を借り、転貸する仕組み。敷金や礼金を入居時に払う代わりに、最大24回の分割払いにすることが可能。自動車ローンなどでは一般的な手法で、賞与を受け取る月は多めに費用を払うといった設定もできる。

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17  西松建設、大旺新洋と土壌浄化で営業協力  2009/7/27 日経産業新聞
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 西松建設は大旺新洋(高知市、四宮隆社長)と、ダイオキシン類で汚染された土壌の浄化工事で営業協力を結ぶと発表した。両社は過熱蒸気を使ってダイオキシンなどを無害化する工法を共同開発しており、同工法の活用をテコに受注につなげる。
 共同開発したのは「スーパースチーム工法」。熱を効率よく伝える過熱蒸気を汚染土壌に加え、ダイオキシンやポリ塩化ビフェニール(PCB)などを無害にする。これまでは薬剤を投入して化学分解し、汚染土壌に電極を挿入して高温に加熱して溶融固化していた。「処理量が同じであれば、従来に比べてコストを3分の1以下にできる」(西松建設の稲葉力・技術研究部長)のが特徴。

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18  マンション価格、「高い」4割に増加 民間調べ  2009/7/27 日経産業新聞
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 現在のマンション価格を4割以上の人が高いと思っていることが、不動産マーケティングのアトラクターズ・ラボ(東京・千代田、沖有人代表)の調査で分かった。3カ月前に実施した調査よりも「価格が高い」と答えた人の割合が上昇。
 同社は「値引き販売が収束し、売り出し価格が上昇しているのを消費者が感じ取っているのでは」と分析している。
 物件の価格が「購入をあきらめるほど高い」「購入をためらうほど高い」と答えた人の合計は42.1%で、今年4月の調査(36.1%)から6ポイント上昇した。昨年10月の調査(62.2%)から低下が続いていたが、反転した格好だ。

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19  東急ホームズ、定価制リフォームに環境配慮型を追加  2009/7/24 日経産業新聞
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 東急ホームズは23日、定価制リフォームの商品群に環境配慮型プラン「暮らしアップGREEN」を25日に追加発売すると発表した。遮熱塗装し、節水トイレなどを導入する「ベーシック」と、太陽光発電システムを搭載して、オール電化に対応した「グリーンエナジー」の2種類を用意した。光熱費などを大幅に削減できる点を訴求していく。
 同社では2007年4月から定価制リフォーム事業を展開している。「太陽光発電への補助、優遇税制などを取り込む商品」(阿部信行副社長)と位置づけ、09年度に受注棟数で130棟、売上高で16億円を目指す。

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20  09年度の建設投資額  2009/7/24 日経産業新聞
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 2.9%減の45兆8400億円に 民間予測 建設経済研究所は23日、2009年度の名目建設投資額が前年度比2.9%減の45兆8400億円になりそうだと発表した。政府建設投資は補正予算の効果で増えるが、1966年度以来の100万戸割れとなる住宅着工戸数の低迷や企業業績の悪化が響く。
 4月時点では44兆7800億円と予測しており、上方修正となる。部門別でみると、名目政府建設投資は19兆3600億円と11.3%増えるが、名目民間住宅投資は6.9%減の14兆8300億円、名目民間非住宅建設投資は16.2%減の11兆6500億円の見通し。

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21  穴吹建設、マンションのリフォームを定価で受注 価格の透明性PR  2009/7/24日経産業新聞
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 【高松】穴吹建設(高松市、森田哲夫社長)は23日、分譲マンションの内装や設備のリフォームを定価で受注する事業を8月から始めると発表した。リフォームは中小の工務店や専門業者が手掛けることが多く、費用の算出根拠や着工後の追加費用要求などに対し消費者の不満が強かった。面積あたりで算出する定価方式にすることで価格の透明性をPRする。
 内装リフォームの場合は施工の水準に応じ1平方メートルあたり税込みで7500円、2万円、5万円の3段階から選んでもらう。水回りの住宅設備のリフォームも定価で提供。例えばキッチンなら設備の質に応じ60万円、80万円、100万円の3段階から選べる。水回りとセットで内装をリフォームする場合は割引価格で提供する。

2009-07-30 | Posted in 住宅関連新聞記事Comments Closed