住宅関連新聞記事ダイジェスト No.303 2009/10/1~2009/10/7

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【日本経済新聞】
1  三洋ホームズ、太陽光発電を販促

【朝日新聞】
2  室内に石綿、死亡 遺族が提訴へ 神戸のマンション
3  シックハウス被害、損害賠償認める判決 東京地裁

【読売新聞】
4  「多摩ニュータウン」資料公開へ…都市計画、造園など
5  「学びの空間」見つめ直す…慶大で展覧会
6  10階以上のマンション新築ダメ…福岡市が規制
7  「共助・共生の新宿」団塊世代が取材・執筆
8  住まいセミナー「後悔しないマンション選び」…東京・文京区
9  賃貸住宅の建築費、“自販機節税法”が横行
10  湯沸かし器改造「ガス会社が点検」
11  六本木ヒルズ 発電所は自前
12  「シックハウス」で賠償命令 会社側過失認める
13  高齢化進む公営団地「活性化へ居住させて」

【日経産業新聞】
14  細田工務店、階段部分を中心に据えた戸建て住宅
15  住友林業、間取り自由設計の戸建て住宅
16  ミサワホーム、賃貸併用住宅の新商品
17  東急不動産、マンションに次世代サービス導入
18  ウッドワン、通気性重視のクローゼット向け扉
19  トステム住研、住宅ネット販売サイト
20  8月の新設住宅着工、38.3%減
21  8月の中古マンション価格、横ばい 民間調べ

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1  三洋ホームズ、太陽光発電を販促  2009/10/13 日本経済新聞
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 三洋ホームズは新築住宅のほぼ全部を太陽光発電やオール電化対応とする一方、新築・改築で太陽光発電装置を導入するときの費用の一部を同社が負担する販売促進策を始めた。2020年まで続ける。政府が20年までに温暖化ガス排出を1990年比で25%減らす目標を掲げたため、今後10年以上継続的に続けることを明らかにし、受注増を狙う。
 第1弾として10月は太陽光発電装置の設置費用を2キロワット分(約100万円)割り引く。または太陽熱を使ったヒートポンプ式給湯器の購入費用(約133万円)を負担する。11月はリフォーム物件を対象に、オール電化と太陽光発電の導入費用を割り引くサービスを検討中だ。

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2  室内に石綿、死亡 遺族が提訴へ 神戸のマンション  2009/10/12 朝日新聞
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 神戸市内のマンションで3年前、住人の女性(当時67)が悪性がんの中皮腫で死亡したのは、室内に吹き付けられていた断熱用のアスベスト(石綿)が原因だったとして、遺族側が1日、マンション販売会社などに損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こすことを決めた。弁護団は「石綿の危険が身近にあることを示す事例。販売会社は過去にさかのぼって調査すべきだ」と訴えている。
 遺族側の代理人によると、女性は夫と77年にマンションの一室を購入。05年ごろから息苦しさを訴え、06年3月に入院した。4カ月後に死亡し、中皮腫と診断された。
 解剖の結果、肺と腹部から白石綿や毒性が強い青、茶石綿を検出。自宅近くに石綿工場などはなく、遺族が自宅の建材に疑いを抱いて調査したところ、台所わきのボイラー室の壁やボイラー本体に白、青、茶の石綿が使われていたことが確認できた。
 ボイラーは入居半年後から、点火時に小さな爆発音と風が起きていたという。遺族は「石綿が爆風で劣化し、室内で舞ったのを吸い込んだのが原因」と主張。このマンションは現存しており、全18戸にボイラー室があったが、ボイラーも吹き付け石綿も08年までに撤去された。
 環境省によると、住居内の石綿が原因で死亡したとされる例は極めて珍しいという。
 NPO法人全国マンション管理組合連合会(京都市)の谷垣千秋事務局長は「給湯用のガス機器が小型化して遠隔操作できるようになる80年代までは、室内にボイラーを置いた例は多かった。防火用に石綿を吹き付けたこともあったはずだ」と指摘。大阪じん肺アスベスト弁護団の長野真一郎弁護士は「マンション販売会社はきちんと調査し、石綿を使用していれば住人にも知らせるべきだ」と話す。
 ただ、マンション建設大手は「一戸ごとにボイラー室を設け、機器周辺にまで石綿を吹き付けたりする工法は一般的ではなく、特殊な事例ではないか」。このマンションを販売した会社(大阪市)は「記録が残っておらず実態は把握できないが、何十棟も売ったことはないはずだ」としている。
 遺族は販売会社など4社に計約9千万円の損害賠償を求め11月にも提訴する方針だ

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3  シックハウス被害、損害賠償認める判決 東京地裁  2009/10/11  朝日新聞
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 分譲マンションに居住していた神奈川県平塚市の女性(48)が、シックハウス症候群で健康被害を受け転居せざるを得なくなったとして、販売会社=民事再生手続き中=に約8790万円の支払いを求めた訴訟で、東京地裁(酒井良介裁判官)は1日、同社の過失を認め、女性が約3662万円の債権を持つと確定する判決を言い渡した。
 判決によると、女性は00年7月~02年12月、横浜市のマンション分譲中堅・ダイア建設が販売した同市内のマンションに居住していた。入居直後から頭痛や味覚異常などが出て、02年6月に化学物質過敏症、転居後の05年5月にシックハウス症候群の疑いがあると診断された。
 酒井裁判官は、同社が国の指針値に適合する建材を使用せず、シックハウス症候群の原因物質とされるホルムアルデヒドを放散する恐れがある建材を使ったことや、そのリスクを女性に説明しなかったと指摘。「マンション完成後も室内濃度を測定するなどの適切な措置をとらなかった」として同社の過失を認め、治療費やマンション購入代金の一部、転居費用などの支払い義務があると判断した。
 原告女性の代理人弁護士によると、シックハウスをめぐる訴訟で損害賠償が認められるのは珍しいという。女性は「この訴訟には同じ患者の思いが込められている。勝訴判決が出ても、患者の苦しみは続いている」と訴えた。
 ダイア建設は「判決文の内容が確認できておらず、コメントは控えたい」と話した。

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4  「多摩ニュータウン」資料公開へ…都市計画、造園など  2009/10/7 読売新聞
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「まちづくりに活用を」
 都市再生機構から寄贈された多摩ニュータウン事業の資料(多摩市立図書館本館で) 多摩市立図書館(東京都)は、多摩ニュータウンの事業主体だった都と独立行政法人「都市再生機構」(UR)から事業に関する資料=写真=の寄贈を受け、整理を進めている。
 一部は、来年1月に本館(落合2)の書架に並びそうだ。担当者は「事業の担い手の発想がわかる財産。今後のまちづくりに活用できるように整理したい」と話している。
 同館本館の行政・郷土資料準備室に保管されているのは、多摩ニュータウン事業の資料約4500冊。UR東日本支社のニュータウン業務部(現ニュータウン業務室)が5月、市内の事務所から新宿区の同支社に移転する前、寄贈したものだ。都市計画や造園植栽、交通体系などの計画書や調査報告書などが並ぶ。
 1965~2006の各年度ごとに整理されているが、一般公開を想定していない事務文書や、「B―4地区」など注釈が必要な資料が含まれており、このままでは一般人にとって利用しづらい。担当者の阿部明美さん(51)によると、ニュータウン開発にかかわった市民をボランティアとして募集し、整理を進める方法を検討中で、整理されたものから順次公開したいという。
 同館は昨夏、都からも約650冊の資料を寄贈されており、今年8月から目録作成業務を外部委託している。こちらは、都新都市建設公社(八王子市)の「まちづくりライブラリー」で一般人も閲覧できた資料なので、来年1月にも開架にする予定。
 同館は、ニュータウン区域が市域の6割を占めることから、「資料収集の責任がある」として、04年からUR、05年から都に寄贈依頼して多摩ニュータウンのパンフレットなどを少しずつ引き取ってきた。今回の寄贈は最大規模となった。

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5  「学びの空間」見つめ直す…慶大で展覧会  2009/10/6 読売新聞
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 学びの空間を、利用者の視点や記憶も含めて見つめ直そうと企画された。
 慶応では戦災後、日本の近代建築を代表する一人、谷口吉郎が多くの建築を手がけた。「ノグチ・ルーム」(1951年)は彫刻家のイサム・ノグチと共同で設計。2005年の南館新築に伴い、デザインを大きく変えて同館内に移された。ここを無料公開するとともに、かつてのノグチ・ルームや、戦前の谷口建築である幼稚舎本館、日吉寄宿舎の写真を展示する。
 本館の廊下=新良太撮影 幼稚舎の児童たちが写した校内の写真も紹介。廊下や階段、校庭などが、思いがけない角度から生き生きと切り取られている。大学などの学校施設は、時代を代表する建築家が設計することも多いが、優れた建築が良質な教育の場を生み出してきた事実にも気づかされる。
 展覧会は17日まで(11、12日休館)、午前11時~午後6時。10日午後4~6時には西校舎516教室で、丹尾安典・早稲田大学教授らをパネリストに「大学の建築フォーラム」も開かれる。無料、申し込み不要。(高野清見)

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6  10階以上のマンション新築ダメ…福岡市が規制  2009/10/6 読売新聞
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 福岡市は、都心に近い住宅地などを対象に、新築する建物について高さを最高30メートル(10階建て相当)までに制限する都市計画の変更案をまとめた。
 市内では高層マンション建設を巡る紛争が相次いでおり、新たな制限を設けることで、良好な住環境の確保を目指す。11月中旬以降、市民の意見を募り、市議会などの審議を経て早ければ来年度にも導入する方針。
 市によると、住宅地の建造物の高さは、都市計画法に基づいて各自治体が策定する都市計画で規制。このうちマンションなどを建てることができる地区の規制には、日照などを考慮して北側の建物や道路からの距離に応じて高さを制限する「斜線型」と、高さを一律に抑える「絶対高さ型」がある。
 今回、市が規制を強化するのは「斜線型」の地区。市内の広い範囲に及び、具体的には市営地下鉄の西新駅や姪浜駅周辺、福岡空港の東側など、すでに高層マンションが密集している地域が該当する。市中心部の天神地区やJR博多駅周辺などは含まれない。
 現在の制度では、この地区は境界線からの距離に応じて建築可能な建物の高さが決まるため、敷地が広ければ高いビルを建てることができる。
 これに対し、変更案では、地区内を「絶対高さ型」とし、都心に近い所から3段階(30メートル、25メートル、20メートルまで)の規制を設ける。これを超えるマンションなどを建てる場合、認めるかどうかを市が個別に審査する。
 福岡市では、高層マンションの増加に伴い、眺望や日照の悪化を訴える周辺住民との紛争が相次ぎ、訴訟に発展したケースもある。市議会には2001年以降、毎年10件前後の請願が提出されている。
 市都市計画課は「日照権の確保だけでなく、高層マンションによる圧迫感の軽減や周辺地域と調和した街並みづくりなど、市民の多様なニーズに対応していきたい」としている。

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7  「共助・共生の新宿」団塊世代が取材・執筆  2009/10/5 読売新聞
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地域誌「新宿小町」、きょう第2号
「末永く続く雑誌を作りたい」と話す星野さん(左)と伊藤さん 高齢者、障害者、シニア世代、外国人、若者たち――。新宿を舞台に、様々な人たちが手を携えて生きる街を作ろうと、「共助・共生」をテーマにした地域誌「新宿小町」が創刊された。
 編集に携わるのは会社の経営者、社会福祉法人の理事、サラリーマンなど多様なキャリアを持つ団塊世代の「おじさん記者」たち。古くて新しい新宿を歩き、そこで暮らす人たちの姿を描いて、助け合い、支え合うネットワーク作りを目指す。そして、東京のほかの街にも、この動きを広げるのが夢。5日に第2号が発行される。(横溝崇)
 今年5月に発行された「新宿小町」創刊号 「新宿小町」の発行母体は、今年1月にできたNPO法人「コミュニティプレス東京」。理事長の星野勝芳さん(57)ら発足メンバーは、いずれも年老いた親の介護をした経験を持つ。セミナーなどで出会い、互いに悩みを相談し合ったり分かち合ったりするうちに、「住民同士が支え、共に生きるための地域作りを目指そう」と考え、法人設立に至った。
 雑誌の名は、「大きな新宿も、実は神楽坂、早稲田など小さな町からできている。そこから情報を伝えていきたい」との思いから付けられた。
 5月発行の創刊号の特集は、ずばり「共助・共生の新宿」。都心の「限界集落」として知られる戸山団地で高齢者や介護家族の支援をしているNPO法人の活動、介護ヘルパーを目指すシニア世代、障害者や地域の人たちが一緒になって地方の名産や産直野菜を販売するコミュニティーショップなどを紹介している。
 5日に発行される第2号は、「新宿で世界と出会う」がテーマで、明治学院大の女子大生が新宿を訪れた外国人旅行者に街頭インタビューを敢行。四谷を拠点に、日本で暮らす難民の生活をサポートしているNPO理事、新宿で芝居に出会ってヨーロッパや日本各地で公演を手がける演劇プロデューサーなども紹介している。
 毎号の表紙は、新宿にゆかりのある女の子たちをモデルに起用し、新宿の観光スポットなどをバックに撮影している。また、メンバーで文筆家の伊藤裕作さん(59)が、新宿区と縁の深い詩人・寺山修司の軌跡をたどる連載で筆をふるっている。
 コミュニティプレス東京は現在、約20人。埼玉や千葉の人もいる。理事長の星野さん自身、靴メーカーの役員を務めながら母親(87)を自宅で介護してきた。昨年6月に会社を早期退職し、介護ヘルパー2級を取得するなど、介護中心の生活を送っていた。「新宿小町」を中心に、地域の情報を共有し、「いつかは、目黒や浅草でも発行するのが夢」と話す。
 取材の拠点は、メンバーが経営する新宿区内の印刷会社の一角。「読んですぐ捨てられるような雑誌にしたくない」として自分たちの手で配り歩いている。
 目指すのは年4回の発行。取材を手伝ってくれる「町ネタ通信員」、表紙のモデルも募集している。問い合わせはコミュニティプレス東京にファクス(03・5366・6596)かメール(info@shinjuku-komachi.com)で。希望者への郵送も受け付ける。
 コミュニティプレス東京のウェブサイトはhttp://www.shinjuku-komachi.com

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8  住まいセミナー「後悔しないマンション選び」…東京・文京区  2009/10/5 読売新聞
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 18日午後1時半~3時半、東京・文京区の住宅金融支援機構本店すまい・るホール。テーマは「後悔しないマンション選び」。ホームページ「マンション評価ナビ」を運営する大久保恭子さんが、築年数別のチェックポイントなどを解説する。無料。申し込み先着250人。申し込みは、同機構CS推進部(03・5800・8253)へ。

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9  賃貸住宅の建築費、“自販機節税法”が横行  2009/10/3 読売新聞
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会計検査院、消費税法不備指摘へ
 賃貸住宅のオーナーに多額の消費税が不適切に還付されているとして、会計検査院は財務省に対し改善を求める。
 賃貸住宅を巡っては、清涼飲料水の自動販売機を1台設置するだけで、建物全体の建築費にかかる税が全額還付される“節税対策”が常態化。還付額は全国で年約90億円に上るとみられる。検査院は消費税法に抜け道があり、現状のままでは税の公正が保てないと指摘。11月に鳩山首相に提出する決算検査報告書に盛り込む。
 消費税は最終消費者が負担するのが原則。このため消費税法30条には、売り上げの95%以上が課税対象であれば、それまでの仕入れなどにかかった税は還付する、との規定がある。
 賃貸住宅の場合、「売り上げ」は本来入居者が支払う家賃だが、家賃は非課税のため、売り上げに占める課税対象は0%となり、消費税還付は受けられない。
 そこで、消費税を還付させる方法として不動産業界に広がったのが、自販機を利用し形式的に課税対象の売り上げを作り出す方法。飲料水の売り上げは課税対象のため、まだ家賃収入がない段階で税務署に自販機の売り上げを申告し、課税対象が95%以上だと見せかける。例えば、全体の建築費が税込み2億1000万円のマンションなら、こうした方法をとるだけで消費税分1000万円が戻される。
 検査院が2006年度の還付分について、全国約520か所の税務署中、40か所以上を抽出調査したところ、約120件、8億円の自販機を使った還付が見つかった。全税務署では90億円を超えると推定される。
 住宅家賃が法改正により非課税となったのは1991年からで、その後、こうした“自販機節税法”が全国に広がった。06年の政府税調で問題になり、法改正などが検討されたが、その年の答申には盛り込まれなかった。
 検査院は、脱法行為に近い状況が長年の間、放置されてきたとしている。財務省では「税還付について問題意識は持っているが、現時点でコメントすることは出来ない」としている。

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10  湯沸かし器改造「ガス会社が点検」  2009/10/3 読売新聞
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パロマ工業元社長
 パロマ工業(名古屋市)製ガス湯沸かし器による一酸化炭素(CO)中毒で2人を死傷させたとして、業務上過失致死傷罪に問われた同社元社長・小林敏宏被告(71)らの公判が2日、東京地裁であった。
 被告人質問で小林被告は、CO中毒の原因となった違法改造について、「ガス会社が行う機器の定期点検の中で、適切にチェックされると考えていた」と述べ、パロマ側には責任がないとの考えを示した。
 検察側は、小林被告らがCO中毒による死者が多数出ていることを知りながら、安全対策を怠ったと主張している。

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11  六本木ヒルズ 発電所は自前  2009/10/2 読売新聞
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 エンジンが収められた機器が並ぶ機械室。六本木ヒルズの「心臓部」だ=竹田津敦史撮影 11棟のビルが林立する東京・六本木ヒルズ。そのシンボルともいえる森タワー(54階建て)の地下機械室では日夜、キーンという金属音を響かせ、海上自衛隊のP―3C対潜哨戒機とほぼ同型のエンジン6基が発電のために回転している。ここで作り出す電気はヒルズ内の9棟に、また、エンジンの排気を利用した冷暖房用の冷水・蒸気も10棟に供給されている。
 「大量のコンピューターを使うIT企業や金融機関が入居し、一瞬の停電も許されない。自家発電ならリスクを回避できる」と、森ビルの子会社・六本木エネルギーサービスの菊池謙一技術部長(67)が語る。冷暖房の熱を各棟に配分する「地域冷暖房システム」は、ビルごとに冷暖房をした場合に比べ、一般的にエネルギー使用量を約1割削減する効果が見込まれる。
 なぜ航空エンジンなのか。約11ヘクタールを再開発して2003年4月に誕生したヒルズは、最大時で民家約1万世帯分に相当する約3万6000キロ・ワットの電力が必要。「これだけの電力をディーゼルエンジンで得ようとすると巨大になる。航空エンジンなら比較的軽く、管理も楽」と菊池さん。その他の発電方法もあったが、地域冷暖房の導入も考え、航空エンジンが「ベストだった」。総費用は約100億円という。
 六本木ヒルズの森タワー 都市ガスを燃料にして回転するエンジンからは、約600度の高温の排気が出る。これをボイラーに送って蒸気を作り、冬はそのまま各棟の暖房に使う。夏は冷凍機で冷水に変換する。
 こうした発電と熱供給を同時に行う仕組みは「コージェネレーション(熱電併給)」と呼ばれ、近年普及が進むが、発電を増やすと蒸気も余分に増えてしまうといった「弱点」もあった。ヒルズでは、作りすぎた蒸気はエンジンに噴射して発電に効率よく使う造船重機大手・IHI(東京都江東区)の技術を採用し、無駄を省いている。
 災害でガスが止まれば電力会社から電気が供給されるが、それも止まれば備蓄灯油で3日間エンジンを回す。「『東京中が停電してもヒルズの明かりは消えない』が合言葉。温暖化対策に貢献しながら、滞りなく電気と熱を供給したい」

地域冷暖房
 大型ボイラーなどを備えた拠点で作った冷水や蒸気を、地域の複数の建物に分配するシステム。国内では1970年、大阪・千里中央に導入されたのが初。全国約150か所で実施され、このうち都市ガスを燃料にしたコージェネレーションは約50か所で採用されている。

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12  「シックハウス」で賠償命令 会社側過失認める  2009/10/2 読売新聞
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 購入した新築マンションでシックハウス症候群になり、健康被害を受けたとして、神奈川県平塚市のイラストレーター岡谷貞子さん(48)が、マンション分譲のダイア建設(横浜市、民事再生中)に約8790万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が1日、東京地裁であった。
 酒井良介裁判官は、完成後に化学物質の濃度測定を行わなかった過失があったとし、同社に約3660万円の賠償責任があることを認めた。
 判決によると、岡谷さんは2000年7月、横浜市内のマンションに入居したが、数日後には頭痛などに悩まされ、02年6月に化学物質過敏症と診断された。同年12月に転居したが、現在も症状が続いている。
 同社は民事再生中のため、債権者への配当は現段階で6%にとどまる。岡谷さんは判決後、東京・霞が関で、症状を抑えるための帽子とマスク姿で記者会見に臨み、「生活が変わるわけではないが、被害者の訴えを受け止めてもらえうれしい」と話した。
 ダイア建設の話「判決文を見ていないので、コメントを控えさせていただきたい」

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13  高齢化進む公営団地「活性化へ居住させて」  2009/10/1 読売新聞
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北九大学生グループが市に提案
 市職員(左の3人)と意見を交換する学生ら 高齢化が進む公営団地の活性化策を研究する北九州市立大の学生グループが30日、市保健福祉局に対し、研究の一環として市営団地にグループメンバーが居住することを提案した。福祉目的の入居条件はクリアできないことから、「同じ生活をすることで実効性の高い対策を見いだしたい」と弾力的な運用を求めた。
 メンバーは法学部の楢原真二教授(公共政策論)のゼミ生10人。今年夏、高齢化率が30%を超える市営団地36か所で実態調査を行ったところ、高齢者が多い団地ほど町内会活動が困難になったり、孤独死が起きたりするなど問題が深刻なことが分かった。住民らとも意見を交換した結果、メンバーが団地で暮らし、町内会活動などにかかわりながら打開策を探る手法が浮かび上がったという。
 公営団地は法律で設置目的を「社会福祉の増進」と規定されており、入居条件には所得制限があるほか、単身の場合は60歳以上や障害者らに限られている。
 提案した3年脇山昴一郎さん(21)らは「団地の現状は厳しい。活性化策を急がなければ」「一人暮らしのお年寄りを身近で手助けしたい」などと強調。対応した同局の中村順子・いのちをつなぐネットワーク推進係長は「法の規制があるので入居は難しいが、団地の活性化などについては皆さんと一緒に取り組んでいきたい」と述べた。

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14  細田工務店、階段部分を中心に据えた戸建て住宅  2009/10/7 日経産業新聞
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 細田工務店は階段部分を住宅の中心部に据えた構造の戸建て住宅「創造空間『軸』」の販売を10日に始める。耐久性や耐震性に優れる長期優良住宅の認定基準を満たしており、認定を受ければ住宅ローン減税などで優遇措置を受けられる。省エネルギー効果の大きいガス発電給湯暖房システムを採用し、環境にも配慮する。
 階段部分が中心の「センターキュービックコア」と呼ぶ新技術を採用。配管も家の中心部に集約し、配管設備の保守・修繕が容易になるようにした。部屋は柔軟な配置が可能で、家族構成に応じて14種類の商品を用意。住宅を支える大梁(はり)を外壁と一体化させる構造にして耐震性能も高めた。坪単価は51万4000円から。

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15  住友林業、間取り自由設計の戸建て住宅  2009/10/5 日経産業新聞
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 住友林業は大断面の集成柱を使って将来の可変性を持たせた独自の「ビッグフレーム構法」を用いた戸建て住宅の新商品「BF―Si」を9日に発売する。柱の配置をあらかじめ設定した30種類のプランを元に、間取りなどは自由に構成できる。初年度200棟の販売を目指す。
 主要構造材の柱は一般的な105ミリメートル角の柱の5本分となる560ミリメートルの幅を持たせ、耐力壁の役割を果たす。1階と2階を支える通し柱という長い柱が不要で、上下階の柱位置が異なるプランにも対応が可能。壁の少ない広々とした大空間を設計できる。価格は3.3平方メートル当たり49万円台から。

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16  ミサワホーム、賃貸併用住宅の新商品  2009/10/5 日経産業新聞
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 ミサワホームは10日、鉄骨系賃貸併用住宅の新商品「ハイブリッド ホームプラス」を発売する。最初から賃貸住宅経営を計画している人向けと、自宅として使いながら将来は間取り変更で賃貸や店舗にできる2種類を用意した。賃貸併用住宅は賃料収入を自己年金や住宅ローンの返済に充てることができる。将来の不安解消に役立つ選択肢の1つとして注目されており、初年度100棟の販売を目指す。
 新築時に狭小な間口の戸建て住宅を連ねて建設する「いまからプラス」と、当初は住宅全体を自宅として使用し、将来はその一部を賃貸や店舗などに変更できる「あとからプラス」。「あとから」では間取り変更ができるよう空間を仕切る壁のラインを想定して施工、大がかりなリフォームを省けるようにした。プランはそれぞれ5つと8つそろえる。
 モデルプランの価格はいまからが約3.3平方メートル当たり59万3000円、あとからが同58万2000円。

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17  東急不動産、マンションに次世代サービス導入  2009/10/5 日経産業新聞
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 東急不動産は12月に発売する東京都中央区のマンションに次世代サービスを導入する。携帯電話を通して訪問客や家族の帰宅を知らせるパナソニック電工のシステムや、遠隔操作で風呂や暖房の操作ができる東京ガスのサービスを利用できるようにする。
 導入するのは「クオリア日本橋浜町」(総戸数59戸)。2つのサービスを提供するためのサーバー同士を接続し、コールセンターなどが相互に連携できる体制を整える。今後発売する「クオリア」ブランドのマンションへの導入も検討する。

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18  ウッドワン、通気性重視のクローゼット向け扉  2009/10/5 日経産業新聞
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 【広島】ウッドワンは通風口を備えたクローゼット用の扉「無垢(むく)ルーバークローゼット」を発売した。クローゼット内部にこもる湿気がカビやダニの原因とされるなど、消費者のニーズが高いと判断した。
 扉に付いた羽根板のすき間を空気が通過し、クローゼット内の湿度上昇を防ぐ。標準的な大きさで1セット15万2300円(税抜き)。独自に育てたニュージーランド産のパイン材を使い、羽根板がない「パネルタイプ」の商品と同程度の価格に抑えた。

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19  トステム住研、住宅ネット販売サイト  2009/10/2 日経産業新聞
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 加盟店の営業コスト抑制 トステム住宅研究所(東京・江東、大竹俊夫社長)は1日、住宅をインターネットで販売するサイト「ウェブハウジング」を同日付で開設したと発表した。まず関東地方を対象に、ネット限定で取り扱う住宅「アイプライムセブン」の販売を始める。顧客とのやり取りを簡素化することで、フランチャイズ契約を結ぶ加盟店の営業コストを抑える狙い。
 同社は注文住宅を主力とするが、今回販売する住宅は規格品に近い。これまでのサイトは商品の情報提供が主な役割との位置づけで、ネットで申し込みができるのは初めて。サイトではさらに、借り入れをして購入する場合の返済額をシミュレーションしたり、建築に向けてのスケジュールを作成したりできる。

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20  8月の新設住宅着工、38.3%減  2009/10/1 日経産業新聞
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 9カ月連続マイナス 住宅・建設関連指標に明るさがみえない。30日発表の8月の新設住宅着工戸数は前年同月比38.3%減の5万9749戸と9カ月連続の減少。建設受注は総額が同23.5%減の6440億円で10カ月連続で前年同月を割った。雇用・所得、資金調達環境の悪化が影響しており、関係者は「当面は厳しい状況が続くだろう」とみている。
 国土交通省によると、8月の新設住宅着工戸数は月別のデータを出すようになった1965年1月以来、単月で過去3番目に低い水準となった。持ち家、貸家、分譲住宅のいずれも2けたの大幅な落ち込み。

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21  8月の中古マンション価格、横ばい 民間調べ  2009/10/1 日経産業新聞
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 不動産情報サービスの東京カンテイ(東京・品川)は8月の全国の中古マンション価格をまとめた。70平方メートルに換算した平均価格は前月比横ばいの2033万円だった。前年同月比では11.3%のマイナス。茨城県、群馬県、広島県、沖縄県など「一部では比較的堅調な推移も見られるが、今後も価格が下振れする可能性がある」(東京カンテイ)という。
 地方別に見ると、関東が前月比2.1%増の2679万円、中部圏が2.6%増の1523万円、近畿圏が0.2%増の1788万円。北海道は1.8%、九州は1.0%のプラスだった。一方、東北は1.4%減、中国は3.3%減、四国は1.1%減。北陸は横ばいとなった。

2009-10-09 | Posted in 住宅関連新聞記事Comments Closed