住宅関連新聞記事ダイジェスト No.306 2009/10/22~2009/10/28

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【日本経済新聞】
1 「長期優良」の3階建て木造住宅、震度6強で倒壊
2 トヨタ、住宅事業を分離 製造・販売を一貫、本体は自動車に集中
3  新日石、太陽の光と熱を家庭で併用11年に住宅用システム発売
4  住宅購入資金の贈与税非課税枠 国交相、2000万円に拡充要望

【朝日新聞】
5  長期金利が上昇、2カ月半ぶり1.4%台

【読売新聞】
6  「住宅ローン苦」相談続々
7  シャープの軒下用照明、LEDで寿命5倍に
8  シロアリ被害で柱が空洞「道の駅」解体へ
9  東京・渋谷の旧邸、国重文に…地元住民ら要望
10  5千万脱税容疑、不動産業者ら2人逮捕

【日経産業新聞】
11  9月の賃貸住宅成約数、首都圏は11.1%減 民間調べ
12  北海道セキスイ、若年世代向け注文住宅 装飾簡素化で1割安く
12  トステム、高級感あるデザインのカーポート
13  9月の首都圏中古マンション価格、1都3県で上昇
14  分譲マンションのブランドランク、三井不動産系が上位に
15  野村リビングサポート、顧客満足度向上へ推進室
16  積水ハウス、共働き家庭向け住宅プラン。部屋干し専用室を設置

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1 「長期優良」の3階建て木造住宅、震度6強で倒壊  10月28日 日本経済新聞
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 防災研が実験 防災科学技術研究所などは27日、大型震動台「E―ディフェンス」を使って3階建て木造住宅を揺らし、耐震性を試す実験を実施した。その結果、震度6強で、揺れに耐えると考えられた「長期優良住宅」の基準を満たす住宅が倒壊。実験を指揮した東京都市大学の大橋好光教授は「基準に問題はない」としているが、3階建て住宅の増加もあり、同研究所は設計上の課題などを探る。
 実験では同じ設計の木造3階建て住宅を2棟使用。1棟は「耐震等級2」を満たす長期優良住宅。もう1棟は柱の接合部のみを弱くしてあり、同等級を満たさない。

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2  トヨタ、住宅事業を分離 製造・販売を一貫、本体は自動車に集中  2009/10/24 日本経済新聞
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 トヨタ自動車は23日、住宅事業を100%子会社のトヨタホーム(名古屋市)に集約すると発表した。トヨタ本体にある住宅の生産・技術開発部門を2010年10月に移管し、トヨタホームが商品の企画から生産、販売までを一貫して手掛ける体制にする。国内住宅市場で約1%のシェアにとどまっている住宅事業を製販統合で強化しつつ、トヨタ本体は赤字に陥った自動車事業の改革に集中する狙いがあるとみられる。
 トヨタの住宅事業は、トヨタ本体に生産・技術開発機能があり、トヨタホームを含め地域のグループ会社が商品企画や営業を担当していた。春日井事業所(愛知県春日井市)や栃木事業所(栃木市)など生産拠点や設備のほか、関連子会社の株式など資産をすべてトヨタホームに移す。

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3  新日石、太陽の光と熱を家庭で併用11年に住宅用システム発売  2009/10/24 日本経済新聞
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 新日本石油は太陽光と太陽熱を同時に有効活用する家庭用エネルギーシステムを開発する。発電や給湯、暖房用のエネルギーを供給し、光熱費の節約や二酸化炭素(CO2)排出量の削減につなげる。2011年に発売し、住宅メーカーなどに採用を提案する。
 新システムは太陽光発電パネルと集熱パネルを住宅の屋根に組み込んだ構造。太陽光パネルで発電して室内の照明などに電気を供給し、集熱パネルで温水をつくり風呂などにまわす。パネルと屋根の土台の間には約7センチメートルのすき間をつくり、この空間で暖めた空気も室内に送り込んで暖房などに利用する。

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4  住宅購入資金の贈与税非課税枠 国交相、2000万円に拡充要望  2009/10/22 日本経済新聞
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 国土交通省は2010年度の税制改正要望に、住宅の新築・購入や増改築などのため親からもらったお金にかかる贈与税の非課税枠の拡大を盛り込む検討に入った。現在は合計610万円の非課税枠を2000万円程度まで広げたい考えだ。若い世代にお金をまわして住宅の需要を掘り起こし、景気を下支えする狙いだが、減税に見合う財源の確保をめぐって財務省との調整が難航する可能性もある。
 前原誠司国交相が同省幹部に指示した。贈与税の非課税枠は本来、年間110万円だが、前政権は09年から2年間の時限措置として、住宅の購入・増改築に限り、500万円の非課税枠を設けた。非課税枠のさらなる拡大で住宅需要や建設業界の雇用創出につなげる。

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5  長期金利が上昇、2カ月半ぶり1.4%台  2009/10/28  朝日新聞
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 住宅ローン金利などに影響を与える長期金利が、じりじり上昇している。27日の東京債券市場では、代表的指標の新発10年物国債の流通利回りが前日比0.015%幅高い年1.405%を付けた。1.4%台は約2カ月半ぶり。
 長期金利は6日に1.240%に下げて以降、27日まで横ばいの日を除くと11営業日連続で上昇し、一度も下がっていない。毎年この時期は翌年度の予算編成への思惑から長期金利が動きやすくなるという季節要因があるものの、新政権の予算編成方針が不透明なため、外国人投資家を中心に財政問題への懸念が強まっているとの見方が出ている。

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6  「住宅ローン苦」相談続々  2009/10/27 読売新聞
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救済法案、政府が提出方針…大手銀は柔軟に対応
景気低迷で、住宅ローンの返済が苦しくなる人が目立ってきた。
 政府は、ローン返済の条件変更などに応じるよう金融機関に促す法案を臨時国会に提出する方針で、大手銀行も相談件数の急増を受けて柔軟な相談体制の整備を進めている。
 三菱東京UFJ銀行は、今春は毎月300件前後だった住宅ローンに関する相談件数が、夏以降、500件程度に急増している。リストラなどで返済が困難になった人が増えているためとみられ、住宅ローンの相談に乗る専任の担当者を9月以降、二十数人に倍増した。相談の結果、返済期間を延長して毎月の返済額を減らすといった返済条件の変更を、相談者の半数程度に対し、既に実施している。
 11月からは、すべての住宅ローン利用者に案内文を送り、返済が苦しくなった際に早めの相談を呼びかけるほか、来年1月からは、インターネット経由で相談の申し込みを受け付けるようにする。
 三井住友銀行も9月から、相談を受ける際の注意点をまとめたマニュアルを全国の支店に配布し、無理のない返済計画を立てるよう現場に徹底している。
 みずほ銀行は、住宅ローン返済の相談があった際、支店長ら幹部が状況を把握することで、対応に漏れがないように配慮している。
 メガバンクなどは、ローン返済の条件変更などに応じるよう金融機関に促す法案が成立すれば、相談体制を一層強化することも視野に入れている。
 前年同期比4割増 国民生活センターによると、「失業して返済できなくなった」などの住宅ローンの相談は、4月から先週末までで1755件と前年同期より約4割増えた。
 金融機関も延滞の増加に警戒感を強めており、住宅金融支援機構が金融機関を対象に7月に実施したアンケートでは、87・8%が「景気低迷による延滞の増加」を懸念材料と回答。昨年の73・5%、一昨年の52・7%に比べて急増している。
 同機構は今年6月から、経済対策の一環として、頭金がなくても長期固定ローン「フラット35」を借りられる取り組みをスタート。同月以降、申込件数が前年同月比で毎月3~6割増と大きく伸びている。同機構は、「借りやすくなったことに加え、民間金融機関の融資姿勢が厳しいことも影響している」とみている。

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7  シャープの軒下用照明、LEDで寿命5倍に  2009/10/26 読売新聞
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 シャープ(大阪市阿倍野区)は、軒下取り付け用のLED照明「DL―EG001」の販売を始めた。
 真下を効果的に照らすように形状を工夫することで、一般的な400ワットの水銀灯に比べて消費電力を約4割に抑える一方、寿命は約5倍の6万時間に延びた。明るさも軒下取り付け用では業界トップクラスという。商店街のアーケードや商業施設、物流倉庫、ガソリンスタンドなどへの設置を見込んでいる。

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8  シロアリ被害で柱が空洞「道の駅」解体へ  2009/10/23 読売新聞
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 シロアリ被害で閉鎖された「道の駅佐賀関」 大分市大平の「道の駅佐賀関」で、レストランや売店が入居する木造2階建ての物産館がシロアリ被害に遭い、閉鎖に追い込まれた。
 建物を所有する市が調査し、シロアリを駆除したが、主な柱は空洞になって修復不可能で、「地震で倒壊する恐れもある。できるだけ早く取り壊したい」としている。
 「道の駅佐賀関」は1997年、市中心部と佐賀関を結ぶ国道197号沿いにオープン。物産館は合併前の旧佐賀関町が、県費補助を受け、約4300万円で建設した。佐賀関と愛媛県伊方町を結ぶフェリーの乗降客の利用も多く、レストランでは関アジ、関サバの刺し身が食べられた。土産品では、特産の海藻・クロメが人気だった。
 今年6月、従業員がシロアリの浸食に気づき、市に連絡。建築課が調べた結果、補修できないほど傷んでいたため、8月末で一時閉鎖し、営業していた業者の使用許可も取り消した。
 一帯はシロアリが多い地域だが、海沿いで鉄筋コンクリートが腐食しやすいため、物産館は木造にしたという。4000万円程度かかる建て替えは、考えていないという。
 トイレや自動販売機、駐車場(36台収容)は利用可能で、隣接するタコ焼き屋も営業している。
 市観光課は「道の駅自体は存続したい。テントなどを使った物産販売もできる。地元と協議したい」と話している。

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9  東京・渋谷の旧邸、国重文に…地元住民ら要望  2009/10/22 読売新聞
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「羽沢ガーデン」解体に反対
 東京都渋谷区広尾の「羽沢ガーデン」を後世に残す運動をしている「羽沢ガーデンの文化財と景観を守る会」は21日、文部科学省に川端達夫文科相を訪ね、ガーデンを国の重要文化財に指定するよう求める要請書を手渡した。
 ガーデンは旧満鉄総裁などを務めた中村是公が1915年に築いた旧邸。約1万平方メートルの敷地に、豪壮な和風の造りに洋風の意匠を取り込んだ建物が立つ。戦後は料亭やレストランになったが、2005年に閉鎖された。
 所有者は建物を取り壊してマンションを建設する計画だが、近隣住民らから反対の声が上がっている。同会理事の斎藤驍弁護士は「解体されれば蓄積された文化の復元は困難。国は文化財に指定し、保全に努めてほしい」と話している。会の発起人の1人で、作家の辻井喬さんの父・堤康次郎氏(故人)が滋賀県出身で、川端文科相と同郷という縁などで、今回の面会が実現したという。

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10  5千万脱税容疑、不動産業者ら2人逮捕  2009/10/22 読売新聞
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 名古屋市千種区の不動産会社「オフィス・ベルコ」(解散)が、法人税約5000万円を脱税したとして、名古屋地検特捜部は21日、同社の実質的経営者で不動産業の千石基(いしき)容疑者(60)(京都市西京区)と不動産会社役員の白光鉉(こうげん)容疑者(47)(住所不定)を法人税法違反容疑で逮捕、名古屋国税局と合同で、千容疑者の自宅など数か所を捜索した。
 発表によると、千容疑者らは土地を売却した際の売り上げの一部を白容疑者の会社の口座や貸金庫に隠したり、愛知県刈谷市の土地売買を別会社名で行ったりしたことに加え、オフィス社を解散する手口で、2008年3月期までの1年間の所得約1億7000万円を税務申告せず、法人税を免れた疑い。千容疑者は容疑を認めているという。
 登記簿によると、オフィス社は03年7月、不動産売買や貸金業、古物の売買を目的に設立。資本金は300万円で、08年3月に解散した。

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11  9月の賃貸住宅成約数、首都圏は11.1%減 民間調べ  2009/10/28 日経産業新聞
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 不動産情報サービス大手のアットホーム(東京・大田、松村文衛社長)が27日発表した9月の居住用賃貸物件の市場動向によると、首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の成約数は1万5539件で前年同月比11.1%減となった。前年同月割れは4カ月連続。成約数が前年同月と比べて5.6%減だった8月から落ち込み幅が拡大した。
 地域別では、東京23区が10.3%減、23区以外の東京都が13.6%減。神奈川県が8.2%減、埼玉県が20.2%減、千葉県が13.5%減と成約が軒並み低調だった。景気低迷が続き、消費者心理が冷え込んでいることが原因とアットホームはみている。

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12  北海道セキスイ、若年世代向け注文住宅 装飾簡素化で1割安く  2009/10/28 日経産業新聞
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 【札幌】北海道セキスイハイム(札幌市、橋島正治社長)は31日から、若い世帯向けの注文住宅の新商品「クレスカーサ」を北海道内で売り出す。部材の種類を減らし装飾を簡素化することにより、販売価格を1割近く下げた。
 販売価格は3.3平方メートル当たり55万円台から。同社住宅の平均価格より5万円程度安い。内装や外壁を簡単にし、鉄骨の種類を通常の4分の1に抑えて低コスト化。1.6メートルの積雪に耐える構造や高い耐震性などは維持している。

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12  トステム、高級感あるデザインのカーポート  2009/10/28 日経産業新聞
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 トステムは高級感のあるデザインのカーポート「IORI(イオリ)」を11月に発売する。建築家の黒川雅之氏が設計にかかわった。直線を基調としており、柱などに15センチメートル角の骨太の形材を使用。柱とはりの接合部や雨どいなど、細部のデザインにもこだわった。
 オプションで、周りからの視線を遮る格子スクリーンや、夜に車庫入れをする時に役立つ発光ダイオード(LED)照明などを設置できる。セット価格は1台向けが73万5000円、2台向けが105万円。

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13  9月の首都圏中古マンション価格、1都3県で上昇  2009/10/27 日経産業新聞
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 反転の兆しも 不動産情報サービスの東京カンテイ(東京・品川)は、9月の首都圏1都3県すべてで中古マンション価格が前月比で上昇に転じたと発表した。1都3県そろっての上昇は2007年12月以来、1年9カ月ぶり。首都圏全体の中古マンション価格も2カ月連続で上昇しており、中古マンションは価格下落局面から反転に向かう兆しも出始めている。
 延べ床面積70平方メートル換算の価格は首都圏全体で前月比2.0%上昇し2794万円。東京都は1.7%上昇の3709万円、神奈川県は2.0%上昇し2461万円。埼玉は0.8%上昇の1758万円、千葉県は1.8%上昇の1752万円だった。

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14  分譲マンションのブランドランク、三井不動産系が上位に  2009/10/27 日経産業新聞
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 民間調べ 不動産マーケティングのアトラクターズ・ラボ(東京・千代田、沖有人代表)は分譲マンションのブランドランキングを発表した。「パークシティ」など三井不動産レジデンシャル(東京・中央)のブランドが1位から3位を占め、野村不動産や三菱地所なども上位に並んだ。都心部での開発案件が多い大手不動産会社のブランド力の高さが浮き彫りになった。
 トップ3は三井不動産レジデンシャルの「パークシティ」「パークコート」「パークタワー」。野村不動産の「プラウド」が4位、三菱地所の「パークハウス」が5位に入った。有楽土地の「オーベル」が6位、東京建物の「ブリリア」が7位と続いた。

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15  野村リビングサポート、顧客満足度向上へ推進室  2009/10/26 日経産業新聞
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 野村不動産ホールディングス傘下でマンション管理などを手掛ける野村リビングサポート(東京・新宿、関敏昭社長)は「オーナーズプロジェクト推進室」を新設した。野村不動産などグループで取り組んでいる顧客満足度の向上に関して、管理会社の立場から今後、具体的な取り組みを検討、考案していくという。
 推進室には4人を配属した。具体的な取り組みとしては、緊急時などに対応するための24時間の駆け付けサービスや、住民からの相談・要望の受付窓口をグループ内で一本化することなどを検討中。今後時期をみて実行に移していくという。

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16  積水ハウス、共働き家庭向け住宅プラン。部屋干し専用室を設置  2009/10/22 日経産業新聞
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 積水ハウスは21日、共働き夫婦が生活しやすい住宅プラン「トモイエ」を開発したと発表した。家事がしやすく、夫婦がそれぞれ自分の空間を確保できるように配慮した設計が特徴。例えば共働き家庭では夜に洗濯して部屋干しをすることが多いことから、室内に物干しスペース付きの洗濯専用室を設けた。22日から発売する。
 台所仕事がしやすいように、たくさんの食材や食器が一緒に収納できる「キッチンバックヤード」を設置。台所内の汚れがリビングから見えないように手元が隠れる工夫も施した。部屋の一部に間仕切りを設けたり、寝室にそれぞれ自分専用のウオークインクローゼットを設置したりするなど、夫婦のプライベートも確保した。

2009-10-29 | Posted in 住宅関連新聞記事Comments Closed