住宅関連新聞記事ダイジェスト No.308 2009/11/5~2009/11/11

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【日本経済新聞】
1  11月の「フラット35」6カ月ぶり金利上昇

【朝日新聞】
2  家賃滞納歴のデータベース運用10年2月から開始
3  家賃滞納データベース化さらに20社が参加検討
4  マンション販売堅調、不動産大手5社が黒字確保
5  公営住宅、単身者OK「派遣切り」に対応、基準緩和へ

【読売新聞】
6  オール電化VSガス…中部で競争激化
7  秋田市長公舎、保育所で“再生”へ
8  富山の「知事公館」廃止へ
9  ごみ処理場跡地、小金井・調布・府中で分割案「良識疑う」不満の声も
10 「あわじ暮らし」いかが?空き家情報など提供
11  鳥取「なまこ壁」独自の装飾性でブームに
12 福岡の「簡保センター」跡地、公売不成立
13 「北総線」運賃5%値下げへ
14 「木を使った町並み」活用策探る…広島・府中市
15  茨城の「協栄工務店」が再生手続き

【日経産業新聞】
16  住宅ローン減税、「利用する」が89%住団連調査
17  REIT、7~9月の物件取得ゼロ 民間調べ
18  全国賃貸保証業協会、悪質な家賃滞納者をデータベース化
19  カワムラ、太陽光発電付き新築住宅をネットで受注
20  東急電鉄、沿線に高齢者専用マンションを展開

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1  11月の「フラット35」6カ月ぶり金利上昇  2009/11/5 日本経済新聞
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 住宅金融支援機構は4日、民間金融機関と提携した長期固定型の住宅ローン「フラット
35」の11月の適用金利を発表した。主力の期間21年以上のローンは最低金利が年2.69%と
なり、前月より0.05%上昇。20年以下のローンでも最低金利は年2.47%と同0.02%上がっ
た。いずれも上昇は今年5月から6カ月ぶりとなる。長期金利の上昇が影響した。

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2  家賃滞納歴のデータベース運用10年2月から開始  2009/11/11 朝日新聞
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 家賃滞納歴などを登録した家賃保証会社の入居者の信用情報のデータベース(DB)の
運用が、来年2月から始まる。約20社が参加を予定し、1年後に約180万件が登録さ
れる見通しだ。  10日の国土交通省社会資本整備審議会の部会で、社団法人「全国賃貸
保証業協会」(LICC(リック))の中島拓・専務理事が説明した。協会には現在9社
が加盟。来年2月までにさらに約10社が加わる見込み。加盟社は、新規契約を結んだ入
居者の家賃支払い状況に加え、毎月10日時点で入居者の滞納家賃を家主側に立て替えた
情報なども登録。ほかの会員会社の情報も照会できる。運用当初は毎月15万件前後の登
録を予定。1年後の登録件数は約180万件に達する見込みで、大手家賃保証会社でつく
る業界団体の家賃保証契約件数(約350万件)の半数以上になるという。
 DB化をめぐっては、「家賃滞納者のブラックリストにつながり、住まいの確保が難し
くなる」との批判が根強い。日弁連は10月、前原誠司国交相あての意見書のなかで「社
会的弱者を排除する」と反対を表明している。

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3  家賃滞納データベース化さらに20社が参加検討  2009/11/7 朝日新聞
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 家賃滞納などの信用情報のデータベース化が、規模を広げる見込みになった。家賃保証
会社9社が設立したデータベース化推進の社団法人に、さらに約20社が参加する方向で
検討。一般の賃貸住宅管理会社なども将来、マンションなどの入居者の情報を社団法人に
提供する構想がある。
 9社は先月、データベース化の中核となる社団法人「全国賃貸保証業協会」を新設。9
社が連帯保証をしている賃貸住宅入居者の毎月の家賃の支払い状況を登録することにした。
入居者の代わりに弁済した場合、その累計額も記入することになっていた。協会の会員は
、相互に信用情報を利用できる。
 協会が4日に東京都内で開いた説明会には、9社以外で参加の意向を持つ保証会社が
20社出席。協会は「会員15社で、運用開始から2年後に240万件の信用情報が蓄積
される」と想定しているが、会員が増えれば、蓄積量は2年後には300万件前後に達す
るとみられる。すべての民間賃貸住宅の戸数は約1260万戸という。
 家主や管理会社は、家賃滞納を繰り返す入居者を把握して締め出す仕組みを切望してお
り、データベース化に合流する動きはさらに広がる可能性がある。一方で、信用情報蓄積
の規模が拡大すれば、「データベースはホームレスを増やす」と撤回を求めてきた低所得
者支援のNPO法人などが、反発をいっそう強めそうだ。
 保証業協会は「一時的な滞納で家賃保証を拒否することはない」「過去きちんと家賃を
支払っていた人は信用が高まり、賃貸住宅を借りやすくなる」と強調している。ただ、悪
質な滞納者かどうか、拒否するかどうかの判断は最終的に各業者にまかせられているため、
業界内でも「病気などやむを得ない事情で数カ月間滞納する人も排除される」と反対する
声が根強い。

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4  マンション販売堅調、不動産大手5社が黒字確保  2009/11/6 朝日新聞
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不動産大手5社の09年9月中間連結決算
 大手不動産5社の09年9月中間連結決算が6日、出そろった。昨秋の金融危機以降、
不動産市況は冷え込んだままだが、大手はブランド力を生かしたマンション販売などが堅
調で、5社とも営業黒字を確保した。
 三井不動産、三菱地所、住友不動産、野村不動産ホールディングス(HD)の4社は、
マンション部門の売上高が前年同期比3割増~2.2倍と住宅事業が好調。「金融危機以
降離れていた消費者が、価格下落や住宅ローン減税などで買い時と感じている」(住友不
動産)という。不動産経済研究所は「新規着工は抑えられているが、一定の在庫があり、
ブランド力のある大手に客が流れている」とみる。
 一方、企業業績の低迷で、5社のオフィス、商業施設の空室率は前年同期に比べ、
1.5~1.9倍に増えた。

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5  公営住宅、単身者OK「派遣切り」に対応、基準緩和へ  2009/11/5 朝日新聞
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 国土交通省の政務三役は5日、原則として家族で住む世帯にしか入居を認めていなかっ
た公営住宅の基準を見直し、自治体の判断で単身者の入居を認める方針を決めた。「派遣
切り」などで住居を失った単身者への支援に公営住宅を活用しようとしても、国の基準が
障壁になって対応が不十分になったと指摘されていた。
 政府の地方分権改革推進委員会が公営住宅の入居基準緩和を求める勧告を出していた。
国交省は、単身者への住宅開放などを含む勧告への対応を分権委に回答する。
 公営住宅法は入居資格の一つとして「現に同居し、または同居しようとする親族」と規
定している。昨秋以降、失業と同時に社員寮を退去させられるなどして住まいを失う単身
者が続出したため、国交省は昨年12月、単身の失業者の入居を一時的に認める通知を出
した。しかし、公営住宅法の規定があるため、「本来の対象者の入居を阻害しない範囲で
の目的外使用」と位置づけられ、空き家を原則1年間だけ開放する限定的な対応にとどま
った。 国交省は公営住宅法の改正も視野に、単身者を事実上排除してきた規定を撤廃す
る方針。自治体の判断で、単身者でも通常の公営住宅の入居者募集に応募できるようにな
る方向だ

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6  オール電化VSガス…中部で競争激化  2009/11/11 読売新聞
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 家屋の熱源をすべて電気でまかなう「オール電化住宅」の戸数(戸建てとマンションの
合計)が、中部電力の営業地域(東海3県と静岡、長野県)で10月末に50万戸を突破
した。
 「省エネ」「節約」志向の高まりが後押ししているが、東邦ガスも対抗の構えを強めて
おり、住宅向けエネルギーを巡る電力とガスのせめぎ合いが激しくなりそうだ。
(小野田潤)
10年強で回収
 2008年度は中電の営業地域で新築一戸建て住宅の約半分がオール電化を導入した。
東海地方などでは「戸建て志向が強く、一般的に割高なプロパンガスの利用世帯が多い」
(大手住宅メーカー)ことも中電には追い風で、08年度の伸び率は東京電力や関西電力
管内(30%程度)より高かった。
 初期費用は空気から熱を取り出して温水を作る「エコキュート」を併用すると、電気工
事代を除いて100万円程度かかるが、オール電化向け料金プランを適用すれば、標準世
帯(4人)では光熱費を年間約8万2300円節約できる。「10年強で投資を回収でき
る」(中電)との試算だ。オール電化住宅は二酸化炭素(CO2)を排出しないことも
魅力だ。

セット販売
 東邦ガスも対抗の構えで、例えば床暖房(8畳、1時間あたり)の費用でみると「ガス」
(13円)は「電気」(26円)の半分で「ガスの方が割安」と反論する。
 環境対策でも、ガスを燃料に使う燃料電池「エネファーム」を投入し、太陽光発電システ
ムとのセット販売も始めた。国や名古屋市の補助を受けても初期費用(標準世帯)は約34
0万円かかり、まだ普及率は低いが、今後はコスト削減を進めて「電化」に対抗する。
 ただ、「どちらが得か」は「世帯の人数や使用機器などで異なる」(大手住宅メーカー)。
火力発電の比率が高い東海地方では「オール電化の増加がCO2の排出削減につながると
は限らない」(環境関連の非営利組織)との指摘もある。

せめぎ合い
 「電力」「ガス」のせめぎ合いは、産業用需要ではほぼ「住み分け」が明確なのに対し、
住宅向けはシェア(占有率)争いの余地があるためだ。中電は10月末に、住宅など向けの
電力需要見通し(09年度)を下方修正した。「企業の従業員寮の廃止が相次いでいる」
(中電)など、住宅向け需要の鈍化が見込まれているためだ。今後は電力・ガスによるパイ
の奪い合いが一段と激しくなりそうだ。

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7  秋田市長公舎、保育所で“再生”へ  2009/11/11 読売新聞
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住宅街の一角、敷地1500平方m
 空き家になっている市長公舎 秋田市長公舎が来年4月、民間の認可保育所に生まれ変
わる。
 建物の老朽化が激しく、住むには多額の改修費が必要だったことから、市は市長公舎を
廃止。他の利用方法を検討していたが、「保育所」に転用することで、施設の有効活用と
増え続ける待機児童の解消につながると判断した。市長公舎を保育所に転用するケースは
全国的にも珍しいという。(松本健太朗)
 市長公舎は同市保戸野八丁の閑静な住宅街にある木造一部2階建て住宅。24畳の応接
室を含め7LDK、延べ床面積は約242平方メートルで敷地は約1500平方メートル
ある。築39年と古く、今年2月から空き家で、4月に当選した穂積志市長は入居しなかった。
 市は9月、市内の社会福祉法人に対し、利用者を公募したところ、1件の応募があった。
保育所にするには調理室や子供用トイレなどを設置する必要があり、約5600万円がか
かるが、国の補助金などを活用することで市の持ち出しは約1800万円で済み、法人負
担は約100万円のみ。
 建物は無償譲渡され、法人側は土地の賃料として年間約70万円を市に払う。保育所を
運営している限り、無期限で貸す方針。保育所は定員約30人の分園になる予定。
 少子化に伴い就学前児童数は減少しているが、不況下で働く女性が増えたことで、保育
所の待機児童数は増加傾向にある。今年4月、既存の認可保育所の定員を180人増やし
たが、それでも待機児童数は10月1日時点で前年同期比19人増の182人に上る。
 市児童家庭課によると、これまでも既存の施設を増改築するなどして対応してきたが、
定員を超えて受け入れた市の認可保育所は45か所中41か所もあり、「もう限界に達し
ている」。
 そこで市長公舎の活用とともに、市では市内の空き商業施設の調査を実施。空き飲食店、
ビルの空室、一軒家など計55か所をリストアップした。
 市は保育所として活用してもらおうと市内の社会福祉法人に情報提供。保育所を作る社
会福祉法人には、国や市からの助成金で改修費などを出し、待機児童を減らしていく方針だ。
 同課は「働く女性が子どもを預けられることで、安心して子どもを産める環境を整備し、
少子化対策につなげたい」と話した。

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8  富山の「知事公館」廃止へ  2009/11/11 読売新聞
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改修費3千万円「存続させる必要ない」
 富山県の石井知事は10日の定例記者会見で、県の知事公館(富山市舟橋南町、敷地面
積4541平方メートル)を来年3月に廃止する考えを明らかにした。
 1980年後半から、歴代知事が入居しておらず、今後入居する場合、多額の改修費が
かかるため、「金をかけて存続させる必要はない」と判断したという。廃止後は、富山ゆ
かりの作家や文学作品を展示する施設として活用する方針を示した。
 県管財課によると、公館は中田幸吉知事(当時)が任期中の78年12月に建設。公邸
と私邸合わせて総床面積560平方メートルの和風建築で、茶室も備える。
 中田氏が80年9月に急死後、次の中沖豊前知事は入居せず、県は81年から県民に有料
(現在、3時間1150~1970円)で部屋の貸し出しを始めた。石井知事も県庁近く
に自宅があることから、一度も入居していない。同課の調査では、昨年度時点で知事公館が
あるのは全国31道県。知事が入居していないのは富山を含む5県のみだという。
 県は、資料展示施設への活用を、施設の候補地などを検討している委員会に18日に提案
する予定で、委員会や県議会の了承を経て正式決定する見通し。
 石井知事は、「住もうとすると改修費だけで約3千数百万円かかり、入らないことを決め
た」と廃止理由を述べた。そのうえで、「(施設は)県民や観光目的で富山を訪れた人も立
ち寄れる場所がいい。幅広く県民の理解をいただく準備をしていく」と再利用に意欲を示し
た。知事公館は、災害時の指揮所としての機能も兼ねているが、県防災・危機管理課は「知
事は庁舎近くに居住し、いち早く登庁できる。現在、整備中の消防学校に指揮所としての機
能を一部移すことも検討中」としており、廃止による影響はないとの見方を示している。

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9  ごみ処理場跡地、小金井・調布・府中で分割案「良識疑う」不満の声も  2009/11/10読売新聞
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 東京都の小金井、調布、府中の3市にまたがる「二枚橋ごみ処理場跡地」(約1万110
0平方メートル)について、二枚橋衛生組合が来年3月末を予定している解散後、3市に等
面積でわける分割案が、9日開かれた組合議会の組合清算特別委員会で初めて提示された。
 府中市の野口忠直市長は同委員会で、分割後、小金井市への売却も選択肢の一つとして示
しており、小金井、府中2市分の土地に、小金井の新処理場を建設する案が浮上する可能性
も出てきた。
 組合側の説明によると、分割案は、〈1〉可能な限り、自市の市域を割り当てる〈2〉一
区画としてまとめる〈3〉利用しやすいよう東側道路に接する――の3条件をもとに、小金
井に北側、調布に南東側、府中に中央部と西側の各3700平方メートルが割り当てられた。
分割案は10月末、3市長による正副管理者会議でも了承された。
 この日の組合清算特別委員会では、府中の委員らから、「極めて不整形な土地が府中の帰
属になるという話で、良識を疑う。分割後の利用価値について検討されていない」(目黒重
夫・府中市議)などと不満の声が相次いだが、野口市長は「(府中市で)利用しないという
選択肢もある。(府中)市議会でその説明はしたい」と述べ、小金井市への売却も選択肢と
の見解を示した。
 今後、各市の12月議会で、分割案も含め、組合の財産処分、解散に関する協議書が審議
される見通しで、組合解散は山場を迎える。

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10  「あわじ暮らし」いかが?空き家情報など提供  2009/11/10 読売新聞
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移住相談、県民局などが窓口開設
 島暮らし応援のため開設された相談窓口(洲本市民交流センターで) 自然豊かな淡路島
での新生活を応援――。兵庫の淡路県民局と淡路島くにうみ協会は、島内への移住を望む人
の相談を受け、空き家情報や既に移住した人の体験談などの情報を発信する「あわじ暮らし
総合相談窓口」を開設した。
 島内3市やNPO法人などと作った推進会議から各種情報の提供を受け、島に対する<あ
こがれ>から実際の生活への橋渡しをする。
 島内で年間1500人程度の人口減少と過疎・高齢化が進む中、県民局が京阪神地域の約
500人に調査。移住希望先として県内では淡路地域が41%で最高と分かった。だが、3
市やNPOなどが個別対応しており、情報の一元化をと10月に淡路地域・都市と農村交流
推進会議(事務局=淡路県民局)を設置。相談窓口も設け、NPO法人あわじFANクラブ
に運営を委ねた。
 相談は月~土曜日に電話(0799・24・2076、午前9時~正午、午後1~5時)
で受け付け、金、土曜日の午前11時~午後5時には洲本市宇原の市民交流センター内でも
面談(要予約)に応じる。
 相談先を一本化するワンストップサービスで、移住希望者にとって「淡路島は一つ」なの
に窓口はバラバラという不親切さを改善。情報の“前さばき”をして相談者に担当者を紹介
するといい、森正夫・県民局まちづくり課長は「まずは農業体験や古民家宿泊で島を知って
もらい、交流から定住へつなげたい」と話す。
 既に電話相談7件、現地案内2件をこなし、同クラブの赤松清子事務局長は「島内の情報
を集め、いろんな疑問に答え、きめ細かく対応したい」。推進会議は来年、既に移住した人
らも交えたフォーラムも予定している。

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11  鳥取「なまこ壁」独自の装飾性でブームに  2009/11/9 読売新聞
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花柄やレース模様…プロも見学
 しっくいで美しい模様が描かれた「なまこ壁」(大山町平木の土倉、鳥取県提供) しっ
くいの装飾が施された鳥取県内の土倉の外壁「なまこ壁」が、独特な造形美で全国的な注目
を集め始めた。
 県外では格子状のデザインがほとんどだが、県内ではレース模様や花柄など多彩で、今春
から東京の左官業者がツアーを組んで見学に来たり、旅行雑誌が取り上げたり、ちょっとし
たブームに。県も新たな観光資源として生かそうと、8日になまこ壁が多く残る琴浦町で初
めてのフォーラムを開催。なまこ壁の魅力の再発見とPRを本格化させる。
 なまこ壁は、外壁の主に下側に黒い平瓦を張り付け、継ぎ目をしっくいで覆う技法。壁の
耐久性、耐火性を上げる目的で江戸時代に始まり、かまぼこ形に盛られたしっくいがナマコ
を連想させることから、その名が付いた。
 全国各地で見られ、大半は斜めにしっくいの線が走る格子模様だ。ところが、県内の土倉
は様々。中、西部を中心に、瓦を使わず全面を黒しっくいで塗った後、白しっくいで七宝紋
やレース模様を描いたタイプが多く、左官が腕を競う中で独自の装飾性を高めていったらしい。
 なまこ壁の研究家でもある大分県別府市の写真家藤田洋三さんが、建築業界誌で紹介した
のをきっかけに、複数の東京の左官組合が見学で来県。新潮社の雑誌「旅」11月号でも、
日本の手仕事を探訪する企画で取り上げられ、女優の山口智子さんが琴浦、大山両町を訪ね、
「蔵のお化粧」として魅力を紹介している。
 フォーラムは、琴浦町赤碕の赤碕地域コミュニティセンターで午後0時30分から。1年
をかけて県内約300軒の土倉を調査した県と、琴浦町などの共催で、近代建築が専門の藤
森照信・東京大教授が「左官の手技“なまこ壁”」と題して講演。藤田さんらを交えたパネ
ル討論や、20棟余りの土倉が並ぶ琴浦町の光(みつ)集落の見学会もある。
 県景観まちづくり課は「地元でもあまり知られていなかったなまこ壁の素晴らしさを県内
外にアピールしたい」。来年度には全国の左官らを集めた「なまこ壁サミット」も計画中だ。
 フォーラムは、事前の参加申し込みが必要。先着200人で、残席わずか。問い合わせは
同課(0857・26・7390)。

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12  福岡の「簡保センター」跡地、公売不成立  2009/11/9 読売新聞
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宅地開発業者「採算とれない」
 福岡県は6日、公売していた「筑後小郡簡保レクセンター」跡地の民間利用ゾーン(小郡市、
11・7ヘクタール)について、申し込んでいた業者が辞退し、公売が不成立になったと
発表した。
 条件の変更も検討し、再度公売にかける予定。
 対象地域は、西鉄天神大牟田線の三国が丘駅西側にあり、最低落札価格が12億5600
万円。県は宅地としての開発を想定し、8月20日に公売を始めた。
 9月上旬に宅地開発を手がける企業1社から申し込みがあったが、計画書を提出する前
に辞退した。「今の最低落札価格では採算がとれない」との理由だったという。
 県財産活用課は、「価格は妥当なものだと考えているが、不動産市況が冷え込んでおり、
厳しい状況だ。参加がなかった理由を検討し、条件を考えたい」としている。

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13  「北総線」運賃5%値下げへ  2009/11/6 読売新聞
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 5%の運賃値下げで合意した北総線 千葉県などを走る北総線の運賃問題で、森田知事
は5日、来年夏頃までに予定される成田新高速鉄道の開業に合わせ、運賃を約5%値下げ
すると発表した。
 北総鉄道の親会社・京成電鉄と交渉していた国土交通省が提示した調整案を、県と沿線
自治体が了承した。値下げに伴う北総鉄道の減収分として、県と6市2村が年間計3億円、
京成電鉄と北総鉄道も合わせて同額を負担する。
 県交通計画課は、値下げ後は初乗り運賃が現行200円から190円、京成高砂―印旛
日本医大間は820円から780円になると試算している。通学定期の割引率は沿線市村
全域で60%から70%になるが、通勤定期は現行より1%程度の割引にとどまる見通し。
 運賃問題は、北総線を走行する成田新高速鉄道の開業予定が迫ったのを契機に2007
年11月頃から議論が本格化した。今年9月、県と沿線市村は年間計4億円を北総鉄道に
支援し、京成側にも同額の負担を求め、運賃の最低5%値下げなどを目指す内容で合意。
京成側や前原国交相に、この枠組みを了承するよう要請していた。
 しかし、京成側が年間約4億円を負担することに難色を示し、県などが譲歩することに
なった。このため、北総鉄道への支援額は年間6億円になり、値下げ幅は要請より小さく
なる。
 この日、値下げを発表した森田知事は「(国の調整案を)受け入れることで合意した。
もちろん地元市村が十二分に満足する案ではないが、更なる運賃値下げへの大きな第一歩
と考え、これからも働きかけたい」と話し、今後も運賃5%以上の値下げを求める方針を
示した。要請では5年での見直しが明記されていたが、調整案では期限が削除された。
知事は「一応5年と考えている。それでその後、頑張って更なる見直しができたらいいな
と考えている」と述べるにとどまった。

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14  「木を使った町並み」活用策探る…広島・府中市  2009/11/5 読売新聞
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 古い町並みを調査する大学生ら(府中市出口町で) 木のある暮らしをキーワードに地
域づくりを進める広島県の府中市元気再生戦略会議(内田和太会長)は4日、中心市街地
にある歴史的な町並みの活用策を探る調査を始めた。6日まで行う。
 同会議は、市まちづくり振興公社(理事長=石岡勝朗・府中市副市長)の元気再生事業
として8月に市内各種団体などで組織。初日は、調査委託を受けた兵庫県立大環境人間学
部の学生11人と同会議のメンバーら計約30人が、出口町や府中町などで、白壁の古い
木造家屋の様子などを確認した。
 石見銀山(島根県)と山陽道を結ぶ石州街道沿いにあり、商人の往来で栄えた出口町で
は、参加者は木造家屋のなまこ壁やうだつなどを熱心に観察し、調査簿に記入していた。
同学部4年の北谷有加さん(24)は「建具の格子や窓など、木を使った町並みが残って
いるのが新鮮だった」と話していた。

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15  茨城の「協栄工務店」が再生手続き  2009/11/5 読売新聞
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 東京商工リサーチつくば支店は4日、戸建て住宅の分譲やマンション分譲などを手がけ
る協栄工務店(本社・茨城県土浦市)が同日、東京地裁に民事再生手続きの開始を申し立
てたと発表した。

 負債総額は約29億円。
 1975年創業で、県南部を中心に住宅分譲などを展開。2005年4月期には約70
億円の売上高を計上したが、その後は価格競争の激化で収益が悪化し、借入金も膨らんだ。
昨秋以降の不動産市況悪化に伴い、09年4月期は約1億2000万円の純損失に陥るな
ど業績が低迷、自力での経営再建は困難と判断した。

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16  住宅ローン減税、「利用する」が89%住団連調査  2009/11/11 日経産業新聞
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 住宅生産団体連合会(住団連)が10日まとめた住宅ローン減税制度に関する第2回アン
ケート調査報告によると、減税を「利用する」という回答が89.6%を占めた。6月の前回
調査に比べて4.2ポイント上昇。住宅取得時期に与えた影響では「新たに購入を計画でき
た」「計画を前倒しした」が全体の3分の1以上で、ローン減税を契機に建設・取得に踏
み切っていた。住団連では「ローン減税は1次取得者層を中心に下支えとなっている」と
みている。
 利用する減税では長期優良住宅のローン減税が57.8%で最も多く、一般のローン減税が
33.5%、長期優良住宅の投資型減税が8.7%だった。世帯主の年齢層別でみると、20歳代~
40歳代は90%超がローン減税を利用すると回答した。

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17  REIT、7~9月の物件取得ゼロ 民間調べ  2009/11/11 日経産業新聞
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 不動産投資信託(REIT)の7~9月の物件取得がゼロだったことが東急不動産の集
計で分かった。四半期ベースで物件取得がなかったのはJ―REIT市場創設以来初めて
だという。
 多くのREITが投資法人債の借り換えといった資金需要期を控えて、新規の物件取得
に消極的な姿勢になったとみられる。

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18  全国賃貸保証業協会、悪質な家賃滞納者をデータベース化  2009/11/11 日経産業新聞
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 悪質な家賃滞納者を見分ける情報データベースが始動する。賃貸住宅の家賃保証会社が
参加する全国賃貸保証業協会(東京・港)は10日、来年2月にデータベースを構築し、
情報の収集を開始すると発表した。1年~1年半後をめどに、保証時の与信情報として活
用できるようにする。
 保証会社が滞納分の家賃を入居者に代わって弁済した履歴をデータベースに蓄積し、入
居申込時に照会する仕組み。保証会社による弁済履歴のほかに、氏名や生年月日、携帯電
話番号などの個人情報も登録する。

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19  カワムラ、太陽光発電付き新築住宅をネットで受注  2009/11/10 日経産業新聞
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 【旭川】住宅メーカーのカワムラ(北海道旭川市、川村純一社長)はインターネットで
太陽光発電を備えた新築住宅を注文できるサービスを始めた。融資手続きや土地探しなど
は顧客に任せ、コストを抑えて、割安な価格で販売する。年間30戸程度の受注を目指す。
 開発・運用を始めたシステムは「いえせるふ」という名称。同社ホームページから閲覧
でき、間取り(3種類)や色(3色)、建設地などを選ぶと、見積金額が確認できる。最
安の延べ床面積88平方メートルの2LDKタイプ(2階建て)で1349万円。建築以外の手
続きは原則として顧客に任せ、設備・仕様もパッケージ化して、従来より50万円安くした。

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20  東急電鉄、沿線に高齢者専用マンションを展開  2009/11/10 日経産業新聞
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 まず大井町線で 東京急行電鉄は2010年度以降、高齢者専用マンションを沿線に集中展
開する。まず来年9月に大井町線沿線に165室のマンションを新設。その後は年1棟のペ
ースで開発を進める。東急沿線では高齢化が進む地域があるため今後、住み替え需要は高
まると判断した。高齢者の持ち家の売却を仲介するなどでグループ会社も支援する。
 現在、大井町線の大岡山駅から徒歩3分前後にある東急グループの病院跡地に約70億円
をかけ、高齢者専用マンションを建設中。敷地面積は約9800平方メートル。要介護者の専
用部屋を含め1部屋の広さは50~150平方メートルで、散策用に庭や池もつくる。

2009-11-12 | Posted in 住宅関連新聞記事Comments Closed