住宅関連新聞記事ダイジェスト No.314 2009/12/17~2009/12/23

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【日本経済新聞】
1  住宅ローン返済困難時、賃料収入で返済OK

【朝日新聞】
2  追い出し屋被害、家主にも賠償責任 姫路簡裁判決
3  火災保険料区分、1月から簡素化 構造次第で大幅アップ
4  厚さ2.5センチ 業界最薄の火災報知機発売
5  非課税枠1500万円で最終調整 住宅取得資金の贈与税

【読売新聞】
6  空き家の古民家、“借り手”探して活性化…姫路
7  「持ち家着工」埼玉で13%減、ローン助成も不発
8  東京の100年、地図の上で“体感”
9  マンションに食材宅配、オリックスが新サービス
10  パナソニック社長「家庭用蓄電池、実用化目指す」
11  坂の町・尾道、「空き家バンク」が風情守る
12  高島平団地を再び元気に!留学生の入居促進で
13  耐震診断にネット画像活用、県立高が防災計画作成へ
14  都心近くの「タヌキの森」、住民ら復元目指す
15  7割完成のマンション、最高裁「建築確認違法」
16  地元産木材でエコ住宅、熊本の事務所に農水大臣賞 
17  米の住宅着工数、2か月ぶりプラスに

【日経産業新聞】
18  アキュラホーム、低価格住宅の品ぞろえを拡充
19  ハザマ、衛星使い盛り土管理 基準局を不要に
20  パナホーム、間取り変更しやすい住宅 太陽光発電を標準化
21  アルカス「シェアハウス」を展開 空き家改修し1部屋ずつ賃貸
22  KDDI、低層集合住宅向け光回線サービス

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1  住宅ローン返済困難時、賃料収入で返済OK  2009/12/19 日本経済新聞
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 住宅機構が新制度 住宅金融支援機構は18日、住宅ローンの利用者が所得の低下などで返済が困難となった場合、所得が回復するまで住宅を賃貸し、その賃料収入を返済に充てられる制度を導入すると発表した。2010年1月中旬から実施する。
 機構の資金で賃貸住宅を建設し、返済が難しくなった場合、最長5年間利息のみを支払えばよい制度も18日から開始した。

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2  追い出し屋被害、家主にも賠償責任 姫路簡裁判決  2009/12/22 朝日新聞
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 家賃の未払いを理由に「追い出し屋」被害を受けたとして、借り主の男性(53)が兵庫県姫路市の不動産管理会社「姫路リアルティー」と家主に140万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が22日、姫路簡裁であった。近藤哲裁判官は同社によるドアロックなどを不法行為とし、家主側の使用者責任も認定。双方に慰謝料など計40万5千円を、男性に6カ月余りの滞納家賃など36万円の支払いを命じた。
 男性側代理人の「全国追い出し屋対策会議」によると、同様の訴訟で、管理会社と「追い出し行為を直接していない」家主の賠償責任を認めた判決は初。政府は次の通常国会に追い出し規制法案(通称)を提出する方針で、国会審議に影響を与えるとみられる。
 判決によると、男性は2003年、姫路市内で家賃5万8500円のアパートに入居。滞納を続けたため、家主は管理会社に委任し、同社従業員が08年6月と09年5月、玄関ドアの鍵穴にカバーをかけるなどし、計23日間閉め出した。
 家主側は管理会社に「違法な行為を委託していない」と主張したが、判決は「家主が取り立てなどを個別に委任した結果、管理会社が追い出しを図った」と退けた。同社は「担当者がいないのでコメントできない」としている。

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3  火災保険料区分、1月から簡素化 構造次第で大幅アップ  2009/12/21 日朝日新聞
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 損害保険各社は来年1月から、火災保険料の区分を改定する。これまでは住宅の燃えにくさ(耐火性)を4段階に分けていたが、3段階に減らし、審査方法も簡単にする。商品を複雑にしすぎて保険料取りすぎ問題を起こした反省を踏まえた改定だが、住宅構造によっては保険料が大幅に上がる場合もあるという。
 火災保険の保険料をはじくための参考データをまとめている「損害保険料率算出機構」が新区分を打ち出したのにあわせ、各社が改定する。1月1日以降の新規の契約や更新の時に適用される。既存契約の保険料は、満期まで変わらない。
 従来は柱、屋根、外壁などのそれぞれについて耐火性を調べ、建物全体の耐火性が高いとされる順に、A~Dの四つに分けていた。改定後は原則として柱の材質を基準にし、耐火性が高いとされる順に、M、T、Hの三つに分ける。いずれも耐火性が高いとされるほうが保険料が安い。
 従来A区分だったマンションは、ほぼM区分に移り、保険料は、業界平均でみると横ばいの方向という。しかし、従来のB、C区分は、いずれもT、H区分の双方に移る可能性があり、保険料が大きく上下する場合が出てくる。
 「軽量気泡コンクリート(ALC)」を壁材に使う住宅は、柱は木造でも壁に耐火性があるとされてB区分だったが、改定後はH区分になる。ある大手損保では、東京都内の物件で保険金額2千万円なら、保険料金が年約1万9千円から約3万4千円に上がる。約8割の値上がりだ。
 各社はBからHに移る既存契約の更新に限り、値上げ幅を最大4割程度に抑える措置を取るが、新契約は対象外。そこで、外資系のAIU保険が、ALC住宅の新契約でも値上がり幅が3割程度ですむ保険を売り出すといった動きも出ている。
 一方、柱がコンクリートや鉄骨でB区分だった建物では、従来は外壁の耐火性などにより区分内でも保険料に差があった。だが、改定後はT区分として統一され「総じて保険料が下がるケースが多い」(損保大手)という。また、木造の柱が耐火処理されていれば、従来のCからT区分になる建物があるという。

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4  厚さ2.5センチ 業界最薄の火災報知機発売  2009/12/20 朝日新聞
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東芝ライテックが発売した業界最薄の火災報知機
 東芝ライテックは、業界最薄となる小型の住宅用火災報知機「なるるミニ」を発売した。直径が9cm、厚さが2.5cmで、従来製品より4割近く薄くした。煙を感知すると、大音量の音声アナウンスで火事を知らせる仕組み。希望小売価格は5670円(税込み)。

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5  非課税枠1500万円で最終調整 住宅取得資金の贈与税  2009/12/18 朝日新聞
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 鳩山内閣は18日、住宅取得資金向けの生前贈与にかかる贈与税の非課税枠を現行の500万円から1500万円に拡大する方向で最終調整に入った。景気対策として、冷え込みが続く住宅市場へのてこ入れが必要と判断した。
 贈与を受ける世帯に年2千万円までの所得制限を設けるなどして、対象者を絞り込む方向。「金持ち優遇」との批判をかわす狙いだ。
 現行の非課税枠は、麻生政権が今年4月に決めた経済危機対策に盛り込まれた。しかし、住宅着工戸数は最近も大幅な前年割れが続いている。
 このため国土交通省は非課税枠を2千万円に広げるよう要求。前原誠司国交相は今月上旬、朝日新聞の取材に対し「7千億円の内需効果が見込める」と述べていた。鳩山内閣が今月まとめた緊急経済対策には「来年度税制改正で住宅投資促進に資する贈与税の措置を講じる」との項目が盛り込まれた。
 ただ、親から子に資産を渡す際の課税が少なくなれば格差の固定化につながる、といった異論も強く出ている。

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6  空き家の古民家、“借り手”探して活性化…姫路  2009/12/23 読売新聞
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 昭和初期に建設され、バンク登録第1号の古民家(姫路市元町で) 使われていない古民家や町家を、城下町の町並み保存や地域活性化に役立てようと、兵庫県姫路市は12月から、空いている市内の古民家などを登録し、借りたい人に紹介する「古民家・町家情報バンク」を始めた。
 登録はまだ同市元町の1件だけだが、市は「来年3月までに5軒は登録したい」としている。
 「城下町の再生」を掲げる市が2006年度に行った調査では、野里など市中心部3地区で120軒の古民家を確認。「平成の大合併」で市域が安富町など山間部や島しょ部の家島町にも広がり、眠っている古民家も多いとみられる。
 バンクの登録対象は、伝統的な工法で建てられ、50年程度経過した建築物。市の担当者が登録希望の古民家や町家に出向いて築年数を調べたうえで、NPO法人「ひょうごヘリテージ機構ひめじ」の建築士が構造や面積などを調査する。
 市は、調査結果に基づいて物件情報シートを作成し、家屋の写真付きでホームページで公開。補修や売買・賃貸契約は、物件所有者や管理する不動産会社に任せる。
 市によると、町家や古民家は「日本家屋の伝統を感じ、落ち着く」などの理由で、30~40歳代の女性らに人気がある。カフェなどに再生されることも多く、市には、居住や利用目的で「空き物件はないか」との問い合わせが月に数件あるという。
 市の担当者は「歴史的な資源を守り、景観保全につなげたい」と話している。問い合わせは市都市計画課(079・221・2541)へ。

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7  「持ち家着工」埼玉で13%減、ローン助成も不発  2009/12/22 読売新聞
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 今夏に実施された埼玉県の住宅ローン助成制度利用者のうち、助成を受けて新たに住宅建築を計画した人は1割ほどにとどまっていることが、県のアンケート調査で分かった。
 住宅需要の喚起を狙ったが、“期待外れ”に終わったようだ。
 助成制度は、県と民間金融機関が提携した住宅ローンを利用し、戸建て住宅を建てる人を対象に、5年間で最大100万円を補助する仕組み。3月末に制度を決定したのに、6~8月の着工を条件としたため、当初から「建築を決めている人へのボーナスになるだけ」(県内業者)との指摘があった。
 アンケートは、制度利用者1955人中1523人が回答。制度が住宅建築に与えた影響を聞いたところ、「新たに計画」と答えた人は11・4%。「計画前倒し」が22・2%、「当初の計画通り」が59・4%と最も多かった。着工を遅らせた人も5・7%いた。
 県は県内経済への波及効果を約741・5億円と試算していたが、新たに計画した人に限ると約79億円、前倒しした人を含めても約237億円にとどまる。国土交通省のまとめでは、6~9月の県内の持ち家住宅着工件数は、前年度比で13・3%減。東京(2・5%増)、神奈川(7・8%減)、千葉(10・0%減)と比べ、下げ幅は大きい。
 県によると、最終的な助成制度利用者は1970人で、平均工事費は約2420万円。請負企業は県内63%、県外37%だった。県住宅課は「緊急経済対策として一定の効果はあった」としている。

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8  東京の100年、地図の上で“体感”  2009/12/22 読売新聞
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 読み取り装置で地図に触れると、手元の画面に異なる時代の地図が表示される「時空ナビ」 あなたの住んでいる街の100年前の姿を知っていますか――。財団法人日本地図センター(東京都目黒区)などは、明治時代以降の都内の地図や航空写真を、簡単に見比べることができる展示物「時空ナビ」を制作した。
 24日まで、世田谷区の日大文理学部百周年記念館(桜上水3)で開催中の学術展「江戸・東京発達史」で公開している。
 日本地図センターは、国土地理院が発行する地図の販売や、調査研究などを行っている。「時空ナビ」は、縦12メートル、横11メートルの明治初期の東京の地図の下に、位置情報を記憶させたICタグが敷き詰められている。棒状の読み取り装置で足元の地図に触れると、手元のノートパソコン画面に、同じ場所の明治から現在までの7種類の地図や航空写真が表示される。東京湾に浮かぶ砲台に触れれば、埋め立て地に並ぶ商業施設が登場し、海の近くの寺に触れると、東京タワーが現れるなど、「時空を超えた空中散歩」が楽しめる趣向だ。
 同センター地図研究所の津沢正晴所長は「異なる時代の地図を見比べると、その街の歴史がわかり面白い。ICタグに商品情報を記憶させておけば、商業施設の案内図などへの応用も可能だ」と話していた。
 学術展は、平安時代以降の絵図や地図、写真約430点で、東京の移り変わりを紹介する。戦時中に米軍偵察機が撮影した各地の航空写真も展示している。入場無料。午前10時~午後5時。問い合わせは同記念館(3329・1151)へ。

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9  マンションに食材宅配、オリックスが新サービス  2009/12/21 読売新聞
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 オリックス不動産は19日、ネット通信販売のオイシックスと提携し、オリックスグループの賃貸マンション入居者向けに、有機野菜などの食材を宅配する優遇サービスを始めることを明らかにした。
 所得減や地価下落で賃料の値下げ競争が激化していることから、新たなサービスで他社との差別化を図るのが狙いだ。大手の賃貸マンションでは初の試みといい、対象となる東京・西池袋の高層マンション「ウェストパークタワー池袋」の5戸で既に入居者募集を始めている。反響を見ながら、今後、対象物件を拡大する。
 入居者は、オイシックスが用意する有機野菜や産地直送の魚介類、無添加加工食品などの食材約2600品から好きな品を選んでネットで注文。オリックス不動産は月額1万円を上限に2年間、食材の購入費を負担する。

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10  パナソニック社長「家庭用蓄電池、実用化目指す」  2009/12/21 読売新聞
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 パナソニックの大坪文雄社長は、三洋電機の株式公開買い付け(TOB)後、初めて読売新聞のインタビューに応じた。
 大坪社長は「(住宅で使う電気をためておける)家庭用蓄電池で最初に市場に打って出る」と述べ、2011年度ごろに、1週間程度の電気をためておくことができるリチウムイオンの蓄電池の実用化を目指す考えを示した。
 大坪社長は「家庭用蓄電池できちんとした試作品を出しているのは当社と三洋だ。CO2排出ゼロの暮らしを実現するのに最も近い位置にいる」と述べた。パナソニックは、三洋の子会社化を機に蓄電池の開発を加速させ、家庭で使っている電気の使用状況がテレビ画面で確認できるシステムなどと一緒に売り込みたい考えだ。
 住宅用の太陽電池や燃料電池は、発電はできるが電気をためておくことができないため、蓄電池の開発が急務になっている。
 パナソニックはTOBで三洋株の50%強を取得した。売上高の合算(10年3月期見込み)は8兆6600億円で、国内首位の日立製作所と肩を並べる。

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11  坂の町・尾道、「空き家バンク」が風情守る  2009/12/20 読売新聞
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 広島県尾道市中心部の千光寺山などの斜面に空き家が増え続け、<坂の町>の風情ある町並みが損なわれると懸念されている問題で、市が入居の促進策として、NPO法人「尾道空き家再生プロジェクト」(豊田雅子代表)に委託して再スタートした空き家紹介事業「空き家バンク」が好調だ。
 NPOが事業を受託して16日で1か月となるが、50件以上の問い合わせがあり、20日には賃貸契約の<第1号>が成立する見通しとなった。
 空き家バンクは、市が2002年6月に始めたが、約5年間で資料の閲覧は約400件、契約成立は11件と低調で、07年6月以降は公開物件がなくなり、休止状態となった。その後も空き家が増え続けたため、市は空き家の修復や紹介で実績のある同NPOのノウハウを活用しようと、新たに集めた空き家情報56件の紹介を委託して再稼働させた。
 同NPOでは、事務所で空き家情報を公開する受託業務とは別に、建築士らと15軒程度の空き家を巡り、家主の了解を得た建物は内部も見学出来る「空き家巡りツアー」を企画。11月23日に土堂地区、12月13日に長江地区で実施したところ、福山、三原市内を中心に、京都府、兵庫県など遠方からも含め計40人が参加した。移住を希望する20、30歳代の若者が多く、50、60歳代の参加者からは「別荘として利用したい」という要望もあったという。
 空き家バンクの再稼働後は、空き家を持て余している家主から「このままだと家の傷みが早い。ただでもいいから誰かに住んでほしい」などと登録を希望する声も7件寄せられたという。
 豊田代表は「尾道の坂の町で暮らしたいと願う人が多く、その一方で、空き家を管理しきれずに貸したいと考えている人もいることを実感した。双方の顔が見える形で、人と家をつなぎ、坂の町ににぎわいを取り戻したい」と話している。
 空き家バンクの問い合わせは、同NPO(080・5624・5067)。

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12  高島平団地を再び元気に!留学生の入居促進で  2009/12/19 読売新聞
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 少子高齢化が進む東京・板橋区の「高島平団地」で、留学生の入居を進めるなどして活気を取り戻そうという試みが動き始めた。
 住民たちは「街を再生する足がかりにしたい」と願っている。(渡辺光彦)
 同団地は1972年の入居開始当時、若い夫婦が次々に住み、今は子供が独立した高齢者世帯が多い。区の高齢化率は11月1日時点で19・89%だが、タウン紙「高島平新聞」社長の村中義雄さん(68)が住民基本台帳を調査したところ、同団地に限ると35%を超すという。住民同士が、家事や簡単な大工仕事を助け合う組織はあるが、若者が団地に少ないため、地元住民は「高齢者が高齢者を助けているのが実情」と話す。
 そこで、住民有志と有識者が今年3月、団地活性化を目指して街づくりグループ「高島平総研」を作った。現在、外国人看護師の育成に取り組む区内のNPO法人と日本語学校が、「日本で看護師を目指す中国人留学生を団地に入居させたい」と申し出ており、総研が都市再生機構との間に立って協議を進めている。
 来春の入居を目指しており、総研メンバーで大東文化大元教授の山本孝則さん(60)は「留学生は日本人と触れあえるし、団地の高齢者にとっては若者と交流でき、簡単な健康相談にも乗ってもらえる」と期待している。
 また、専修大で街づくりを学ぶゼミの学生20人余りは9月、総研の案内で団地の実情を調べた。ほかにも、「高島平で、高齢化した団地の活性化策を研究したい」という研究者がいるという。
 総研事務局長の住民、堀口吉四孝(よしたか)さん(60)は「様々な人に団地の活性化にかかわってもらいたい。小さな積み重ねを次第に大きな流れにし、団地全体を元気にしたい」と話している。

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13  耐震診断にネット画像活用、県立高が防災計画作成へ  2009/12/19 読売新聞
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 住宅の耐震診断などに取り組む千葉県立市川工高(市川市)の耐震研究班は、地元の平田町会と街ぐるみで耐震診断を進め、防災・支援計画を作ることになった。
 効率的な耐震診断のため、日大理工・生産工学部(習志野市)の研究する最新技術「ネット目視診断法」を活用。データを基に現実的な計画を練る。関係者は「全国のモデル例を目指したい」と意欲を見せる。
 平田地区は、JR本八幡駅西側にある。住宅や商店などが密集しており、世帯数は3700に上る。大地震では被害の拡大が予想され、町会は今春、耐震研究に取り組む町内の市川工高に独自の防災・支援計画策定を相談した。
 綿密な計画策定には、全世帯の耐震診断が欠かせない。しかし、1棟あたりの精密診断は約3時間、簡易診断でも30分はかかる。研究班を指導する日大理工学部の八島信良・非常勤講師はインターネットの街並み画像の活用を思い付いた。
 通常の診断は現地で行うが、ネット目視は画像に映る建物外観の壁、窓、ドアなどの割合を基に倒壊の可能性を判定する。画像情報に限られ、耐震性を数値にした「必要耐力」の正確な算出が困難な欠点もあるが、200棟なら約3時間と時間効率は向上する。
 ネット目視の後、現地診断を行う検証作業を重ねたところ、倒壊予測家屋はいずれの診断でも一致した。研究班は9月、平田地区の135棟を対象にネット目視を実施。8人での診断は約2時間で終わり、倒壊予測は28棟とした。

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14  都心近くの「タヌキの森」、住民ら復元目指す  2009/12/18 読売新聞
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マンション建築確認違法、建設会社「被害者の気分」
 豊かな緑が残る東京・新宿区下落合の「タヌキの住む森」と呼ばれる一角で建設中のマンションについて、最高裁が17日、区の建築確認を違法として取り消した。
 都心近くの緑の保護を訴えてきた原告の住民らは、この日の記者会見で「伐採された緑を復元したい」と話した。一方、敗訴した区は「違法建築になったので、建設会社を指導する」と言葉少な。都心のタヌキたちのすみかは、これからどうなるのか――。
 建設現場はJR目白駅から西へ約500メートルほどの高台で、目白通りと新目白通りに挟まれた場所にある。以前は古い住宅と屋敷森で、近くに区立下落合野鳥の森もあり、タヌキや貴重な野鳥が生息している。住民らによると、最近も路上や民家の軒下を歩くタヌキが目撃されているという。
 マンション建設計画が持ち上がったのは2004年11月。建設会社が土地を買い取り、3階建て約30戸の集合住宅を建てる計画を示した。これに対し、地元住民は翌年、森の保全を求めて「下落合みどりトラスト基金」を設立。森の買い取り資金を集めて区立公園にするよう区に働きかけた。
 しかし、集まった資金は建設会社が提示した10億5000万円に届かず、同社は06年、区の建築確認を受け、着工に踏み切った。建設地の樹木は伐採された。今回の訴訟は、こうした中、近隣住民が起こしたものだった。
 判決後、霞が関の司法記者クラブで記者会見した、基金の事務局長で原告の武田英紀さん(44)は、「地域住民の住環境が守られた。この地域にはタヌキやたくさんの自然が残されており、後世に残す一歩を踏み出したと言える」と語った。今後、改めてトラスト活動で買い取り資金を募る考えで、「区は知恵を出してほしい」と求めた。
 同席した基金の会計担当、森山崇さん(63)も、「最終的に公園になるまで努力していく」と話した。
 ただ、判決を受けて建設中の建物は取り壊す必要などが出てきたものの、実際にどうなるかは不透明だ。
 マンション建設は7割ほど進んでいるが、東京高裁で住民側が勝訴した昨年1月以降、停止している。建設会社は区に損害賠償を求める構えで、同社の役員は「区が建築確認を出したのに、こんな判決が出るとは。被害者のような気分だ」と戸惑った様子で話した。
 これに対し、区建築指導課は「現状で違法建築物になったので、建設会社に今後改めるよう指導していく」と話すだけ。住民と今後のことを話し合うかどうかは「未定だ」としている。
 記者会見後、住民の一人は「区は業者と交渉し、解決策を見いだしてほしい」と話した。

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15  7割完成のマンション、最高裁「建築確認違法」  2009/12/18 読売新聞
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 森を伐採し建設が進められたマンション(17日午後、東京都新宿区下落合で、読売ヘリから)=松田賢一撮影 東京都新宿区で建設中の3階建てマンションを巡り、周辺住民が「安全性に問題がある」として、区に建築確認の取り消しを求めた訴訟の上告審判決が17日、最高裁第1小法廷であった。
 宮川光治裁判長は「マンションの建築確認は違法だ」として、建築確認を取り消した2審・東京高裁判決を支持し、原告勝訴の判決を言い渡した。マンションは本体工事を終えるなど7割方完成しているが、建築確認が取り消されたため、建物を取り壊すなどの措置を取る必要が出てきた。
 国土交通省などによると、工事が進んでいる大型建築物の建築確認が取り消されるのは極めて異例。
 問題となったのは、千葉市の建設会社が同区下落合で建設中の地上3階地下1階建てのマンション(約30戸、延べ床面積約2820平方メートル)。周囲ががけなどに囲まれ、西側に長さ約34メートル、最小幅約4メートルの通路だけで外部の道とつながっている。
 判決によると、都建築安全条例では、延べ床面積が2000平方メートルを超える建築物は幅8メートルの通路が必要だが、区長が安全だと認める場合には例外とする規定がある。新宿区はこの例外規定を適用した上で、2006年7月に建築確認をした。
 1審・東京地裁は08年4月、「提訴できる期間を過ぎている」として訴えを退けたが、同高裁は今年1月、「マンションの敷地は周囲ががけになっており、通路以外で避難できない。災害時の避難に支障がないとする区長の判断は合理性を欠き違法」と請求を認めた。

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16  地元産木材でエコ住宅、熊本の事務所に農水大臣賞  2009/12/17 読売新聞
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 幸山市長に受賞を報告する村上さん(右)ら 環境に優しいエコ製品やサービスを表彰する「エコプロダクツ大賞」のエコサービス部門で、地元工務店の手による熊本の県産材を使った「地産地消」の住宅づくりを推進している熊本市の1級建築士事務所「有限会社ロクス」(村上尊宣・代表取締役主宰)が、大賞の一つ、農林水産大臣賞に輝いた。
 従業員9人の小さな会社が、大企業と肩を並べる快挙を果たした。
 同大賞は、財団法人「地球・人間環境フォーラム」(東京)などの団体でつくる協議会が、環境負荷の低減に配慮した製品やサービスを普及させることを目的に2004年から表彰している。大臣賞にはこれまで、トヨタの「プリウス」、三洋電機の乾電池型の充電池「エネループ」など、名だたる商品、企業が選ばれている。
 ロクスは全国の工務店などと提携し、二十数社で「チームエコウィン」を結成。これまでの住宅のあり方を見直し、省エネルギーで環境に配慮した住宅を供給する仕組みづくりに取り組んだ。
 県産木材を使用し、大手と同レベルの技術を導入して耐震性を強化、独自の空調システムで健康的な室内環境を保つことができる住宅「ハイブリッドエコウィンハウス」を開発した。
 県産木材を使うことで、材料輸送などに伴う二酸化炭素の排出を大幅に削減。高品質で、地域での建築技術の継承や経済の活性化にも貢献している点が高く評価された。
 村上さんらは15日、熊本市役所を訪れ、受賞を幸山政史市長に報告。村上さんは「大手企業とともに受賞したことは、大変励みになった。今後も取り組みを進めていきたい」と語った。
 幸山市長は「心強く誇りに思う。取り組みが地域の活性化につながるよう行政として応援したい」と話した。
 ロクスの関連会社で、村上さんが社長を務めるエコファクトリーが開発した冷暖房装置「エコウィン」は07年、同大賞・エコプロダクツ部門で国土交通大臣賞を受賞している。

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17  米の住宅着工数、2か月ぶりプラスに  2009/12/17 読売新聞
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 【ニューヨーク=池松洋】米商務省が16日発表した11月の住宅着工件数は季節調整後の年率換算で前月比8・9%増の57万4000戸と2か月ぶりのプラスとなった。
 先行指標となる住宅着工許可件数は同6%増の58万4000戸と3か月ぶりのプラスとなった。米政府による住宅購入促進策が来年春まで延長されたことが市場を押し上げた。

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18  アキュラホーム、低価格住宅の品ぞろえを拡充  2009/12/22 日経産業新聞
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 床面積や収納増 注文住宅のアキュラホーム(東京・新宿、宮沢俊哉社長)は低価格住宅の商品ラインアップを拡充する。550万円の木造住宅「新すまい55」はこれまで2種類しかなかったが、来年1月から10種類に増やし、価格帯も550万~710万円に拡大。対象とする世帯人数も増やす。デフレ傾向が強まるなか消費者からの反響が大きいためで、これまで住宅購入を検討していなかった顧客をつかむ商品群として育てる考えだ。
 既存の2商品に加えて平屋で2つ、2階建てで6つのプランを追加する。間取りは1LDKと2LDK。延べ床面積は約48平方メートルから約73平方メートル。最大で既存商品より約5割広げた。3人世帯まで対象とする。顧客の要望の多かった収納空間を拡大。狭小間口対応の都市型に加えて、間口をゆったりと構えた郊外型も用意した。

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19  ハザマ、衛星使い盛り土管理 基準局を不要に  2009/12/22 日経産業新聞
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 ハザマはGNSSという衛星航法を使い、道路などの盛り土工事の品質を管理するシステムを開発した。情報化施工の1つで、盛り土を締め固めるローラーの位置座標を基にGNSSを活用して締め固め回数を管理できる。位置座標を把握するための基準局も不要にした。
 すでに秋田県内の工事で実施しており、大型の盛り土工事を中心に適用を増やす。

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20  パナホーム、間取り変更しやすい住宅 太陽光発電を標準化  2009/12/18 日経産業新聞
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 パナホームは、家族構成の変化に合わせて間取りの変更がしやすい省エネ住宅「NEW『エルソラーナ』」を来年1月2日に発売する。30代の顧客を対象に、子どもの成長に合わせて部屋の仕切りを変えやすい設計にした。太陽光発電装置を標準搭載し、省エネ化も進めた。
 オール電化仕様にすると、延べ床面積128平方メートルの場合、年間の光熱費は既存の木造住宅に比べて31万5000円節約できるという。室内の発電モニターで発電量や使用量を確認することもできる。子どもが幼児期までは親子一緒の寝室にして、小学校に入学すると間仕切りを設けるなど、子どもの成長に合わせて部屋の設計を簡単に変えられるようにした。価格は「エルソラーナS」の場合、延べ床面積112平方メートルで1891万円。

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21  アルカス「シェアハウス」を展開 空き家改修し1部屋ずつ賃貸  2009/12/18 日経産業新聞
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 【富山】建築、不動産のアルカスコーポレーション(富山県南砺市、岩崎弥一社長)は来年秋までに、空き家となった戸建て住宅をリフォームして1部屋ずつ賃貸する事業を始める。キッチンや風呂などの設備を共用にして複数の人が1つの家で暮らす「シェアハウス」を展開し、不況下で家賃を抑えたい若者らに入居を促す。
 和室を独立した洋室に模様替えしたり、共用スペースにテレビや冷蔵庫、ソファなどを置いたりして一緒にくつろげる空間をつくる。各部屋でブロードバンド(高速大容量)の無線LAN(構内情報通信網)を使え、1人ずつ利用できるポストも設置する。

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22  KDDI、低層集合住宅向け光回線サービス  2009/12/17 日経産業新聞
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 長期契約不要に KDDI(au)は16日、最大通信速度が毎秒1ギガ(ギガは10億)ビットの光ファイバー通信回線を使った低層集合住宅向けインターネット接続サービスを2010年1月6日に始めると発表した。ネット接続の月額料金は5250円とADSL(電話線を使ったデジタル高速通信)並みで、2年間の契約は不要。転勤族や学生らが加入しやすい条件をそろえた。
 新サービス「auひかり マンションミニ ギガ」は3階建て以下の集合住宅が対象。当初は東京・神奈川・埼玉・千葉の1都3県の一部地域で提供を始める。初期費用は一括払いの場合は1万5750円、12回の分割払いの場合は月額1312.5円となる。

2009-12-24 | Posted in 住宅関連新聞記事Comments Closed